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◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ  経営セミナー2018を開催 「~顧客に必要とされるパートナーとなることを目指して~ 激動の時代に、印刷会社の後継者として奮闘した10年を振り返る」をテーマに

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社(以下、FFGS)は、1122日、「~顧客に必要とされるパートナーとなることを目指して~激動の時代に、印刷会社の後継者として奮闘した10年を振り返る。」をテーマに、『経営セミナー2018』を開催した。講師には株式会社エクシードの出口淳専務取締役を招き、出口氏が断行した印刷業務改革、事業見直しによる収益改善へり取組み、案件の選考管理の手法の導入など、山積していた課題を解決し会社を立て直した話を聞いた。

冒頭、FFGSの藤嶋常務執行役員が来場者にお礼を述べた後「出口専務はさまざまな改革に取組み、結果を出されている。参加されている皆様のこれからの経営の参考になるものと思う」と挨拶を述べた。

 ㈱エクシード(福井県坂井市)は、商業印刷から出版、販促、情報加工などを事業展開する総合印刷会社である。出口氏が尊父の経営する同社に取締役として入ったのは11年前だった。当時の会社は「受注した仕事の情報が非共有のフローでムダが散見していた。また、3S(整理・整頓・清掃)活動は他人任せだった。ルールと教育がされず重要案件でミスが繰り返された。生産管理課は仕事を流すだけで精一杯、ポストプレスの生産計画は行き当たりばったりだった」と惨憺たる状況だった言う。

 
    講演する出口専務

 経営課題では、ドンブリ勘定・製造・営業、低付加価値・低生産性、「はたらく軸」の欠如の3つを掲げ、これらを解決していくことに挑戦した。

出口氏は、最初にMISを導入し、重複業務の廃止に着手。営業マンが一元で入力するようにし、収益管理や情報共有化を図ったとのことだが、当初は上手く機能せず、浸透するのに時間が掛かったと言う。

 

5Sを起点に山積する課題に次々と取組む

 

次に取り組んだのが、全員で5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を行うための5S委員会の設置であった。「だが、5Sを実現するための道のりは険しく一筋縄ではいかなかった。じっくりと確実に進めて行った結果、1年半ほど掛かって5Sが行えるようになった」。また社員が重要案件でミスが絶えなかったため、案件の重要性を気づかせることに取り組んだ。「社員が全力で力を発揮して伸ばしていかないと、後輩に影響を及ぼすことになる。責任世代としては将来世代に少しでも立派な会社にして引き渡したいという想いで、いろいろな課題に着手した」と、出口氏は当時の心境を振り返る。

とにかくルールが守れずミスが噴出していたので、全社員を対象にディスカッションを繰り返し行い、問題点を洗い出した。そして、全体最適化のための教育が不可欠と分かり、講師を招いて座学を定期的に行ったという。

営業について「営業マンは製造の仕事内容を知らないまま見積り書や作業指示を作成していたため、印刷・製本の現場とかい離していた。そこで営業と現場のコミュニケーションを活発化させて、営業マンに現場の実情を理解させることにした」と、営業と現場の意見交換を行い改善していった。

また、DTP部門も営業とコミュニケーションを図り、DTP作業で最も時間が掛かっている部分はどこなのか、作業内容を明確にした。「案件ごとにDTPの標準作業時間を割り出し、営業マンにはDTPのタスクの種類を理解させて、正確な見積りや入稿の仕方を改善させた」と言う。

 

予材管理という先手管理を実践

 

 販売部門の改革では、「コト売りをしていくことに重点を置いたコト売り支援隊を設けて営業マンに同行させた。しかし、これではコト売り隊の数名だけが提案力を身に付ければ良いということで、受注案件が伸びていかないため、営業マン全員の提案力を底上げすることにした。高付加価値の高い受注単価が取れる営業を目指した」。

 そこで予材管理という先手管理の手法を取り入れ、営業日報を廃して予材管理表を導入した。「これは例えば、1カ月の目標が1,000万円とすると、倍の2,000万円分の案件のネタを保持しておけば、いくつか案件が失注したとしても、悪くても目標の1,000万円は達成できるという保険をかける考え方である。閉めてから売上がいくらだったという考えから先手管理で行っていくことにした」とのことだ。

 また人材育成では、社員にいろいろな外部研修を受けさせているほか、現在は同社の業務に特化した社内検定制度を整備している。「これまでは製造部門には技能一覧のスキルマップを作成し技術の向上を行ってきたが、ホワイトカラーの社員にたいしても、生産的な仕事を熟知しているかどうかを計るものやMISの活用力を問う、などの印刷検定を準備している」と人材教育にも熱心に取り組んでいる。

 さらに顧客に対しても『MARKE NEXT』という、次世代のマーケティングを勉強するイベントを実施している。顧客にビジネスパワーを高めてもらうための体験型イベントを開催し、顧客との関係性を深めていくことを目的に、社員全員が同じベクトルで顧客に発信している。2018年からは有料会員制の勉強会もスタートしているとのことだ。

 出口氏は、FFGSで開催した過去の「経営セミナー」を学び、それを実行に移していった。

「とにかく学びのインプットを入れていかないと、知識・経験が付かない。アウトプットの行動に繋がらない。インプットが多いと、アウトプットの精度・レベルが高まってくる」と言う。

 「営業マンは訪問先の顧客の優先順位をつけて、成果に近いところから行動しているかどうかが大事だと思う。これを営業サイドでしっかりと考えていくようにしている」と述べた。同社では営業マンの行動内容を20166月に調査した。その結果、面談時間は20%、プレゼンとか提案をしているコアタイムはわずか1.7%しかなかったとし、この課題を解決していくことに取組み始めた。

 

XMF REMOTEDTP担当者が刷版出力し省力化を実現

 

 グーグル・カレンダーに訪問先を明記させて、45人のチームに分けて毎朝10分~15分話し合って、この訪問先が良いのかどうか訪問計画について検討している。「成果に繋がる訪問を行うようにし、帰社したらその訪問をチームで検証するように指示している」とのことである。そして、日次・月次・年次目標を持って行動するようにしたという。

 XMF REMOTEを導入したのは、「最終RIPで演算したものが校正で出力できる点に最大のメリットがある」とXMF REMOTEについて言及。同社は医薬品会社から印刷を受注していて、「顧客からは品質管理ではなく、品質保証をしてほしいと言われていて、そのため絶対に文字化けは許されない。校正紙から最終の刷版の状態で出てくる演算のシステムで校正を出すようにしてほしいと言われている」と、導入の目的を語る。また、プリプレスではメ利便性を発揮しているとのこと。内校を2人以上の規模で行っていたが、再校、再再校の時ではDTPオペレーターが行うようにした。それによって内校担当者は1人以下で担当することが可能となり、省力化を図ることができたという。

 最大のメリットは、「XMF REMOTEを導入する前は刷版の担当者が居たが、今は全てDTPのオペレーターが自分のデスクから面付けし刷版出力できるようになった点である」と指摘する。

 

やるべきことを意識付けし価値を共有化

 

 改革を行う場合に社内の空気としては「やるべきことは分かっているけど、変わりたくないので、やのたくない。というケースが非常に多いと思う。そのためにはやらざるを得ない環境を作っていくことが大事である」と話す。

つまり、逃げ道(従来手法)である確保期間を設けて、新しい手法を浸透させていくという併用期間を設けて、従来手法はある一定期間に来たら完全に新しい手法に切り替えていくという方法である。例えば、「営業マンが入稿サーバーに入力していたものを、6か月後には入稿サーバーを廃止して、全員がXMF REMOTEで入稿するようにした。併用期間を設けて逃げ道を設けて置いて、いずれ退路を断つにようしたほうが、覚悟してやるという意識が出てくる」と説く。

そして、社員はなぜ変革していくのかをしっかりと認識できないと、最後の最後で頑張ってやろうという時に、その認識しているかどうかが問われてくる。当社では共有する価値観としての経営哲学を皆で作り上げていて、その書物の制作に取り掛かっている」と、価値観の共有化に向けて推進していると言う。



  経営セミナー2018の会場風景


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