印刷・出版業界向けデジタル・コンテンツ・ビジネスに関する情報サイト

FUJIFILM 「守り」から「攻め」の環境対応へ。

ニュースリリース バックナンバー

spacer

ニュースリリースの一覧へ戻る ▲

◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ XMF Remote導入事例――株式会社ネッツ様 入稿・校正の時間短縮・ミス防止効果でクライアントの満足度アップ CTP完全無処理化との相乗効果によりプリプレス部門の合理化も実現

 愛知県の総合印刷会社、株式会社ネッツ(本社:愛知県半田市潮干町1-23、代表取締役:榊原 研氏)は、10年ほど前から富士フイルムのWebポータルシステム『XMF Remote』を活用し、オンライン入稿・校正による営業・制作の効率化、クライアントの作業負荷の低減を図っている。早くからWebポータルに着目し導入に踏み切った背景や、現時点での具体的なメリットについて、取締役営業部長・西川高志氏、プリプレス課リーダー・松田憲武氏に伺った。

 

   社屋外観
GUI
のわかりやすさが導入の決め手に

 ネッツは1949年に「誠進堂印刷所」として創業し、70年以上の歴史を持つ。デザイン・制作から印刷、製本加工、仕分け・配送までの社内一貫体制を強みとしており、現在の主力品目は各種情報誌やフリーペーパー、製品カタログなど。とくに中綴じの冊子を得意とする。生産拠点は2カ所あり、本社・第一工場にオフセット輪転機3台、第二工場に枚葉UV1台と中綴じライン5本、各種折機械5台を備える。両工場ともCTPプレートは『SUPERIA ZD-II』に統一し、完全無処理化を達成。ワークフローシステムには『XMF Smart』を使用している。

 同社では、データ制作から一貫して手がける仕事もある一方で、情報誌などの出版物では、発注者側で制作したデータが入稿されるケースも多い。そのため、制作環境の違いなどによるトラブルを回避するため、10年ほど前からPDF入稿を推進してきた。

「当時、PDF入稿はなかなか受け入れてもらえない時代でしたが、PDF対応のエンジンをいち早く搭載した『XMF』を導入するなど、システム環境を整え、お客さまにメリットをご説明しながら、徐々にPDFへの切り替えを進めていきました」(西川取締役)

 しかし、文字化けなどのトラブルは削減できたものの、プリプレス部門で何らかの処理を行なって再度PDFを作成しクライアントに確認を取らなければならないなど、社内の作業にはまだ非効率な部分が残っていた。そこで、Webポータルシステムを活用した「オンラインでのPDF入稿」を検討することに。

「とにかくプリプレス部門の効率化を図りたいという思いがありました。デザイナーや製版担当者が、入稿されたデータをチェックし、校正用PDFをつくってお客さまに送りと、煩雑な作業に追われていたため、せめてお客さまから制作データをいただく仕事はもっとスムーズに流せないだろうかと考えたわけです」(西川取締役)

 導入にあたっては、XMF Remoteと他社システムの2製品で比較検討したという。その際の印象について、西川取締役はこう振り返る。

「機能面ではかなり悩みましたが、XMF Remoteは、GUIがわかりやすく、お客さまにも説明しやすそうだと感じ、それが採用の決め手になりましたね。他社システムはハンドリングが難しそうな印象を受けました」

 

  西川取締役
■クライアントの課題に合わせてメリットを提案

 まだWebポータルシステムがさほど普及していない段階から、いち早くオンライン入稿・校正を採り入れた同社だが、導入当初は、活用がなかなか思うように広まらなかったという。そこで、西川取締役自ら、クライアントに課題や要望などをヒアリングしながら、実際の仕事の流れに即した提案に取り組んだ。

「たとえば、情報誌やフリーペーパーの制作を行なっているお客さま(制作会社)では、広告主との校正のやり取りに時間がかかり、入稿が遅れがちになるという課題がありました。広告原稿の確認を、先方の都合に合わせてFAXPDF、プリンター出力など、いろいろな方法で行なっていたため、取りまとめも煩雑になっていたのです。XMF Remoteを使えば、担当者が外出中でもネット環境さえあれば簡単に確認できますし、複数名に確認が必要な場合でも効率よく校正が進められ、大幅な時間短縮が図れます。こうした具体的なメリットを、お客さまの環境に合わせてご提案していきました」(西川取締役) 

 このようにクライアントごとの課題に合わせて実践的な提案を行なっていくうち、XMF Remoteの採用は徐々に増え、現在、定期の仕事だけでも約30社と運用するに至っている。

    

       「XMF Remote」によりデータの受け渡しや校正のやり取りが
大幅に効率化した

RIP結果を瞬時に確認できることが安心感に

 実際にXMF Remoteを運用する中で、クライアントからは、校正の時間短縮はもちろん、データのやり取りに関するメリットも高く評価されている。具体的には、担当者の都合に合わせて24時間いつでもデータを入稿できるという点。そしてもう一つ、間違い防止の効果も大きいという。プリプレス課の松田氏はこう語る。

「これまでは、メールやファイル送信サービスなどを使ってやり取りしていたのですが、時折、お客さまが送るデータを間違えてしまうことがあるのです。送信してから気づかないと、そのまま間違った内容で印刷してしまう。しかしXMF Remoteでは、送ったデータを“公開”することになるので、関係者全員がその場で内容を共有できます。『これは違うページのデータだ』『修正前のデータが上がっている』といったことを、印刷前に確認できるため、トラブルを未然に防げるわけです」

 また、ボリュームの大きいページ物では、進捗状況をリアルタイムで共有できることも大きなメリットになっている。同社が手がける印刷物は、100ページを超える冊子も多いため、各ページの入稿・校正の進行管理が煩雑になってしまうこともあったが、XMF Remoteでは、どのページが未入稿か、あるいは校正中かといった情報が瞬時に把握できるため、とくに締切が迫っている状況ではその有効性を強く実感しているという。

 さらにもう一つ、クライアント側のメリットとして、松田氏は「XMF Remote上でRIP済みのデータが確認できること」を挙げる。

「いまはPDF/X4が主流になっているので、トラブルは少なくなっていますが、お客さまのソフトの環境によっては、PDF/X-1aで入稿されるケースもあり、その際には文字化けなどのトラブルを心配される方も多いです。しかしXMF Remoteなら、PDFをアップすると同時にお客さまご自身がRIP結果を確認することができます。当社としても、『印刷するとこの状態になります』という結果を、タイムラグなしに自動で示すことができるので、お互いの安心感につながっていますね」

  

    プリプレス課リーダー・松田氏
■制作・修正時のミスをデジタル検版で防止

一方、ネッツ社内でも、省力化やコスト削減などのさまざまな効果が出ている。プリプレス部門では、データチェックや校正のやり取りなどが効率化されたことで、人員を状況に応じて柔軟にシフトできるようになった。ムダな作業が減った分、コストも大幅に低減。納期の短縮も図れている。また、営業部門においても、移動の煩わしさがなくなるなどのメリットを実感できているという。

「これまで、遠方のお客さまには、PRIMOJETで出力した校正紙を営業が届けていました。場合によっては宅配便でお送りすることもあり、そうすると今日発送して到着するのが明日か明後日。赤字を入れて戻していただくまでにまた12日かかるという具合で、1回の校正に多くの時間を費やしていたのです。XMF Remoteによって、営業の移動時間や配送の待ち時間をなくすことができ、これはお客さまにとってもメリットになっています。そのため、遠方のお客さまは現在ほとんどオンライン校正に切り替えています」(西川取締役)

 また、社内でデザイン・制作を行なう仕事については、すべてXMF Remoteを通して進行しており、松田氏は「とくにデジタル検版機能が非常に便利で、大いに活用している」と評価する。

「デザインやレイアウトの作業中、変えてはいけないところを誤って変えてしまうといったミスが、どうしても起こってしまいがちですが、デジタル検版によってそれを高精度にチェックできるようになったため、制作のトラブルはほぼ皆無になりました。また、ボリュームの大きい印刷物で、作業者が途中で交代するような場合、人によってやり方にクセがあるため、組み方などに微妙な差異が出てしまうケースもありました。しかしこれも、XMF Remoteで履歴を確認することによって、トラブルを未然に防げるようになりました」(松田氏)

 こうした「人為的ミスの防止」も、作業の効率化、時間短縮に大きく寄与しているのである。

 

■入稿からCTP出力までのシームレスなフローが実現

 ネッツでは、前述のとおりCTPの完全無処理化を図っているが、XMF Remoteの活用と無処理化との相乗効果によって、プリプレス部門の大幅な合理化が実現しているという。

XMF Remoteでの入稿からXMF SmartによるRIP処理、CTP出力までのシームレスな流れが確立できました。従来、プリプレス部門はデザイン課・製版課・刷版課と部署が細かく分かれ、それぞれ専任のオペレーターがいましたが、現在はデザイナーがCTP出力まで行なえるようになっています。『この人でなければできない』という属人化した作業がなくなったわけです。こうしてフロントからCTPまで垣根なく運用できるのは、富士フイルムさんのシステムならではのメリットだと思います」(西川取締役)

 このように、営業とプリプレスの両部門で期待どおりの効果が得られ、そしてクライアント側にも明確なメリットを提供できている。一方で、西川取締役は、「お客さまの中には、まだXMF Remoteの採用に抵抗を感じられている方もいるので、今後どのように提案していくかが課題」と語る。

「お客さま1社ごとに、お仕事内容やワークフローの違いがありますから、それぞれの環境でどんなメリットがあるのかをきちんとご説明し、納得いただいたうえで運用していかないと、XMF Remoteをうまく活かすことはできないでしょう。実際、すでに活用されているお客さまも、修正内容の確認のみの方もいれば、XMF Remote上で赤字を入れていただく方もいたりと、さまざまです。『XMF Remoteはこう使うものだ』と決めてしまうのではなく、11社に合った運用をご提案していくことが重要だと考えています」

 そのうえで、西川取締役は「XMF Remoteは馴染みやすいGUIを持っており、お客さまに“簡単に使えるツール”として提案しやすいところは魅力」と評価し、「XMF Remoteの活用をさらに拡大していきたい」と意欲を示した。

 

 

インタビュー&レポート 出版・印刷産業の最新動向を探る!

「デジタルブック」作成システム My PAGE View