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◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ SUPERIA ZD-Ⅲ導入事例――株式会社スマートグラフィックス ウエマツグループの最先端工場でスマート化の推進力に 「スキルレス・省スペース」を活かし、プリプレス工程を一気に合理化

 印刷受託製造に特化した業界屈指のプロフェッショナル集団として広く知られる株式会社ウエマツ。そのグループ企業であり、ウエマツが誇る圧倒的な生産力を最先端のシステムと技術で支える株式会社スマートグラフィックス(本社:東京都豊島区南長崎3-34-13、代表取締役社長:福田浩志氏)が、201910月、新工場(埼玉県戸田市)の稼働を機に、富士フイルムの完全無処理CTP プレート『SUPERIA ZD-Ⅱ』を導入。現在、『SUPERIA ZD-Ⅲ』を試用しながら、新性能が現場にもたらす効果の検証を進めている。新工場にはどんな役割があり、なぜいま無処理化が必要だったのか。なぜSUPERIA が選ばれたのか。導入の経緯や具体的なメリットなどについて、取締役 製造本部長・清水利博氏、取締役 企画室 室長・福田佳祐氏に伺った。

  
   新工場

■現像廃液削減に加え、レイアウトの工夫で効率化

  同社は20167月にウエマツグループへ編入後、徹底した生産設備の最適化が進められ、201910月には、板橋(東京)と川口(埼玉)に分散していた工場を集約すべく、ウエマツ戸田工場から徒歩 5分の場所に、先進機器をフル装備した新工場を竣工。翌11月、「再生ステージから最終ステージへ」のスローガンのもと、『スマートグラフィックス』へと社名を変更した。同社が目指しているのはその名の通り、生産工程のスマートファクトリー化だ。当然、新規導入するシステムも、 5年、10年先を見据えて厳選されたものだ。主戦力である印刷機は、4台のうち3台が新台(世界最高速の両面機2台+ウエマツグループ初のLED-UV1台)。2階のUV印刷機のすぐ横にCTPが設置され、プレートにはUVインキ対応の『SUPERIA ZD-Ⅱ』が採用された。「スマート化を考えるうえで、無処理化はごく自然な流れだった」と福田取締役が導入の経緯を説明する。

 「デジタルの時代ですから、現像液とか廃液といったものは極力なくしていかなければいけません。無処理CTPUV印刷の組み合わせであれば現像液もパウダーも使いませんので印刷機回りをよりクリーンに保てますし、自現機が不要であるためCTPの設置の自由度も高くなります。効率化や自動化、スキルレス化を進めていくうえで、無処理プレートが少なからず貢献してくれるのではないかという思いがありました」(福田取締役)

 
    福田取締役
前述したように2階フロアでCTPセッターとUV機が至近距離で稼働しているのも、まさに「設置の自由度」を活かしたレイアウトだ。

CTPでプレートを出力したらそのまま隣の印刷機にセットできるので、タイムロスもなくオペレーターの動きも最小限で済みます。自現機が要らない無処理CTPならではのメリットを活かし、新たな試みとしてあえて隣り合わせに配置してみたところ、期待通りの効率化が図れました」(清水取締役)

 
   自現機が不要になったことでCTPの設置の自由度が高まった

■刷版業務のスキルレス化を活かし、拠点間でリモート出力

 生産性向上・納期短縮につながる多層的な「効率化」は、ウエマツグループ全体で追求しているテーマでもある。スマートグラフィックスの新工場では、すでに一歩先を見据え、出力されたプレートの自動搬送など、次なる自動化・効率化の準備も進めているという。その際のポイントについて、福田取締役は「ウエマツ本社と技術力を共有し連携を深めることが重要」と強調する。

「もともと当社の新工場建設には、東京と埼玉に分散していた工場を一つに集約しようということと、ウエマツとの間で技術やシステムを共有化していこうという、2つの大きな目的がありました。ウエマツの戸田工場から徒歩5分圏内の土地を選んだのも、まずは物理的な往来の便利さで交流を深められる、という理由からです。そして互いの信頼関係を築いたうえで、ネットワークを活用し、プリプレス機能を戸田工場に分担してもらえないだろうかと考えました。新工場にはCTPのみを設置し、プリプレスのオペレーターは置かない、という形ですね」(福田取締役)

 その計画は、無処理化によって着実に進展しているという。

「新工場の稼働当初は、距離の近さを活かし、CTP出力について教えに来てもらうことも多少はありましたが、いまでは、戸田工場のプリプレス担当者が刷版業務で新工場に出向くことはなく、完全にリモート出力のみ。印刷オペレーターたちだけで刷版作業をこなすという新しい体制が確立しました。無処理プレートの採用によってプロセサーの管理の手間がなくなったということが、人材活用のうえでかなり大きなメリットになっていると思います」(福田取締役)

  
  完全無処理CTP+LED-UV印刷機の採用により、クリーンな作業環境が実現している

ZD-Ⅱ選択の決め手は「安心して使える信頼性」

 確かに「人材活用」は、どの業界、どの企業にとっても重要課題の一つだ。そんな時代背景も踏まえ福田取締役が無処理CTPの最大のメリットと感じているのは、まさに「現像レスによるスキルレス化」だという。

「現像液の処理などにはある程度の経験が必要で、どうしても独立した業務になってしまいます。それがなくなるということは、若い人でも他部署の人でも、短期間で刷版を取り扱えるようになるということ。より自在な人員配置が可能になるわけです。将来的に工場のスマート化を目指していくうえで、スキルレスというのは、あらゆるシステムにおいて不可欠な要素になっていくと思います」(福田取締役)

   清水取締役

 同社の描く未来構想にぴたりと嵌まった無処理プレートだが、では、富士フイルムのSUPERIA ZD-Ⅱを選んだ決め手は何だったのだろうか。清水取締役は真っ先に「安定性」を挙げた。

「各メーカーの無処理プレートについて、網点品質や耐刷性、扱いやすさなど、さまざまな点で比較させてもらいましたが、決め手になったのはZD-Ⅱの総合的な安定性でした。有処理・無処理に関わらず、最終的なプレート性能の判断基準は、やはり“安心して使える信頼性” があるかどうかだと思っています」(清水取締役)

 ウエマツのクライアントはほとんどが中堅・大手の印刷会社であり、印刷に関してプロ中のプロである。品質や納期についても「無処理プレートだから」などという言い訳は通用しない。ウエマツグループの先鋒に立つ新工場として、プレート選びの絶対条件に「安定性・信頼性」を掲げるのは当然のことだろう。こうして選択されたZD-Ⅱが実戦の中で使われ始めて、およそ1年半。これから先、同グループにおける無処理化の展開を、福田取締役はどう予想しているのか。

「ウエマツの戸田工場は環境優良工場として賞をいただいていますので、環境配慮という点でも確実に無処理化が進んでいくだろうと思います。環境性が高く、省スペースでスキルレスというメリットもありますから、経営的視点でも非常に選びやすいですね。わざわざ自現機を設置したいという会社はないでしょう。新工場も戸田工場も、埼玉とは言えかなり東京に近いので、比較的スペースコストが高く、そのためウエマツグループでは省資源や省エネだけでなく“省スペース”ということもつねに大きなテーマにしています。こうしたニーズの一つひとつに応えられる無処理プレートが、これからCTPの主流になっていくのは間違いないでしょう」(福田取締役)

 

■新製品『SUPERIA ZD-Ⅲ』の評価と今後の展開

このようにSUPERIA ZD-Ⅱにより効率化を実現した同社は、富士フイルムより新たにラインナップされたSUPERIA ZD-Ⅲの市場評価も行っている。福田取締役はその経緯を次のように述べた。

ZD-Ⅱを2年近く使ってきて、期待通りの安定性・信頼性を備えていることがよくわかりました。具体的に、作業性や対刷性など、無処理プレートだということを意識せずに使えるレベルに達していると思います。今回、ほとんど有処理と同じように扱える無処理プレートが完成したと富士フイルムから提案を受けたので、大いに期待しながらテストすることにしました」

また、実際にZD-Ⅲを評価した結果について福田取締役は「まず驚いたのは、視認性が飛躍的に良くなり非常に扱いやすくなったことです。これまでZD-Ⅱでも作業上とくに問題はありませんでしたが、ZD-Ⅲは確かにこれまで以上に見やすくなり、現場の安心感も違いました。刷り出しについても、もともと良かったZD-Ⅱと同等以上だという報告が現場から上がってきています。また耐刷性については、テストの結果、大ロットの印刷でも安定した網点品質がしっかり維持され、まったく問題ないという結果が出ました」と話す。

最後に同社の今後の展開について福田取締役は、「すでに無処理プレートでスキルレス、省スペースによる期待以上の効果がでていますが、今後はウエマツグループ各社にZD-Ⅲの採用を拡げていこうと考えています。効率化も大事ですが、環境対応も全社共通の課題です。ウエマツグループは業界内でもとくに環境に配慮した生産を徹底している企業だと自負しておりますが、今後はカーボンニュートラルに向けてさらなる努力が必要となります。そうした展開の中で、ZD-Ⅲは当社にとってますます大きな武器になっていくのは間違いありません」と語った。

 

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