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◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ XMF Remote導入事例――株式会社文伸 広報誌や書籍などでオンライン入稿・校正を推進 高い利便性がクライアントから評価され、新規受注やリピートも増加

 東京・三鷹市で地域に根ざした印刷・出版事業を展開する株式会社文伸(本社:東京都三鷹市上連雀1-12-17、代表取締役社長:川井 信良氏)は、2014年に富士フイルムのWebポータルシステム『XMF Remote』を導入し、入稿・校正のやり取りの効率化、クライアントとの関係強化を図っており、現在、その運用規模はユーザー数約650、ジョブ数1,000/月以上に達している。クライアントへの提案や運用をどのように進め、具体的にどんな効果を生み出しているのか。代表取締役社長・川井信良氏、工場長 ・有馬靖了氏に伺った。

 

CTP・ワークフローの更新とともにXMF Remoteを導入

 文伸は、1962年に「株式会社文伸印刷所」として東京・三鷹市で創業。以来60年近くにわたり、地域密着型の印刷・出版事業を手がけている。主なクライアントは武蔵野・多摩地域の企業や学校、自治体、各種公共団体などで、企画から取材・撮影、デザイン・編集、そして印刷・加工、発送までワンストップで対応する。また、長年培ってきた編集力・コンテンツ制作力を活かし、周年誌・記念誌・社史などを制作する周年事業や、自費出版専門工房『ことこと舎』、地域密着型出版事業『ぶんしん出版』などを展開するほか、紙媒体だけでなく映像やWebサイトの制作、イベントの企画運営など、さまざまな角度からクライアントのコミュニケーションをサポートしている。
  

 そんな同社がXMF Remoteを導入したのは約7年前。CTP設備を更新し刷版の完全無処理化を図ると同時に、ワークフローシステムを他社システムから『XMF』に切り替えたことが採用のきっかけだった。

CTP・ワークフローシステムの更新は、無処理化による環境対応の他に、仕事のやり方を変え、作業の効率化、働き方改革を推進する狙いもありました。その観点から、XMF Remoteにも着目したのです。ワークフローシステムを切り替えるということは、生産工程の要の部分が変わるということで、作業性などにも影響するため慎重に検討を進めました。いくつかのメーカーさんにご提案いただいた中で、XMFを選んだのは、機能や使い勝手の面で優れていたということに加え、富士フイルムさんの説明が非常にわかりやすく、自社での運用をイメージしやすかったことも決め手になりました」(川井社長)

 XMF Remoteに関しては当初、オンライン校正よりも「データ受け渡しのツール」としての活用をメインに考えていたという。

「ちょうどその頃、お客さまとの間でデータを安全に効率よく授受するためにFTPサーバーの導入を検討していました。XMF Remoteのジョブファイル転送機能を使えば、その代わりになると考えたのです。もちろん、オンライン校正を含めた運用についても視野に入れ、すでにXMF Remoteを導入されている印刷会社さんにお話を伺ったりしましたが、全ジョブ運用のような形は、当社には少々ハードルが高いかなと。ただ、お客さまにとっても現場にとっても、オンライン入稿・校正は有効な仕組みになるという確信はあったので、段階的に採り入れていこうと考えました」(有馬工場長)

   
    川井社長

■最初の提案でいかに「簡単に使えそう」と感じてもらうか

 オンライン校正の活用は、社内の制作部門からスタートした。クライアントに提出する前の内校を、紙ではなくXMF Remote上で行なう。そうしてまず自分たちで使用感覚をつかみ、メリットを理解したうえでクライアントに提案しようという考えだ。しかし、最初のうちは抵抗を感じるオペレーターも多かったという。

 「とくに、ボリュームの大きいページ物に関しては、『モニター上では校正しにくい』という声もありましたね。ただ、各自で工夫して使っているうちに抵抗感はなくなり、徐々にメリットも感じられるようになってきました。その一つが、お客さまからいただいたデータを、ジョブごとにまとめて管理できること。当社の場合、一人のオペレーターが多いときで15件ぐらいのジョブを並行して動かしているので、『これならデータ管理がしやすくなる』と、早い段階から便利さを実感できたようです」(有馬工場長)

 さらに、XMF Remote活用を推進するための委員会を立ち上げ、社内への周知を図るとともに、クライアントにオンライン校正を提案するための準備も進めた。

「各部署から12名ずつメンバーを募り、XMF Remoteにはどんな機能・メリットがあるのか、また、印刷の知識のないお客さまの立場に立って、どういう説明をすれば『使えそうだ』と思っていただけるのか、議論を重ねました。その上で、社内用のマニュアルを独自に作成したほか、マンガ仕立てでオンライン入稿・校正のメリットを分かりやすく解説するチラシもつくり、お客さまに配布することにしました」(有馬工場長)

 川井社長が続ける。

お客さまにXMF Remoteを使っていただくには、当社が効率化できるだけでなくお客さま自身にもメリットがあるのだということを理解していただく必要があります。その点でマンガ風のチラシは有効なツールになっていると思います。当社のPR誌にも同じ内容を掲載するなど、さまざまな形で訴求を図りました

 実際のクライアントへの提案は、営業部門と有馬工場長が連携して取り組んだ。具体的な使用方法については、有馬工場長が自ら説明に出向いたという。

「まず営業が『こういうツールがあるんです』と概要をお話しして、興味を示されたお客さまには、後日私も一緒に訪問し、ログインから入稿データのアップロード、校正までの操作を、お客さまのPC上でお見せする、という形で進めていきました」(有馬工場長)

このときに重要なのは、「デモンストレーションを、途中でつかえたりせずスムーズに見せること」だと有馬工場長は強調する。「専門知識がなくても本当に簡単に使える」とクライアントに実感してもらうためだ。

校正をオンラインでやりませんか、とお話しすると、『何かシステムを購入しなければならないのでは?』『意外と操作が面倒なのでは?』と不安に思われる方も多く、そんなお客さまに、『いまお持ちのPCで、Webサイトを見るのと同じ感覚で校正が行なえる』ということをいかに理解していただくか。そのために、あらかじめお客さま用のIDとパスワードを用意して、お客さまのPCで実際にログインするところから操作をお見せする。すると『思ったより簡単に使えそう』と言っていただけることが多いですね」(有馬工場長)

 
  
  XMF Remoteの訴求のために作成したチラシ。
手書きによる漫画で分かりやすくメリットを
    解説している


■年配の方も積極的にオンライン校正を使いこなしている

クライアントとのXMF Remoteの活用は、広報誌などの定期刊行物からスタートし、徐々にさまざまな仕事へと展開していった。メリットが発揮されている仕事として、川井社長はある法人会の広報誌の例を挙げる。

「広報委員の方が複数いらっしゃって、それぞれに校正をしていただくのですが、皆さん会社の経営者なので多忙でなかなか集まれない。そこで、まず初校だけXMF Remoteで進めることにしました。するとすぐに『これは便利だ』と評価していただけました。とくに、出先でも手軽に校正できるというところに魅力を感じていただけているようです」

 学校の広報誌なども、校正に関わるメンバーが多く、オンライン化のメリットは大きいという。ある私立の小中高一貫校では、広報誌の制作でPTAのメンバー約40名がXMF Remoteを活用している。

「私立校の場合、遠方にお住まいの方もいるため、やはり校正のために集まるのは大変です。そこで3年ほど前にオンライン化しました。広報誌は1216ページ構成なのですが、チームごとに担当のページが決まっており、PTAの皆さんにはご自身の担当ページだけチェックしていただければいいので、まさにXMF Remote向きの仕事と言えます。PTAのメンバーは毎年入れ替わるので、そのたびにご説明に伺うのですが、1回の説明だけでほぼ完璧にXMF Remoteを使いこなしていただけるようになりますね。『とても分かりやすい説明だった』とお褒めの言葉をいただくこともあり、私としてもやりがいを感じています」(有馬工場長)

 最近はPTAの保護者も仕事を持っているメンバーが多く、「できれば校正にあまり労力と時間をかけたくない」という潜在的なニーズがあった。そこにオンライン校正の利便性が見事にマッチしたわけだ。また、XMF Remoteの使いやすさは年齢を問わず支持されており、中にはこんな例も。

近隣のコミュニティセンターの運営委員の方は、ご高齢の方が多く、80歳代の方もいらっしゃるのですが、PCを難なく使いこなしていらっしゃるんですね。XMF Remoteをご紹介したところ、『頑張って使ってみます』とすぐに受け入れてくださいました。以前はわざわざ校正のために来社いただいており、申し訳なく思っていたので、オンライン化できたのは当社としてもよかったなと。委員の方は『担当営業の方に会えないのが寂しい』と仰っていましたが(笑)、外出の負担が減ったことは喜んでくださっています」(有馬工場長)

 実際の仕事でメリットを体感できるようになると、文伸の社内でもXMF Remoteを積極的に活用するようになり、最近では200300ページの大ボリュームの書籍などもオンラインで進行しているという。ページ数の多いものは、初校を紙で提出し、2校以降をオンラインで行なうなど、柔軟な運用で対応している。

「お客さまの赤字の傾向が分かっている場合は、それに合わせて臨機応変に運用方法を変えています。XMF Remoteが絶対ということではなく、紙とオンライン、それぞれのいいところを上手く活用することが重要だと考えています」(川井社長)

 

■作業面だけでなく受注拡大にも確かな効果

   地道な提案活動によって着実にクライアントでの採用が広まっているXMF Remoteだが、文伸の社内ではどのようなメリットにつながっているのだろうか。有馬工場長は、第一に「制作工程の時間短縮」を挙げる。
 
   有馬工場長

「営業が校正を出し入れする時間のロスや、お客さまの返事を待つ時間などは確実に少なくなりましたね。たとえば、学校の先生に校正を見ていただく場合、紙の校正紙をお渡しするとなると、授業の合間の限られた時間しかチャンスがなく、多忙なときは3日後になってしまうこともあります。すると制作期間も延びてしまう。XMF Remoteであれば、ちょっとした隙間の時間で校正していただけますし、オペレーターも、メール通知が届き次第確認すればいいので、効率的に作業が進められます」

 ページ数の多い印刷物の場合には、入稿・未入稿の状態が一目で確認でき、データが揃ったページから作業を進められるなど、進捗管理の面でもメリットを感じているという。

 また、「指示がより正確に伝わるようになったことも導入効果の一つ」と有馬工場長は語る。

お客さまからの修正指示に曖昧さがなくなり、しかもそれがオペレーターに直接伝わるので、伝達ミスの削減にもつながっています。これは、営業と制作との間にも言えることで、お客さまの意向を営業が制作に伝える際、口頭だけでなく、XMF Remote上に入力しておけば、より確実に共有できます。これによって、“言った・言わない”のトラブルも減りましたね

 さらに、川井社長によると、XMF Remoteは営業面でも大きな武器になっているという。

「プロポーザルの際にオンライン校正をご提案すると、高い関心を示していただけることが多く、実際に入稿・校正の効率化を期待して当社に発注いただくケースも少なからずあります。そして一度使って利便性を実感していただけると、リピートにつながることが多いですね。お客さまとの関係強化にも役立っていると思います」

              
     ジョブごとに入稿の状況や校正の進捗が確認でき、作業の効率化につながっている

■コロナ禍でユーザー数は3倍に

 XMF Remoteの導入から約7年。この間、時代の変化もあり、クライアントの意識も変わってきていると川井社長は語る。

「導入した頃は、インターネット上で校正と聞いただけで躊躇してしまう方も多かったのですが、いまはかなりの割合で『そんな便利なツールがあるんですか』と興味を示していただけます。先ほどのコミュニティセンターの例のように、ご高齢の方でも積極的に使ってくださる。逆にXMF Remoteがないと面倒だと感じられるお客さまも増えてきていると感じます」

 こうしたクライアント側の変化が、昨年からのコロナ禍でさらに加速したのは間違いない。事実、この1年ほどで、同社のXMF Remoteのユーザー数は一気に3倍に、ジョブ件数も2倍に急増し、現在は約650ユーザー、1,000/月以上のジョブを登録するまでになっている。

「以前に採用を見送られたお客さまからも、『もう一度説明を聞きたい』とお問い合わせをいただきますし、これまでファイル転送機能のみお使いだったお客さまも、半数ほどがオンライン入稿・校正まで活用されるようになっています」(有馬工場長)

 さまざまな業務がオンラインで行なわれ、非対面でのコミュニケーションが当たり前になってきた現在、XMF Remoteは文伸にとってもクライアントにとっても、なくてはならないインフラとなっている。同社は今後も、社会の変化を踏まえながら引き続きXMF Remoteの提案に取り組み、社内の作業効率化、クライアントの業務負荷軽減に貢献していく。

 

 

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