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2023.10.31
◆SCREENグラフィックソリューションズ 安全性を向上させた「Truepress ink LV02シリーズ」を「Truepress LABEL 350UV SAI S」向けに発売
株式会社SCREENグラフィックソリューションズはこのほど、ラベル・シール印刷用UVインクジェットラベルプリンティングシステム「Truepress LABEL 350UV SAI S」向けに、安全性を向上させ、EuPIA(欧州印刷用インク協会)のガイドライン※1に準拠する「Truepress ink LV02シリーズ」を開発。2023年10月30日(月)から全世界に向けて販売を開始した。
近年、ラベルを含めたパッケージ業界では安全性の観点から、さまざまな懸念物質に関する調査、再分類が行われている。「持続可能性」という観点においてパッケージ業界は多くの課題を抱えており、印刷用インクもその一つである。特にUVインクは重合開始剤やモノマーなどを含んでおり、水性インクと比べ懸念の強い化学物質であるため、ECHA(欧州化学物質庁)を中心に欧州域内での各種規制や、EuPIAによるインク安全性の自主運用が主に行われるなど、化学物質への制限はますます強まる一方である。
その中でもEDB※2は、一般的にUVインクの光重合開始剤として使用され、以前から生殖毒性が強いと考えられてきたことから、今回、欧州CLP規則※3で定められる生殖毒性を区分する「H360」に再分類された。これを受けてEuPIAでも、独自に定めている除外リスト(ネガティブリスト)にEDBを追加することとなった。また、TPO※4についても同様に、生殖毒性の観点から「REACH高懸念物質リスト(SVHC)29次」に追加されることとなり、今後EDB同様にECHAによる再分類やEuPIAネガティブリストに組み込まれることが予想される。
このような動向を受け同社は、「Truepress LABEL 350UV SAI S」向けに、EDBやTPOを含まない(EDB/TPOフリー)「Truepress ink LV02シリーズ」を発売。このインクは、2023年4月に再分類されたEuPIAガイドラインに準拠するものである。また併せて、イエローインクにおける耐光性を向上させ、安全性と機能性の両面を改善。より安全なラベル印刷への市場要求に応え、懸念物質を取り除いたインクセットとして安全性を向上させ、環境に優しい印刷プロセスを提供していくとしている。
同社は、これまで培ってきた高速かつ高品質なインクジェット印刷技術と高性能なインク開発、生産ライン自動化の推進、ユーザーの課題解決を実現するソリューションの開発などを組み合わせることにより、新たな印刷マーケットを切り開いていくとともに、印刷業界のさらなる発展に貢献していくとのことだ。
※1 EuPIA Exclusion Policy for Printing Inks & related Products(March 2021)
※2 4-(ジメチルアミノ)安息香酸エチル
※3 「Regulation on Classification, Labelling and Packaging of substances and mixtures」の略。
EUにおける化学物質の分類、表示、包装に関する規則。
※4 ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド
*TRUEPRESS、Truepress inkは日本またはその他の国における(株)SCREENホールディングスの商標または登録商標である。