新製品ニュース
2022.10.11
◆富士フイルム 新世代の完全無処理CTPプレート『SUPERIA ZX』発売 視認性・機上現像性・耐刷性・耐キズ汚れ性を一段と高め、無処理化のメリットを最大化
富士フイルム株式会社(社長 : 後藤禎一)は、版面の視認性や機上現像性・耐刷性、耐キズ性などを大幅に向上させ、現場での使いやすさを追求した完全無処理CTPプレート『SUPERIA ZX』を、このほど発売した。同製品は、昨年国内先行発売した『SUPERIA ZD-Ⅲ』のさらなる性能アップを図り、製品名をグローバルブランド『SUPERIA ZX』に統一したものである。富士フイルムは、『SUPERIA ZX』の市場導入によって、国内のCTPの無処理化をさらに促進し、オフセット印刷分野の工程改善・環境負荷低減に貢献していく。
昨今、徐々に顕在化している「労働人口減少による人手不足」への対応や、働き方改革などの観点から、刷版工程の自動化および管理の省力化を検討する印刷会社が多くなっており、その一環として完全無処理プレートを選択するケースが増えている。有処理CTPでは自動現像機の管理に人手が必要になるため、刷版工程も含めた付帯作業時間をいかに削減し生産効率を高めるかが重要な課題になっており、その観点からもCTPの無処理化は有効な工程改革の1つとして注目されている。
富士フイルムでは、2006年に世界初となる機上現像方式の完全無処理CTPプレートの販売を開始して以来、長年わたり、刷り出しの安定性や印刷適性、耐刷性など、さまざまな改良を重ねながら無処理プレートを進化させ続けてきた。
今回発売した『SUPERIA ZX』は、従来の『SUPERIA Zシリーズ』の優れた基本性能を継承しながら、4つの新技術の投入により、版面の視認性や機上現像性(刷り出しの早さ)、耐刷性、耐キズ汚れ性などが一段と向上しているのが特長である。これにより、プレートのハンドリングや刷り出しにおける作業効率向上、印刷品質の安定化などに貢献している。
【SUPERIA ZXの主な特長】
■露光後の画像視認性が向上
感光層に新たな発色剤を加えることで、露光後の画像コントラストを高める『High Color Generation Technology 』を新たに採用。これにより画像視認性が一段と向上した。版面の確認が容易になることで、印刷機へのプレート取り付けミスが削減でき、印刷オペレーターの安心感も高まる。
SUPERIA ZXと従来品の視認性の比較(新聞用)
■より迅速な刷り出しが可能に
新開発の『Print Control Layer Technology』を導入。プレート表面に湿し水・インキによる機上現像の速度を制御するまったく新しい機能保護層を与えることにより、圧倒的な刷り出しの早さと現像安定性を実現するとともに、現像カスの排出性もさらに向上。これにより、有処理プレートと同様の運用が可能になった。
刷り出し濃度推移
■耐刷性が向上し多様な印刷条件に対応
富士フイルム独自の『マルチグレイン砂目』(多段構造)を無処理プレートの性特に合わせて発展させた最新の砂目をベースに、レーザー露光時の硬膜化効率を高める新たなフォトポリマー技術『Extreme Adhesive Bonding Technology 』を導入。これにより、露光部の膜と支持体の密着性が向上し、さまざまな印刷条件下で、有処理プレートと同等以上の文字・画像品質が安的定に得られる。
10%網点の耐刷性比較
■定評ある耐キズ汚れ性がさらに向上
従来の保護層の機能に加え、新開発の『Processless Gumming Technology』と、砂表の目面強度アップにより、印刷機にセットするまでのハンドリングキズなどを抑制。万が一、印刷前にキズがついた場合でも、アルミ表面の親水化によりインキ付着を抑え、印刷品質への影響を低減する。
印刷前にキズがついた場合でも、機上現像の過程で下塗り層がキズ箇所の砂目をすぐに親水化
富士フイルムは今後も、長年培ってきた高度な材料技術を駆使し、より使いやすく信頼性の高い無処理プレートの開発に取り組み、印刷会社の課題解決、生産環境の最適化に貢献していく。
同件に関する問い合わせは、下記まで。
●富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社 広報宣伝部
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