ニュースリリース
2024年03月
2024.03.27
◆富士フイルムグループ 「Discover the difference」をスローガンにdrua2024に出展 富士フイルムグループの総合力が導く価値を体感
富士フイルムグループは、5 月28 日から6 月7 日まで11 日間に渡ってドイツ・デュッセルドルフで開催される世界最大の印刷・メディア産業展drupa 2024 に出展することを発表した。2016 年以来8 年ぶりのリアル開催となる今回のdrupa では、「Discover the difference」をスローガンに掲げ、富士フイルムグループだからこそ提供できる価値とその未来を体感できる場を提供する。
2023年4月1日、富士フイルム株式会社と富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、両社が展開していたグラフィックコミュニケーション領域の事業を統合し、製品や技術力、顧客基盤や製造・サービス供給体制などを一体化した。これにより、アナログのオフセット印刷から、インクジェットとドライトナーの両方式によるデジタル印刷、さらには印刷ワークフローに関するDX ソリューションまでを、ワールドワイドの顧客に包括的にお届けすることができる総合ベンダーとしての歩みを始めている。
新たな富士フイルムグループとして臨む今回のdrupa 2024 では、過去最大となる2,420 m2 のブーススペースをもってホール8b に出展。幅広いポートフォリオを一堂に展示し、多様な顧客の多様な生産工程やビジネスモデル変革のニーズにお応えする製品やソリューション、またそれらを支える技術まで、総合力とそれが導く新たな付加価値の「違い」に触れていただくコンテンツを紹介する。
【主な展示エリア】
1. コマーシャルエリア
オフセット印刷を凌駕する高品質と高生産性に定評のあるJet Press 750S と、ドライトナー方式ならではの用紙汎用性や操作性を備えた新製品Revoria Press GC12500。このB2 サイズのカット紙デジタルプレスの2 機種に加えて、世界初展示となる商業印刷向け連帳インクジェットプリンターJet Press 1160CFG を紹介する。さらに、特殊色による多彩な印刷表現を生み出すRevoria Press PC1120 の流れを汲む新製品となるミッドレンジのプロダクションプリンターも世界初として展示する。
最新の無処理版によるオフセット印刷の生産工程や印刷ワークフローの自動化・効率化を図るDX ソリューションまでも包含する製品ラインナップの展示に加えて、フォト商材に関するソリューションやパートナー企業の後加工機と連携したデモも行い、最終成果物であるアプリケーションの拡がりを紹介する。
アナログ印刷からデジタルプリンティングへと向かう大きなトレンドの中で、顧客が追求する最適な生産とより強靭なビジネスのあり方を、他社にはない豊富なポートフォリオをもって実現するパートナーとしての信頼性を体感する場を提供する。
2. インダストリアルエリア
軟包装印刷の工程に革新をもたらす水性インクジェットデジタルプレスの新製品Jet PressFP790 と、さらなる高生産を実現するワイドフォーマット機の新オートメーションオプションを展示。卓越した先進性がもたらす、サイネージやパッケージなどへのアプリケーションの拡がりを紹介する。
標準プリンターで対応できない顧客の要望に対しては、カスタマイズした印刷装置とインクを提供するFUJIFILM Integrated Inkjet Solutions を提案。ダイレクトメール、トランザクション、ラベル、加飾などの事例を交え、幅広いアプリケーションでの実績を紹介する。
コア技術としては、安全や環境に配慮した新インクとして「Aquafuze 技術」を発表する。水性インクながらUV や溶剤の持つ機能を広く網羅した全く新しいインク技術であり、ユーザーのジョブ拡大や作業環境改善に貢献する。
また、デジタル化の促進と共に多様化するインク処方において高い安定性を有する顔料分散液「RxD シリーズ」を出展。更に高まるインクジェットシステムの高速化や基材汎用性拡大のニーズを満たすインクの処方設計をサポートする。
プリントヘッドについても、幅広いアプリケーションへの対応を実現する新製品を発表する。
今回のdrupa では、デジタル印刷による小ロット化やオンデマンド対応による省資源・省電力の効果や、オフセット印刷での無処理版による環境負荷軽減や作業環境改善、生産設備のカーボンニュートラルやリサイクルに関する取り組みについても紹介する。
創立90 周年を迎えた富士フイルムグループは、本年1 月に「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」をパーパスに制定した。今回のdrupa で紹介する総合力とそれが導く新たな付加価値の「違い」もまた、ユーザーと、またその先の顧客、印刷物を最終的に手にする消費者、地球に暮らす人々により多くの笑顔を作り出すことを目指す。
2024.03.26
◆富士フイルム ワイドフォーマットインクジェットプリンター向け新技術 「AQUAFUZE(アクアフューズ)技術」新開発
水性インクとUV硬化性インクの技術融合で、水性インク中に光硬化性樹脂を安定的に分散
富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、このほど、ワイドフォーマットインクジェットプリンター向けに、水性顔料インクジェットインク中に光硬化性樹脂※1を安定的に分散させる独自技術「AQUAFUZE(アクアフューズ)技術」を新たに開発した。「AQUAFUZE技術」は、同社が有する水性インク技術とUV硬化性インク技術の融合により開発したもの。なお、「AQUAFUZE技術」を用いた新インクジェットインクとなるUV硬化性水性インクの提供開始は、2024年秋を予定している。
産業用インクジェットインクは、一般的に、水性インク・溶剤インク・UV硬化性インクに分類され、各インクはインクの特性や印刷用途に応じて使用されている。サイングラフィックや販促用印刷(POSプリント)などで使用されるワイドフォーマットインクジェット印刷では、熱でインクを固める水性インクや、光の照射によるUV硬化性インクが主流である。現在、ワイドフォーマットインクジェット印刷市場の成長に伴って、印刷アプリケーションや基材が多様化する中、印刷物に付着するインクには、高い耐久性や、折り曲げなどの加工時に必要となるインク膜の延伸性、吐出安定性などが求められている。また、印刷時に生じる溶剤の揮発や臭気などを防ぎ、印刷作業者がより安全で快適に使用できるインクへのニーズも高まっている。
今回開発した「AQUAFUZE技術」は、同社が持つ、高機能素材の合成技術や粒子の分散技術を応用して、水性顔料インクジェットインク中に光硬化性樹脂を安定的に水分散させる独自の技術。さらに「AQUAFUZE技術」をベースに、水性インクとUV硬化性インク双方の処方技術を組み合わせることで、新たに開発したのがUV硬化性水性インクである。同インクは、これまで水性インク・溶剤インク・UV硬化性インクといった単一インクでは難しかった、印刷時に生じるインクの臭気などを抑える安全性に加え、高い耐擦性や延伸性を実現する膜質を有するため、多彩な印刷基材に対応している。
昨今、ワイドフォーマットインクジェット印刷で増加している室内サインや壁紙に使用されるインクとして利用可能。「AQUAFUZE技術」を活用したUV硬化性水性インクは、今後、ユーザーのジョブの幅を広げる、ワイドフォーマットインクジェット印刷分野の新スタンダードインクとして期待している。
図1 : UV硬化性水性インクの成分
図2 : インクの定着プロセス
図3 : ACUAFUZE ロゴ
「AQUAFUZE技術」を活用したUV硬化性水性インクの主な特長
●光硬化性樹脂を使用しているため、乾燥による増粘の影響を抑制し、インクジェットヘッドの目詰まりを低減。安定的なインクの吐出を実現。
●インクの密着性を補助するプレコートプライマーやオプティマイザーを用いずに、さまざまな印刷基材への接着性を実現。
●インク表面の凹凸が少なくなり光の正反射が強くなるため、光沢感のある印刷が可能。
UV硬化により印刷基材へのトップコートが不要。耐擦性や延伸性のあるインク膜を発現。
●インクの臭気性を低減し、高い安全性を実現。
なお、同技術は、5月28日(火)から6月7日(金)にドイツ・デュッセルドルフで開催される国際印刷・メディア産業展「drupa 2024」の富士フイルムブースにて出展予定である。
2024.03.19
◆モリサワ 「タイプデザインコンペティション 2024」審査員と応募課題を公開
株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25、Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、今年開催する「モリサワ タイプデザインコンペティション 2024(Morisawa Type Design Competition 2024、以下タイプデザインコンペティション2024)」の審査員と応募課題について公開した。
タイプデザインコンペティション 2024は、書体に特化した国際コンペティションとして、高い専門性を有した審査員による公平な審査を目指している。今回のモリサワ賞審査員は各部門3名で、多角的な視点を持つ書体の作り手と使い手が応募作品の審査に臨むことになる。
応募課題は全ての部門で「課題文字」「組見本」「自由課題」で構成され、個々の応募作品の特徴を尊重しながら、同じ条件で審査される工夫がされている。また、審査中は応募者の氏名や作品に関する情報は伏せられ、厳正に作品の選出が行われる。応募課題は公式サイトで公開されている。
審査員
●和文部門
鳥海修 書体設計士
西塚涼子 アドビ プリンシパルデザイナー
北川一成 GRAPH 代表取締役/デザイナー/アーティスト
●欧文部門
ラウラ・ミセゲル(Laura Meseguer) タイプ・ブランドデザイナー
イリヤ・ルーデラマン(Ilya Ruderman) タイプ・グラフィックデザイナー
インドラ・クッファーシュミット(Indra Kupferschmid) タイポグラファー/教授
●簡体字部門
朱志偉(Zhu Zhiwei) タイプディレクター
陳嶸(Chen Rong) 准教授/アートディレクター
劉暁翔(Liu Xiaoxiang) XXL Studio アートディレクター
●繁体字部門
廣村正彰 グラフィックデザイナー
許瀚文(Julius Hui) タイプフェイスデザイナー
何婉君(Ho Wan Chun) グラフィックデザイナー
●ハングル部門
沈愚珍(Sim Wujin) タイポグラファー/タイプディレクター/作家
崔瑟杞(Choi Sulki) グラフィックデザイナー
閔ボン(Min Bon) タイプデザイナー/教授
●特別審査員
サイラス・ハイスミス(Cyrus Highsmith) タイプデザイナー/グラフィックアーティスト
マシュー・カーター(Matthew Carter) タイプデザイナー
■応募課題
作品シート・応募要項は公式サイトからzip形式の圧縮ファイルでダウンロード。
作品受付:2024年5月14日〜2024年8月29日(日本時間)
結果発表:2025年2月(予定)
タイプデザインコンペティション 2024公式サイトはこちら
https://competition.morisawa.co.jp/
今後の追加情報は公式サイトのほか、以下のSNSにて発信していく。
「モリサワ タイプデザインコンペティション」公式アカウント
・公式X(旧Twitter) https://twitter.com/mrswcompetition
・公式Instagram https://www.instagram.com/motc_morisawa/
・公式Facebook https://www.facebook.com/mrswcompetition/
●同件に関するお問い合わせ
https://www.morisawa.co.jp/support/contact/forms/competition
SNSでも最新情報を公開している
X(旧Twitter):@Morisawa_JP
Facebook:@MorisawaJapan
※記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。
※記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。
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2024.03.13
◆モリサワ 阪神甲子園球場と100周年記念共同プロジェクト 伝統の「甲子園文字」を受け継ぐ『甲子園フォント』制作が決定!
株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、2024年7月24日に、創業者森澤信夫らが「邦文写真植字機」を発明して100周年を迎える。同じく、阪神電気鉄道株式会社(代表取締役社長:久須勇介 本社:大阪市福島区)が運営する阪神甲子園球場も、同年8月1日に開場100周年を迎える。
これを記念して、阪神甲子園球場とモリサワは、100周年記念共同プロジェクトとして、同球場のスコアボードで使用してきた伝統の「甲子園文字」を受け継ぎ、『甲子園フォント』として制作、デジタルフォント化することを決定した。
阪神甲子園球場のスコアボードでは、1983年まで、職人が黒い板に毛筆で手書きをした文字を使用しており、その独特な字形が「甲子園文字」として親しまれ、スコアボードを電光掲示に改修した1984年以降も、その伝統を受け継ぐべく、同球場の職員がオリジナルの文字データを制作し表示してきた。同プロジェクトは、文字のプロフェッショナルとして歴史を紡いできたモリサワが、阪神甲子園球場が大切に受け継いできた「甲子園文字」を、現代の実用に即した『甲子園フォント』として制作するものである。「甲子園文字」の伝統を次の時代に繋ぐコンセプトで、より多くの方の読みやすさに配慮したUD(ユニバーサルデザイン)フォントをベースとしている。『甲子園フォント』の完成は2024年12月頃を予定しており、2025年シーズンから、阪神甲子園球場のスコアボードで使用される予定である。
また、同プロジェクトを記念して、2024年4月17日(水)に阪神甲子園球場で開催される阪神タイガース公式戦において、モリサワによる初めての冠協賛試合を実施予定している。
試合の詳細はこちら
https://hanshintigers.jp/
(左)手書き時代のスコアボード (右)手書き時代の選手名板 提供 : 阪神電気鉄道株式会社
『甲子園フォント』制作プロジェクトの概要
企画:阪神電気鉄道株式会社、モリサワ
内容:阪神甲子園球場のスコアボードに表示されてきた「甲子園文字」を、モリサワによりデジタルフォント化するプロジェクト
完成時期:2024年12月(予定)
使用開始:2025年3月(予定)
■阪神甲子園球場のスコアボード・表示される文字の歴史
甲子園球場が開場した翌年1925年に初代スコアボードが誕生した。木製で表記できる最大のイニングスコアは延長16回までだった。
1934年には2代目スコアボードに代わり、木製からコンクリート製となり、戦火を乗り越え、約半世紀にわたって使用された。さらに1984年以降は3代目スコアボードに代わり、文字表示が手書きの黒板から電光掲示方式へと変更されました。黒地のボードに白色ブラウン管を採用することで、先代のスコアボードの姿を継承し、選手名・チーム名表記には、手書き時代を踏襲した字体が使用された。
1984年に選手名や得点スコアの表記が電光化されるまで、スコアボードの中には文字書きを行う職人たちが従事していた。長年、スコアボードから映し出されてきた人間味のある文字は、甲子園球場特有の味わいを演出し、手書きから電光式に姿を変えた今も継承されている。
■モリサワについて
1924年、創業者である森澤信夫は、石井茂吉氏(株式会社写研の創業者)と共に、世界で初めて「邦文写真植字機」を発明し特許を申請、従来の活版印刷に代わる新たな印刷技術として印刷・出版社へ普及した。「文字を通じて社会に貢献する」を社是に研究・開発を続け、2024年現在、より多くの人が読みやすいUD(ユニバーサルデザイン)フォントや、2,000書体以上を搭載したフォントサブスクリプションサービス「Morisawa Fonts」などを展開している。
邦文写真植字機発明100周年 特設サイトはこちら
●同件に関する問い合わせ
阪神電気鉄道株式会社 阪神甲子園球場 広告・歴史館担当 西村
Tel:0798-49-4509 ※営業時間外 080-3127-4588(西村)
株式会社モリサワ コーポレート・ブランディング部 広報宣伝課
E-mail:pr@morisawa.co.jp
SNSでも最新情報を公開している
X(旧Twitter):@Morisawa_JP
Facebook:@MorisawaJapan
※記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。
※記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。
2024.03.11
◆富士フイルムビジネスイノベーション Revoria PressTM PC1120が世界的に権威のある「iF デザイン賞」を受賞 美しい外観・高い性能・快適な操作性を実現するデザインが高評価
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:浜 直樹)の「Revoria PressTM PC1120」が、このほど、iF インターナショナルフォーラムデザイン(ドイツ・ハノーバー)主催の「iF デザイン賞(iF Design Award)」において、「iF デザイン賞2024」を受賞した。
「iF デザイン賞」は、1953 年に設立された国際的なデザイン賞で、ドイツの「レッドドット・デザイン賞(red dot design award)」、アメリカの「IDEA 賞(International Design Excellence Award)」と並び、世界三大デザイン賞のひとつに数えられる権威ある賞である。
「Revoria PressTM PC1120」は、CMYKトナーに加え最大2色の特殊トナーを搭載することができる1パス6色のプロダクションカラープリンター。2400×2400dpiの高い出力解像度による高精細な表現と120頁/分の高速プリントによる高い生産性、その生産性を最大限に引き出す高性能なプリントサーバーが特長である。このたびの受賞は、外観デザインの美しさのみならず、その優れた性能や快適な操作性を実現するデザインなどが高い評価を受けたものである。
2024.03.01
◆モリサワ 「UDデジタル教科書体」開発担当者の高田裕美氏が第23回「佐藤敬之輔賞」個人部門を受賞
株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25、Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)が提供する「UDデジタル教科書体」などの開発を担当した書体デザイナー高田裕美氏が、NPO法人日本タイポグラフィ協会による第23回佐藤敬之輔賞(個人部門)を受賞した。
佐藤敬之輔賞は、タイポグラフィに関する革新的な提言、研究発表、デザイン教育などで活躍された佐藤敬之輔氏を賞名とし設置された賞で、タイポグラフィの分野で活動する個人・団体に贈られるもので、今回受賞した高田裕美氏は、今年で書体メーカーでの業界歴が40年目となる。長年の書体デザイナーとしての経験を活かし、子どもたちの学びを支援するUD(ユニバーサルデザイン)フォントの開発と普及に貢献したことなどが評価された。
高田氏は株式会社タイプバンク(以下タイプバンク)において、師事したタイプディレクター 林隆男氏の書体制作の精神を受け継ぎながら、当時のビットマップフォントデザインをはじめ、その時代に求められる数々の新しい書体開発に取り組んだ。「タイポス」のデジタル化や「TBUD書体シリーズ」などのリリースに尽力したほか、ロービジョン研究の第一人者である慶應義塾大学 中野泰志教授との出会いから、現場のヒアリングをもとに、約8年の歳月をかけて「UDデジタル教科書体」を開発した。
「UDデジタル教科書体」は、学習指導要領に準拠し、書き方の方向や点・ハライの形状を保ちながらも太さの強弱を抑え、ロービジョン(弱視)、ディスレクシア(読み書き障害)に配慮したデザインで、読みやすさについてのエビデンスも取得している書体である。「UDデジタル教科書体」と、「TBUD書体シリーズ」をもとにした「BIZ UD明朝/ゴシック」は、2017年の「Windows 10 Fall Creators Update」以降のWindows OSに標準搭載されたことから、教育現場やビジネスシーンなどで幅広く活用されている。
2017年の吸収合併により、タイプバンクからモリサワへ移籍した後も、高田氏は未来を担う子どもたちの学びに即した書体の普及活動を行っている。ロービジョン、ディスレクシアや視覚過敏、視覚認知の困難といった、人によって異なるさまざまな特性と、それに伴う多様な読みやすさという社会的課題に焦点を当て、フォントや組版に配慮することの大切さを、執筆や講演活動などを通じて紹介してきた。これからも、UDを実現する一歩として、読み書きに困難を抱える子どもたちの学びを支援していくとのことだ。
高田裕美の受賞コメント
今回は「佐藤敬之輔賞」に選んでいただき、ありがとうございました。大変光栄であるとともに、私が業界に入るきっかけになった林隆男氏や歴代のタイプバンクメンバーと一緒にいただいたようで、感慨深く感じています。タイプバンクでの仕事と、林氏の妥協を許さないデザインへの姿勢が、今の私の礎となっています。
これを励みに、これからも情報格差のない社会を目指し、フォントや組版の研究に取り組み、デザインの力で社会から障害を減らせるよう邁進していきたいと思います。
プロフィール
高田裕美氏(たかたゆみ)
女子美術大学短期大学グラフィックデザイン科卒業後、ビットマップフォントの草分けである林隆男氏が設立したタイプバンクに入社。書体デザイナーとしてさまざまな分野のフォントの企画・制作を手掛ける。2017年 モリサワに吸収合併後、書体の重要性や役割を普及すべく、教育現場と共にUDフォントを活用した教材配信、講演やワークショップ、教育系の雑誌や学会誌への執筆、取材対応など広く活動中。23年に初の著書「奇跡のフォント」を時事通信社より出版。
UDデジタル教科書体の詳細は以下より
https://www.morisawa.co.jp/topic/upg201802/
2024年4月発行の「日本タイポグラフィ年鑑2024」に特集として、受賞者の業績内容が掲載されます。
(発行:PIE International 編集:NPO法人日本タイポグラフィ協会)
●同件に関する問い合わせ
株式会社モリサワ コーポレート・ブランディング部 広報宣伝課
E-mail:pr@morisawa.co.jp
SNSでも最新情報を公開している
X(旧Twitter):@Morisawa_JP
Facebook:@MorisawaJapan
※記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。
※記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。
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