ニュースリリース

2026.09.28

◆株式会社ミカド  Webサイト(公開情報)の現在地を無料で確認 中小企業向け自律型Webインフラ監視プラットフォーム「SITE RADER」より「ワンショットWeb外形診断ツール」を9月28日より提供開始

〜 安全性の判定ではなく「外形観測」に特化。現状設定の可視化レポートを無償提供 〜

株式会社ミカド(本社:東京都千代田区、代表取締役:青柳 恵介)は、自社が開発・運営する自立型Web
インフラセキュリティ監視プラットフォーム「SITE RADAR(サイトレーダー)SaaS版」の診断レポート発行機能を抜き出し、「ワンショットWeb外形診断ツール」として2026年9月28日(月)より正式提供し
た。(ワンショット「SITE RADAR」※以下「OSSR」と呼ぶ)

無料のワンショットサービスは単機能で数多く存在するが、横断して使う手間がかかっていた。同サービスは、OSSR専用サイトでURLを入力するだけで、HTTPヘッダーやDNSレコード、SSL証明書期限のほか、WordPressを代表するオープンソースCMSをはじめ、SaaS型CMSなど「外部から誰でも確認できる公開情報」が、どのような設定状態にあるかをまとめて客観的に可視化する初期診断ツールである。

(※利用に際し、不正利用やアクセス過多防止のためメール認証による制限がある)

「SITE RADAR」SaaS版で提供する診断レポート同様に、Markdown形式のデータで取得できる。

なお、同ツールはWebアプリケーション内部のバグを突くような脆弱性診断ツールではなく、対象サイトの安全性や危険性を評価・判定するものではない。あくまで設定状況の“現在地”を把握するための一次資料として活用するものである。

 

■ 開発・リリースの背景

昨今、不正アクセスやWebサイトの改ざん、情報の漏えいなど、サイバーインシデントのニュースが絶え間なく報じられている。企業規模を問わずセキュリティ対策の実効性が求められる中、多くの中小企業では「自社のWebサイトが外部からどう見えているのか、基本的な設定がどうなっているのかさえ把握できていない」という課題を抱えている。

また、いきなり有料サービスを契約するのも不安を抱える声が多数ある。本格的な脆弱性診断(ペネトレーションテスト等)を実施する前に、まずは自社サイトのパブリックな設定情報(メールの認証設定や暗号化通信の設定など)が標準的な状態に保たれているかを知ることが、インシデントを減らすための重要な「最初の一歩」となるだろう。

株式会社ミカドは、この「外部からの設定状況の可視化(外形観測)」を手軽に行える環境を提供すべく、無償で利用できる「ワンショットWeb外形診断ツール(OSSR)」を提供する。

  



https://oneshot.siteradar.jp 提供ページのスクリーンショット



 

 

2026.09.28

◆富士フイルムグラフィックソリューションズ FFGS QC Navi 導入事例――菱源株式会社 デバイス間のマッチングと数値管理の徹底により色合わせの迷いを解消 作業の精度と効率が高まり、品質への確かな自信が生まれた



企画・デザインから発送までを本社内で完結できる一貫体制を強みに、商業印刷からデジタルコンテンツ、ペーパークラフト、パッケージ、ノベルティまでを手がける菱源株式会社(本社:愛知県海部郡大治町西條松下75、代表取締役社長:岡島優樹氏)は、FFGSが提供する印刷品質管理ソリューション『FFGS QC Navi』(以下 QC Navi)を活用。「Japan Colorに準拠した数値管理」を軸とした色管理体制を整え、現場オペレーションの作業効率向上、属人化解消、クライアントの満足度向上を図っている。この取り組みに至った背景にはどのような課題があり、また現在までにどのような成果が挙がっているのか。代表取締役社長・岡島優樹氏、取締役 工場長・足立隆行氏、印刷課 課長・酒井一弘氏、生産管理課 課長 兼 プリプレス課 課長・本多成吉氏に伺った。

 

■属人的な色合わせからの脱却を目指して

 1871年(明治4年)に和洋紙の販売店『菱屋』として開業し、印刷業へと事業を広げ、創業150年以上の歴史を持つ老舗印刷会社の菱源。大手自動車メーカーをはじめ、数十年にわたり取引を続けるクライアントも多く、地域に根差した印刷会社として長い歴史を持つ。現在は一般商業印刷に加え、デジタルサイネージ、ペーパークラフト、パッケージ、ノベルティなど幅広いニーズに応えている。また、印刷技能士やMUD検定の資格取得を推進するなど、人材育成と技術力向上にも積極的に取り組むほか、2022年からは、障がい者の就労支援にも力を注いでおり、本社敷地内にB型就労支援施設『やまもも園』と就労ブース『SPACE(エスペース)』を併設している。

  
   岡島社長

現在保有するオフセット印刷機は3台で、主力はA全判ハイブリッドUV4色機だ。他2台は油性機で、菊半裁判の4色機と菊全判の両面2色機。プルーファーとしては『Docu Color 1450 GA』(以下 DC1450)と『PRIMOJET』を運用している。

そんな同社がQC Naviの導入を決めたのは、近年、クライアントの品質要求レベルが高まる中、“人の腕に頼った色合わせ”に限界を感じるようになったことが大きな要因だ。「当社としては、“お客さまに自信を持って提供できる品質”を磨き続けることが大事だと考えていますが、これまでは、オペレーターの経験に頼る部分が大きく、色の再現精度に課題を感じていましたし、増刷のたびに色が合わず、営業が説明に苦労する場面も少なからずありました。加えて、人材の確保も困難になりつつあるので、“誰が刷っても同じ品質を出せる環境”を整える必要性を強く感じていたのです」(岡島社長)

 10年ほど前に印刷機をJapan Colorに合わせて調整したものの、実運用においては、色見本がクライアント支給のものだったり協力会社で出した色校正だったりと統一されていなかったこともあり、印刷現場で色合わせに苦労する状況が続いていた。


足立取締役
   印刷側の環境だけ整えても、あまり効果が得られないということがわかりました。もっと根本的な仕組みから変えなければ現場の苦労はなくならない。
プルーファーも含めた全デバイスを統合的に管理する必要があると考えたのです」(足立取締役)

 

■色が安定し、クライアントとのやり取りがスムーズに

こうした課題を解決するため、同社は2台ある4色機(UV/油性)とDC1450、PRIMOJETのマッチングに着手。FFGSの印刷診断を受けながらドットゲインカーブを調整し、データと印刷濃度が一致する状態をつくっていった。以前は、薄い色が赤く、濃い色が青く転ぶなど、アンバランスな状態だったが、補正を重ねることで、全域で安定した色再現が可能になった。


 
 本多課長

「3回ほど診断と補正を繰り返した結果、データ通りの色が出るようになりました。UV機と油性機の色差も解消できたため、印刷機の運用効率も上がっています」(本多課長)

 ベテランの職人技に頼っていた色合わせの作業は、数値管理により標準化。経験の多寡に関わらず、誰でも同じ基準で判断できるようになったことで、色調整のスピードも安定性も向上した。

「濃度計で面内の色が一目でわかるようになり、作業効率は明らかに上がりましたね。数値で判断できるので迷いがなく、誰が刷っても同じ品質が出せる環境になっています」(酒井課長)

 
 酒井課長

 色の安定化は、現場の作業性アップだけでなく、クライアントからの評価にもつながっている。

「本機校正のお客さま立ち会いの時間がだいぶ短縮できました。色の修正が入った場合、本機で刷る前にデータ上で調整し、DC1450で出力すれば、すぐに本刷りの色が確認できるので、色のやり取りが格段にスムーズになっています。お客さまも妥協せずきちんと納得した上でOKを出せる。これは現場だけでなくお客さまにとっても大きなメリットですね」(本多課長)

 また、FFGSの技術担当が印刷診断の結果を報告する説明会には、現場オペレーターだけでなく、生産管理や営業のメンバーも参加し、印刷機の原理や色に関する知識を共有。これにより、組織全体にも変化が生まれているという。

「営業から現場への色に関するクレームは、この1~2年まったくありません。それは、色合わせの精度が高まったことに加え、QC Naviの診断データが部門間の共通言語になり、プリプレスと印刷課、生産管理、営業の間で、同じ基準で話せるようになったことも大きく寄与していると思います。部門を越えた協力体制が構築できつつあると感じています」(足立取締役)

 

■協力会社への横展開も視野に

 岡島社長は今回の取り組みを総括し、「色の判断の拠り所となる“軸”がしっかりと確立されたことで、自分たちの品質に自信を持てるようになった」と成果を語る。その上で、次のステップとして“協力会社との色の統合”も見据えているという。

「社内の環境がある程度整ってきたので、今後は、協力会社の印刷機でも当社の色が出せるようにし、どの設備で刷っても“菱源の品質”と言える状態を目指したいですね。社内外で一貫した色管理の仕組みを構築することで、外注するジョブも含めた品質保証の強化を図っていきたいと考えています」(岡島社長)

 

  

 印刷機とDC1450、PRIMOJETを共通の色基準のもとにマッチングさせたことで、色合わせ作業が大幅に効率化


印刷診断で使用するチャートと診断報告書。定期診断により経時的な品質変動を把握し、
品質を安定維持している


2026.09.15

◆富士フイルムビジネスイノベーションジャパン  「第2期 GC創世研究会」修了式を挙行 10名の研究生が修了し今後の活躍に期待

 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社が主催する「第2期 GC創世研究会」の修了式が、9月11日午後4時40分より、新宿区の新宿ファーストタワー17階にある富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社の来客ミーティング室2で開催された。

 今期は、10名の研究生が受講し修了式に臨んだ。冒頭、研究生を代表して株式会社天正フヨー印刷の高橋紀久氏が「4カ月間ご指導いただいた講師の先生方には本当にありがとうございました。研修では自社や自部門の経営戦略立案や企業活動プロセスの可視化と数値化を体系的に学びました。非常に盛沢山で濃厚な研修だったと思います。私たちが学んだ研修を自社で活かして見える成果を出して会社に貢献していく所存です」と、謝辞を述べた。

 続いて、同研究会塾長の片浦康年氏が統括して、松下幸之助の自筆で挙げた聖徳太子が定めた十七条憲法の『和をもって貴しとなす』を引き合いに出して「和という話し合い聞きあい、コラボレーションを行えば、必ず目的は達成されます。皆さんも上司、仲間とコミュニケーションを行い仲良くし、自ら計画したものを実行して企業を発展させてください。会社の人たち全員で動くことが大切で、皆さんはその中核を担っていだだきたい」と述べた。

 次に、主催者祝辞として富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社の河合専務執行役員が「会社を正しい方向に導いていく経営力と、人を引き付けて未来を共に作っていく人間力が大切です」。また、阪神タイガースの岡田彰布氏の言葉を引用し「リーダーシップとは周りの人のベストを引き出すことであると話されていました。人をじっくりと観察してその人の特徴や好不調などを見ながらマネジメントしているとのことでした。過度な状況から解き放し不安を解消してあげて得意なところを伸ばしていく。困難な時は逃げずに自ら先頭に立っていくことを話されていました。これらは会社経営にも通じるものがあると思います。これから未来のことを語っていかれる時があると思うが、従業員の方たちとどんな会社を作っていくのかを考えていただければ思います。壁にぶつかる時もあるでしょうが、その時はここにいらっしゃる皆さんのことを思い出して相談されればよいと思います。皆様が素晴らしいリーダーになっていただくことを心から祈念しております」と祝辞を述べた。

 また、主催者の富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社の近藤統括部長が「皆さんは通常の業務をされながら研修を受けられてきたことは本当に大変だったと思います。しかし、回を重ねるごとに横の絆が深まっていったと思います。受講ではAIの話も出ていましたが、私の業務も仕組みや仕掛けでAIを使っていますし、お客様への提案もAIの話をさせていただいております。しかし、大事なことはリアルで実行することやコミュニケーションわしていくことが大切だと痛感しています。学んできたことを仕事に活かしていただくことと、4カ月間親交を深めてきた仲間たちとは、数十年経っても親交が継続できていけることを切に願っております」と祝辞を述べた。

 この後、司会進行役の片浦塾長が研究生の指名を一人ひとり読み上げ、近藤統括部長より修了盾と記念品が研究生に授与された。最後は全員で記念撮影を行い閉会した。

 

   

   出席者全員で記念撮影

◆第2期 GC創世研究会修了生(敬省略)
佐野 光治(株式会社アピックス)、高橋 紀久(株式会社天正フヨー印刷)、飯沼 崇史、花田 康仁(株式会社コームラ)、石田 俊典、村田 栄(ヨシダ印刷株式会社)、岩井 健一郎(日本レーベル印刷株式会社)、下川 祐一(石川特殊特急製本株式会社)、深川 雄太(日本アスペクトコア株式会社)、田中 尚輝(サンメッセ株式会社)

 

2026.09.03

◆アズワン 自動組版30年の実績からAIを活用したDTPサービスを7メニューに体系化  「カタログ簡易チェッカー」「PDF×Excel価格突合チェッカー」の無料β版も公開

AI自動組版は40頁が3分――手動DTP比600倍・従来の自動組版比約50倍。PDF・Word・IllustratorからのInDesignデータ復元、AI校正まで。無料の「自動校正ツール」2本も公開



    雑誌・カタログ制作の効率化を手がける株式会社アズワン(本社:東京都新宿区、代表取締役:中田朋樹)は、このほど、AIを活用したDTPサービスを7メニューに体系化し、専用ページ「AZ-ONE × AI OPERATIONS」(https://az1.co.jp/ai/)で提供を開始した。あわせて、カタログPDFの税込価格・JANコード・日付曜日を検算する「カタログ簡易チェッカー」と、価格マスタ(Excel)とPDFを突き合わせる「PDF×Excel 価格突合チェッカー」を無料
β版として公開した。いずれもブラウザ内で処理が完結し、ファイルはサーバーに送信されない。

背景 ― 「InDesignデータがない」「修正のたびに何日もかかる」を解く

制作現場では、PDFしか残っていない、制作会社がInDesignデータを渡してくれない、赤字修正の反映に何日もかかる、修正漏れや転記ミスがなくならない、といった課題が繰り返し起きている。アズワンは1996年の設立以来、QuarkXPress時代から自動組版に取り組んできた制作会社で、その現場知見にAIを組み合わせ、「人が打ち直す」工程をなくすことで、ミスの原因そのものを取り除くことを意図し、今回のサービスを提供することになった。

AI自動組版の実測:40頁のカタログの組版に、手動DTPでは約30時間(3.75人日)、従来の自動組版では約2時間40分かかっていたところ、AI自動組版では3分で完了。(手動比600倍・従来の自動組版比約50倍。組版ルール設計後の再実行時の実測値)。詳細は制作効率化ブログ https://az1.co.jp/article/ai-onepush-jidoukumihan/ に掲載している。

共通するのは「原本から直接データを取る=打ち直しがない」こと。復元・組版・改訂のいずれも、納品前に元データと機械照合して数値の一致を確認すること。

無料セルフチェックツール(2026年9月1日公開)

カタログ簡易チェッカー https://az1.co.jp/checker/

カタログ・チラシのPDFをドロップするだけで、税込価格の検算、JAN/ITFコードのチェックディジット検算、日付と曜日の整合(和暦対応)を機械チェック。

PDF×Excel 価格突合チェッカー https://az1.co.jp/checker/match/

価格マスタ(Excel)とカタログPDFを突き合わせ、品番の近くにマスタどおりの価格が印字されているかを1ページずつ確認。

両ツールとも処理はブラウザ内で完結し、PDF・Excelはサーバーに送信されない。社外に出せない校了前データでもそのまま使える。

依頼の流れ

現状のデータ(PDF・Excel・InDesign・赤字指示など)を送信すれば、無償で解析し、最適なサービス・金額・納期を提示する。小さな案件からのトライアルも歓迎。


会社概要

社名:株式会社アズワン(AZ1 Inc.)

所在地:〒162-0821 東京都新宿区津久戸町3-19 えひらビル3F

代表者:代表取締役 中田 朋樹

設立:1996年

事業内容:雑誌・カタログ制作、自動組版システム開発、AIを活用したDTPサービス、校正・品質管理

URL:https://az1.co.jp/

 

同件に関する問い合わせ

株式会社アズワン 中田 朋樹

TEL:03-3266-0081 E-mail:nakada@az1.co.jp

 

2026.08.20

◆GC創世研究会 参加企業インタビュー(後編) ――株式会社ビー・プロ リーダーとしての人間力が高まり、行動が変わり、組織の成長への一歩に 「他の参加者との交流を通じて大きな刺激と学びが得られた」

■自社の強みや課題が客観視でき、部門内のベクトル合わせもスムーズに

 創世研での学びは、参加者それぞれに新たな気づきをもたらし、結果として組織全体の変化へとつながっているようだ。

 松田社長は、研修を通じて財務の基礎を体系的に学べたことが大きかったと振り返る。

「当時あまり知識を持っていなかった財務について、研修でしっかりと学べたのは大きな成果ですね。経営に携わるようになってから大いに活かされています。また、研修の中ではバランス・スコアカードをベースに自社の強みや課題などをあらためて分析するのですが、そのプロセスで多くの気づきがありましたし、このときに作成した資料は、いまでも経営方針を考える際に見返しています」(松田社長)

製造部門においても、「研修を通じて“部門としての強み・弱み”を客観的に整理することができた」と日野取締役は語る。現場で“何となく”認識されていた課題が言語化され、具体的な目標に落とし込まれたことで、部門全体のベクトル合わせが進んだという。

「戦略マップを作成する中で、当社の製造部がどんな強みを持っているのか、そして宮城県・東北地区全体で見たときにどんな立ち位置にいるのか、といったことが客観的に認識できました。研修修了後、策定した戦略を製造部の役職者全員に共有したところ、皆が納得し、同じ方向を向いて進めるようになったのは大きな成果だと思います」(日野取締役)

 

 部門内で戦略をスムーズに共有できたことは、日野取締役が課題として挙げていた「コミュニケーション能力の向上」の表れでもある。

「グループ会社の高速美術印刷の常務取締役に就任した際には、社員全員と面談を行ない、一人ひとりの個性や考え方などをよく知るところから始めました。普段の業務の中でも、1対1のコミュニケーションをこれまで以上に大切にしています」(日野取締役)

 髙橋部長は、バックキャスティング思考を学んだことがとくに印象に残っているという。“こうありたい”という未来の姿から逆算して戦略を考えるというこの手法は、日々の業務にも採り入れられている。

 

「これまでは、どうしても目の前の課題の解決だけを意識しがちだったので、まず5年後、10年後の“あるべき姿”を描き、そのために何をすべきかを考えていくという思考方法は、自分にとって新鮮でした。日頃の目標設定や行動計画の策定などに活かしています」(髙橋部長)

 製造部長として部門を率いる立場にある髙橋氏にとって、この思考法はメンバーの意思統一や業務改善を推進する上でも役立っているという。

   
  
             GC創世研究会第1期 の修了式 

■日々の業務を数値で捉えるという視点

 今回お話を伺った3氏に共通しているのは、コミュニケーションに対する意識の変化だ。研修を通じて「人間力」の重要性を再認識し、日々の行動を少しずつ変えていく中で、組織の雰囲気の変化を実感しているという。

「挨拶を徹底する、積極的に話しかける、メンバー間でこまめに情報を共有するなど、基本的なことではありますが、小さな改善の積み重ねで、部門内の雰囲気が徐々に変わってきていると感じています。印刷の成果物を生み出すのは機械ですが、それを扱うのは人ですから、人と人との関係性が何より大事なのだと、あらためて実感しました」(日野取締役)

 さらに、研修で得た「見える化」の視点も社内で活かされているという。とくに製造部では、工数管理などの数値化が進み、曖昧な判断を排除する文化が根づきつつある。

「当社のメイン事業であるデータプリントサービスでは、官公庁の通知物の印刷も手がけていますが、これらは特定の時期に受注が集中するため、生産を徹底的に効率化することが求められます。そのために、前回の生産上の課題を洗い出して改善していくという作業が必要なのですが、“何となく忙しかった”という曖昧な振り返りでは、何をどう改善すればいいのかが判断できません。作業時間や工数などをきちんと数値化することで、精度の高いレビューができ、確実な改善につながるのです。最近は経営会議でも数字をもとに議論する場面が増え、改善のスピードが上がっていると感じています」(松田社長)

 

■今後も人材育成の軸として活用

 創世研はビー・プロにとって、参加者の視座を高め、日々の行動を変え、組織の文化をも変えていく“実践的な学びの場”として機能している。同社は今後も、幹部候補を創世研に派遣し、組織全体の底上げにつなげていく考えだ。

 一方で、松田社長は、修了後のフォローアップやレビュー会の継続にも期待を寄せる。

「戦略を実務に落とし込む際、壁にぶつかることも少なからずあります。レビュー会のような、富士フイルムBIジャパンさんにフォローいただける機会を定期的に設けていただけると、より確実に成果につながるのではないかと思います」

 人が育つことで、会社が変わる――。その確信を持って、同社は今後も、創世研を人材育成の軸として位置づけ、活用していく。

 

 
 集合写真左 佐藤課長(印刷創世研究会25期)  

2026.08.20

◆GC創世研究会 参加企業インタビュー(前編) ――株式会社ビー・プロ リーダーとしての人間力が高まり、行動が変わり、組織の成長への一歩に 「他の参加者との交流を通じて大きな刺激と学びが得られた」

印刷業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、次の時代を担う人材をどう育てていくか――。創業135年の歴史を持つ株式会社ビー・プロ(本社:宮城県仙台市若林区六丁の目西町4-1、代表取締役社長:松田泰成氏)は、このテーマを重要な経営課題として捉え、外部研修の活用に積極的に取り組んでいる。その中でも、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン(以下 富士フイルムBIジャパン)が提供する次世代経営者育成プログラム『GC創世研究会』(以下 創世研)は、同社にとって大きな学びの場となっているという。参加の経緯や具体的な成果などについて、代表取締役社長・松田泰成氏、製造本部 取締役製造本部長・日野貴宏氏、製造部 製造部長・髙橋幹規氏に伺った。

 
  

 
     
   松田社長(印刷創世研究会11期)、日野取締役(同20期)、髙橋部長(GC創世研究会1期) 左から


■データプリントを軸に、幅広いサービスを提供

 株式会社ビー・プロは、1891年(明治24年)創業の『江馬活版所』を起源とする老舗印刷会社である。長い歴史の中でビジネスフォーム印刷を中心に事業を展開してきたが、約30年前から帳票類の需要減少を見据え、データプリントサービスへと舵を切った。松田社長は、「データプリントを手がける中で構築した万全のセキュリティ体制が大きな強みの一つとなっており、東北地区では高水準のものと自負している」と語る。

 2008年には、『江馬印刷株式会社』から現在の社名へと改称。官公庁などからのデータプリントの受注が増え、同社のビジネスの柱となっていたことから、事業内容との整合性を図るための決断だった。

 また、グループ会社の高速美術印刷では商業印刷を手がけており、グループ全体でデータプリント、フォーム印刷、商業印刷、さらにはWeb・動画制作やマーケティング支援など幅広いサービスを提供できる体制を整えている。

■GC創世研究会とは──印刷業界に特化した次世代経営者育成プログラム

創世研は、富士フイルムBIジャパンが主催する次世代経営者育成プログラムで、同社が長年蓄積してきたベストプラクティス・ノウハウを印刷会社向けにアレンジして提供するものである。2002年に富士ゼロックス(当時)による『新世紀塾』としてスタートし、2008年からは『印刷創世研究会』、2025年から『GC創世研究会』へと名称を変え、印刷業界や社会環境の変化に合わせて内容を進化させながら、現在の形へと発展してきた。


                GC創世研究会の研修ベース

 研修は1泊2日の合宿形式で計4回。バランス・スコアカードをベースに、財務知識、生産管理、マーケティング・リーダーシップ論、自己分析、CVM(顧客価値創造型営業)などを採り入れ、自社・自部門の戦略を策定することで、実践的な経営手法を体系的に学ぶことができる。印刷業界に特化した生産改革講座や工場見学なども組み込まれており、参加者それぞれの課題に応じて学びを深めていける点が特徴だ。

 参加人数は最大15名の少人数制。研修期間中には、参加者同士の交流の場も設けられるほか、最終日には、自社の社長に向けた成果発表を行なう。そのための論文(プレゼン資料)作成のフォローも手厚い。

 今年開催されたGC創世研の第2期には、8社10名、30代から50代までの幅広い層が参加した。

 

■外部との交流を通じて自身の成長を図る

 ビー・プロが創世研に初めて参加したのは2013年。松田社長が営業部門の主任を務めていた時期に、当時の社長から「外部の研修で視野を広げてみてはどうか」と勧められたことがきっかけだった。

「当社では他の外部研修も活用していますが、経営層・リーダー向けの研修はこれが初めてだったと思います。主任職として業務の幅が広がりつつあった時期でもあり、自分自身の成長につながるのではないかと期待して参加しました。実際、さまざまな知見や気づきが得られ、貴重な経験になったと思います」(松田社長)


そんな松田社長の勧めで参加したのが日野取締役だ。製造部門から初の参加となった。

「製造部は外部との接点が少なく、社内の常識だけで判断してしまう場面もあるので、この研修が“外を知る”いい機会になると考えました。他の会社、他の立場の方と一緒に学ぶことで、さまざまな視点を得られるのではないかと。また、個人的な課題として、コミュニケーション能力を高めたいという思いもありました」(日野取締役)

 そして昨年、日野取締役から製造部長を引き継いだタイミングで参加したのが髙橋部長だ。

「自分自身の成長のための手法を学びたいと思い、参加を決めました。研修では他社の方と議論する機会も多く、刺激を受ける場面がたくさんありました」(髙橋部長)

 同社はこれまで、営業部門、製造部門、システム部門から計6名を創世研に派遣しているが、共通しているのは、「社内の研修とは違った視点で知見を深め、新たな刺激を受けることで、自身の成長を図りたい」という思いを持って参加している点だ。また、同業他社と交流が図れることも大きな魅力になっているという。

「経営者・役職者というのは同期の仲間をつくりにくい立場ですので、こうした交流の場は非常に貴重だと思います。実際、研修中の懇親会やディスカッションを通じて“共に学んだ仲間”という感覚が生まれ、その付き合いは修了後も長く続いています」(松田社長)



 研修ではディスカッションの場が多く設けられている。懇親会を通じて参加者同士の交流を深められる
のも大きな魅力


2026.08.18

◆サイバーテック   WordPress専門メディア「WordPress通信」100記事を公開 ~WordPress運用担当者向けに実践的な情報発信を強化~

ITで企業のDX対応を支援する株式会社サイバーテック(代表取締役社長:橋元賢次、本社:東京都渋谷区、以下 サイバーテック)は、このほど、Webサイトを運用・管理するために広く用いられているCMS「WordPress」の活用を支援するWebオウンドメディア「WordPress通信」において、公開コンテンツ数が100件となったことを発表した。

「WordPress通信」は、Webサイトを運用・管理するためのCMS「WordPress」を利用する企業のWeb担当者や情報システム部門、Web制作会社などを対象に、セキュリティ対策、プラグイン活用、パフォーマンス改善、エラー対策、最新バージョン情報など、実務に役立つ情報を分かりやすく提供するWeb版のオウンドメディアとして2025年9月1日に開設した。今回の100コンテンツ達成により、WordPressサイト運営に必要となる幅広いテーマを体系的に提供できる情報基盤として、実際の検証に基づくプラグイン紹介や設定方法、セキュリティ情報など、現場でそのまま活用できる実践的なコンテンツを継続的に公開する流れが整った。

また、サイバーテックは英語圏のフィリピン セブ島に有する自社拠点を活用し、英語圏でいち早く公開されるWordPress関連情報を迅速に収集・分析を行い、「WordPress通信」を通して、日本語で「分かりやすく・素早く」情報発信を行っている。

今後も「WordPress通信」では、WordPressを安心・安全に運用するための最新情報や実践ノウハウを継続的に発信し、日本企業のWebサイト運営を支援していくとしている。

 

 

2026.08.03

◆サイバーテック   セブR&Dセンター、創立20周年! フィリピン セブ島で20年。日本企業のDXを支えるグローバル開発拠点として定着

ITで企業のDX対応を支援する株式会社サイバーテック(代表取締役社長:橋元 賢次、本社:東京都渋谷区、以下 サイバーテック)は、2026年8月1日をもって、フィリピン・セブ島の現地拠点が創立20周年を迎えた。

サイバーテックは1998年9月8日に創業し、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援するITソリューションを提供してきた。グローバルな開発・サポート体制の構築を見据え、2006年8月1日に英語圏であるフィリピン セブ島に海外拠点を設立しました。以来20年にわたり、日本本社との緊密な連携のもと、XML(構造化ドキュメント)技術とベストプラクティス開発により、Webアプリケーション開発やCMS導入・運用などを中心としたサービス提供を継続し、独立系ITベンダーとしては、異例ともいえる長期にわたる海外拠点運営を実現した。現地では技術者の育成や業務ノウハウの蓄積を進めることで、高品質かつコストパフォーマンスに優れたサービスを日本企業の顧客へ安定的に提供できる体制を構築している。

近年では企業のDX需要が一層高まる中、システム開発だけでなく、コンテンツ管理やデータ活用、AIを活用した業務効率化など、顧客のニーズも多様化している。サイバーテック セブR&Dセンターでは、こうした変化に対応する重要な開発・サポート拠点として、その役割をさらに拡大している。

今後は、現地従業員のさらなるスキルアップと人材拡充を推進するとともに、日本本社との連携を一層強化し、日系企業を中心とした顧客へ、より高品質でリーズナブルなサービスを提供していくとしている。また、自社製品の開発体制および英語サポート体制を強化し、自社製品を通して国内外の顧客の企業価値向上に貢献していくとのことだ。

 

■サイバーテック セブR&Dセンター 概要

設立:2006年8月1日

代表者:橋元賢次

住所:5th Floor, JDN Bldg. P.Remedio St., Banilad, Mandaue City Cebu Philippines 6014

(フィリピン, セブ, マンダウエ市 バニラッド, P.レミディオ通り JDNビル5階)

従業員数:約50名(うち日本人6名)

保有スキル:Java、PHP、JavaScript、HTML/CSS、WebCMS(WordPress, etc.)、Adobe系ツール、

AIアノテーション用ツールなど

 

【問い合わせ先】

株式会社サイバーテック 管理部 広報担当 薮田

〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-20-1 Osawa Bldg.5階

問い合わせフォーム:https://www.cybertech.co.jp/inquire/form_contact/

URL:https://www.cybertech.co.jp/

 

 

2026.07.10

◆富士フイルムグラフィックソリューションズ  FFGS QC Navi導入事例――株式会社ミユキ印刷(後編)  色の変動が抑えられ、シビアなクライアントからの評価が大きく向上  高品質を当たり前に提供できる生産体制が確立し、営業の提案力も高まった

■色の安定化が信頼を生み、新規受注にもつながっている

 オフセットの色の安定化、デジタル機を含めた色の統一化は、さまざまな形で効果をもたらしている。とくに、色の修正や刷り直しなどの負荷は大幅に減少した。山地部長は実感をこう語る。

「以前は、量産中に色が変動しないかをお客さまが細かくチェックされることもありましたが、いまは印刷中のブレがほとんどなく、安心して任せていただけるようになりました。現場だけでなく、お客さまの負担も減っています」(山地部長)

 キャラクターグッズのように色にシビアな仕事では、わずかな色のブレがクレームにつながることもある。しかし現在は、用紙や絵柄、印刷条件にもよるが、色校正と本刷りの差は多くの案件でΔE<2を目安に管理できるようになり、色に関するクレームや再調整は大幅に減少し、安定した品質への評価につながっている。石川部長は「お客さまからの信頼が高まっており、営業面での効果も大きい」と強調する。

「営業が色校正をお届けする際に、自信を持って『この色で量産できます』と言えるようになりました。これによってお客さまの不安をなくすことができたのは大きいですね。営業の精神的な負荷もかなり軽くなっていると思います」(石川部長)

 厳しい品質要求に確実に応えられるようになったことで、「ミユキ印刷なら大丈夫」という信頼が定着し、紹介による新規受注も増えているという。

 オフセットとデジタルの色が揃ったことで、営業の提案力も向上した。

「たとえば、初回はオフセットで印刷し、売れ行きに応じてデジタルで少量ずつ追加、といった柔軟な提案がしやすくなりました。品質差を気にせず最適な機械を選択できるようになったことは非常に大きなメリットです」(石川部長)

 とくに、推しグッズのようにロットの変動が大きい商材では、印刷方式やロットが変わっても色差を抑え、基準色に近い状態で安定して再現できる環境が、同社の強力な武器になっている。

 

   

    同社が手掛ける制作物には特殊原反を使用したものやパッケージなどの立体物も多い

■生産効率が向上し、1日のジョブ数も増加

 色の安定化は、現場の生産性にも直結している。量産時の色の調整時間が短縮され、トラブルによるチョコ停も大幅に減少。湿し水管理の改善や温湿度管理の見直しなども効果を後押しし、「刷りやすい環境」が整ったことで、1日にこなせるジョブ数も増加した。

「以前は刷り出しに時間がかかり、生産性に影響することが多々ありました。いまは色調整が格段にスムーズになりましたし、万が一、印刷中に色が変動した場合でも、立ち戻れる基準ができたことで、素早く修正をかけることができます。作業効率は明らかに向上していますね」(山地部長)

 また、色が安定したことで、刷り直しによる時間や資材などのロスがほぼ発生しなくなった。これはコスト面だけでなく、現場の心理的負担の軽減にもつながっている。

 

■この品質水準を維持することで、お客さまを縁の下で支え続ける

 色基準の策定から数年越しの取り組みを経て、“効率的かつ安定した印刷環境”を実現したミユキ印刷。色の安定化は、クレームの削減や生産効率の向上だけでなく、営業の自信、クライアントからの信頼、そして新たな提案の可能性へとつながっている。今後は、この理想的な状態をいかに維持していくかが重要なテーマになる。

「ドットゲインの変化が出やすい夏と冬を中心に、FFGSさんに定期診断をお願いし、品質の安定維持を図っています。これは、お客さまに対する品質保証において有効なだけでなく、色の状態が数値で確認できるため、現場の意識向上にもつながっています」(山地部長)

 また、鈴木社長は、「今回確立した色管理体制を当たり前に継続していくことによって、お客さまの信頼を積み重ねていく」と今後の姿勢を語る。

「印刷はいわば黒子の仕事であると捉えています。お客さまを縁の下で支える存在でありたい。今回の取り組みは、そのための品質基盤づくりという位置づけです。これからもつねに高い水準の品質を維持していくことが、ミユキ印刷の隠れた強みになり、お客さまの評価にもつながると思っています」(鈴木社長)

 同社は今後も、「価値ある印刷物を、確かな品質で届ける」という姿勢を貫きながら、オフセット印刷とデジタル印刷それぞれの長所を最大限に活かし、小ロット・高付加価値の分野でさらに強みを発揮していく考えだ。

 

2026.07.10

◆富士フイルムグラフィックソリューションズ  FFGS QC Navi導入事例――株式会社ミユキ印刷(前編)  色の変動が抑えられ、シビアなクライアントからの評価が大きく向上  高品質を当たり前に提供できる生産体制が確立し、営業の提案力も高まった

 キャラクターグッズなどの高付加価値・小ロット印刷物を幅広く手がける株式会社ミユキ印刷(本社:東京都八王子市東浅川町554-23、代表取締役社長:鈴木將大氏)は、富士フイルムグラフィックソリューションズ(以下 FFGS)の印刷品質管理ソリューション『FFGS QC Navi』(以下 QC Navi)を活用し、色基準の策定からオフセット印刷の色の安定化、さらにはオフセット機・デジタル機を含めたデバイス間のカラーマッチングまで、“色品質の統一化”の取り組みを続け、着実に成果を挙げている。色管理の強化に着手した背景や、現時点での効果などについて、代表取締役社長・鈴木將大氏、製造部部長・山地英也氏、営業部部長・石川竜也氏に伺った。

   

 

■3種の印刷方式を柔軟に使い分け、幅広いニーズに対応

 ミユキ印刷は、1972年の設立以来、取扱説明書や約款などのモノクロ印刷物をメインに手がけ、編集・DTPのノウハウを強みとして成長してきた。2000年代に入り、メインクライアントの主力商品であったカメラの需要変化に伴い、取扱説明書の受注が減少傾向に転じてからは、キャラクターグッズ、高級ブランドの招待状、御朱印帳など、「印刷物そのものに価値がある」分野へと事業を拡大。現在は、シール・ラベル、パッケージ、ディスプレイ・POP、DM、アセンブリなどへ対応領域を広げながら、丁寧にニーズを汲み取る営業力と、内製化による一貫生産体制を強みにしている。価格だけに頼るのではなく、品質・対応力・提案力によってクライアントと直接向き合い、多様な小ロット・高付加価値ニーズに応えている。

 設備面では、オフセット機3台(UV5色機・4色機、油性2色機)に加え、Jet Press 750S、Iridesse Production Press、さらには静岡県の沼津事業所にRevoria Press PC1120(以下 PC1120)を保有。紙だけでなくフィルム系などの特殊原反も含めた幅広い対応力を備え、クライアントの要望に応じて最適な機種で生産できる体制を整えている。

「オフセット、インクジェット、トナーと、3種類の印刷方式を揃え、柔軟な対応ができるのが大きな強みになっています。どの機械で生産するかは基本的に営業が判断していますが、いずれの印刷機もつねに高い稼働率を保っており、特定の機種にジョブが偏ることはありません。受注内容と生産設備が上手くバランスしている状況です」(鈴木社長)

 

      

    左から鈴木社長、山地部長、石川部長

■色管理を根本から見直し、商業印刷での品質安定化を実現

 一方で、「色」に関しては、数年前まで体系的な管理が確立されておらず、課題も多かったという。明確な色基準がなく、ジョブごとに“クライアントから求められる色”に合わせて調整するという運用が中心だったため、色を出すのに多くの時間と労力を費やすことも珍しくなかった。

「当時は、色に対する知識や管理の仕組みが充分とは言えず、オペレーターが色の再現に苦労することが多々ありました。どうしても色が合わない場合は、データに戻って修正し、刷版を再出力するケースもあり、大きなロスになっていました。また、飲食店さんのメニューなどの仕事で、『全体的に色が浅い』『青みが強い』といった指摘を受けることもあったため、対策の必要性を強く感じるようになったのです」(鈴木社長)

 こうした状況を受け、同社は色管理を根本から整備し直すべく、色基準づくりに着手する。FFGSのサポートのもと、オフセット印刷機のうち1台を基準機とし、Japan Colorに準拠した色基準を策定。刷版カーブや濃度管理を見直すことで、基準の色を安定して再現できる状態を整え、他のオフセット機にも水平展開していった。

 この基準づくりと並行して、現場環境の整備も進められた。色の再現性に影響を与える要因として、温度・湿度の変動や湿し水の状態がある。そこで同社では、印刷現場の温度・湿度を一定に保つよう管理を徹底。さらに、湿し水ローラーの交換サイクルを従来の半年から3カ月へと短縮するとともに、最新のろ過装置によって湿し水タンク内をつねにクリーンな状態に保つなど、印刷環境そのものを安定させる取り組みを進めた。こうした基盤整備により、商業印刷物における色の課題は大きく改善していった。

 

   

    基準に基づく数値管理、温湿度管理の徹底などにより、色の安定性が大きく向上した          


■オフセット、インクジェット、トナーの高精度なマッチングへ

 しかし、同社がキャラクターグッズやアイドル関連の商材を本格的に手がけるようになると、さらなる色管理体制の強化が求められることに。

 これらグッズの分野は、版元の色に対する評価が極めて厳しく、わずかな色のブレも許されない。また、色校正から量産(本刷り)までに数カ月程度、期間が空くことも多いため、印刷機の色が安定しないと、校了の色を量産で再現することが難しくなってしまう。

「キャラクターグッズの分野は、一般の商業印刷物とは品質要求レベルがまったく違います。しかも、小ロット多品種のものが多く、使用する生産機も原反の種類も多岐にわたります。ですから、QC Naviを活用してオフセットだけでなくデジタル機も含めて高精度に色を揃える必要がありました」(石川部長)

 ただ、必要性を感じつつも、昨年にPC1120を導入するまでは、具体的な取り組みの実施には至っていなかったという。

「オフセットの色とデジタルの色を高精度にマッチングさせることは、ほぼ不可能だと思っていたのです。Jet Pressは限りなくオフセットに近いですが、トナー機を合わせるのはかなり難しいだろうと。しかし、PC1120の仕上がりを見て、これなら実現できそうだと感じました」(鈴木社長)

 

    オフセット印刷とトナー機、JetPressをシームレスに運用できる環境が実現

 こうして、同社はオフセット機とJet Press、PC1120、Iridesseのマッチング作業に着手。すでにQC Naviの定期診断を通じて色の安定化を図っていたオフセット機を基準として、各デジタル機の調整を進めていった。現在は、色校正と量産でどのプロファイルを使用するか、リピート案件でどの条件を採用するかなど、細かい運用ルールを詰めている段階だ。

「ようやく、すべての印刷機を同じ基準で活用できるという、理想的な環境が整ってきました。ここから詳細な運用方法を固めていくことで、お客さまの期待に応えられる品質を、さらに効率よく安定的に提供できるようになると思います」(鈴木社長) 
(後編に続く)

 

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