ニュースリリース

2023年03月

2023.03.23

◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ  SUPERIA ZX導入事例――日経印刷株式会社 理想の完全無処理環境が実現し、製版・印刷両部門でメリットを実感 「視認性の高さ」「キズのつきにくさ」が安心感をもたらし、生産効率アップにも寄与

  2024年に創業60周年を迎える日経印刷株式会社(本社:東京都千代田区飯田橋2-15-5/代表取締役社長:廣瀬 智氏)は、その大きな節目を前にした20227月、「刷版工程の完全無処理化」を達成した。テスト期を含め、およそ2年をかけてじっくりと進めた無処理プレートの導入プロセスには、どんな紆余曲折があり、結果的にどのような工程改革が成されたのか。製版部部長・松岡哲也氏と印刷部 G2 印刷1課課長・大森健一氏に、製版部門・印刷部門それぞれの観点から、SUPERIA ZX採用の経緯や、現場に生まれたメリットについて伺った。

■プレートセッター更新を機に、一気に無処理化への機運が高まる
  個人経営の謄写印刷所『日経プリント』として1964年に創業して以来、冊子・書籍などページ物の仕事を中心に“こだわりの技術と信頼性”で着実に業容を拡大し続け、いまでは企画・デザインから仕分け・発送までワンストップで完結できる都内有数の総合印刷会社へと成長した日経印刷。出版・製薬・金融・各種メーカー等々、幅広いクライアントの多様な仕事を手がけ、中でも、国の行政機関である中央省庁が刊行する“白書”については「白書の日経」と異名をとるほどの実績がある。近年では、配信サポートや映像制作を主とした『NP CREATION』という新事業も展開し、印刷物とデジタルコンテンツの両構えでクライアントのニーズに応える同社だが、企業前進の原動力となっているのは、長年にわたり磨き上げてきた印刷技術である。

  
   
日経印刷のフラッグシップ工場『グラフィックガーデン』
 
 
その象徴、集大成とも言えるのが、2008年に竣工したフラッグシップ工場『グラフィックガーデン』だ。これにより、もともと 3カ所に分かれていた製造拠点が、このグラフィックガーデン(板橋区)と浮間工場(北区)の2工場体制に。そして、「印刷のエキスパートとしてお客さまのために何ができるのか」をさらに深く追究する、日経印刷の新たな挑戦が始まった。その挑戦の一つに「環境対応の再強化も含まれていた」と松岡部長は言う。
「環境負荷低減には早くから取り組んでいたのですが、グラフィックガーデンの開設を機に、よりいっそう徹底しようと。工場設計段階から排出物の抑制やリサイクルなどに徹底的に配慮し、綿密にデータを取りながら成果を高めていきました」

  最新のデータを見ると、何とリサイクル率は97%。実際、グラフィックガーデンは、優れた環境対応設備や積極的な企業活動が認められ、2012年にグリーンプリンティング工場認定を取得。その後、「印刷産業環境優良工場表彰」で最高位となる経済産業大臣賞を受賞している。そして2021年。「製版工程廃液ゼロ」に向け、完全無処理化への取り組みが始まった。

「初期の無処理プレートが登場した頃からつねに注目し、何回かテストも行なっていました。ただこれまでは、環境性能は文句なしでも、実用面ではまだまだ発展途上の技術であると判断し、つねにアンテナを張りながら、意に適う無処理プレートの登場を心待ちにしてきたわけです」(松岡部長)

 無処理化を推し進めるきっかけとなったのは、2020年、プレートセッターの更新だった。

「グラフィックガーデンのプレートセッター 3台のうち 2台が更新の時期を迎え、無処理プレート対応機に置き替えることになりました。浮間工場にある1台はすでに対応済みでしたから、これを機に両工場とも無処理化を進めようと。長い間、導入を見送ってきた無処理プレートでしたが、セッターの更新によって一気に機運が高まったんですね。早速、各社の最新プレートを比較検討した結果、総合性能の高さから『SUPERIA ZD-II を選択し、さまざまな絵柄、台数、通し枚数、所有している印刷機との相性などを徹底的にテストしました」

 約半年のテストを経て、20215月、満を持して、無処理プレートの本格運用が始まった。

    
   完全無処理化により「廃液ゼロ」「大幅な省スペース化」を実現した刷版室

■視認性の大幅アップで、「無処理」を意識せず使えるレベルに

 製品性能をシビアに見極め、高いレベルでの活用にこだわる日経印刷の現場で、初めての無処理プレートはどのように評価されたのだろうか。松岡部長は当時の印象をこう語る。

  
   
松岡部長

「無処理プレートの中では最先端を行っていたSUPERIA ZD-II ですが、どうしても我々が求めてしまうのは、有処理と変わらないレベルのプレート性能なんですね。ですから現像工程がなくなることによる数々のメリットを実感しつつも、視認性や刷りやすさなどについては、まだまだこれから進化していく余地があると、次世代のプレートへの期待を抱きながらの運用でした」
 現場は柔軟に適応し、わずか1カ月ほどで9割程度の仕事をZD-IIでこなせるようになったというが、それでも一気に「全面切り替え」は断行せず、しばらく慎重に有処理の『XP-F』との併用を継続。完全に自現機を撤去したのはおよそ1年後、2022年の夏だった。ちょうどこのタイミングで、無処理プレートをZD-IIから次世代の『SUPERIA ZX』へと移行した。

7月に、グラフィックガーデンの残り1台のセッターを無処理プレート対応機に更新し、翌8月からすぐにSUPERIA ZXの本格運用を開始しました。この時点で100%完全無処理化が達成できたわけです。11月には浮間工場も含めて全社ZXで統一しました」(松岡部長)

 ZXに移行したことで、現場の評価はどう変わったのか。印刷部の大森課長は、「まず感じたのは、視認性が格段によくなったこと」と語る。

「製版現場からも『すごく見やすくなった』という声がありましたが、印刷現場では、さらにインパクトが強かったように思います。初めに有処理のXP-FからZD-II に替わって慣れるのに苦労したあと、今度は一気に元の有処理のレベルに近づいたわけですから、非常に安心感がありますよね。実際、視認性の改良がZX開発の大きなテーマだったと聞いていますが、それも納得できる大幅改良だと感じました」

 松岡部長が付け加える。

XP-Fとまったく同じとまでは言えませんが、無処理プレートであることを意識せずに使える充分なレベルです。この版がどのジョブの何色の版なのかを、ストレスなく判別して作業を進められますから。視認性の向上は製版現場・印刷現場どちらにもメリットがある、最大の進化だと思います」

 SUPERIA ZXは、製版現場だけでなく印刷現場にも恩恵をもたらしており、それは視認性の向上だけにとどまらないという。

XP-FZD-II と比べてもキズがほとんど発生しなくなり、版キズのトラブルはほぼ解消され、作業効率が確実にアップしています。以前は、キズが発生するとプレートを再出力したり消去ペンで処理したりといった作業がつきものでしたが、最近ではほとんどありません」(大森課長)

 効率面で言えば、SUPERIA ZXは、刷り出しの早さも申し分ないレベルだという。

ZD-II では、紙面にインキが乗るまでにそこそこの枚数を通していたのですが、ZXでは1枚目からインキが乗ってきます。また、地汚れが出にくくなった分、水目盛りを下げられるようになったので色の安定性も高まり、ドットゲインの振れ幅も以前よりかなり小さくなっています。色合わせも断然やりやすくなりました」(大森課長)
 

   

   LED-UV機が並ぶ印刷現場。SUPERIA ZXは優れたUV適性を発揮している


■刷版工程自動化など、さらなる改革への足がかりに

 最後に、SUPERIA ZD-II との比較ではなく、無処理プレート共通のメリットである「自現機レス」による効果について、松岡部長に総括していただいた。

  
   
大森課長

2021年の導入時、最もインパクトがあったのは刷版室の省スペース化でした。もともとそれほど狭い部屋でもなかったのですが、実際に自現機を撤去してみたら『こんなに広くなるのか』と驚きましたね。自現機に付帯する機器も一緒に撤去したので、空きスペースがさらに広々と感じられました」
 不要になったのは、自現機の「スペース」だけではない。

「実務上のメリットとして、定期的なメンテナンスの時間や手間がゼロになったことも大きいですね。また、現像廃液がゼロになることで直接的にコストの削減につながっていますし、現像液のマニュフェスト伝票を発行する必要もなくなりました。工場の環境対応レベルが一段とアップしたことも、会社として重要なメリットだと考えています」(松岡部長)

 松岡部長は、もう一つ、現像工程カットによる「品質管理面でのメリット」を付け加えた。

「ゴミの付着、現像液の劣化による影響など、有処理ではどうしても現像段階でのトラブルのリスクがありました。厄介なのは、印刷でトラブルがあった場合、現像なのか、露光なのか、プレートそのもののせいなのか、原因の切り分けが難しいんです。いろいろな要素が絡んでくる。しかし無処理であれば、はじめから現像トラブルという要因を取り除けます。おかげで、万が一の際の原因究明がよりスピーディーに進められるようになりました」

 自現機の設置スペースゼロ、廃液ゼロ、メンテナンスの負担ゼロ。そうして生まれた余力を、どのように活用していくのか。松岡部長は今後の展望も含めてこう結んだ。

「人に関しては、機器管理の負荷が減った分、他の生産的な作業に時間を使えるようになりました。省スペースについては、自現機 3台分の空間が増えたので、そこに新たな生産機を導入することも可能ですし、自動搬送装置などの設置によってプレート出力のオートメーション化に取り組むこともできます。無処理化をきっかけに、より効率的に、より高品質なものづくりが行なえるよう改革を進めていきたいと思います」
 日経印刷はこれからも、「地球にやさしい」「人にやさしい」印刷会社として進化を遂げながら、クライアントの企業価値アップに貢献するべく、自らの革新に挑み続けていく。


2023.03.17

◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ  tilia phoenix導入事例――大阪印刷株式会社 RPAツールとの連携でアクリル商品の面付けを自動化  多種多様なジョブの最適な付け合せパターンを瞬時に算出、人的ミスの削減にも寄与

  同人誌印刷や各種グッズ製作を手がける大阪印刷株式会社(本社:大阪府大阪市此花区常吉1-1-60、代表:根田貴裕氏)は、工程自動化の一環としてジョブプランニング・面付けソフトウェア『tilia phoenix』を導入し、人手に頼っていたアクリルグッズなどのグルーピング・面付け作業の大幅な効率化を実現。強みの一つである小ロット・多品種への対応力に一段と磨きをかけている。導入の経緯や具体的な効果などについて、同社の緒方人志氏、長江優花氏に伺った。

 

■同人誌・関連グッズの小ロットニーズに応える

 大阪印刷は、漫画やアニメの同人誌および関連グッズの製作を手がける印刷会社。2012年、同人誌の委託販売書店兼漫画喫茶という業態で創業し、2016年にPOD・無線綴じ製本ラインを導入して以降、着々と設備を拡充しながら、印刷・製本加工を主体とする現在の業態へとシフトしてきた。顧客の9割近くが個人顧客となり、受注はすべて『OTACLUB』というWebサイト経由でオーダーを受けているため、同社は営業部門を設けていない。売上については、全体の約3分の2が、冊子や名刺、ポストカードなどの紙製品で、3分の1がノベルティグッズとなっている。

   
   長江氏
  大阪印刷の強みの一つは、商品開発力。メインターゲット層のニーズを的確に捉え、社内でアイデアを出し合って独自の商品を生み出していく。そのラインアップは、冊子からクリアファイル、シール・ステッカー、カレンダー、アクリルグッズ、缶バッジ、パッケージ、ステーショナリー、バッグ、食器類まで、多岐にわたる。

「印刷用の商材を購入し、それに印刷してお渡しするという形ではなく、もっと広い視野で商品づくりに取り組んでいます。ありものの商材に印刷するのであれば、どの印刷会社でもできると思いますが、当社は一からモノを創り出すことにこだわっており、お客さまにはその点でご支持いただいているのではないかと思っています」(緒方氏)

 もう一つの強みは、小ロット・多品種に柔軟に対応できる機動力。デジタル印刷機や各種加工設備を充実させ、外注に出さず内製にこだわることで、高品質・短納期での商品提供を実現している。

「小ロットで高品質なものを安く・速く提供できる体制を確立することで、同人誌やグッズづくりにチャレンジする方の登竜門的な存在になりたいと思っています。初めて印刷を頼もうというお客さまにとって、その第一歩が大阪印刷になるように。そのために“少ない数で、きれいに安くつくる”ということに、熱意をもって取り組んでいます」(緒方氏)

 200種以上のアクリル板に、いかに効率よく面付けするか
 日々入ってくる膨大な種類・件数の小ロットのオーダーに、効率よく、間違いなく対応するため、同社は工程の自動化にも力を入れている。とくに重点的に進めているのが、入稿から製造(印刷・加工)までの上流工程の自動化だ。たとえば、入稿データのファイル名や解像度などをチェックし、自動で修正・警告を行なう仕組みを、社内で独自に開発。発注者とのやり取りを極力減らすとともに、データ作成ミスによって“意図しない仕上がり”になってしまうことを防いでいる。


     アクリル商品は膨大なカラーバリエーションが用意されており、
   Webサイト上で色見本を確認できる

「注文件数は、多いときで月に18,000件ほど。1日約600件。これだけのオーダーに対し、入稿データのチェックは基本的に1人で行なっています。また、ファイル名などの大枠のチェックを終えてから、白版やモアレなどの詳細なデータチェックを行なう工程があり、その部隊が6名。1人あたり60件から100件ほどのペースになります。自動化の仕組みがなければ、この量をこなすことはできません。多くの商品を安く短納期で提供するには、自動化が必須になるわけです」(緒方氏)

 今回、tilia phoenixを導入したのも、こうした自動化の取り組みの一環だ。面付け工程も、人の判断を必要とし、作業負荷が大きくミスも起こりやすかった。

「面付けの自動化については、冊子類のフローを先行して、別のツールを使って進めていました。紙製品は面付けがパターン化しやすく、効果をすぐに実感できると考えたからです。実際、明確な効果が得られたため、次のステップとして、ノベルティグッズの面付け自動化に着手したわけです。そのためのツールとして着目したのがtilia phoenixでした」(緒方氏)

 ノベルティグッズの中で、まず自動化対象として考えたのが、アクリルキーホルダー、アクリルスタンドなどのアクリル商品だ。月に1,500件ほど、個数にして約8万個のオーダーが入る。ほとんどが小ロットで、納期(発送希望日)も発注者によってまちまち。冊子のような定型物とは違い、サイズや形状もさまざまだ。しかも、使用するアクリル板には、なんと200種類以上ものカラーバリエーションがある。これは発注側にとっては大きな魅力だが、製作側においては、多種多様なオーダーをいかに効率よく仕分け、面付けするかが大きな課題となる。

「小ロットのものが多いので、1枚のアクリル板に複数のオーダーを付け合せて印刷することになります。膨大な種類のアクリル板に、納期別に付け合せていかなければならないので、そのグルーピングが大変でした。板の種類ごとにクリアファイルを用意して、そこに紙の発注書を入れていき、その中で納期の近いオーダーを組み合わせるといったやり方をしていたのですが、慣れるまでは付け合わせの判断にすごく時間がかかっていました」(長江氏)

 ■「人の判断」を自動化したことで、1日にこなせる件数が数倍に
 そんな面付け作業を自動化するツールとして、同社は2つの製品を検討。最終的にtilia phoenixを選んだ理由について、緒方氏はこう語る。

 

「このようなツールを自社のフローに組み込んで運用するには、細かいカスタマイズが必要になるので、社員が自分たちで勉強し、楽しみながら構築していけるものが望ましいと考えています。その点、
tilia phoenixは、他のシステムとの連携なども含めた自由度が高く、そこが魅力的でした。もう一つのツールは、金額的に合わなかったということもありますが、カスタマイズをベンダー側に任せることになる点が、当社にはマッチしなかったのです」(緒方氏)

 大阪印刷には、システム開発を手がけるSEが在籍しており、さまざまな自動化システムを自社で構築している。長江氏もそのメンバーの一人だ。tilia phoenix導入に際しては、すでに運用していたRPAツールと連携させ、自動で最適な面付けを行なうフローを、自らの手でつくり上げた。

「基幹システムから書き出された受注情報と面付け条件が書かれたCSV、そして入稿された印刷用データを、特定のフォルダに入れるだけで、アクリル板の種類や納期を考慮した最も効率的な面付け結果が得られるようになりました」(長江氏)

 SEの視点から見たtilia phoenixについて、長江氏は「概要を一度理解してしまえば、非常に使いやすいツール」と評価する。実際、同社では、FFGSから半日間のトレーニングを1回受けただけでtilia phoenixを使いこなし、短期間のうちに自動化フローを組み上げてしまった。

 これにより、面付け担当者の負荷が大幅に軽減されただけでなく、生産効率が格段に向上したことは言うまでもない。

「カラーアクリルの商品に関しては、以前は1日に10件ほどしか処理できませんでしたが、tilia phoenixでは何十件もまとめて処理できるようになっています。私自身、手動での面付けを経験しているので、自動化の効果の大きさは身をもって実感しています」(長江氏)

 また、tilia phoenixによる自動化は、人的ミスの削減にも寄与しているという。

カラーアクリル板には似たような色名があり、発注書を人の目で確認していたときには、指定されたカラーを見間違えるなどのミスが起きていましたが、自動化によりそのリスクがなくなりました。これは、アクリルの廃棄率の低減にもつながっています」(緒方氏)
 

    
     Phoenixの面付け画面。最も時間のかかっていたグルーピングの作業が
   大幅に省力化された

■魅力的な商品をフットワークよく提供し続けるために
  緒方氏は、「tilia phoenixの活用範囲はもっと広げていける」と手応えを感じている。

アクリル商品の他にも、紙コースターやダイカットシールなどにも活用を始めていますし、今後、缶バッジの面付けもtilia phoenixで自動化したいと考えています。面付けからプリント、カットまで自動化し、生産能力をさらに高めていく計画です」

 小ロットに特化し、品質とスピードにこだわり、魅力的な商品を次々と生み出し続ける大阪印刷。現時点でも圧倒的なバリエーションを誇る商品ラインアップは、今後もまだまだ拡充していくという。工程の自動化は、そのための重要な基盤づくりなのだ。

「小ロットの商品を求められるお客さまに対して、フットワークよく高品質な商品を提供できることが当社の最大の強みだと思っています。この強みをさらに伸ばしていくために、もっと改善したいところもありますし、システムを一から組み直したいところもある。自動化の取り組みはこれからも続けていくことになると思います」(緒方氏)

 

 

2023.03.13

◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ  生産工程最適化事例――株式会社広済堂ネクスト  プリプレス工程の自動化・見える化で、工数を半分以下に削減 大幅な生産効率アップにより、成長戦略に向けたリソースの再配分が可能に

  広済堂グループで情報ソリューション事業を担う株式会社広済堂ネクスト(本社:東京都港区芝浦1-2-3、代表取締役社長:根岸千尋氏)は、重要課題として取り組んでいる生産工程改革の一環として、2020年、FFGSのサポートのもと、プリプレス工程の自動化・省力化・見える化に着手。新たな工程管理システムを中核に据え、スキルレスで効率的、かつ柔軟性に優れた生産環境を実現している。取り組みの経緯と具体的な効果、今後の戦略などについて、プリントソリューション事業部 生産本部 プリプレス部の部長・佐藤祐志氏、次長・吉田貴裕氏、製版課 課長・藤井大祐氏に伺った。

      
    左から佐藤部長、𠮷田次長、藤井課長

■全体最適に向けた工程改革に着手

 広済堂ネクストは、1949年、「櫻井謄写堂」として創業し、72年に「廣済堂印刷株式会社」へと改名。90年代からは、業界に先駆けて培ってきたデジタル情報加工技術をベースに、IT分野にもフィールドを拡大し、印刷とIT2本柱として事業を展開してきた。99年に株式会社関西廣済堂と合併し「株式会社廣済堂」に。202110月、持株会社体制への移行に伴い、「株式会社広済堂ホールディングス」の100%子会社として「株式会社広済堂ネクスト」が設立。印刷・ITに加え、BPOサービスも含めた情報ソリューション事業を継承し現在に至っている。

  生産拠点としては、出版印刷をメインとするさいたま工場(埼玉県さいたま市)、新聞印刷の有明工場(東京都江東区)、デジタル印刷に特化した入間工場(埼玉県入間市/NTT印刷・福島印刷とのシェア生産)を持つ。

  今回、最適化の取り組みを行なったのは、さいたま工場。雑誌や書籍、コミックスなどの出版物を中心に手がけ、入稿から製版、枚葉・輪転印刷、製本加工、配本までの一貫体制を持つ主力拠点だ。同工場では、最新の生産設備を備える一方で、とくにプリプレス工程において、人手に依存した作業が多く、前後工程との情報連携も充分にとれていないなどの課題があり、昨今の小ロット・短納期ニーズに確実に対応するには思い切った工程改革が必要だったという。

 「出版物のプリプレス工程には、定型作業がかなりあり、そこには多くの人手とコストがかかっていました。しかも、それらはお客さまから対価をいただきにくい部分。ですから、可能な限りタッチポイントを減らし、作業の負荷軽減・標準化を図るとともに、工程の見える化も進めることで、プリプレス全体の生産効率を高めようと考えたのです」(佐藤部長)

  同社はすでにMISや印刷工程管理システムを導入するなど、デジタル基盤の整備を積極的に進めてきたが、生産工程全体の最適化のためには、プリプレスのさらなる効率化が不可欠だった。そこで、2020年、プリプレス工程最適化のプロジェクトが始動。関係するメーカーとの調整も含めた全体のサポートをFFGSが担った。プロジェクトのパートナーとしてFFGSを選んだ理由について、佐藤部長はこう話す。

 「3社のベンダーさんに声をかけさせていただき、それぞれ、システム再構築の提案をいただきました。他のベンダーさんからは、ほとんど人手を介さずに製版処理が行なえ、自動で出力されるような仕組みの提案もありましたが、FFGSさんの提案は、従来の作業の流れを活かしながら、可能な部分を自動化していくというもので、私たちの意向に最もマッチしていたのです」

 また、吉田次長はこう付け加える。

 「今回のプロジェクトでは、オフセット印刷のワークフローや製版作業に関する知見があり、MISとプリプレス・印刷工程とのシステム連携などにおいても信頼できるパートナーが必要でした。その点、FFGSさんは非常に安心感がありますし、日頃から当社の仕事内容や課題も把握していただいているので、サポートをお願いすることにしました」

                         今回構築したプリプレス工程管理システムのイメージ 

■自動化可能な作業を洗い出し、工程管理システムを新規設計
 FFGSが提案したプリプレス工程の改革案は、既存のMISおよび印刷工程管理システムと連携させた「プリプレス用の工程管理システム」を新たに導入し、そこに面付けや検版などの機能を組み込むことで、人手による作業を自動化・省力化するというもの。作業の流れは従来工程を踏襲するが、使用するシステムを一本化し、前後工程と情報連携をとることにより、スキルレスで効率的に製版処理が行なえる環境を実現するという考え方だ。

 実際のシステム設計にあたっては、FFGSの技術担当が広済堂ネクストの生産現場に入り、使用しているシステムやオペレーターの作業内容を詳細に調査。自動化可能な工程の洗い出しを行ない、受注から刷版出力までの26工程のうち14工程を自動化・省力化するという目標を設定。現場の意見・要望をヒアリングしながら、システムに求められる要件を整理し、具体的な仕様を固めていった。

「プリプレス工程特有のソフトウェアや作業内容がいろいろある中で、どの作業に人が必要で、どこを自動化できるのか、FFGSさんにアドバイスをいただきながら判断していきました」(藤井課長)

 同社が目指したのは、完全なフルオートメーションのラインではなく、定型作業を可能な範囲で自動化・省力化しながら、作業指示の確認や出力結果の検版など、最低限必要なポイントで人を介在させることにより、柔軟性と効率性を高いレベルで両立させることだった。その背景について、吉田次長はこう説明する。

「出版印刷の場合、個々の作業は定型的なものが多いのですが、入稿物によって工程の流れが微妙に異なってきます。入稿後に急な仕様変更が入ることもあるため、さまざまなケースに対応できるよう、柔軟性を持たせる必要がありました。また、すべて自動で一貫処理してしまうと、万が一トラブルが起きた際の後戻りが大変なロスになってしまいますので、トータルの効率性を考えると、当社にとってはこの形がベストだったわけです」

 新たなワークフローの中核となるプリプレス工程管理システムは、FFGSが広済堂ネクストの要望を取りまとめ、それを反映したオリジナルシステムとして、富士フイルムビジネスイノベーションが開発を担当。『Control Station』の名称で、20223月から実運用を開始した。

「工程管理システムとしてはかなり短期間で開発していただきましたが、この種のシステムにつきものの初期不良もなく、立ち上がりはスムーズでしたね。オペレーションについては、やはりまったく新しい作業環境になるので、約1カ月のトレーニング期間を設け、プロジェクトチームのメンバーがオペレーター一人ひとりに操作方法などを丁寧にレクチャーしながら定着させていきました」(佐藤部長)

 こうした現場へのきめ細かいフォローの結果、運用開始の1カ月後には、主力商材である文庫系の仕事の約95%を新システムのフローに移行し、初期の目的をほぼ達成できたという。

   
     主要なプリプレス作業がControl Stationの上で効率的に処理できるようになった。(左)
  印刷工程管理システムでは、刷版出力のステータス確認が可能に(右)

■プリプレスの工数が57割削減、残業時間も3割減
 新フロー運用開始から約1年。同社が目指していたオペレーションの負荷軽減・標準化・見える化といった効果は明確に表われている。

「これまで、面付けや検版などは専用のソフトウェアを使用していましたが、これらの機能がControl Stationに集約されたため、多くのジョブはControl Stationのブラウザ画面のみでプリプレス作業が完結できるようになりました。面付けに関しては、あらかじめテンプレートを用意しておき、製本仕様などの情報はMISからControl Stationに取り込む形にしています。ですからMISの情報に従ってテンプレートを選択すれば、専門知識やスキルがそれほどなくても正確に面付けが行なえます」(藤井課長)

 オペレーションを特定の担当者に依存することがなくなり、属人化の解消にもつながっているという。もちろん、作業効率も大きく向上している。

「新しいフローでは、一つの作業にかかる時間が従来より短くなり、一人のオペレーターが複数の作業を同時並行で進められるようになりました。いくつかのジョブが重なっても、無理なくこなすことができます」(佐藤部長)

 また、Control Stationの導入と同時に、刷版工程では、完全無処理版への全面切り替えを実施。自動現像機に関わる付帯作業を排除し、従来より大幅に少ない人数で回せる体制を整えた。

 こうした複合的な工程改革によって、プリプレス工程全体で見るとオペレーターの工数は従来に比べて一気に半減し、残業時間は約3割減(昨年度実績)になっているという。さらに、作業指示などの紙でのやり取りをデジタル化した効果も大きいと吉田次長は強調する。

「人が口頭で伝えたり、紙で渡したりという不確実な部分がほとんどなくなったため、無駄な確認作業が削減できたほか、作業履歴も効率的に管理できるようになり、ミスの防止にもつながっています。こうしたメリットは、とくに管理者が強く実感していますね。私の感覚では、管理者の工数は7割ほど減っていると思います」
 
  一方、今回の工程改革は、プリプレスのみならず印刷現場にもメリットを生み出している。以前から運用している印刷工程管理システムと、Control StationMISを連携させたことにより、印刷工程管理システム上で下版状況(刷版出力のステータス)を確認することが可能になった。MISに入っている印刷スケジュールと、Control Stationから送られる実際の刷版出力の情報が、印刷工程管理システム上で把握できるため、印刷オペレーターは、次のジョブをどのタイミングで印刷できるかを確認しながら作業を進めることができるのだ。さらに、印刷オペレーターが印刷工程管理システム上で自ら版出力の指示を出すことも可能になり、刷版担当者の負荷軽減にもつながった。 

 
刷版工程の見える化、作業指示の確実な伝達により、印刷現場の作業効率も向上している

■工程のさらなる「見える化」を目指す

 広済堂ネクストがこのように生産工程の全体最適化に注力する背景には、短納期対応やコスト削減といった課題の解決にとどまらず、全事業を俯瞰した「リソースの再配分」を進めることで、会社としての強みをさらに伸ばしていくという成長戦略がある。今回約2年がかりで取り組んだプリプレス工程の最適化は、そのための基盤づくりの一環と言える。

「いま、出版物の需要が伸び悩み、人材の確保や諸資材・エネルギーのコストアップなど、さまざまな課題がある中で生き残っていくには、あらゆる無駄を極限まで排除していかなければなりません。同時に、無駄の削減によって生み出したリソースを再配分し、成長分野に投資していくことが重要です。成長分野というのは、お客さまにしっかりと寄り添って、印刷・ITといった当社のコア技術・ノウハウを組み合わせながら最適なサービスやプロダクトをタイムリーに提供し続けること。自動化・省力化の取り組みは、すべてそこにつながっていきます」(佐藤部長)

 限られたリソースを最大限に活かすための工程改革。佐藤部長は、次のステップとして「生産工程全体の見える化」をさらに推し進める考えだ。

「営業からプリプレス、印刷工程まではある程度見える化できましたが、現状、印刷以降の工程との連携が充分にとれていないところがあります。生産工程全体を通してタイムリーに状況を把握できる環境を整えることによって、どこに無駄があるのか、課題を明確化し、さらなる改善を進めていかなければいけないと考えています」(佐藤部長)

 同社の社名にある「ネクスト」には、「成長・発展・未来」の意味が込められている。クライアントと共に成長・発展していくための、未来を見据えた改革への挑戦は、これからも続いていく。

 

2023.03.09

◆サイバーテック   テキストマイニング用AIの教師データ作成サービスを開始 ~英語圏となるフィリピンの自社オフショア拠点による、日英の教師データ作成も対応~

  ITにより企業のDX化推進をサポートする、株式会社サイバーテック(代表取締役社長:橋元 賢次 本社:東京都渋谷区、以下サイバーテック)は、このほど、テキストマイニング用AIシステムの教師データ作成サービスを開始した。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が求められている昨今、AIを活用することによるビジネスモデル改革や業務カイゼンは進んでおり、社会へのインパクトは日増しに大きくなっている。そのような中、SNSで投稿された内容や口コミからの掘り起こし、アンケートに書かれた文章の分析、文章内のおおよその意味を判別するネガポジ判定や、論文などから必要とするテキスト情報を抽出するといった、テキストマイニングにもAIの活用が進んでいる。
   さらに、自然言語処理技術も進んだ結果、Google翻訳に代表される機械翻訳の性能向上や、話題性の高いAIチャットサービス「ChatGPT」の登場など、コミュニケーション分野におけるAI技術の向上は目覚ましいものがある。これらのテキスト情報を扱うAIシステムでは、コーパス情報をはじめとする大量の教師データの準備が求められている。

   サイバーテックでは、数年前にAIによるゆらぎ検出~ライティング支援エンジンを自社開発したことを皮切りに、フィリピンに有する自社オフショア拠点「セブITアウトソーシングセンター」にて、AIシステム向けのアノテーションサービス「セブ ハイスペック アノテーション」を提供してきた。今回リリースした「テキストマイニング用AIシステムの教師データ作成サービス」は、AIによるゆらぎ検出~ライティング支援エンジンでも必要とされた教師データ作成ノウハウをベースに、テキスト情報へのアノテーションサービスをリーズナブルに提供することになった。

   特に、自社オフショア拠点「セブITアウトソーシングセンター」があるフィリピンは、公用語が英語であり、新興国の中でも非常に高い英語力を有する地域となっている。したがって、テキストマイニング用AIシステムに用いられる教師データは日本語に限らず、英語による論文や調査記事、英字新聞などといった、英語コンテンツを対象とした教師データ作成も可能である。

DX推進に不可欠!「テキストマイニング用AIシステムの教師データ作成」の特徴
サイバーテックの「
テキストマイニング用AIシステムの教師データ作成」サービスの特徴は次の3点となる。

公用語が英語のフィリピンで実施、高い英語読解力で学習データの品質にも直結!
   英文に対するアノテーションを実施するうえで、しっかりとした英文の読解力は最低限必要となるが、同社が自社オフショア拠点を有するフィリピンは、高い英語力を有する人材が多数存在する。その中でもセブ島エリアはフィリピンの首都マニラと比較した場合、おおよそ3分の2の物価であるにもかかわらず、数多くの英語スクールが存在するとともに、オンライン英会話の講師が多く輩出される高い英語力を有する人材が豊富なエリアである。したがって、英語テキスト情報に対しても高品質かつリーズナブルなアノテーション作業を行うことが可能である。

在宅スタッフではなく、直接雇用の正社員による、安定したアノテーション品質!
   アノテーション作業は、オフィスに出社している直接雇用の正社員が行うので、社内でFace to Faceによるコミュニケーションを取りながら、高品質のアノテーション作業を実施することが可能である。経験豊富なアノテーションマネージャが進捗管理やチェック体制の構築、指示書の作成や見直しなどを行い、アノテーション経験が豊富なメンバーで構成されたチーム体制での作業となるため、属人的な「バラツキ・誤差」を極力なくし、高品質なテキストマイニング向け教師データ作成を実現している。ちなみに、セブITアウトソーシングセンターには日本人も複数名在籍しているので、日本語のテキストを対象としたアノテーションも対応可能である。

ラボ型のメンバー固定で、プロジェクト並走型アノテーションもリーズナブルに可能!
  一般的なアノテーション業務委託の形式でもリーズナブルにテキストマイニング用AIシステムの教師データ作成が可能であるが、セブITアウトソーシングセンターの経験豊富なアノテータースタッフやアノテーションチームごと、皆様の企業におけるアノテーション部門としてBynameによるラボ型の要員固定を行うことが可能である。これにより、大規模AIシステムのモデル構築と並走した形で学習データ作成体制を構築することや、長期プロジェクトでのさらなる品質向上とコストダウンを実現することが可能となる。

DX推進に不可欠!「セブ ハイスペックアノテーション」の特徴
  サイバーテックが提供する、AIシステム向けのアノテーション作業代行「セブ ハイスペック アノテーション」サービスでは、主に画像データを中心に、次のようなAIシステム向けの学習データ(教師データ)作成を実施してきた。

  セグメンテーション~画像からの領域抽出

  キーポイント付与~画像への特徴点付与

  バウンディングボックス付与~画像からの物体認識

  データセットの分類~クラシフィケーション

  学習データの拡張~データアーギュメンテーション

今後は、ドキュメントソリューション事業と親和性が高い「テキストマイニング用AIシステムの教師データ作成」サービスをラインナップに加えることにより、画像データセットに対するアノテーションに加え、テキストデータに対するAIアノテーションにもサービス対象範囲を広げることになった。これにより、サイバーテックは、AI分野をはじめ、さらに付加価値の高い自社製品・サービスを提供していく。

■「テキストマイニング用AIシステムの教師データ作成」サービス 紹介ページ
「テキストマイニング用AIシステムの教師データ作成」サービスをご案内するWebサイトは以下となる。
URL
https://www.cybertech.co.jp/ito/service/text-mining/
■「AIアノテーション・BPO」事業 紹介ページ
AIアノテーション・BPO」事業をご案内するWebサイトは以下となる。
URL
https://www.cybertech.co.jp/ito/

サイバーテックは、企業の情報化投資において、高い費用対効果とDX対応を実現するソフトウェア製品とITサービスを企業の皆さまに提供している。今回の取り組みにより、得意とするドキュメンテーション分野と、英語圏オフショアの強みを活かしたAIアノテーションサービスを拡充させることで、ユーザーのDX推進のサポートをしている。

<同件に関する問い合わせ先>
株式会社サイバーテック 管理部 広報担当:薮田

150-0044 東京都渋谷区円山町20-1 新大宗道玄坂上ビル7

TEL03-5457-1770 FAX03-5457-1772

URL
https://www.cybertech.co.jp/  メール:info@cybertech.co.jp
 

2023.03.02

◆モリサワ  MORISAWA PASSPORTなどのフォントサービスが第22回「佐藤敬之輔賞」企業団体部門を受賞

    株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25 Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、長年提供しているフォント製品「MORISAWA PASSPORT」やその後継サービスである「Morisawa Fonts」の功績が認められ、NPO法人日本タイポグラフィ協会による第22回佐藤敬之輔賞(企業団体部門)を受賞した。
   佐藤敬之輔賞は、タイポグラフィに関する革新的な提言、研究発表、デザイン教育などで活躍された佐藤敬之輔氏を賞名とし設置された賞で、タイポグラフィの分野で活動する個人・団体に贈られるものである。
   受賞したフォントサービスの一つであるMORISAWA PASSPORTは、2005年に提供を開始したフォントのサブスクリプションサービス。多様なフォントが定額で使い放題になるMORISAWA PASSPORTは、異なる会社同士での制作データの伝達を容易にし、新しいフォントロイヤリティのモデルケースを示した。

   また、教育現場に向けた「アカデミック版」の提供や、文字組版の特別出張授業、FONT SWITCH PROJECTにおける交流・情報発信など、デザインの未来を担う若い世代への文字教育活動が評価された。
MORISAWA PASSPORTはこの18年間、時代とともにさまざまな付加価値を模索し続け、自由な表現に欠かせないツールとして、新しいクリエイティブ制作に寄与してきた。書体ラインナップは当初の約200書体から、現在では多言語やユニバーサルデザイン(UD)フォントを含む1,500書体を超えている。
   MORISAWA PASSPORTの製品は後継サービス「Morisawa Fonts」へと段階的に役割を引き継ぎ、2028年度までに終了を迎える予定である。Morisawa Fontsは、デバイスに依存しないユーザー単位のライセンスで利用できるクラウド型のフォントサービスとして、テレワークなどが浸透した現代の働き方にも対応した新しい製品である。モリサワは今後もユーザーの声に寄り添ったより良いサービスを目指し、豊かな文字コミュニケーションの発展に貢献している。

 Morisawa Fontsサービスサイトはこちら
 https://morisawafonts.com/

●同件に関する問い合わせ
   株式会社モリサワ 東京本社 ブランドコミュニケーション部 広報宣伝課

  E-mail:pr@morisawa.co.jp
  SNSでも最新情報を公開している

  Twitter@Morisawa_JP

  Facebook@MorisawaJapan

 ※記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。
 ※記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。

 

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