ニュースリリース
2024年07月
2024.07.30
◆モリサワ 「Morisawa Fonts」の学生および教職員向け特別価格を2024年9月30日から提供開始 ~「MORISAWA PASSPORT アカデミック版」は販売終了~
株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25、Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、クリエイティブ活動をするすべての学生とそれを支援する教職員を応援するため、フォントサブスクリプションサービス「Morisawa Fonts」の学生および教職員向け特別価格を2024年9月30日(月)から提供開始することを発表した。
昨今のデザイン領域の広がりにより、多くの学生がクリエイティブ活動への取り組みを求められてきている。また、学業と並行しながらクリエイター・デザイナーとしての活動を行ったり、インターンシップで就労体験を積んだりと、学生の活動の幅も広がっている。このクリエイティブ活動において、フォントはコンテンツの品質や相手への伝わりやすさに大きな影響を与える、重要な要素の1つとなっている。
今回の特別価格は、2,000書体以上が使い放題となる「Morisawa Fonts スタンダードプラン」を学生および教職員の方を対象に提供するものです。プロのデザイナーと同じラインナップで、学校の課題はもちろん自主制作などのシーンでも豊かで自由なフォント環境を利用できるほか、学生のすべての活動でフォントを利用できるように商業利用も可能となっている。
これにより、学生時代からコンペティションへの挑戦やデザインビジネス活動、論文作成などのクリエイティブ活動を行う際に、モリサワのフォントを活用することができるようになった。契約期間は1年で、価格は学生価格1ライセンスあたり990円(税込)、教職員価格が1ライセンスあたり33,000円(税込)である。
なおMorisawa Fontsの学生および教職員向け特別価格の提供に伴い、MORISAWA PASSPORT アカデミック版(学生・教職員向け)は、2024年10月1日(火)をもって販売を終了予定である。
モリサワは、高品質なプロ仕様のフォントが使える充実した環境を用意することは学生の将来の可能性を広げることにつながると考えている。今後もクリエイティブ活動をするすべての学生とそれを支援する教職員を応援するとともに、より良いサービスの追求を続けていく。
※教育機関および大学研究室の所有PCでの利用は、教育機関向けMORISAWA PASSPORT(https://www.morisawa.co.jp/products/fonts/passport-for-education/)の利用を。
■提供価格
学生価格 1ライセンスあたり 990円(税込)
教職員価格 1ライセンスあたり 33,000円(税込)
※学生および教職員向け価格でのご利用には、Morisawa IDの取得と在籍証明の提示が必要である。
■契約期間
1年
※使用期間の満了後、自動更新となる。引き続き特別価格で利用する場合、更新時に在籍証明が必要になる。
■提供開始日
2024年9月30日(月)
■プラン比較
■購入方法
・提供開始日より、Morisawa Fontsのサービスサイト(https://morisawafonts.com/) から申し込みが可能。
・購入にはMorisawa IDの取得が必要である。
・支払いにはクレジットカードまたは銀行振込が利用できる。
■MORISAWA PASSPORT アカデミック版(学生・教職員向け)の終息に関するご案内
MORISAWA PASSPORT アカデミック版(学生・教職員向け)は、2024年10月1日(火)をもって販売を終了する。また、今後の新書体の提供はございません。新書体をご利用希望のユーザーは、Morisawa Fonts のライセンスに無償で切り替える「新書体サポートプログラム」を用意している(詳細は別途案内予定)。製品を利用中のユーザーは、使用期間の満了まで利用できる。期間終了後、Morisawa Fonts スタンダードプランに11,000円(税込)で移行できる。
https://www.morisawa.co.jp/products/fonts/passport-academic/
なお、業界別MORISAWA PASSPORT(教育機関向け、公共団体向け)の予定は別途案内する。
■Morisawa Fontsについて
2,000書体以上が使えるモリサワのフォントサブスクリプションサービスです。「文字とつながる。世界がひろがる。」をタグラインに、定番書体からデザイン書体までプランに収録されたすべてのフォントを、デバイスに依存しないユーザー単位のライセンスで利用することができる。フォント管理はもちろん、契約手続きもオンラインで完結でき、場所を選ばない新時代のワークスタイルをサポートする。
Morisawa Fontsサービスサイト https://morisawafonts.com/
●同件に関する問い合わせ先
https://support.morisawafonts.com/hc/ja/requests/new
SNSでも最新情報を公開している
X(旧Twitter):@Morisawa_JP
Facebook:@MorisawaJapan
※記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。
※記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。
2024.07.05
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Revoria PressPC1120導入事例:株式会社エコー オフセットと遜色のない品質がクライアントから高く評価 幅広い用紙適性、特殊トナーによる表現力で、提案の幅も大きく広がった
販促用印刷物やグッズなどの企画・デザイン・製作を手がける株式会社エコー(本社:東京都練馬区谷原3-23-9、代表取締役社長:小林淳氏)は、デジタルプレスの新たな主力機として富士フイルムの『Revoria Press PC1120』(以下PC1120)を導入し、その品質性能と機動力の高さを活かした提案でクライアントとの関係強化、受注拡大を図っている。導入に至った経緯や具体的な用途・メリットなどについて、代表取締役社長・小林淳氏、制作部の大野沙菜氏、内田紗愛氏、関根歩氏に伺った。
代表取締役社長 小林 淳氏 制作部マネージャー 大野 沙菜氏 制作部/デジタル販促 内田 紗愛氏 制作部 関根 歩氏
■決め手は品質安定性と用紙対応力
エコーは、1969年に創業した『エコー製版』を前身とし、80年に法人化した企業。製版業として培ったデータハンドリングのノウハウなどを活かし、90年代後半からはデザイン制作へと業務領域を拡大。2002年には印刷機の導入も開始し、印刷業としての設備体制を整えていった。現在は、オフセット印刷機、デジタル印刷機(トナー機)、大判インクジェットプリンター、カッティングプロッターなどを駆使しながら、多種多様な印刷物の企画から印刷・加工までをワンストップで手がけている。
地元・練馬区をはじめとする都内の企業や商店、自治体などを主なクライアントとし、パンフレットやカタログ、ポスターといった販促ツールを中心に受注。キャンペーンやイベントの企画提案なども行なう。従業員13名と少人数でありながら、提案の幅広さ、対応のきめ細かさには定評がある。
「当社は“若者の感性で販促活動を支援する新しいスタイルの印刷会社”を目指しており、若手の女性社員が中心になって活躍しているのも特色の一つです。営業的な役割から実際の制作まで、彼女たちが一貫して担ってくれていることで、お客さまに当社ならではの安心感を提供できているのではないかと思っています」(小林社長)
印刷設備としては、オフセット機とデジタル機を、求められる品質や部数などに応じて使い分けている。トナータイプのデジタル機はこれまでに複数メーカーの機種を導入。富士フイルム製品では『Versant 2100 Press』などの使用実績がある。最近では、小ロットの印刷物でもより高い付加価値が求められるケースが増えているため、数年前から特殊トナー対応の他メーカー機を導入していた。今回、この機種を置き換える形でPC1120の導入を決めたわけだが、その理由について小林社長はこう説明する。
「従来の5色機は、品質の安定性や用紙対応力に課題がありました。特色活用の勉強にはなりましたが、色の調整などで苦労することが多々あったのです。当社では芸能関係の販促物も多く手がけており、タレントやアイドルの写真を使ったグッズなどは、小ロットでもオフセットレベルの高い品質が要求されます。そのときに、従来機ではなかなかお客さまが納得できるレベルに仕上がらなかった。とくに人の肌など、繊細な再現が求められる仕事での活用は厳しいという印象でしたね」
そんな背景から、より安定性・汎用性に優れ、付加価値提案も可能なトナー機の検討を進めた。最終的にPC1120を選んだ決め手は何だったのだろうか。
「やはり、特色を含めた色再現性が非常に良く、しかも安定していることですね。また、さまざまな種類・厚さの用紙に対応できることも大きなポイントでした。いくつかの機種を検討した結果、『多種多様な用紙でオフセットと同等の品質が安定的に得られる』という当社の要望を満たすトナー機は、PC1120しかないと確信しました」(小林社長)
内田氏を中心に制作部全員がPC1120を使いこなしている
■クライアントに自信を持って勧められる品質
導入は2023年6月。オペレーションは、入社3年目の内田氏がメインで担当するが、制作部の全員が操作できる体制となっている。
「若い女性でも、経験が浅い人でも問題なく使いこなすことができ、誰でも確実に高品質な印刷物をつくれるのは大きな魅力ですね。そのため、特定のオペレーターに頼ることなく、状況に応じて柔軟に運用できます」(小林社長)
実際の操作性について、内田氏はこう評価する。
「たとえば色を修正したいときに、トーンカーブを調整してみる、場合によっては元データを直して再出力する、といったことが、素早く簡単にできますし、特色を使ったデザインを行なう際にも、途中でテスト出力して仕上がりを確認しながら進めることが可能なので、デザイナーの立場から見ても非常に使いやすい機械だと思います」
導入検討時の重要項目の一つであった品質に関しても、小林社長は「オフセットと遜色なく、安定性も期待通り」と語る。
「少し前のトナー機は、カラーコピーの延長で明らかに“印刷”との差がありましたが、PC1120は『印刷機』として使えるだけの、レベルの高い仕上がりが得られます。ですから、お客さまにも『この部数ならデジタル印刷の方がいいですよ』と躊躇なくお勧めできるようになりました」
大野氏は、従来の5色トナー機のオペレーション経験もあることから、PC1120の品質面での優位性を強く実感しているという。
「従来使っていたトナー機では、文字が太りやすく、ベタ部に少しテカリが出るなど、気になる部分がいろいろありましたが、PC1120ではそうしたネガティブな点がなく、品質にこだわるお客さまにもお勧めしやすいです。実際に出力物をお持ちすると、『本当にオンデマンドですか?』と驚かれることもあります。また、テスト出力でOKをいただいた色味をそのまま正確に再現できるのもメリットの一つで、PC1120の安定性が活かされている部分だと思います」
品質面でオフセットとの差がほとんどなくなったため、同社では、印刷物の内容や部数・納期などに応じて、PC1120とオフセット印刷機を臨機応変に使い分けることが可能になった。
■小ロット・高品質ニーズにマッチし、新規受注につながった
PC1120のメリットは、実際の仕事の中でどのように活かされているのか。内田氏は、特殊トナーを使った表現についてこう語る。
「現状、特殊トナーを使用する頻度はそれほど高くないのですが、2色同時に使えるのは魅力ですし、それによって表現の幅はかなり広がりますね。たとえば、ピンクトナーを使うことで、『人物写真の肌をより健康的な色にしたい』といった要望にも応えることができますし、料理の写真のお肉の色なども、見栄えをぐっと良くすることができます。また、先日は『ニスのような表現をオンデマンドでできますか』というお問い合わせをいただき、PC1120のクリアトナーを使ってテストしたところ、お客さまの反応がとても良く、実際に採用していただきました」
ピンクトナーを活かした提案がきっかけで、新規受注を獲得できたケースもあるという。
「そのお客さまは都内のホテルなのですが、これまで、レストランのメニューやチラシなどを作成する際、印刷通販を利用されており、価格は安いものの品質には不満を持たれていたそうです。そこで、メニューのデータをお借りしてCMYK+ピンクの出力をお見せしたところ、『ステーキやローストビーフの色が格段に良くなった』と好評をいただき、それ以降、当社で印刷させていただけることになりました」(小林社長)
PC1120の表現力が、小ロット・高品質ニーズにマッチし受注につながった好例と言えるだろう。また、用紙対応力の高さもメリットに結びついているといい、関根氏は厚紙の例を挙げる。
「厚さ400g/㎡まで通せるので、カレンダーなども安定して出力できます。3年ほど前から受注している鉄道写真のカレンダーは、当初は写真の品質を優先してオフセットで印刷していましたが、部数が比較的少ないため、昨年、PC1120での出力をお客さまにお見せしてデジタル印刷への切り替えをご提案したところ、『この仕上がりならまったく問題ない』とご評価をいただき、実際にPC1120で印刷することになりました。このほか、油性オフセットでは対応できない透明フィルムなどの素材も通せるので、1台でさまざまな仕事をこなすことができます」
このように、PC1120の導入によって「デジタル印刷でできる仕事」の幅が広がり、そのメリットは営業面でも明確に表われているようだ。
「いままでオフセットで対応せざるを得なかった小ロットの仕事も、品質に妥協せずデジタル印刷に移行することができるようになりました。また、特殊な仕様のご相談をいただいた際にも、『いいですよ、やってみましょう』と迷うことなく答えられますし、翌日にはお客さまにテスト出力をお見せできる。こうしたフットワークのいい対応も、PC1120だからこそ可能なことだと思います」(小林社長)
「CMYK+ピンクトナー」の提案がきっかけで受注に PC1120の厚紙適性と色再現性の高さが活かされた鉄道カレン
つながったとちてあホテルのパンフレット(左)と、 ダー。オフセットすらの切り替えを果たしたジョブの1つ
表紙にメタリックカラーを使用した印刷組合の広報誌
■バリアブルも活用し、さらなる付加価値の提供を目指す
同社は今後、バリアブルソフト『Form Magic』なども活用しながら、より高い付加価値の提供に取り組んでいく考えだ。大野氏は「デジタル印刷の特性を活かせる領域として、バリアブルの印刷物も積極的に手がけていきたい」と語る。
「たとえば、イベントや会合などで撮った写真を、ただ冊子にまとめて配るのではなく、参加者一人ひとりに、ご本人の写真を入れたフォトブックの形でお渡しする。そうすれば、画一的なものよりも、思い出の品として価値の高いものになりますよね。こうした付加価値の高い印刷物や企画を積極的に提案し、経験を積んでいきたいと思っています」
また、印刷物とデジタルメディアを連携させた企画提案にも力を入れており、キャンペーン支援ツール『QLEAR』を使ったデジタルスタンプラリーなど、着々と実績を重ねている。
小林社長は、今後の事業の方向性について、「お客さまから安さだけを求められる存在にならないよう、付加価値を提供してそれに見合った対価をいただけるビジネスモデルをつくっていかなければいけない」とし、そのための武器として、提案力ときめ細かい対応力をさらに高めていくと強調。その上で、「デジタル印刷の技術も有効に活用しながら、人々の生活や社会を豊かにする印刷物を、今後も提供し続けていきたい」と結んだ。
2024.07.05
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Revoria PressEC1100導入事例:株式会社ソウブン・ドットコム 導入の決め手はFFGSの分析力と提案力 Revoria Pressの活用で生産効率の向上・新規JOBの獲得・働き方改革を
株式会社ソウブン・ドットコム(本社:東京都荒川区西尾久7-12-16、代表取締役社長:木村崇義氏)は、2023年12月に富士フイルムのフルカラープロダクションプリンター『Revoria Press EC1100』(以下EC1100)を導入し、1,500部以下の小ロット多品種生産に特化した生産ラインの構築を進めている。EC1100導入の背景や目的、導入効果や今後の展開などについて、木村社長に伺った。
代表取締役社長 木村 崇 氏
■会員数1,500人以下の学会を最新のITシステムを活用して総合的に支援
ソウブン・ドットコムは、“学術団体・研究団体を印刷で支援すること”を目的に1939年(昭和14年)に創業、1956年(昭和31年)に設立された。創業当時から顧客は学術団体・研究団体が100%であり、学会で必要とされるコト・モノについては知り尽くしていると言っても過言ではなく、現在多数の学会をトータルにサポートしている。
木村社長は大学卒業後に凸版印刷へ入社し、プロモーション領域の営業を担当。その後2017年4月に創文印刷工業(当時)へCOOとして入社し、2021年10月に代表取締役社長兼CEOへ就任した。この間、2022年4月には創文印刷工業から「ソウブン・ドットコム」に社名を変更した。「今はWebやAIがITと言われていますが、印刷が大好きな私から見ると、印刷会社は元祖IT企業なんです。これを分かりやすく示すために『ソウブン・ドットコム』に社名変更しました」(木村社長)
社名変更した際、あわせて経営理念・パーパスも再定義し、事業領域も拡大した。創業当時から、同社は最先端の“IT=印刷技術”で学会を支援してきたが、これを踏まえて今の最先端のITを活用し、『学会誌・学術雑誌・論文誌の編集、組版・印刷・製本・発送』『学会事務局支援』『学術大会イベント(カンファレンスやシンポジウムなど)運営支援』『ホームページ制作』という4つの事業を軸に、学会を総合的に支援できるようにサービスを拡充した。「少子化・人口減少と、研究内容の細分化により、会員数2000名未満の団体だけで、全団体数の80%超を占めます(日本学術会議が指定する協力学術研究団体を対象にした場合)。当社の顧客であるこれら中小規模の学会は、事務局員の確保も難しくなっているため、印刷に限らず幅広い支援を必要としていると感じ、事業を拡げてきました」(木村社長)
■印刷品質とFFGSの分析力・提案力を評価して、EC1100を導入
学会で必要となる学会誌などの部数は、通常その会員数以下である。ソウブン・ドットコムは会員数1,500名以下の学術団体を主要な顧客としていることから、木村社長は入社当初から、小ロット多品種ニーズに対応した「1,500部以下に特化した生産ライン」をつくることを考えていた。また、働き方改革も進めており、女性が活躍できる職場づくりや先を見据えた高齢化社会への対応なども含めて、設備を整えていくことを目指していた。「オフセット印刷を中心としていた頃の工場は、機械を動かせるメンバーが限られていたため、そのメンバーが休暇を取りにくくなってしまうなど、必ずしも社員に優しい環境にはなっていませんでした。その解決策としても生産環境を変えることは必須だと考えていました」(木村社長)
ソウブン・ドットコムは、EC1100導入前から一部の仕事にデジタル印刷機を採用していたが、前述の目的にあった生産ラインを実現するため、2年ほど前から本格的にデジタル機を“生産機”として活用する検討を始めた。デジタル印刷機の選定にあたり重要視したことについて、木村社長はこう語る。「デジタル印刷機を比較検討するという以前に、これからずっとお付き合いする会社を選ぶという感覚の方が大きかったですね。分析力・提案力の高い会社さんを選びたいと考えていました。導入後も運用しながら相談にのってもらえるかどうか、そこに的確にお答えいただけるかどうかを考えて選定させてもらいました」(木村社長)。当時、同社ではオフセット8割・デジタル2割という比率で印刷していたが、“それをデジタル印刷100%に変えたときにどんな結果になるか?”をテーマに、具体的なデータを提示して5社に分析を依頼したという。「実際に試算結果を提出してくださったのは3社でした。その中でFFGSさんの分析シートは特に印象的でしたね。コンパクトにまとめられていて、フォーマットも分かりやすく、分析結果も説得力のあるものでした。さすがだなと思いました」(木村社長)
続いて、この3社のデジタル印刷機の印刷品質を比較・検討した。その際、社内の選定チームに加えて、顧客にも各デジタル機で印刷した見本をお見せして品質を評価していただいた。そこで高い評価を得たのはEC1100だったという。「学会誌には写真もたくさん使われるので、画像の再現性は慎重に比較しました。社内で一番良いと評価され、また顧客からOKをいただける割合が高かったのがEC1100でしたね」(木村社長)
顧客には、オフセット機からデジタル機に切り替えることも説明しながら品質評価をしていただいたが、“この仕上がりで十分”といったコメントもあるほどだったという。「90%以上のお客様に、デジタル印刷機に切り替えることをご納得いただけました。用紙代が値上がりしていることもあり、予備紙が少なくなることにメリットを感じたお客様もいらっしゃいました。」(木村社長)。こうしたプロセスを経て、ソウブン・ドットコムはEC1100を選定、2023年12月に導入した。
■小ロットJOBの置き換えを順調に進めながら、働き方改革も実現
1,500部以下の新しい生産ラインは順調に運用をスタートし、導入2ヶ月目の(2024年)1月には月産約23万枚、繁忙期であったその翌月(2月)は月産約41万枚を達成した。「今のところ、想定していた生産量からかなり上振れしています。」(木村社長)試算していたよりも多くのJOBをオフセットからEC1100に振り分けられていることになるが、その理由の一つがマシンを扱える人材が多いことだという。「EC1100は操作が簡単で使いやすく、導入時の勉強会でオペレーションを身に付けたスタッフが、どんどん他のスタッフに指導してくれているんです。DTPを担当している女性メンバーもEC1100で出力までできるようになっています」(木村社長)
もう一つの理由は生産ラインがシンプルになったこと。EC1100で印刷したものをそのまま無線綴じ機にかけられるようになったため、これまで必要だった「丁合・折り」の工程が不要になった。また、EC1100と同時に、操作性の良い新しい無線綴じ機も導入したため、2月の繁忙期はDTP担当者が出力までを行ない、工場のメンバーが全員、製本や封入などに入るという布陣を組むことができたため、オフセットJOBの置き換えを大きく進めることができた。
また同社は“フレックス制”や “ノー残業”といった勤務体制を採用しているため、チームワークで時間内に仕事を終わらせることが求められるが、EC1100は、この取り組みにおいても大きく貢献しているという。
「EC1100を扱えるスタッフが増え、多能工化が進みましたので、女性も含めて工場内での人員ローテーション・作業分担が非常に楽になりました」(木村社長)
■FFGSの分析力・サポート力を活かして、更に売り上げを伸ばす生産ラインを構築する
学術団体を顧客とする同社も、3月が繁忙期になり印刷需要が大きく増えている。この繁忙期は週末も生産に充てないと追いつかず、回しきれない仕事は外部に委託することもあるという。また、デジタル機も定期的なメンテナンスを行なっているため、そのスケジュールの組み方も重要になってくる。「FFGSさんとは定期的にミーティングを行なわせてもらっていて、導入前同様、工場の生産性を上げるためのアドバイスをもらっています。FFGSさんが蓄積しているEC1100の稼働データを分析した結果を繁忙期の生産計画と組み合わせることで、適切なメンテナンスを実施しながら、繁忙期でも社内で全て回せるような体制づくりができるのではないかと思っています」(木村社長)
さらに木村社長は生産の効率化だけでなく、売上げの拡大にもEC1100を活用すべく、新たなサービスをスタートさせている。例えば、“イベントで必要な部数だけをつくる”とか“イベント終了後に追加で欲しい”といった、これまで獲得できていない印刷ニーズに対応すべく、オフセットでは難しい小回りの利くサービスも積極的に提案を進めている。
木村社長は、まだまだ売上・利益を伸ばしていくことができると話す。「当社は1,500名以下の学会に特化したビジネスを展開していますが、まだリーチできていない学会も多くありますし、イベント運営だけなど、一部の仕事のみの受注にとどまっている学会も少なくありません。生産基盤がしっかりしたうえで、新しい提案を進めていけば、当社独自のノウハウには自信がありますので、仕事を広げていくことができると考えています」
そしてFFGSへの期待についても語っていただいた。「やはり分析力と提案力ですね。既に全国で多くの印刷会社のJOBの分析を実施していると伺いました。そのデータの蓄積、データ量がこれからは非常に重要になります。FFGSさんには、そのリアルなデータを元に当社の状況を分析して提案いただけることを期待しています。今後更に高齢化も進んでいきますので、デジタル化やインラインでの自動化など、FFGSさんにも相談しながら生産環境を整え、社員全員が活躍できる会社に進化させていきたいと考えています。(木村社長)
2024.07.01
◆モリサワ タイプデザインコンペティション2024の開催を記念したオンライン特別セミナー「Motivating Timeless Creativity」を公開
株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25、Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、「モリサワ タイプデザインコンペティション 2024(Morisawa Type Design Competition 2024、以下タイプデザインコンペティション2024)」の開催を記念して、オンライン特別セミナーの動画3編を公開した。
セミナーの共通テーマに「Motivating Timeless Creativity」を掲げ、時代を反映し、時間を超えて愛される存在である書体について、世界で活躍する3名のタイプデザイナーがその制作や役割を語る。同セミナーはいつでも視聴可能な動画形式で公開され、公式サイトから誰でも視聴できるようになっている。
■セミナー内容
◆大曲都市「Typeface Design Quick Tips」
欧文をはじめさまざまな言語の書体を手がけてきた大曲都市氏が、書体制作のノウハウや制作ツールを使用した具体的なTipsを紹介する。
(約19分) https://youtu.be/Jr6CjGrxLYI
◆ノエル・リー(Noheul Lee)「How type design impacts my life」
書体「Areon」でタイプデザインコンペティション 2019欧文部門金賞を受賞したノエル・リー氏に、タイプデザインの奥深さや自身のキャリアについて、複数言語書体の制作プロセスを含めて語る。
(約17分) https://youtu.be/VAPkiu9DhFQ
◆マシュー・カーター(Matthew Carter)「Timeless in a time of change」
タイプデザインコンペティション 2024特別審査員を務めるマシュー・カーター氏に、時代を超えて愛される書体デザインやその考え方について事例を交えて語る。
(約11分) https://youtu.be/eHifLBNnRFU
※セミナーは英語で行われる。それ以外の言語では字幕機能を有効にして視聴すること。
タイプデザインコンペティション 2024は、従来の「和文部門」「欧文部門」に加えて、新たに「簡体字部門」「繁体字部門」「ハングル部門」を開設し、2024年8月29日まで作品を募集している。
公式サイトでは、応募課題の確認ができるほか、今回の特別セミナーやこれまでに行ったセミナーのレポート、各部門の審査員からのメッセージを掲載している。
https://competition.morisawa.co.jp/
タイプデザインコンペティション 2024に関する情報は、公式サイトのほか、以下のSNSにて発信している。
「モリサワ タイプデザインコンペティション」公式アカウント
・公式X(旧Twitter) https://twitter.com/mrswcompetition/
・公式Instagram https://www.instagram.com/motc_morisawa/
・公式Facebook https://www.facebook.com/mrswcompetition/
●同件に関する問い合わせ先
https://www.morisawa.co.jp/support/contact/forms/competition
SNSでも最新情報を公開している
X(旧Twitter):@Morisawa_JP
Facebook:@MorisawaJapan
※記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。
※記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。
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