ニュースリリース

2024.07.05

◆富士フイルムグラフィックソリューションズ   Revoria PressPC1120導入事例:株式会社エコー オフセットと遜色のない品質がクライアントから高く評価  幅広い用紙適性、特殊トナーによる表現力で、提案の幅も大きく広がった

 

    販促用印刷物やグッズなどの企画・デザイン・製作を手がける株式会社エコー(本社:東京都練馬区谷原3-23-9、代表取締役社長:小林淳氏)は、デジタルプレスの新たな主力機として富士フイルムの『Revoria Press PC1120』(以下PC1120)を導入し、その品質性能と機動力の高さを活かした提案でクライアントとの関係強化、受注拡大を図っている。導入に至った経緯や具体的な用途・メリットなどについて、代表取締役社長・小林淳氏、制作部の大野沙菜氏、内田紗愛氏、関根歩氏に伺った。

 
    
  代表取締役社長 小林 淳氏    制作部マネージャー 大野 沙菜   制作部/デジタル販促 内田 紗愛氏  制作部 関根 歩氏

■決め手は品質安定性と用紙対応力

 エコーは、1969年に創業した『エコー製版』を前身とし、80年に法人化した企業。製版業として培ったデータハンドリングのノウハウなどを活かし、90年代後半からはデザイン制作へと業務領域を拡大。2002年には印刷機の導入も開始し、印刷業としての設備体制を整えていった。現在は、オフセット印刷機、デジタル印刷機(トナー機)、大判インクジェットプリンター、カッティングプロッターなどを駆使しながら、多種多様な印刷物の企画から印刷・加工までをワンストップで手がけている。

 地元・練馬区をはじめとする都内の企業や商店、自治体などを主なクライアントとし、パンフレットやカタログ、ポスターといった販促ツールを中心に受注。キャンペーンやイベントの企画提案なども行なう。従業員13名と少人数でありながら、提案の幅広さ、対応のきめ細かさには定評がある。

「当社は“若者の感性で販促活動を支援する新しいスタイルの印刷会社”を目指しており、若手の女性社員が中心になって活躍しているのも特色の一つです。営業的な役割から実際の制作まで、彼女たちが一貫して担ってくれていることで、お客さまに当社ならではの安心感を提供できているのではないかと思っています」(小林社長)

 印刷設備としては、オフセット機とデジタル機を、求められる品質や部数などに応じて使い分けている。トナータイプのデジタル機はこれまでに複数メーカーの機種を導入。富士フイルム製品では『Versant 2100 Press』などの使用実績がある。最近では、小ロットの印刷物でもより高い付加価値が求められるケースが増えているため、数年前から特殊トナー対応の他メーカー機を導入していた。今回、この機種を置き換える形でPC1120の導入を決めたわけだが、その理由について小林社長はこう説明する。

「従来の5色機は、品質の安定性や用紙対応力に課題がありました。特色活用の勉強にはなりましたが、色の調整などで苦労することが多々あったのです。当社では芸能関係の販促物も多く手がけており、タレントやアイドルの写真を使ったグッズなどは、小ロットでもオフセットレベルの高い品質が要求されます。そのときに、従来機ではなかなかお客さまが納得できるレベルに仕上がらなかった。とくに人の肌など、繊細な再現が求められる仕事での活用は厳しいという印象でしたね」

 そんな背景から、より安定性・汎用性に優れ、付加価値提案も可能なトナー機の検討を進めた。最終的にPC1120を選んだ決め手は何だったのだろうか。

「やはり、特色を含めた色再現性が非常に良く、しかも安定していることですね。また、さまざまな種類・厚さの用紙に対応できることも大きなポイントでした。いくつかの機種を検討した結果、『多種多様な用紙でオフセットと同等の品質が安定的に得られる』という当社の要望を満たすトナー機は、PC1120しかないと確信しました」(小林社長)

 
  
    内田氏を中心に制作部全員がPC1120を使いこなしている


■クライアントに自信を持って勧められる品質

 導入は20236月。オペレーションは、入社3年目の内田氏がメインで担当するが、制作部の全員が操作できる体制となっている。

「若い女性でも、経験が浅い人でも問題なく使いこなすことができ、誰でも確実に高品質な印刷物をつくれるのは大きな魅力ですね。そのため、特定のオペレーターに頼ることなく、状況に応じて柔軟に運用できます」(小林社長)

 実際の操作性について、内田氏はこう評価する。

「たとえば色を修正したいときに、トーンカーブを調整してみる、場合によっては元データを直して再出力する、といったことが、素早く簡単にできますし、特色を使ったデザインを行なう際にも、途中でテスト出力して仕上がりを確認しながら進めることが可能なので、デザイナーの立場から見ても非常に使いやすい機械だと思います」

 導入検討時の重要項目の一つであった品質に関しても、小林社長は「オフセットと遜色なく、安定性も期待通り」と語る。

「少し前のトナー機は、カラーコピーの延長で明らかに“印刷”との差がありましたが、PC1120は『印刷機』として使えるだけの、レベルの高い仕上がりが得られます。ですから、お客さまにも『この部数ならデジタル印刷の方がいいですよ』と躊躇なくお勧めできるようになりました」

 大野氏は、従来の5色トナー機のオペレーション経験もあることから、PC1120の品質面での優位性を強く実感しているという。

「従来使っていたトナー機では、文字が太りやすく、ベタ部に少しテカリが出るなど、気になる部分がいろいろありましたが、PC1120ではそうしたネガティブな点がなく、品質にこだわるお客さまにもお勧めしやすいです。実際に出力物をお持ちすると、『本当にオンデマンドですか?』と驚かれることもあります。また、テスト出力でOKをいただいた色味をそのまま正確に再現できるのもメリットの一つで、PC1120の安定性が活かされている部分だと思います」

 品質面でオフセットとの差がほとんどなくなったため、同社では、印刷物の内容や部数・納期などに応じて、PC1120とオフセット印刷機を臨機応変に使い分けることが可能になった。

 

■小ロット・高品質ニーズにマッチし、新規受注につながった

 PC1120のメリットは、実際の仕事の中でどのように活かされているのか。内田氏は、特殊トナーを使った表現についてこう語る。

「現状、特殊トナーを使用する頻度はそれほど高くないのですが、2色同時に使えるのは魅力ですし、それによって表現の幅はかなり広がりますね。たとえば、ピンクトナーを使うことで、『人物写真の肌をより健康的な色にしたい』といった要望にも応えることができますし、料理の写真のお肉の色なども、見栄えをぐっと良くすることができます。また、先日は『ニスのような表現をオンデマンドでできますか』というお問い合わせをいただき、PC1120のクリアトナーを使ってテストしたところ、お客さまの反応がとても良く、実際に採用していただきました」

 ピンクトナーを活かした提案がきっかけで、新規受注を獲得できたケースもあるという。

「そのお客さまは都内のホテルなのですが、これまで、レストランのメニューやチラシなどを作成する際、印刷通販を利用されており、価格は安いものの品質には不満を持たれていたそうです。そこで、メニューのデータをお借りしてCMYK+ピンクの出力をお見せしたところ、『ステーキやローストビーフの色が格段に良くなった』と好評をいただき、それ以降、当社で印刷させていただけることになりました」(小林社長)

 PC1120の表現力が、小ロット・高品質ニーズにマッチし受注につながった好例と言えるだろう。また、用紙対応力の高さもメリットに結びついているといい、関根氏は厚紙の例を挙げる。

「厚さ400g/㎡まで通せるので、カレンダーなども安定して出力できます。3年ほど前から受注している鉄道写真のカレンダーは、当初は写真の品質を優先してオフセットで印刷していましたが、部数が比較的少ないため、昨年、PC1120での出力をお客さまにお見せしてデジタル印刷への切り替えをご提案したところ、『この仕上がりならまったく問題ない』とご評価をいただき、実際にPC1120で印刷することになりました。このほか、油性オフセットでは対応できない透明フィルムなどの素材も通せるので、1台でさまざまな仕事をこなすことができます」

 このように、PC1120の導入によって「デジタル印刷でできる仕事」の幅が広がり、そのメリットは営業面でも明確に表われているようだ。

「いままでオフセットで対応せざるを得なかった小ロットの仕事も、品質に妥協せずデジタル印刷に移行することができるようになりました。また、特殊な仕様のご相談をいただいた際にも、『いいですよ、やってみましょう』と迷うことなく答えられますし、翌日にはお客さまにテスト出力をお見せできる。こうしたフットワークのいい対応も、PC1120だからこそ可能なことだと思います」(小林社長)

 
 
   
  「CMYK+ピンクトナー」の提案がきっかけで受注に        PC1120の厚紙適性と色再現性の高さが活かされた鉄道カレン

   つながったとちてあホテルのパンフレット(左)と、        ダー。オフセットすらの切り替えを果たしたジョブの1つ
表紙にメタリックカラーを使用した印刷組合の広報誌
     


■バリアブルも活用し、さらなる付加価値の提供を目指す

 同社は今後、バリアブルソフト『Form Magic』なども活用しながら、より高い付加価値の提供に取り組んでいく考えだ。大野氏は「デジタル印刷の特性を活かせる領域として、バリアブルの印刷物も積極的に手がけていきたい」と語る。

「たとえば、イベントや会合などで撮った写真を、ただ冊子にまとめて配るのではなく、参加者一人ひとりに、ご本人の写真を入れたフォトブックの形でお渡しする。そうすれば、画一的なものよりも、思い出の品として価値の高いものになりますよね。こうした付加価値の高い印刷物や企画を積極的に提案し、経験を積んでいきたいと思っています」

 また、印刷物とデジタルメディアを連携させた企画提案にも力を入れており、キャンペーン支援ツール『QLEAR』を使ったデジタルスタンプラリーなど、着々と実績を重ねている。

 小林社長は、今後の事業の方向性について、「お客さまから安さだけを求められる存在にならないよう、付加価値を提供してそれに見合った対価をいただけるビジネスモデルをつくっていかなければいけない」とし、そのための武器として、提案力ときめ細かい対応力をさらに高めていくと強調。その上で、「デジタル印刷の技術も有効に活用しながら、人々の生活や社会を豊かにする印刷物を、今後も提供し続けていきたい」と結んだ。

 

 

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