ニュースリリース
2025年01月
2025.01.31
◆モリサワ ゴールドスポンサーとして「Adobe MAX Japan 2025」に協賛【2/13・東京】
株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25、Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、2025年2月13日(木)に開催されるクリエイターのための祭典「Adobe MAX Japan 2025」にゴールドスポンサーとして協賛する。
アドビ株式会社が主催するAdobe MAX Japanは、グラフィックデザイン、写真、Web制作、UI/UXデザイン、映像制作、3D制作などに携わるクリエイター、およびそれらを目指す人が楽しめる日本最大級のクリエイティブイベントである。
モリサワの企業ブースでは、「Adobe Fontsにちょい足し」をテーマに、当社初のバリアブルフォントDriveFluxをはじめとする個性豊かな新書体ラインナップや、使いたい書体が選べる「Morisawa Fonts」の便利な新プラン「Select8 / Select24」を紹介する。
また、新書体にぴったりのワードを応募した人に、特製アクリルキーホルダーや最新の書体見本帳をプレゼントする参加型企画を用意しているほか、アフターパーティー前のメインステージにて、多彩な書体を楽しめる即興映像のVJパフォーマンスを実施する。
同社では、書体たちが演出するクリエイティブな世界観を会場で体験してもらうことを望んでいる。
■開催概要
名称:Adobe MAX Japan 2025
会期:2025年2月13日(木)10:00〜20:00
会場:東京ビッグサイト 東7 / 8ホール
イベント詳細はこちら https://maxjapan.adobe.com/
※来場者プレゼントなどの詳細は、モリサワの公式X(旧Twitter)
「@Morisawa_JP(https://x.com/morisawa_jp) 」で案内。
■出展内容
Morisawa Fonts
https://morisawafonts.com/
2024年度 モリサワ新書体
https://new.morisawafonts.com/2024/
●同件に関する問い合わせ
株式会社モリサワ コーポレート・ブランディング部 広報宣伝課
E-mail:pr@morisawa.co.jp
SNSでも最新情報を公開している
X(旧Twitter):@Morisawa_JP
Facebook:@MorisawaJapan
※記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。
※記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。
2025.01.31
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Revoria Press PC1120導入事例――株式会社小松写真印刷 3,000通し以下のジョブをデジタル印刷に移行し、生産効率アップ 品質の制約がなくなり、オフセット/デジタルの臨機応変な使い分けが
「印刷文化を通じて地域社会に貢献する」の理念のもと、山形県酒田市で120年以上にわたり印刷事業を展開する株式会社小松写真印刷(本社:山形県酒田市京田2-59-3、代表取締役社長:村上慈氏)は、2024年3月、富士フイルムのプロダクションカラープリンター『Revoria Press PC1120』(以下PC1120)を導入し、「オフセットジョブのデジタル印刷への移行」による生産工程の効率化を図っている。特色対応モデルではなく敢えて4色モデルを選択し、“オフセット印刷機に代わる新たな生産機”としてフル活用しているという同社に、導入の狙いや効果などについて伺った。
■女性が活躍しやすい環境づくりに注力
小松写真印刷は、1902年(明治35年)、米どころ・庄内の地で小松幸吉氏により『小松活版所』として創立。米穀取引所で発行する「米券」の印刷を手がけたのが始まりである。その後、文芸誌、総合雑誌、詩集・句集などの出版物の製作を通じて地域文化の発展に貢献。ここで培った技術力や地元顧客との信頼関係を礎として、各種商業印刷、パッケージ印刷、情報誌の企画編集、Web・動画制作、イベントの企画運営などへと事業領域を拡大し、総合印刷会社としての地位を確立していった。
現在の同社の大きな特色として、企画・制作部門に約30名と、多くの人員を擁していること、そして女性従業員の比率が高いことが挙げられる。
「私どもの本拠地である酒田市は、『日本一女性が働きやすい町』を目指して行政が女性支援を積極的に行なっています。当社もその流れに沿い、女性が活躍しやすい職場づくりに取り組んでおり、作業環境のクリーン化・スキルレス化などを進めています。現在、約110名の社員のうち45%ほどが女性です」(村上社長)
1991年には、女性のみの編集部を立ち上げ、地域情報誌『SPOON』を刊行。「30歳代の女性が誇りをもって働けるよう、地元に密着した情報を発信する」というコンセプトで、庄内地域の文化や人、生活を女性目線で紹介し、幅広い世代からの支持を集めた。この『SPOON』の刊行事業により、同社は2005~2006年度に「庄内文化賞」「山形県産業賞」を受賞している。
さらに、2023年には、女性活躍推進企業として『えるぼし』の5つの評価項目すべてを満たし「3段階目」の認定を取得した。
現在、印刷設備としては、オフセット枚葉機4台および輪転機2台を有するほか、2017年に新設したフレキソ工場には、ウインドミュラー&ヘルシャー社のCI型フレキソ印刷機を備え、環境に配慮した水性フレキソによる軟包装印刷も手がけている。
■オフセットからの移行を進めるため、品質重視で選定
同社はデジタル印刷機も長年にわたり活用を続けており、これまではPC1120の前任機である『Color 1000 Press』を主力機として運用していた。しかし、サポート期間の終了が近づいたことと、「今後は小ロットジョブを中心にオフセット印刷からデジタル印刷への切り替えを推進していくことが必要」との考えから、印刷設備運用の見直しも兼ね、2022年頃から新機種の検討を開始した。その背景について、村上社長はこう語る。
「いま、当社にとって一番の課題は人手不足です。とくにオフセット印刷機のオペレーターは、募集をかけてもなかなか集まりません。小ロットのジョブが多くなると生産効率がかなり低下してしまうため、デジタル印刷で対応できる仕事はなるべくデジタル印刷機に振り分け、生産能力を確保したいという思いがありました」
村上社長
同社では、デジタル印刷機を印刷工場ではなく制作部のフロアに設置し、オペレーションも、デザイナーなど制作部のスタッフが行なう体制をとっている。制作部門は印刷オペレーターに比べて人材を確保しやすいという。また、デジタル印刷機であればオフセット印刷機に比べ短期間で操作の習得が可能である。こうしたことから、デジタル印刷への移行を進め、生産工程全体の効率を高めようという考えだ。
これを実現するためには、「オフセットと同等品質のデジタル印刷機」が必要になる。そのため、新たに導入する機種については品質を重視して選定した。
「富士フイルム以外のメーカーの機種もいくつか検討しましたが、その中で、オフセット印刷との品質差が最も小さかったのがPC1120でした。人物写真の入った同じデータをオフセットとPC1120で印刷して比較したところ、社内でも違いがわかる人はほとんどいませんでした。Color 1000 Pressと比べても明らかに品質が上がっていますね。これだけの仕上がりが得られるなら、色に厳しい仕事でも充分に活用できると確信しました」(村上社長)
もう一つ、選定の決め手になったのは、導入前に実施したジョブ分析だ。オフセット枚葉機のジョブを5カ月分抽出し、FFGSで分析した結果、菊半3,000通し以下のジョブが全体の約66%を占め、それらのジョブにおける可働率(べきどうりつ=総作業時間に対する正味印刷時間の割合)は約11%にとどまっていることが判明。その上で、オフセットジョブのPC1120への移行についてシミュレーションを行なったところ、約3,000通しのジョブでも、作業時間やコストなどにおいてメリットが出ることがわかった。こうして損益分岐点や具体的な効果などがデータとして示されたことも、PC1120の導入を後押しした。
PC1120のオペレーションは制作部のスタッフが担当。印刷未経験者でも問題
なく使いこなせているという
■営業も積極的にPC1120を選択。出力枚数は前年の7倍に
同社では、特色などを使った付加価値提案や商材開発よりも、まずは「デジタル・オフセット併用による生産効率化」を重視するという考えから、PC1120の4色モデルを選択した。村上社長は「CMYKの4色でも品質面のメリットは大きく、当初の狙い通り、オフセットからの移行は順調に進んでいる」と評価する。
遠藤氏
「導入から約3カ月後のPC1120の稼働実績を見ると、Color 1000 Pressを運用していた前年同時期に比べ、出力枚数が一気に7倍に増えています。従来はオフセットに回していた仕事でも、いまは積極的にPC1120を活用するようになっているので、その結果が表れていると思います」(村上社長)
オペレーションを担当する制作部の遠藤由果氏も、「PC1120を導入してからデジタル印刷のジョブが明らかに増えている」と実感を語る。
「印刷ダイヤ(ジョブのシフト表)を見ると、PC1120はびっしり埋まっていてフル稼働状態。平均ロットも以前に比べて大きくなっていると思います。Color 1000 Pressでは300~400枚ぐらいまでのジョブがほとんどでしたが、PC1120では2,000枚、3,000枚といったジョブも通しています」
オフセット/デジタルへのジョブの振り分けは、主に営業が受注時に判断しているという。PC1120への移行が早い段階から進んだのは、損益分岐点が約3,000枚になるという情報が営業部門にもしっかりと共有された結果だろうか。
「もちろんそれもあると思いますが、加えて、短納期の要望が増えていることも背景にあるでしょう。オフセットの場合は加工を含めて3日ほどの納期が必要ですが、デジタル印刷機では、最短で即日納品も可能ですから、品質がほぼ同じでコストアップにならなければ、納期の短い方を選びます。PC1120の導入後はこのように印刷設備の柔軟な選択が可能になりました」(村上社長)
また、オフセットの印刷物に色を合わせるケースでも、PC1120のメリットが活きているという。
「たとえば、初版をオフセットで印刷し、再版は少部数をデジタル印刷機で出力するといった場合に、PC1120ならかなりの精度で近づけることができます。Color 1000 Pressと比べても、さらに合わせやすくなったと感じます」(遠藤氏)
色のマッチングも含め、オフセット印刷とデジタル印刷の臨機応変な併用が可能になったことで、その効果は印刷工程全体にも。
「以前は、時期によってオフセットに仕事が集中してしまい、残業しなければこなし切れないという状況が発生していましたが、いまではそうしたバランスの悪さがだいぶ解消されています。まだ詳細なデータはとっていませんが、これまでにオフセットジョブの30%近くがPC1120に切り替わっていると思います。オフセット側では、3,000通し以下の小ロットジョブが減った分、付帯作業時間の割合も減少し、実質的な稼働率は確実に上がっているはずです」(村上社長)
イベント案内パンフレット、日本酒ラベル、地域情報誌など、さまざまな印刷物にPC1120を活用
■印刷物の多言語展開など、新規提案への活用も
PC1120の稼働開始から1年経たずして、その品質性能を存分に引き出しながら、生産効率化、人材確保などの面で確かな成果を挙げている小松写真印刷。今後は、社内全体の効率化・DXをさらに推進しながら、デジタル印刷ならではの特性を活かした新たな受注の獲得にも取り組んでいく考えだ。
「酒田は港町ということもあり、外国人観光客の来訪が増えており、それに伴って最近は多言語の印刷物の需要が高まっています。たとえば、イベント案内や観光施設のパンフレットなどを複数の言語で作成する場合、多品種小ロットになりますから、デジタル印刷が適しています。地元のスーパーや道の駅などでも、インバウンド向け多言語小冊子や店内POP、チラシ、ポスターなどのニーズが見込めるので、これから積極的に提案していきたいですね」(村上社長)
さらに、紙器パッケージなどへの活用も視野に入れているという。
「いま、地元の洋菓子店さんとコラボ企画を進めており、その中でパッケージの製作についても相談をいただいています。コラボ商品はやはり小ロットになるので、PC1120の新たな用途の一つになるのではないかと考えています」(村上社長)
社内の課題解決だけにとどまらず、地域のニーズにきめ細かく応えるためのツールとしても、同社のPC1120の活用はまだまだ広がりを見せそうだ。
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