ニュースリリース
2026年03月
2026.03.05
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Revoria Press PC1120 導入事例――サンメッセ株式会社 特色を用いた高付加価値印刷からバリアブルの大量生産まで幅広く活用
構成の異なる 2台を柔軟に使い分け、それぞれ月産20万枚を安定的にこなす

サンメッセ株式会社(岐阜本社:岐阜県大垣市久瀬川町7-5-1、代表取締役社長:田中信康氏)は、2025年5月に創業90周年を迎え、「印刷を、超えた『総合コミュニケーション企業』」を目指して変革を推進している。同社は、2022年に富士フイルムのプロダクションカラープリンター『Revoria Press PC1120』(以下PC1120)1号機を、さらに2024年には需要増加の対応を目的に同2号機を導入し、「デジタルとオフセットの共存運用」を実現。急速に高まる「小ロット・短納期・高付加価値ニーズ」への対応力を大幅に強化してきた。2台のPC1120の導入に至った経緯や、それぞれの活用状況、メリットなどについて、プレス部 部長 松岡克英氏、デジタルプレス課の臼井章娘氏、立川弘樹氏に伺った。

■印刷品質の高さを活かし、オフセットとの共存運用へ
サンメッセは、1935年(昭和10年)に田中印刷所として創業以来、90年の歴史を誇り、中部地区最大規模の生産力を持つ印刷会社として知られる。現在は従業員約640名を擁し、一般商業印刷を中心に、「IPS事業」、「パッケージ事業」、「コーポレート・コミュニケーション事業」の専門性の高いフィールドを中心に事業領域の拡大に向けた積極的な経営改革にも果敢に挑んでいる。近年は市場の変化に対応するため、生産設備のデジタル化を積極的に推進するとともに、新しい価値創造にも取り組んでいる。
松岡部長が現職に就いたのは、PC1120の2号機導入のタイミングであった。デジタルプレス課長となって初めてPC1120の出力物を目にしたとき、「オフセットにかなり近い仕上がりだ」という印象を持ったという。
「その品質の高さを見て、これならPC1120を中心とした『デジタル機とオフセット機の効率的な共存運用』ができるはずだと確信を得ました」(松岡部長)

松岡部長
しかし当時、社内では「デジタル機はコピー機の延長」という認識が根強く残っており、先に導入されていたPC1120の1号機も上手く活用できておらず、稼働率が伸び悩んでいる状況であった。そこで、2号機導入の際、富士フイルムのクラウド型CMS『Revoria One Remote Color Management Service』とインクジェットプルーファー『PRIMOJET』を活用し、オフセット機・デジタル機のカラーマッチングを図り、PC1120とオフセット機で同じ印刷品質が得られる環境を整えた。
さらに、PC1120の色再現性を詳しく検証した結果、特殊トナー対応・6色仕様の1号機は、90%以上の特色を再現できることが確認できたことから、小ロットの特色ジョブをPC1120に移行することとした。
現在、PC1120はオフセット印刷と同等の位置づけとなっています。お客さまから『オフセットでは再現できないため、PC1120で対応してほしい』というご依頼をいただくことも、まれにあります」(松岡部長)
■1台あたり月20万枚を安定生産
デジタル機とオフセット機の色を合わせたことで、たとえば、オフセット輪転機で印刷したチラシが300部追加で必要になった場合に、PC1120でその追加分をすぐに印刷するといった柔軟な対応が可能になった。
「300部程度の追加分をオフセット機で印刷するよりもデジタル機で印刷する方がコスト面で有利なため、とても助かっています」(松岡部長)
同社では現在、原則として規定の部数以下はPC1120、それ以上はオフセット機という形で、生産機を使い分けている。
オフセットからPC1120への切り替えによって準備時間や待機時間の削減が図れた分、納期も短縮できている。また、同社のPC1120には中綴じフィニッシャーやトリマーなどのオプションも装備。中綴じ製本のインライン処理が可能になったため、後加工工程での待機時間の削減も実現できた。
「オフセット機ではどれだけ頑張っても15分以上かかる準備時間が、PC1120では5分で完了します。稼働効率が高いので待ち時間も少ない。UVオフセット機が空くのを3時間待つならPC1120で印刷した方が早い、というケースもあります」(松岡部長)
PC1120の稼働率を高めるため、松岡部長は「まずは社内の仕事の取り込みを優先してPC1120の稼働を上げる」ことをプレス部で宣言した。すなわち、クライアントからの新規受注を増やす前に、社内の営業部門に働きかけて、これまで外注に出していた仕事を内製化していこうという取り組みだ。これにより、徐々に内製化率が向上するとともに、小ロットの仕事でオフセット機を使用するケースも減少し、コスト面での無駄も削減できたという。
現在、同社のPC1120は1台あたり月約20万枚をコンスタントに生産しており、フル稼働状態だ。臼井氏は、「これだけの生産量を安定的にこなせるのは、富士フイルムのサポートによるところも大きい」と語る。
「PC1120を使用する仕事には、印刷したその日にすぐ出荷というケースもあるため、いつでも高い瞬発力を発揮できることが重要です。その点、富士フイルムさんには、定期的な保守に加えて、万が一のトラブルの際もほぼ当日中に対応していただけるので、安心感がありますね」(臼井氏)

臼井氏
■2台のPC1120で仕事の幅を広げ、高い稼働率を実現
サンメッセでは、2台のPC1120を異なるシステム構成で運用し、それぞれに特徴を持たせることで、対応できる仕事の幅を広げている。1号機は、特殊トナー対応の6色機で、シルバー、クリア、カスタムレッドなどの特色を用いた付加価値の高い仕事や、色に厳しい仕事に対応できる構成。オペレーションを担当するのは、プリプレス部でデータ制作の経験を持つ臼井氏だ。
臼井氏は、特殊トナーの活用を広げるべく、2025年春の社内報で、表紙4ページ分を4色+クリア+シルバーの6色(本文は4色)で印刷を担当した。当時、社内のデザイナーもクリアトナーやシルバートナーを使った経験がなく、データ制作の段階ではどのような表現になるかわからない状態であったことから、何回も色校正を出して確認しながら進めたという。

また、2台体制になってからは、生産性を考慮したジョブの振り分けも行っている。臼井氏は他社製カラーデジタル機も担当しており、基本的には工務部が作成した予定に沿って作業を進めているが、静電気が発生しやすい薄手のコート紙を使ったジョブなど、「他社機よりPC1120の方が適している」と判断した場合には、松岡部長などと相談した上で適宜PC1120に切り替えている。こうした柔軟な運用により、「色に厳しい仕事が中心」の1号機であっても高い稼働率を維持できているという。
一方、2号機は、4色機・ダブルデリバリー装備(重連用大容量給紙トレイオプション付き)の構成で、大量生産機という位置づけ。オペレーションを担当する立川氏は、もともとオフセット機のオペレーターで、3年前にデジタルプレス課に異動するまで、デジタル機にまったく触れたことがなかった。しかし、異動当初設置されていた富士フイルムの『Color 1000 Press』を初めて操作した際、刷り出しの早さや色の安定性、損紙の少なさなどに大きな魅力を感じたという。

立川氏
2号機は主に、ナンバリングやバーコードなどの可変要素を含んだ大ロットのモノクロ印刷などに使用される。導入の際、ダブルデリバリー仕様にすることを提案したのは立川氏であった。
「大量生産機として運用すると聞いていたので、長時間ノンストップで印刷できる仕様にすれば、作業効率が上がるだろうと考えました。実際、かなりの生産性を発揮できているので、正解だったと思っています」(立川氏)
また、2号機も1号機やオフセット機と色を合わせているため、定期的に入るフルカラーのPOPや色再現性、安定性の面で他の印刷機では対応しにくいカラーの仕事などにも幅広く対応している。最近では、比較的ロットの大きいカラーの仕事を2号機で印刷するケースも増えているという。

2台の PC1120がフル稼働。それぞれのシステム構成に合わせたジョブ振り分けにより、生産効率を高めている
■システム連携や自動化により、生産工程のさらなる進化を目指す
サンメッセでは、オフセット機と同等の生産機としてPC1120をフル活用することで、「印刷品質の安定化」「短納期対応力の大幅な向上」「段取り削減による生産性アップ」「提案力の強化(特色や特殊加工を活かした付加価値提案)」などを実現し、社内はもちろん顧客からも高い評価を得ている。
同社は今後もデジタル化に積極的に取り組み、工場としても「受注産業から脱却し、より能動的に提案できるようになる」ための変革を推進していく計画である。松岡部長はその一環として、印刷機のラインアップ拡充を検討している。たとえば、顧客の課題解決に必要な部数・仕様の印刷物を効率的に生産できる、デジタル印刷機とオフセット輪転機・枚葉機を組み合わせた生産設備構成の実現を検討している。このように変革を続けていく中でも、PC1120には、印刷部門全体を支える大きな柱としての役割が期待されている。
「PC1120は生産機としての活用だけでなく、たとえば色校・色見本を印刷して、それにオフセット機の色を合わせるといったこともできます。また、表紙はPC1120、中身はオフセットという生産スタイルも、これから増えていくのではないかと思っています」(松岡部長)
ワークフロー全体としては、すでにMISとデジタルプリンターを含む印刷機、後加工機の連携強化に取り組んでおり、工程全体の自動化や生産効率のさらなる向上を進めている。
松岡部長は、これらの取り組みを推進するうえで、富士フイルムとの継続的な連携を重要な要素と考え、次のように語った
「これまでも、生産設備のデジタル化や、工程の自動化・効率化などで、富士フイルムさんにさまざまなご提案・ご支援をいただいてきました。今後も引き続き、ソフトウェア連携に関する技術支援や、安定稼働を続けるための提案などをいただきながら、生産環境の変革を一緒に進めていければと思っています」
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