ニュースリリース
2026.01.15
◆サイバーテック ドキュメント公開ポータル「DocuPortal」 さまざまなドキュメントをリーズナブルでWeb公開しCMSとシームレスに連携
株式会社サイバーテック(東京都渋谷区道玄坂1-20-1大沢ビル5F)は、マニュアルをはじめとするドキュメントの公開を行うことができるシステムドキュメント公開ポータルシステム「DocuPortal」を提供している。
「DocuPortal」は、マニュアル作成システム「PMX」から派生した製品で、ユーザーズマニュアルなどのマニュアル(取扱説明書)の公開をするための最適なプラットフォーム。マニュアルをはじめとするドキュメントの公開機能に絞ったシステムで、ログイン認証後、権限に応じた形でユーザーズマニュアルやメンテナンスマニュアルなどのさまざまなマニュアル・取扱説明書の公開をするための最適なプラットフォームとなっている。
多言語マニュアルや製品ごとの仕向け出力(出し分け)、PDFやHTMLなどのワンソース出力などは、サイバーテックが開発および販売を実施する、マニュアル作成システム「PMX」と連携させることで解決。むろんその他のツールで作成したマニュアルをはじめとするさまざまなドキュメントデータも追加でアップロードすることが可能である。「DocuPortal」は情報公開ポータルシステムとして必要最低限の機能に集約させているので、リーズナブルに構築および運用保守が行えるのが特長である。

ドキュメント公開ポータル「DocuPortal」の構築図
「DocuPortal」の特徴
ドキュメント公開ポータルとして特化することで、リーズナブルに提供!
マニュアル公開をはじめとするドキュメントポータルシステムは、一般的に多機能が求められる反面、高価格になりがちである。「DocuPortal」は、アップロード権限の制限や閲覧のみを許可する権限、管理者よるアカウント管理など、ドキュメント公開ポータルサイトに求められる権限管理機能を有しつつ、ファイル内検索などの高機能検索を有した、ドキュメント公開ポータルシステムである。ドキュメント公開機能に特化させることにより、ユーザーの製品やサービス内容といったWebコンテンツはコーポレートサイトや製品紹介サイトに掲載されたものを連携することで、リーズナブルな価格を実現している。製品やサービス紹介コンテンツのWebサイト構築や運用はお客様側で実施するのも可能あるし、同社の「Webソリューション事業」で、Webサイト全体の構築やリニューアル~運用保守の代行行うことも可能である。
PDFに限らず、素材データなども含めたさまざまなコンテンツの公開が可能!
ドキュメント公開ポータル「DocuPortal」は、マニュアルや取扱説明書で多用されるPDFやMS Wordデータに限らず、さまざまなドキュメントや画像などをはじめとするコンテンツのアップロードが可能となっている。単なるマニュアル公開用Webポータルとしての用途に限らず、外部向けにさまざまなコンテンツを公開するポータルサイトとして、あるいは社内向けに秘匿性の高いドキュメントを公開する「社内ポータル」や、画像素材などのデジタルデータを保存しておく、DAM(Digital Asset Management:デジタルアセットマネジメント)サーバーとしての活用も可能である。
安心の国産製品、セキュリティ対策も万全!
ポータルサイトを構築するためのパッケージは海外製品が多数存在するが、「DocuPortal」は、国内ベンダーである同社が開発および販売を実施しているため、安心かつ手厚いサポートサービスを提供することが可能。国内ユーザー第一主義でさまざまなニーズをヒアリングした上で製品力の強化に継続的に取り組んでいる。さらに、ドキュメント公開ポータルとして求められるセキュリティ対策も、弊社が責任をもって対応している。
マニュアル作成システム「PMX」とのシームレス連携!
サイバーテックが開発~販売を行う、多彩な機能を持つマニュアル作成システム「PMX」で作成した、任意のバーション・言語のマニュアルや取扱説明書を、ドキュメント公開ポータル「DocuPortal」とシームレスに連携することで、Webポータルに簡単にマニュアルや取扱説明書を公開することが可能である。マニュアル作成システム「PMX」からは、常に最新のPDF形式とHTML形式のマニュアルをワンソースで公開することが可能となるため、マニュアルに携わる方々にとって、ライティングや翻訳作業のみに集中することができる。
なお、「DocuPortal」は、2月18日(水)から20日(金)まで、東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で開催される「page2026」に出展(展示ホールD、自動組版普及委員会のブース)する。
◆問い合わせ先
株式会社サイバーテック
TEL 03-5457-1770
2026.01.15
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Form Magic 5導入事例――上毎印刷工業株式会社 圧倒的な処理能力により、1日かかっていたジョブが2~3時間で完了 エラーによる時間的ロスがなくなり、作業効率も安心感も高まった
群馬県に本社を置き、地域に根差した総合印刷業を展開する上毎印刷工業株式会社(本社:群馬県前橋市天川大島町305-1、代表取締役:小口有高氏)は、富士フイルムの高機能自動組版ソフト『Form Magic 5』(以下 Form Magic)を活用し、DMやチケット、One to Oneカレンダーなどのバリアブルデータ制作の効率化を図るとともに、新たな付加価値提案に向けた体制づくりも進めている。Form Magicの導入によって、制作現場ではどのようなメリットが得られているのか。最新版の機能に対する評価なども含め、代表取締役 小口有高氏、工務部 営業企画開発課・制作課 課長 児玉律子氏、工務部 制作課 稲川典恵氏に伺った。


小口社長 児玉課長 稲川氏
■従来のソフトは処理の遅さとUIのわかりにくさがネックだった
上毎印刷工業は、1926年(大正15年)に活版印刷業として創業し、間もなく100周年を迎える老舗印刷会社だ。1947年からオフセット印刷へのシフトを進め、最新の設備をいち早く採り入れながら、地元の企業・官公庁などの多種多様なニーズに応えてきた。現在は、DTPからオフセット/デジタル印刷、後加工までの一貫体制を構築。商業印刷物をはじめ、書籍類、DM、POP、カレンダー、各種ノベルティなどを幅広く手がけるほか、最近では3DCGやVR、動画などのデジタルコンテンツ制作、データ分析や効果測定といったマーケティングサポートにも事業領域を広げ、紙とデジタルを複合的に活用した販売促進提案に力を入れている。

印刷設備としては、オフセット機が菊全4色機1台と2色両面機1台、デジタル機がカラー機・モノクロ機各1台という陣容。さらに、Japan Colorに基づいたカラーマネージメント、万全の校正・検品体制により、小ロットに対応する機動力と安定した品質を実現し、クライアントから厚い信頼を得ている。
同社が手がける販促用印刷物には、DMやチケットなど、可変情報(宛名、ナンバリングなど)を含むものも多い。こうしたバリアブルジョブも、データ制作から一貫して手がけているが、従来は、Adobe InDesignのプラグインソフトを使用してバリアブル印刷データの作成を行なっていた。ただ、このソフトウェアは、安価で導入しやすい反面、データの処理能力や使い勝手などの面で課題も多かったという。
「従来のソフトは、処理の遅さが最大のネックでした。2万件ぐらいのデータを書き出そうとすると、一晩かかってしまう。夜間に処理を進めておき、翌朝、無事に完了していればまだいい方で、途中でエラーが出て止まっていた、ということも珍しくありませんでした」(児玉課長)
また、インターフェイスもあまり馴染みやすいものではなく、「初心者がすぐに使いこなせるようなものではなかった」(児玉課長)ため、操作できる人員が限られていた。すなわち、オペレーションが属人化していることも課題の一つだった。
こうした状況を改善するべく、新たなバリアブルソフトを検討していたところ、FFGSからForm Magicの提案が。最終的に導入を決めた理由について、小口社長はこう語る。
「お客さまの販促をサポートしていく上で、今後、宛名だけでなくデザインなども含めてさまざまなバリアブルに対応していくことが必要だと考えました。そのためには、高機能で汎用性に優れたツールが欠かせません。Form Magicは、従来のソフトに比べて価格は高いですが(笑)、その分、高度な機能が備わっており、作業効率の改善も期待できたので、制作環境の強化のため、思い切って導入することにしました」
児玉課長も、事前に展示会でForm Magicの操作感を確認し、好感触を得たという。
「まず、処理スピードの速さに驚きましたね。これなら、制作時間が相当短縮できるだろうなと。また、自動処理の機能が豊富で、UIもわかりやすいので、作業のストレスがかなり減るだろうと感じました」

「アップデートのたびに便利な機能が追加され、導入当初よりさらに使いやすくなっている」と稲川氏
■エラーによる後戻りがなくなり、印刷側の無駄な待ち時間も解消
Form Magicの圧倒的な処理能力は、導入してすぐに実感できたという。オペレーションを担当する稲川氏はこう話す。
「これまでの何倍…どころではなく、比較にならないぐらい速いですね。InDesignで丸1日かかっていたジョブが、内校なども含めてわずか2~3時間でこなせるようになりました。データ量が極端に多くなければ、体感的には一瞬で終わってしまいます」
また、“予期せぬエラー”がなくなったことで、安心感も高まったという。
「これまでは、まず50件ほど通して問題なさそうであれば残りを処理するというやり方をしていたのですが、それでも途中でエラーが出て停止してしまうケースがありました。その点、Form Magicでは、プレビュー機能で組版結果を確認してからスタートできますし、万が一、問題になる箇所があれば、その位置を明確に知らせてくれるので、時間をかけてエラーの原因を探す必要もありません。そのため、確認や修正の作業が大幅に減りました」(稲川氏)
Form Magicの処理の速さと安定性は、印刷部門の生産効率にも波及効果をもたらしている。
「データ書き出しの時間が読めるようになったので、印刷工程でのスケジュールが立てやすくなりました。以前のように、エラーで処理が遅れて印刷開始時間がずれ込むといったトラブルがなくなり、時間的なロスが大幅に削減できています」(児玉課長)
大ボリュームのデータを簡単に分割処理できる点も、運用上の大きなメリットになっているという。
「大量のバリアブルデータを一括で出力すると、POD機を長時間占領してしまうので、データ処理を小出しにすることがあるのですが、たとえば、1万件のデータを1,000件ずつ書き出したいとき、Form Magicに数字を入力するだけで分割処理してくれます。このような設定が柔軟に行なえるのも魅力的ですね」(児玉課長)
FormMagicで制作した記念後カレンダー。顧客ごとにオリジナル
の写真と記念後を入れたOne to Oneアイテムだ
■新規受注の獲得など、営業面にも大きなメリット
同社は、こうしたForm Magicの処理能力や機能性を活かし、かつて宛名やナンバリングが中心だったバリアブル印刷の仕事の幅を、徐々に広げている。
たとえば、メインクライアントの一社である生命保険会社に提案し採用されたのが、写真入り記念日カレンダー。顧客それぞれの“My記念日”と好きな写真を入れた、卓上タイプのOne to Oneカレンダーだ。このアイテムはバリアブルの要素が多いことから、独自に入稿フォームを作成し、Form Magicと連携させる仕組みを構築。顧客自身が写真や記念日などを入力し、その情報をForm Magic上でテンプレートに流し込むというフローにより、入稿からバリアブルデータ生成まで、効率的にミスなく運用することを可能にした。
「最初にForm Magicでテンプレートをつくるところは、慣れないので少し時間がかかりましたが、一度つくってしまえば、次の年からは日付を少し移動するだけで流用できるので便利ですね。最近のアップデートで、文字やオブジェクトの整列がより簡単になり、移動も0.1mm単位でできるようになったので、微調整もしやすくなりました」(稲川氏)
また、従来はInDesignプラグインソフトでバリアブルデータ生成後、文字あふれの修正や文字詰めの調整など、人手による作業が必要だったが、Form Magicではこれらが自動処理されるため、大幅な省力化が図れ、ミスのリスク削減にもつながっているという。
このように、煩雑な手作業をほとんど必要とせず、付加価値の高いアイテムを制作できるようになったことは、営業面でも大きなプラスになっている。最近、新規で受注した仕事としては、昨年から手がけている地元プロバスケットボールチームのチケットがある。こちらは通し番号のナンバリングだけでなく、日付や座席番号、さらには絵柄も1部ずつ異なるというフルバリアブルのジョブだ。
「直近のものは、18枚綴りでトータル約1,500部というボリュームで、1枚ごとに異なる画像が入っているためデータとしてはかなり重いものでしたが、Form Magicは大容量のデータをものともせず、スピーディーに処理してくれました」(児玉課長)
■最新の出力機との組み合わせで、付加価値提案に磨きをかける
制作工程の大幅な時間短縮・省力化、新規受注の獲得など、Form Magicの活用効果はさまざまな面で表れているが、同社は今後も引き続き、バリアブルを活かしたより多彩な付加価値提案に取り組んでいく考えだ。
「たとえば、お客さまの年齢や嗜好に合わせてデザインを可変するなど、よりパーソナライズされた、効果的な印刷物を提供していきたいですね。Form Magicの本来の強みもそういうところにあると思うので、そのポテンシャルをもっと活かせるよう、FFGSさんにアドバイスをいただきながら研究を重ねていきたいと思います」(小口社長)
一方、今年秋には、新たな出力機として、富士フイルムのプロダクションプリンター『Revoria Press EC2100』が稼働を開始した。小口社長は、「一段と進化した生産環境を活かして、小ロット・高付加価値ニーズへの対応力をさらに高めていきたい」と期待を込める。
「これまで、制作側はForm Magicによって格段に効率が上がったものの、印刷側がそれに見合った生産性を発揮できないケースがありました。しかし、EC2100はスピードも速く、自動検査装置によって信頼性も担保できる。しかも、CMYKに特色1色を加えた5色プリントが可能なので、デザイン表現の幅もぐっと広がると思います。Form MagicとEC2100を上手く使いこなすことによって、よりクオリティの高い、独創性に富んだ印刷物をお客さまに提供できるようになると考えています」(小口社長)
■お客様プロフィール
上毎印刷工業株式会社
住所: 群馬県前橋市天川大島町305-1
■関連リンク
高機能自動組版ソフト「Form Magic5」に関する詳細はこちら
2025.12.31
◆新年のご挨拶 富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社 代表取締役社長 山田 周一郎
新年のご挨拶

富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社
代表取締役社長 山田 周一郎
明けましておめでとうございます。印刷業界の皆さまにおかれましては、希望に満ちた清々しい
新春をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。
さて、昨今はAIをはじめとしたデジタル技術の進歩が目覚ましく、新たな技術を活かして多様な消費者
ニーズに対応したサービスが次々と登場し、製造業においてはこれまで以上に少量多品種生産が求められるようになっています。印刷業界においても同様に、ますます加速する多品種小ロット化の中、生産の「ムリ」「ムダ」「ムラ」をなくし、高品質な印刷製品を効率的に生み出す有効な手段としてデジタル技術の活用が進んでいます。
しかし、AI技術やロボティクス化は、目的ではなく手段に過ぎません。大切なのは、それらを活かして、お客さまの期待を超える価値を提供していくことです。価値の高い印刷を実現するには、効率化だけでなく品質管理も重要です。デジタル印刷機の普及も進んでいますが、既存のオフセット印刷機も含めた印刷工程全体で品質管理を行なうことで、デジタル、オフセットそれぞれの強みを活かした生産環境が実現できます。
さらに、昨今の慢性的な人手不足や働き方の多様化といった社会的な変化の中で、企業に求められる組織の在り方も変わりつつあります。従業員一人ひとりが成長できる場として、柔軟な働き方や多様な人材の活用を推進していくことが、企業としての力になっていくと考えます。
印刷は、誰にでもできる仕事ではありません。長年の経験や技術が支えるプロフェッショナルな仕事です。そして、紙メディアは単なる情報伝達の手段ではなく、人を笑顔にしてくれる優しさや温もりを持ったメディアです。そんな印刷をもっと魅力あるものにするために、私たち富士フイルムグループは、デジタルとアナログ両方の技術・ソリューションを最大限に活かし、お客さまごとの課題に寄り添い、ニーズを柔軟に取り入れながら、印刷業界の皆さまとともに新たな可能性を切り拓いていきます。
2026年も、FFGSはお客さまのパートナーとして共に歩み続けます。印刷会社の皆さまが、自社の強みを活かして新しい価値を創り出していけるよう、さまざまな側面からお手伝いをさせていただき、産業全体の発展に貢献してまいります。
最後になりましたが、皆さまのご健勝とさらなる発展をお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
2025.12.31
◆新年のご挨拶 富士フイルムホールディングス株式会社 代表取締役社長・CEO 後藤 禎一
新年のご挨拶

富士フイルムホールディングス株式会社
代表取締役社長 CEO 後藤 禎一
2026年の新春を迎え、印刷業界の皆さまに謹んでご祝詞を申し上げますとともに、旧年中の多大なるご愛顧・ご支援に対し、心より御礼を申し上げます。
さて、昨年は、「日本の成長を持続させる起爆剤」と位置づけられた大阪・関西万博が開催され、世界中の国々から2,500万人以上が訪れました。私も会場の熱気を肌で感じてきましたが、この半年間にわたる祭典は、さまざまな分野の先端技術と創造力がもたらす未来社会の可能性、そして、国境を越えた人と人とのつながりを体感できる貴重な場となり、私たちに新しい展望と活力をもたらしてくれました。一方で、頻発する自然災害、激動の政局、グローバルな経済政策の変化など、経済・社会の不安定さが際立つ一年でもありました。
この、目まぐるしく変化する予測困難な時代において、富士フイルムグループは、中期経営計画『VISION2030』の達成に向けて着実に歩みを進めており、事業競争力の強化やビジネスモデル変革、社会価値の創出を通じた企業価値の向上に、グループの総力を結集して取り組んでいます。中でも注力しているのが、AIの活用によるお客さまのDX支援です。医療分野で実績を積み上げてきた当社のAI技術の知見を、グラフィックコミュニケーションの領域にも拡張し、業務効率化や機器最適化など、さまざまな視点から“新しい働き方”をご提供していきます。
いま我々がやるべきことは、目の前の状況に右往左往することではありません。変化に迅速かつ柔軟に対応しながら、長期的視野を持って成長戦略を確実に実行すること、これに尽きます。私たちは、世界的な通商環境の変化などの外部要因も、成長のチャンスと捉えています。こうした難題へのチャレンジを通じて企業体質の強靭化に取り組むことが、必ず将来にわたる大きな強みになると考えるからです。先が見通しにくい時代だからこそ、チャレンジ精神を忘れず、前向きな姿勢で逆境を力に変えていく。それが、企業の持続的な成長につながるはずです。
富士フイルムは今後も、「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」というグループパーパスのもと、先進・独自の技術に基づいた商品やサービスの提供を通じてイノベーションを生み出し、社会課題の解決に貢献するとともに、印刷業界に多くの笑顔と感動をお届けできるよう、挑戦を続けてまいります。
最後になりましたが、皆さまのご多幸とさらなるご繁栄を祈念いたしまして、新年のごあいさつとさせていただきます。
2025.12.04
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Revoria Press PC1120導入事例 シンクイノベーション株式会社 抜群の安定性を活かし、グッズ類の自動生産システムとして運用 ライセンスグッズの商品化では印刷品質の高さが版権元への訴求力に
アクリル商材や缶バッジなどのさまざまなグッズ類の製作・販売、コンテンツを活用したイベントの企画・運営、自動化システムの開発などを手がけるシンクイノベーション株式会社(本社:愛知県名古屋市中区栄1-29-27、代表取締役:三輪直之氏)は、2025年4月に富士フイルムのプロダクションプリンター『Revoria Press PC1120』(以下 PC1120)を導入し、ステッカーやラベルなどのグッズ製造に活用するとともに、独自に開発した缶バッジの自動製造ラインの構築を進めている。導入の狙いや経緯、具体的なメリットなどについて、代表取締役・三輪直之氏に伺った。

■製造ラインの自動化を視野に、印刷設備を見直し
シンクイノベーションは2014年、スマートフォンケースを生産しWebサイトで個人向けに販売する会社として設立された。2018年には、代理店や同業者から仕事を受託するOEM事業も開始。さらに、コロナ禍を契機に、プロ野球球団や雑貨店などに商品の企画・販売を提案する事業や、アニメを中心に版権を取得し自社商品として販売・卸売する事業なども展開。現在は、コンテンツを活用したイベント開催によるIP戦略事業や、これまで培ってきた技術をパートナー企業にアドバイス・共有する機械販売事業も手がけ、業容を拡大しながら成長を続けている。
2025年9月、同社は東京・池袋で開催された展示会『オーダーグッズ・ビジネスショー』(OGBS)において、自社で開発した自動缶バッジ組立機など5種類の自動機の展示・デモを行ない、話題を集めた。グッズ業界は依然として人手生産が主流だが、労働人口の減少や人件費上昇を踏まえ、約1年前からこれらの自動機の開発に注力してきたという。

オーダーグッズ・ビジネスショーに5種類の自動機を出展し
注目を集めた
その一つが、自動缶バッジ組立機だ。これまで同社は、多くの人手を必要とする缶バッジの生産を100%協力会社に委託していたが、自動化によって生産ラインの内製化が可能になると考え、開発に着手した。
三輪社長は、「現在はグッズ業界3.0の時代」と語る。「1.0」は中国で大量生産されていた時代で、「2.0」はUVインクジェット機の普及を背景に小ロット・多品種生産が広まった時代。そして「3.0」の現在は、時代の変化の早さに合わせ、スピード感を持って多品種・大ロット生産することが求められているという。
同社も「グッズ業界3.0」に適した生産体制の構築を検討したが、既存の印刷設備だけでは対応が難しかった。当時使用していたUVインクジェット機は、画質は高いが印刷スピードが足りない。また他社製トナー機は、スピードは速いが画質がそれほど高くなく、ホワイトトナーが使えないため生産できる商材が限られた。さらに、印刷時に帯電しやすい用紙では、後加工に回す前に1日~2日待たなければならないという課題もあり、印刷設備をアップデートする必要があった。
■印刷サンプルを見て、品質への不安がなくなった
シンクイノベーションが缶バッジの製造にUVインクジェット機を使っていたのは、トナー機の印刷品質に懸念を持っていたためであった。
「これまで、トナーは色が沈んでしまうイメージがあったんです。実際、トナー機で印刷したサンプルでは、監修先から了解を得られないことも多々ありました」(三輪社長)

三輪社長
しかし、PC1120の印刷サンプルを見て、品質面の懸念はなくなったという。
「この品質なら、グッズの生産機としてまったく問題なく活用できると確信しました。ホワイトトナーも使えるので、光の当たり方によって色が変化するオーロラ缶バッジなどの製造にも対応できますし、ピンクトナーを使うことで鮮やかな発色も得られる。またスピードの面でも、自動缶バッジ組立機の生産に充分対応でき、当社が望む要件をすべて満たしていました」(三輪社長)
インラインの静電気除去装置を装着できる点も、PC1120導入の決め手の一つとなった。同装置により、印刷後に除電のための時間を設ける必要がなくなり、すぐに後加工に回すことが可能になるからだ。
「トナー機の入れ替えにあたって、周囲の方々にもPC1120についての評価を確認しましたが、非常に評判が良く、導入を勧める声が多かったですね。他機種を比較検討する必要は感じませんでした」(三輪社長)
さらに、富士フイルムビジネスイノベーションが自動化システムの開発に積極的に取り組み、知見を持っていることも、PC1120導入を決めた大きな理由であったという。
「富士フイルムビジネスイノベーションさんは、紙さばきロボットなど、さまざまな自動化の技術をお持ちで、我々と同じ方向を向いているなと強く感じています。缶バッジの自動機の開発現場にも何度も足を運んでいただきましたし、今後、自動機を一緒に考えていくこともできそうだなと。せっかく新しいデジタル印刷機を導入するなら、こういうメーカーさんから入れたいという思いがありました」(三輪社長)

名古屋本社に設置されたPC1120。静電気除去装置を装備し、さまざまなマテリアル
に対応している
■PC1120の圧倒的な安定性は、自動生産を目指す上で必須の要素
2025年4月に名古屋の本社に導入されたPC1120は、7月から本格稼働を開始。ステッカーやシールラベル、製品に付属するパッケージ台紙などの生産を開始した。現場では予想以上に好評だという。
「以前使っていた他社製トナー機は、社内で“じゃじゃ馬”と言われるぐらい色が安定せず、リピート物などで苦労していましたが、PC1120は非常に安定しており、オペレーターも従来機との差に驚いています」(三輪社長)
また、静電気除去装置によって作業性・生産性も大きく向上するなど使い勝手が大幅に向上したことで、従来機からPC1120への切り替えがスムーズに進んだ。
「当社の現場は、新しい機材を入れても、慣れている従来のものを使い続けようとする傾向があるのですが、今回はすぐに切り替わりましたね(笑)。それだけ使いやすいということだと思います。安定していて、余計な手間をかけずに安心して運用できるというのは、自動化システムを組む上でも重要なポイントです」(三輪社長)。
PC1120の導入は、営業面のメリットにもつながっている。
「やはりこの品質の高さは強力な武器になりますね。ライセンスを取得してキャラクターグッズを製作する際、商品化する前に版権元(著作権者)にサンプルを提出して印刷品質などについて了承を得ることが必要なのですが、これまで、UVインクジェット機の印刷だと通らなかったものが、PC1120で印刷すると承認された、というケースがありました」(三輪社長)
また、UVインクジェット機よりも印刷コストが大幅に抑えられるため、これまで顧客の限られた予算内での提供が難しかったものでも、PC1120で生産することによってコスト要件を満たすことが可能になるなど、提案の機会が増加しているという。
なお、PC1120と自動缶バッジ組立機の連携による自動生産システムの1号機は、2025年11月に兵庫県明石市の缶バッジ製造会社の工場に設置される予定となっている。この会社はシンクイノベーションがもともと缶バッジの製造を委託している会社の一社で、毎月約80万個をインクジェット機で生産している。当面は、シンクイノベーション名古屋本社のPC1120で印刷したシートをその工場に送り、自動組立機で缶バッジを生産するというフローになるが、いずれ、明石市の工場にもPC1120を導入し、同じ品質で印刷できる体制を整える計画だ。

PC1120の色安定性の高さは、現場での作業性向上、安心感につながっている
■自動機の提供を通じて、グッズ製造に携わる顧客企業の成長にも貢献したい
シンクイノベーションでは、開発した自動缶バッジ組立機の外販も進めており、9月のOGBSへの出展はその第一歩であった。
「自社で開発した自動機を、まず社内の生産ラインで運用する。その中で、前後の工程との連携なども含めてより良いものへとブラッシュアップしながら、お客さまにも提供していくということを考えています。」(三輪社長)
同社がターゲットとしているのは、月産50万~100万個の缶バッジ製造会社。こうした会社では100人~150人の従業員を抱え、人海戦術で生産しているが、それでも人手が足りずに梱包作業などを外注したり、やむを得ず仕事を断ったりしているところも多いという。こうした缶バッジ製造会社が自動機を導入することで、これまで断らざるを得なかった仕事を受注できるようになる。自動化によって余裕ができた人員は、検品の強化や外注していた作業の内製化など、これまでとは違った取り組みに充てることができる。こうした体制ができれば、今後ニーズの変化によって生産量が減ることがあっても、従業員を守ることができるというわけだ。
シンクイノベーションは2026年、本社を名古屋市の中心部へ移転する計画である。新本社には、PC1120と自動缶バッジ組立機を連携させた自動生産システムも設置され、量産工場兼ショールームとして公開されることになっている。
同社はさらに、顧客企業の在庫管理システムと連携し、販売状況に応じてオンデマンドで商品を生産・納品する“在庫適正化システム”の開発も計画している。このシステムを活用することで、顧客は機会を損失することなく、適正な在庫量を維持できるようになる。
「製造工程を自動化することにより、その周辺の工程の自動化も進みやすくなり、効率的な連携運用が可能になっていくと思います」(三輪社長)
同社では、現在外部に生産委託しているうちわやクリアフォルダーといった商材も、自動機を開発しPC1120との連携で内製化することも考えている。さらには、日本で生産した“メイド・イン・ジャパン”のグッズの海外輸出や、版権元も巻き込んだコンテンツのテーマパークづくりといった計画も視野に入れているという。
最後に三輪社長は今後の取り組みについてこう語った。
「自動化のノウハウを蓄積しながらそれをお客さまにも提供し、お客さまと一緒に成長していきたいと思っています。その中で、品質・生産性・安定性に優れたPC1120は重要なツールになると思いますし、自動機の開発にあたっては、富士フイルムさんのお力もぜひお借りできればと考えています」

PC1120で出力した缶バッジ、クリアカード。さまざまな素材で鮮やかな
色再現が得られる
2025.11.25
◆モリサワ クラウドサービスや大規模なWebサイトでフォント利用ができる新プラン『Morisawa Fonts Webフォント Pro』を提供開始
株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25、Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、2025年11月25日(火)より、フォントサブスクリプションサービス「Morisawa Fonts」において、クラウドサービスや大規模なWebサイトでフォント利用ができる新プラン「Webフォント Pro」の提供を開始した。
Morisawa FontsのWebフォントは、豊富なフォントライブラリーの書体をWebサイト上で表示させるサービスとして広く利用されている。このほど提供開始した新プラン「Webフォント Pro」は、年間4,800万PV以上に対応したプランである。
大規模な利用でもフォントの高速かつ安定した配信を実現しており、大規模なコーポレートサイトやサービスサイト、ECサイトなどに加え、サイトを作成できるWebアプリ、画像作成サービスのエディターなどでもフォントを活用できる。一つのプロジェクトに多数のドメインや書体を登録でき、一括で効率的に管理・運用できる仕様になっている。また、利用規模や用途に合わせて専任担当者が個別に最適な方法を提案するとのことである。
Webフォント Proの詳細はこちら
https://morisawafonts.com/plans/webfontpro/
モリサワは、今後もサービスの提供を通じ、ユーザーのWebサイト上の自由な表現や快適な制作環境を支えている。
■Webフォント Proプラン概要
クラウドサービスや大規模サイトを運営するユーザーに利用できるプランである。WebサービスやWebアプリでのフォント利用も可能。
・大規模サイトなどでも利用できるPV数設定と配信方式
年間4,800万PV以上のPV数で利用可能。他プランのPV数などの上限を超える利用をしたい場合に利用できるプランである。大量配信時でも安定した表示速度を維持できる軽量・高速な配信方式を採用している。
・多数のドメインや書体を効率よく運用可能
一つのプロジェクトに既存のMorisawa FontsのWebフォントプランと比較して多数のドメインや書体を登録でき、一括で効率的に管理、運用することが可能である。
・プランの評価・検証ができスムーズな導入が可能
フォント設定や配信の仕組みを事前に再現・確認できるため、サイト移行や導入準備をスムーズに進めることが可能である。設定内容はそのまま本契約後にも引き継げるため、導入可否や運用イメージをしっかり把握したうえでスタートできる。
・専任担当者が個別に提案
利用用途・技術要件などに応じて専任担当者が個別に最適な方法を提案する。
詳細はプラン紹介ページを閲覧。
https://morisawafonts.com/plans/webfontpro/
「TypeSquare」サービス提供終了について
TypeSquareはWebサイトでモリサワのフォントを使用できるサービスとして2012年より提供してきたが、2025年11月25日(火)をもって新規会員の登録、プランの新規購入を終了するとともに、2027年11月30日(火)をもってプランの更新受付を終了する。今後は、後継サービスMorisawa FontsのWebフォントを利用すること。
詳細はこちら https://www.morisawa.co.jp/about/news/16213
Webフォントとは
インターネットを介してフォントを配信し、Webブラウザで表示させる仕組みのことです。Webフォントを使ったWebサイトは、指定されたフォントが閲覧する側に搭載されていなくても、制作側で指定された書体が表示され、スマートフォンやタブレットなどでも同様に表示可能である。デザインに一貫性を持たせ、Webにおけるブランドイメージをより豊かに表現することや、Webフォントのテキスト情報によって検索性アップやSEO対策が期待できる。
Morisawa Fontsについて
Morisawa Fontsはクラウド型のフォントサブスクリプションサービス。グラフィックデザイン、WebサイトやプロダクトのUI/UX、映像や動画といったモーショングラフィックスなど、さまざまなクリエイティブスタイルに必要なフォント環境を柔軟に提供する。また、事業規模に応じたエンタープライズ要件に対応する機能も随時アップデートし、効率的なワークフローをサポートできる。年間4,800万PV以下のサイトで利用できるプラン「Webフォント」と、より手軽に導入できるプラン「Webフォント Lite」に加え、この度提供を開始したプラン「Webフォント Pro」も登場し、クラウドサービスや大規模なWebサイトなどでも利用できるようになった。
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2025.11.21
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ QC Navi導入事例 株式会社新進商会 新たに策定した色基準と年2回の定期診断により、品質の安定化を実現 作業の標準化が図れ、刷り出し時間が半減、生産効率が大幅に高まった


川口マネージャー 神宮路氏
PCなどの情報機器端末に関わるさまざまなアウトソーシングサービスを提供する株式会社新進商会(本社:東京都港区三田2-17-25、代表取締役社長:北田克仁氏)は、マニュアルやパンフレットなどの印刷・加工を手がける製造拠点『掛川プリンティングセンター』(静岡県掛川市光陽206)において、FFGSの総合カラーマネジメントソリューション『FFGS QC Navi』(以下 QC Navi)を活用し、印刷現場の作業の標準化、品質の安定化を図り、顧客の厳しい品質要求に応えている。QC Navi導入の背景にはどんな課題があり、それがどのように改善されたのか。同センターで主にCTP工程を担当するマネージャー・川口雅一氏と、印刷部門を統括する神宮路志郎氏に伺った。
■オペレーターが3年ごとに入れ替わる中で、いかに品質を維持するか
新進商会は、1940年に製図用品の専門商社として創業。80年代にソフトウェアコピー事業で大きく成長を遂げ、90年代以降はPC関連事業を基軸に、資材調達から製造、物流、品質管理まで 、さまざまなニーズに応える形でサービス内容を拡大してきた。現在は、国内10拠点(関連会社含む)に加え、中国、ベトナム、タイ、北米など海外にも拠点を設け、グローバルに事業を展開。各種情報機器端末の流通加工・梱包、メディア複製、フルフィルメント・物流センター代行、検品・検査代行、印刷・製本、キッティングなどを総合的に手がける。
掛川プリンティングセンターは、2010年に開設された製造拠点で、PCなどの商品に同梱する各種印刷資材(マニュアル、パンフレット、カタログなど)の製造を一手に担っている。本社でデザイン・制作し校了となったデータを受け取り、CTP出力から印刷、製本加工、梱包までを行なう。同じ建屋内に設けられたアッセンブリ(組立加工)工場との連携により、安定した品質の製品を短納期で提供できるところが強みになっている。印刷設備はオフセット機3台の体制で、菊全5色機が1台と菊全2色両面機が2台。カラー物は基本的に5色機で印刷する。
印刷事業のメインクライアントは大手PCメーカー。印刷物の内訳としては、マニュアルなどのモノクロ物の比率が高いが、カラーのパンフレットなども一定の割合で受注しており、品質にシビアなものが多いという。
「カラーの印刷物に関しては、美術印刷のような“絶対的な色のきれいさ”よりも、色がつねに安定していること、微細な汚れの付着がないことなど、工業製品としての品質の高さが求められるので、日頃の品質管理や検品体制が重要になります。しかも、リピート物も多いので、前回印刷したものと差が出ないよう、色の変動にはとくに注意を払っています」(川口マネージャー)
また、同センターでは、中国の技能実習生の受け入れを行なっており、各印刷機のオペレーションはすべて実習生が担当している。ただ、外国人技能実習は制度上、期間が3年までと定められているため、オペレーターが3年ごとに入れ替わることになる。こうした環境下でいかに印刷品質を一定に保つかが、これまで大きな課題となっていた。
「当然、人の腕に頼るやり方では成り立ちません。作業を標準化し、誰がオペレーションしても同じ色を出せる体制をつくる必要があります。ですから、より効率的に、かつ確実に色を管理できる仕組みを検討していました」(川口マネージャー)
■品質は悪くなかったが、職人的なやり方に課題があった
色管理の体制づくりに本格着手したのは、約6年前。CTPの更新がきっかけだった。
「富士フイルムさんの新しいCTPセッターと無処理プレートを導入することになったのですが、その際に色管理の課題について担当営業の方にお話ししたところ、とても親身に相談に乗っていただき、その中で具体的なサポートのご提案もいただいたのです。現状の印刷品質を詳しく分析した上で、色基準づくりから機械メンテナンスの改善までフォローしていただけるという、非常に安心感のある内容だったので、早速お願いすることにしました」(川口マネージャー)

当時、色品質そのものに大きな問題はなく、Japan Colorの範囲内にほぼ収まっており、顧客からクレームが入ることもなかった。ただ、色を合わせる際に明確な基準がなく、見本の色も安定しない中で“職人技”で調整していたことから、オペレーターの技量によって色がブレやすく、刷り出しに多くの時間を要していた。
そこで、まず印刷品質を詳細に把握するため、菊全5色機についてFFGSによる印刷診断を実施。その結果をもとに、「新進商会の基準色」をあらためて設定し、色合わせのターゲットを明確にした。ただ、この時点では、品質の安定化などに一定の効果はあったものの、依然として課題も残っていたという。
「当時、印刷部門を統括していたのは神宮路の前任者で、実習生のオペレーターを指導する際、従来からの職人的なやり方を教えていたのです。しかも、基準の濃度を現在よりも全体的に高めに設定していたので、なおさら色を合わせるのが難しかった。ですから、オペレーターはやり方を覚える段階から苦労していましたね。色基準をつくり、年2回のQC Navi(当時は『プリントナビゲーション』)の定期診断によって品質のブレをある程度抑えられたのはよかったのですが、作業効率が大きく改善するところまでは至っていませんでした」(川口マネージャー)
そこから状況が進展したのは約3年前。印刷部門の責任者が交代し、神宮路氏が統括することに。これを機に、色基準を再度見直すとともに、色の測定方法や機械のメンテナンス頻度など、オペレーションの手順も全面的にアップデートした。
「それまでの色基準では、仕上がりが少し濃すぎると感じていたのと、“人の腕に依存する色管理”から脱却できていなかったので、あらためて、基準づくりからやり直すべきだと考えたのです。その際、何をどう改善すべきかを検討する上で、QC Naviの診断結果のデータがとても役立ちました」(神宮路氏)

定期診断は、色の変動が大きくなりやすい夏と冬に実施している
(写真は診断時に使用するチャートと報告書)
■オペレーターの迷いが減り、作業効率が明らかに向上
こうして、新たに策定した自社色基準、新たな色管理手順の運用をスタートして3年。もちろんこの間も定期診断を継続しながら、品質の安定化、オペレーションの改善に取り組んできたわけだが、その結果、現場ではどのような効果が出ているのだろうか。
「定期診断は、まさに“印刷機の健康診断”のようなもので、機械のコンディションを維持し、品質を一定に保つ上での拠り所になっています。ブランケットや湿し水の状態、網点の潰れや見当のズレなども詳細に把握できるので、具体的な改善ポイントが判断しやすく、日常のメンテナンスをより的確に行なえるようになりました。また、プルーフと印刷とのマッチングを定量的にチェックできるのも大きなメリットですね。色がズレたときに、印刷機の状態が良くないのか、CTP側の問題なのか、といった原因の切り分けがしやすくなりました」(神宮路氏)

こうした効果は、オペレーターの教育にもメリットをもたらしている。
「経験や勘ではなく数値に基づいた指導が行なえるようになったため、未経験者でも比較的短期間でスキルを習得できるようになりました。オペレーター自身も、迷いが減り、やりやすくなったと思います。実際、以前は刷り出しに1時間ほどかかっていたのが30分程度にまで短縮するなど、作業効率が目に見えて上がっています」(川口マネージャー)
さらに、適正な濃度でより安定して印刷できるようになったことで、さまざまな無駄の削減が図れたという。
「3年前と比べて、インキの消費量が明らかに減りましたね。インキメーカーの方から『最近、注文が減りましたね』と冗談交じりに言われることもあります(笑)。また、刷り出しが早くなり、汚れなどのトラブルも減ったことで、損紙の量も削減できています。これらはコスト削減にもつながっています」(川口マネージャー)

明確な色基準、徹底した数値管理により、オペレーションに迷いがなくなり、作業効率が格段に向上した
■定期診断をベースに、品質の安定維持に取り組み続ける
QC Naviを活用した色管理体制の見直しにより、作業の標準化、印刷品質の安定化、生産効率改善など、明確な効果を上げている新進商会。今後も年2回の定期診断を継続し、品質の安定維持に取り組むとしている。
「いま使用している印刷機は10年以上稼働していますが、今回の取り組みの効果もあって、コンディションは以前より安定しています。これをしっかりと維持していかなければなりません。印刷機も年数が経てば色の変動が起きやすくなりますから、こまめにメンテナンスを行ない、定期的に品質をチェックすることがますます重要になってきます。現場の5S活動と合わせて、安定品質のための取り組みを続けていきます」(神宮路氏)
また、印刷ニーズの変化にも柔軟に対応していく考えだ。近年は小ロットのオーダーが増加しているため、FFGSから提案を受けたデジタル印刷機の導入も検討している。川口マネージャーは、「こうした環境の変化の中でこそQC Naviの真価が発揮されるのでは」と期待を込め、こう締めくくった。
「QC Naviはオフセットだけでなくデジタル印刷にも対応できるとのことなので、設備環境が変わっても、軸がぶれることなく、一貫した色管理ができるのではないかと思います。今後も、当社の品質を支えるツールとして引き続き活用していきたいですね」
2025.11.14
◆サイバーテック WordPressユーザーに向けたサービス内容を強化! WordPressの定額見守りサービス「WordPressプラス」
ITで企業のDX対応をサポートする株式会社サイバーテック(代表取締役社長:橋元 賢次、本社:東京都渋谷区、以下 サイバーテック)は、全世界で一番利用されているWeb CMS「WordPress」で運用中のWebサイトに携わる関係者を支援するために、WordPressの定額見守りサービス「WordPressプラス」を2025年12月1日にリリースする。
サイバーテックはかねてより実施している「マニュアルDX」事業とともに、CMSの新規導入や移行をはじめ、サーバーを含めたWebサイト運用やWebマーケティング支援まで、企業のWebサイトをフルサポートする「Webソリューション」事業を実施している。今回サービス提供を開始する「WordPressプラス」は、手軽に扱うことができるWeb CMS「WordPress」で構築されているWebサイトの運用をサポートするためのサービス。WordPressが活用されているWebサイトの役割はもとより、サーバー基盤の状況や監視対象範囲、ご予算などにより選択することができる「スタンダード」「プレミアム」の2種類のプランを準備した。
今回の取り組みは、先日リリースしたWordPressを活用したWebサイトを公開、あるいは運用を実施しているWeb担当者の皆様に有益な情報を提供するためのオウンドメディア「WordPress通信」とも相互に連携している。「WordPressプラス」による監視サービスとともに、WordPressで運用するWebサイトにとって必要となる「情報とサービス」を提供する。
そのような背景もあるため、今回の発表に伴い、WordPressの活用をサポートする情報サイト「WordPress通信」への新規登録を推進するためのキャンペーン「WordPress通信オープン記念 Amazonギフトカードキャンペーン」( https://wordpress.cybertech.co.jp/campaign/amazon-202512/ )を11月20日から開催する。
WordPressに関しては、新バージョンの情報や対応ミドルウェア、セキュリティアラート、プラグインなどの情報はいち早く英語圏でアナウンスされている。サイバーテックは英語圏であるフィリピン セブ島に自社オフショア拠点を有しており、常にWordPressの最新情報を入手することが可能であることから、WordPressに関するスピーディな情報提供をはじめ、エンジニアによる対策を講じることが可能である。
同社は、今回リリースした「WordPressプラス」にて、WordPressを活用している多くの企業様が安心してWordPressを活用し、Webサイトの可用性を高めるためのサポートしていく。
■「WordPressプラス」特長
◎Web分野に長年携わってきた技術陣と統合監視ツール「Zabbix」による、安心のサポート!
ミッションクリティカルなWebサイトでは可用性を高めるためにしっかりとした監視が必須となるが、可用性がそこまで求められないWebサイトの場合、オーバースペックとなる監視サービスを採用してしまうと、余計なコストや頻繁なアラート通知にうんざり、ということになりかねない。「WordPressプラス」では、対象のWebサイトがどのような位置づけのものなのか、といった観点や、クライアントのサーバー状況や予算、希望される内容にあわせて、実績のある統合監視ツール「Zabbix」で構築された監視サーバーによる2種類の監視サービスを提供していく。自社サービスとしてクラウド提供を行っている、マニュアル用CMSシステム「PMX」のバックエンドでも実施している監視体制で、ユーザーのWebサーバーの可用性を確実に向上させていく。
◎WordPressに関する英語圏の最新情報をベースにサポート!
WordPressは海外発のオープンソースCMSであるため、セキュリティアラートなどはいちはやく英語でリリースされるが、サイバーテックは英語圏のフィリピン セブ島に自社オフショア拠点を有しているため、英語圏でアナウンスされるWordPressの情報をいちはやくキャッチアップすることが可能となっている。WordPressの活用においてスピーディな情報取得は欠かせない。WordPressのオウンドメディア「WordPress通信」と連動した形でユーザーに最新情報を届けていく。
◎万が一の対策のために…複数のWordPress担当者にもかかわらず、リーズナブル!
運用中に一番心配されるのは、トラブル対応である。サイバーテックでは、深刻な状況に陥った場合、いち早くユーザーと協議したうえで、複数名待機しているWordPressに長けたエンジニアやITオペレータが別途費用で対応していく。フィリピン セブ島に有する自社オフショア拠点を中心に、メニュー化された対応を効率よく実施させていただく、あるいは調査レベルから対応させていただくといったアクションなど、障害内容に応じて高品質かつリーズナブルな対応が可能である。
■「WordPressプラス」サービス概要
「WordPressプラス」のサービス概要は以下のとおり。
「WordPressプラス」サービス概要
※2025年11月15日時点のサービス概要となります。弊社都合により変更される場合がある。
■「WordPressプラス」紹介ページ
WordPressを活用する情報サイト「WordPress通信」は以下となります。
URL: https://www.cybertech.co.jp/websol/service/wordpress/wp-monitoring/
2025.11.06
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Revoria PressPC1120導入事例 株式会社帆風 小ロットジョブの生産効率と高付加価値対応を高いレベルで両立 ノベルティグッズやパッケージなどで幅広い表現力・用紙対応力を発揮

Revoria Press PC1120導入事例

橋田次長 森川課長
東京都内に拠点を持ち、印刷からグッズ制作、デジタルコンテンツ制作まで幅広く手がける株式会社帆風(本社:東京都新宿区下宮比町2-29、代表取締役社長:須藤高幸氏)は、2025年3月、富士フイルムの『Revoria Press PC1120』をはじめとするデジタル印刷機5台を駆使し、小ロット・超短納期の商業印刷物から、ノベルティなどの高付加価値アイテムまで、幅広いニーズに応えている。また、並行して、ワークフロー全体の自動化・スキルレス化を推進するとともに、オフセット印刷からデジタル印刷への移行も進め、生産効率のさらなる向上を図っている。現在のデジタル印刷機の活用状況やメリット、今後の展望などについて、竹橋プリンティングセンターの次長・橋田和人氏、POD課 総合職課長・森川幸久氏に伺った。

■効率を追求した一貫生産体制で小ロット・短納期ニーズに対応
帆風は、「想いをカタチに」をコンセプトに、オフセット印刷機・デジタル印刷機、各種加工機を含む充実した設備を駆使しながら、名刺や封筒などの事務用印刷物から、チラシやカタログなどの商業印刷物、さらには大判ディスプレイ、ノベルティまで、多種多様な制作物を手がける。
生産拠点となる『竹橋プリンティングセンター』(東京都千代田区一ツ橋)は、皇居に隣接するパレスサイドビルの地下3階から5階にあり、プリプレスから印刷・加工、さらには配送設備も完備。24時間稼働で、スピードと品質を高い次元で両立したサービスを提供している。
印刷設備は、枚葉オフセット印刷機が5台と、トナーのデジタル印刷機が5台。他に、名刺専用のデジタル印刷機2台と、封筒専用の軽オフセット印刷機22台を備える。また、断裁以降の工程は、独自の基幹システムと連携した自動化ラインの構築により、ほとんど人手を介さず出荷まで行なえる体制を実現。1日3,000件近くに及ぶ多様なジョブを、正確かつスピーディーにこなしている。
仕事の受注形態としては、営業、店舗、Webの3通り。Web受注サイトは、帆風直営の『Vanfu Online Shop』と、グループ会社が運営する『Suprint(スプリント)』(株式会社ugo)、『イロドリ』(株式会社プリマリール)の計3サイトを設けており、現状、デジタル印刷ジョブの約65%をWebからの受注が占めている。
コロナ禍以降、小ロット化の傾向が顕著になっているといい、現在、Web受注ジョブの平均ロットは500部程度。ただ、全体の受注件数は増加しており、大量の小ロットジョブを効率的に生産できる同社の強みが存分に活かされている。
■除電装置や自動検査装置などがPC1120導入の決め手に
帆風では、1996年4月にオンデマンド印刷サービスを開始して以来、30年近くにわたりデジタル印刷機を活用してきた。現在はカラーのトナー機5台体制で、すべて富士フイルム製で統一。その内訳は、『Iridesse Production Press』(以下 Iridesse)が2台、『Revoria Press PC1120』(以下 PC1120)が2台、そして『Revoria Press EC1100』(以下 EC1100)が1台となっている。

橋田次長に、それぞれの導入の理由を伺った。まず、2018年に導入のIridesseについては、こう振り返る。
「当時、印刷市場全体の傾向として、高付加価値化のニーズが高まっていたため、新たなデジタル印刷機として、特色対応モデルや、用紙対応力に優れたモデルを中心に、いくつかの機種を検討していました。その中でIridesseは、特殊トナーが使用でき、さまざまな用紙に対応していることはもちろん、生産性が他社機より2割ほど高く、しかもトナーが低温で定着するため消費電力が抑えられるなど、環境性能も優れている。いろいろな面で時代に合った機械だと感じられたのです」
高付加価値ニーズへの対応力に加え、同社が重視するスピードや環境性にも魅力を感じたことが決め手になったという。PC1120の導入はそれから3年後、2021年のこと。デジタル印刷サービスの拡充や生産効率アップが大きな狙いだった。
「PC1120は、高性能なIridesseからさらに進化していますね。導入を決めた理由はいくつかありますが、その一つが除電装置です。それまでは、タック紙やPET素材などを使う仕事では、出力後に帯電して張り付いた紙を1枚ずつ剥がしたり、カールしたものを伸ばしたりしていましたが、こうした作業が不要になるのは非常に魅力的でした。また、高精度な自動検査装置を装備できるところや、RGB画像の自動補正機能、安定した長尺印刷が可能な点なども、サービスの幅を広げる上で大きなメリットになると考えました」(橋田次長)
そして2025年春には、それまで使用していたモノクロのトナー機に代わり、EC1100を導入。定期で受注する冊子ものなどで活用を開始するとともに、従来オフセットで対応していた小ロットジョブの一部をデジタル印刷に切り替えた。また、これと併せて、デジタルワークフローシステム『Revoria XMF PressReady』(以下 PressReady)の運用も開始し、プリプレス作業の省力化を図ると同時に、5台のデジタル印刷機の一元管理が可能な環境を構築。さらなる生産効率アップを実現した。
「EC1100もPC1120と同様、オフセット印刷と遜色のない仕上がり品質と高い安定性を持っているので、オフセットからの移行も問題なく進めることができました。小ロットジョブのデジタル移行と、PressReadyの導入によって、工場全体の生産効率が上がっています」(橋田次長)

タック紙やフィルム系素材への出力では、除電機能が効果を発揮。厚紙ジョブも難なくこなす
■こだわりのある顧客からも高く評価されるPC1120の表現力
こうして、3機種・計5台体制となった帆風のデジタル印刷機群。実際の運用では、時間的なロスを最小限に抑えるため、各ジョブの紙種や製本仕様などの条件により使い分けているという。

「当社で扱う紙の種類はかなりの数に上りますが、紙種によってトナーの定着温度が異なる関係で、どうしても生産性に差が出てしまいます。また、紙の入れ替えに伴うロスもできるだけ抑えたい。そこで、まずは厚紙と薄紙で機械を分け、さらに紙種によっても分けることで生産効率を保つようにしています。たとえば、凹凸のある紙を使用するジョブであればTXトナー搭載の機械、薄紙で平綴じの資料印刷などはインライン製本対応の機械、という具合に振り分けています」(森川課長)
同社では、スピード重視の顧客だけでなく、「いいものをつくりたい」というこだわりのある顧客からのオーダーも増えており、そうした高付加価値ニーズに応えるために、「効率的な生産」と「多様な紙種への対応」をいかに両立させるかが重要な課題になっているという。その点で大きなメリットになっているのが、PC1120の用紙対応力の高さだ。
「販促用の印刷物などは、差別化の観点から、紙にこだわるお客さまが多くなっていますね。また最近では、小ロットのパッケージや、組み立てて使う立体POPなどの受注も増えているのですが、PC1120は400g/m2までの用紙を通せるので、こうした厚紙を使った商材も問題なく生産でき、大きな戦力になっています。また、タック紙やフィルム系素材を使ったアイテムでは、除電装置が期待通りの効果を発揮してくれています」(橋田次長)
また、モバイルバッテリーやTシャツ、ボールペンなどのノベルティ、トランプやトレーディングカードといったグッズ類を、オリジナルのパッケージと合わせて受注するケースも増えているという。
「先日はある企業様から、トランプ2,000個をパッケージとセットで発注いただきました。少し前までは、トランプというと個人のお客さまが思い出の品としてつくるケースがほとんどでしたが、いまでは、有名なアニメや漫画のキャラクターのトランプなど、お店で販売するグッズの注文もいただくようになりました。品質に対する要求レベルも高くなっていますが、その分、PC1120ならではの表現力が活かされています」(森川課長)
表現力の高さを活かしたサービスとしては、ピンクトナーを使ったRGBデジタル印刷メニューも好評だという。これは、RGB画像をCMYK+ピンクの5色に自動分版するPC1120の機能を活用したものだ。
「同人誌のイラストや、コスメ関係、食品関係などの写真を使った印刷物で、RGB画像を鮮やかに再現したいという方にご利用いただいています。お客さまの方で特色の版をつくっていただかなくても、簡単にビビッドな発色が得られるということで、個人のお客さまにも人気のメニューになっています」(橋田次長)

多彩なデジタル印刷サンプル。PC1120の導入
により、ピンクトナーを活用した鮮やかな色彩
表現や、ホログラム風シールなど、さまざまな
ニーズへの対応が可能になった
■7台目、8台目も視野に、デジタル印刷の生産体制をさらに強化
PC1120を中心としたデジタル印刷機の生産体制の拡充により、小ロット・短納期・高付加価値ニーズへの対応力を一段と高めた帆風。各印刷機の安定した稼働と、徹底的に無駄を排除した効率的な運用により、5台合わせた月間出力量は約100万カウンターと、膨大なボリュームをこなしている。また、同社では今後もオフセットからデジタルへのシフトを進め、デジタル印刷の比率をさらに高めていく考えだ。こうしたことから、現在、6台目のデジタル機の導入を計画している。
「6台目はPC1120の4色モデルを予定しており、現在オフセットで印刷しているA4チラシなどのジョブをそちらに移行しようと考えています。ポストプレスと同じフロアに設置し、断裁後は自動梱包ラインに乗せて出荷するというラインを想定しています。また、既設のデジタル機には、小ロットの厚紙ジョブをオフセットから移すなど、全体的にジョブの振り分けを見直す予定です。オフセット印刷とデジタル印刷の閾値(振り分け基準)については、現在はA4で200部、つまりデジタル機のA3出力で100通しを基準にしているのですが、これを250~300通しまで引き上げる計画です。具体的な値については、あらためてコストを算出した上で判断しようと考えています」(橋田次長)
将来的には、「7台目、8台目のデジタル機導入の可能性もある」という。品質を担保しながら小ロット・短納期への対応力に磨きをかけ、サービスの質をさらに高めていくためだ。もちろん、現場のスキルレス化、無駄なコストの削減といった狙いもある。今後の構想について、橋田次長はこう語った。
「7台目以降のデジタル機としては、トナー機だけでなく、インクジェット機も視野に入っています。ただ、インクジェットの場合、オフセットからの切り替えでどれだけの効果が出るか、慎重に試算する必要があります。現時点では、イニシャルコストやランニングコスト、運用効率などを考慮するとトナー機の増設が有効かなと。いずれにしても、デジタル印刷への移行は今後も積極的に進めていき、サービスの拡充、生産工程全体の効率アップにつなげていきたいですね」
2025.10.27
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Form Magic 5導入事例 コトブキ印刷株式会社 大量のナンバリングや宛名印字の大幅な効率化を実現 デジタル印刷機との組み合わせで、活用範囲のさらなる拡大を目指す


江幡社長 後藤常務 若菜取締役 髙信氏 石間課長補佐
1951年創業のコトブキ印刷株式会社(本社:茨城県水戸市千波町2398-1、代表取締役:江幡修氏)は、2023年11月に富士フイルムの高機能自動組版ソフト『Form Magic』とフルカラープロダクションプリンター『Revoria Press EC1100』(以下、EC1100)を導入し、ナンバリング入り複写伝票や企業・団体の報告書など、従来オフセットで印刷していたジョブをデジタル印刷に移行し、工場の生産環境の効率化を実現した。Form Magic導入の背景や目的、導入効果、今後の展開などについて、代表取締役・江幡修氏、常務取締役・後藤孝之氏、取締役統括部長・若菜真氏、工務部生産課・髙信正男氏、DX推進室 室長 工務部企画デザイン課 課長補佐・石間美紀氏に伺った。
■「このソフトなしには仕事できない」という現場の声が決め手に
コトブキ印刷は、伝票類などの事務用印刷や報告書などの文字ものを中心に、商業印刷も手がける総合印刷会社。企画・デザイン・印刷・製本を社内で一貫して行ない、仕事の8割以上を内製化している。同社では、ナンバリングが入る複写伝票などの事務用印刷が売上の約4割を占め、重要な商材となっているが、その生産に不可欠なオフセット印刷用のナンバリング装置が故障し、部品の調達も難しくなっていた。そこで、バリアブル印刷が可能なソフトウェアとデジタル印刷機でこれらのジョブを生産することとし、システムの検討を進めていた。その結果、現場の声が決め手となり、Form Magicの導入に至ったという。
「デジタル機でナンバリングする際のバリアブルデータの作成や管理は、DTPソフトでは膨大な時間と工数がかかり、ミスにもつながりかねません。その解決策として、FFGSさんからご提案いただいたのがForm Magicです。現場スタッフがショールームでデモンストレーションを見学したところ、その処理能力を非常に高く評価していました。『このソフトなしには仕事できない』と(笑)。ですので、経営層にもそれを伝えました」(若菜取締役)
加えて、FFGSの手厚いサポートも導入決定を後押しした。
「EC1100と組み合わせて活用することが前提でしたから、何かトラブルがあった際、その原因の切り分けなども含めてワンストップでサポートを受けられることも大きな魅力でした」(若菜取締役)
こうしてEC1100と共に導入されたForm Magic。実際に同社にとって“なくてはならない存在”になっているという。
「繁忙期には1時間あたり約3,000枚、1日あたり1万5,000〜6,000枚を目安に、帳票などを印刷しています。また、Form Magic導入後、お店の特徴が伝わるオリジナルデザインの “小ロットのナンバリング入りフルカラー領収書”を新たに開発しました。これまで水戸市内の飲食店など30店以上に提案し、順調に受注件数を伸ばしています」(江幡社長)
■帳票制作を大幅に効率化でき、導入して本当に良かったと実感
Form MagicとEC1100により、同社の帳票ジョブは大幅に効率化された。たとえば、オフセット印刷用のナンバリング装置がなくなったことで、そのオペレータ1人分の作業が削減され、さらに納期も大幅に短縮された。
「オフセット機で印刷していた当時、印刷後は一晩置いて乾かさなければ製本作業に取りかれませんでしたが、いまでは午前中に印刷、午後に製本し、その日のうちに完成品を出荷することが可能になりました」(髙信氏)。
また、ナンバリング装置で印刷すると若い番号が一番下になるため、丁合を行なって並び順を戻す必要があったが、そうした作業も不要になった。
「ナンバリング装置は故障も頻発していたため、お客さまに納期を多めに見ていただいたり、協力会社に依頼したりして何とかこなしていました。帳票印刷をすべて外注することを検討した時期もありましたが、いまでは、Form MagicとEC1100によって内製を維持して本当に良かったと実感しています」(後藤常務)
■1万件単位のバリアブル組版もスピーディーに
導入後1年あまりの間は、Form Magicの活用は帳票ジョブが中心であったが、現在は封筒への宛名印字などにも活用の幅を広げている。もともと同社では封筒印刷を多く手がけていたが、最近は、会報などの印刷とセットで封筒印刷や封入封緘作業も発注されるケースが増えてきたという。
「先日は、約1万件のイベントのご案内と封筒を印刷し、封入封緘まで行なうという仕事を受注しました。せっかく案内をきれいにつくっても、宛名がラベルシールでは味気ないものになってしまいますが、その点、封筒に直接印字されたものは見栄えがよく、お客さまに喜んでいただいています」(江幡社長)
同社では現在、Form Magicのオペレーションが属人化しないよう、専任スタッフは置かず、工務部企画デザイン課でDTPアプリを扱うチームの4名全員が仕事内容に応じて扱える体制を整えている。
前述の1万件のジョブを担当した石間課長補佐はこう語る。
「実は、この仕事を受注する少し前に、Form Magicの専任担当者が退職してしまったんです。引継ぎも十分にできなかったので、Form Magicに関しては、FFGSさんに電話やメールで教えていただきながら操作を覚えていきました」
その結果、石間課長補佐はこの1万件分のバリアブル組版を、わずか数分で終えることができたという。
「DTPソフトを使っていたら、何時間かかったかわかりません。Form Magicのすごさを、身をもって実感しました」(石間課長補佐)。
また、別の封筒印刷の仕事では、3万部のボリュームだったが、8割ほど組版作業が終わった段階で、クライアントからデータを差し替えて欲しいという依頼があったそうだ。ここでも、Form Magicの圧倒的な処理能力が活かされた。
「差し替えデータを受け取ってからのバリアブル組版作業は、30分ほどで終えることができ、お客さまから感謝の言葉をいただきました。ベースの組版ができていれば、Form Magicでのデータの差し替えはあっという間ですね」(石間課長補佐)
一方、同社では、EC1100の導入を機に、名刺の仕事をすべてオフセット印刷からデジタル印刷へと切り替えたが、今後はこれらのジョブにもForm Magicを活用していく考えだ。
「Form Magicはとくに名刺の組版に強いと聞いているので、繁忙期となる春頃を目標に活用を始めたいと考えています。いま、FFGSさんにレクチャーを受けながら勉強しているところです」(後藤常務)。

Form Magicの高速組版処理により、従来のDTPソフトに比べ大幅な作業時間短縮・
負荷軽減が図れている
■新しいツールを採り入れながら、魅力ある印刷物を提供し続けたい
社会全体でデジタル化・ペーパーレス化が進む中、コトブキ印刷では、印刷物の良さを積極的に発信している。その一つが、新開発の「オリジナルデザインフルカラー領収書」だ。
「お客さまから、『お店でフルカラーの領収書をお渡しすると、きれいですねと反応をいただけたり、驚かれたりする』と伺って、とても嬉しくなりました。やはり、きれいなデザインの領収書は、そのお店の印象を高める効果があると思います」(江幡社長)
コトブキ印刷は今年、この商材で、富士フイルムBIが主催するコンテストプログラム『2025年度イノベーション・プリント・アワード(IPA)』(富士フイルムのデジタル印刷機器を使って製作された印刷物を作品として評価するコンテスト)に応募した。作品名は『One and Only Original Receipt』。同社にとって、初めての国際的コンテストへの挑戦であった。
「応募にあたっては、エントリーシートの作成から全社一丸となって取り組み、楽しみながら勉強もさせていただき、貴重な経験になりました。ぜひ、来年、再来年も頑張りたいと思います」(若菜取締役)
最後に江幡社長は、会社としての今後の事業姿勢について、こう語った。
「世界で最も古い印刷物は、日本の百万塔陀羅尼経と言われています。私は、印刷業を続けていく上で、温故知新の精神が大事だと思っています。今後も、古きに学びつつ、Form Magicのような新しいデジタルツールも採り入れながら、印刷が文化として残っていくよう、魅力的で質の高い印刷物を開発・提供し続けていこうと考えています」

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