ニュースリリース
2026.08.20
◆GC創世研究会 参加企業インタビュー(後編) ――株式会社ビー・プロ リーダーとしての人間力が高まり、行動が変わり、組織の成長への一歩に 「他の参加者との交流を通じて大きな刺激と学びが得られた」
■自社の強みや課題が客観視でき、部門内のベクトル合わせもスムーズに
創世研での学びは、参加者それぞれに新たな気づきをもたらし、結果として組織全体の変化へとつながっているようだ。
松田社長は、研修を通じて財務の基礎を体系的に学べたことが大きかったと振り返る。
「当時あまり知識を持っていなかった財務について、研修でしっかりと学べたのは大きな成果ですね。経営に携わるようになってから大いに活かされています。また、研修の中ではバランス・スコアカードをベースに自社の強みや課題などをあらためて分析するのですが、そのプロセスで多くの気づきがありましたし、このときに作成した資料は、いまでも経営方針を考える際に見返しています」(松田社長)
製造部門においても、「研修を通じて“部門としての強み・弱み”を客観的に整理することができた」と日野取締役は語る。現場で“何となく”認識されていた課題が言語化され、具体的な目標に落とし込まれたことで、部門全体のベクトル合わせが進んだという。
「戦略マップを作成する中で、当社の製造部がどんな強みを持っているのか、そして宮城県・東北地区全体で見たときにどんな立ち位置にいるのか、といったことが客観的に認識できました。研修修了後、策定した戦略を製造部の役職者全員に共有したところ、皆が納得し、同じ方向を向いて進めるようになったのは大きな成果だと思います」(日野取締役)

部門内で戦略をスムーズに共有できたことは、日野取締役が課題として挙げていた「コミュニケーション能力の向上」の表れでもある。
「グループ会社の高速美術印刷の常務取締役に就任した際には、社員全員と面談を行ない、一人ひとりの個性や考え方などをよく知るところから始めました。普段の業務の中でも、1対1のコミュニケーションをこれまで以上に大切にしています」(日野取締役)
髙橋部長は、バックキャスティング思考を学んだことがとくに印象に残っているという。“こうありたい”という未来の姿から逆算して戦略を考えるというこの手法は、日々の業務にも採り入れられている。

「これまでは、どうしても目の前の課題の解決だけを意識しがちだったので、まず5年後、10年後の“あるべき姿”を描き、そのために何をすべきかを考えていくという思考方法は、自分にとって新鮮でした。日頃の目標設定や行動計画の策定などに活かしています」(髙橋部長)
製造部長として部門を率いる立場にある髙橋氏にとって、この思考法はメンバーの意思統一や業務改善を推進する上でも役立っているという。

GC創世研究会第1期 の修了式
■日々の業務を数値で捉えるという視点
今回お話を伺った3氏に共通しているのは、コミュニケーションに対する意識の変化だ。研修を通じて「人間力」の重要性を再認識し、日々の行動を少しずつ変えていく中で、組織の雰囲気の変化を実感しているという。
「挨拶を徹底する、積極的に話しかける、メンバー間でこまめに情報を共有するなど、基本的なことではありますが、小さな改善の積み重ねで、部門内の雰囲気が徐々に変わってきていると感じています。印刷の成果物を生み出すのは機械ですが、それを扱うのは人ですから、人と人との関係性が何より大事なのだと、あらためて実感しました」(日野取締役)
さらに、研修で得た「見える化」の視点も社内で活かされているという。とくに製造部では、工数管理などの数値化が進み、曖昧な判断を排除する文化が根づきつつある。
「当社のメイン事業であるデータプリントサービスでは、官公庁の通知物の印刷も手がけていますが、これらは特定の時期に受注が集中するため、生産を徹底的に効率化することが求められます。そのために、前回の生産上の課題を洗い出して改善していくという作業が必要なのですが、“何となく忙しかった”という曖昧な振り返りでは、何をどう改善すればいいのかが判断できません。作業時間や工数などをきちんと数値化することで、精度の高いレビューができ、確実な改善につながるのです。最近は経営会議でも数字をもとに議論する場面が増え、改善のスピードが上がっていると感じています」(松田社長)
■今後も人材育成の軸として活用
創世研はビー・プロにとって、参加者の視座を高め、日々の行動を変え、組織の文化をも変えていく“実践的な学びの場”として機能している。同社は今後も、幹部候補を創世研に派遣し、組織全体の底上げにつなげていく考えだ。
一方で、松田社長は、修了後のフォローアップやレビュー会の継続にも期待を寄せる。
「戦略を実務に落とし込む際、壁にぶつかることも少なからずあります。レビュー会のような、富士フイルムBIジャパンさんにフォローいただける機会を定期的に設けていただけると、より確実に成果につながるのではないかと思います」
人が育つことで、会社が変わる――。その確信を持って、同社は今後も、創世研を人材育成の軸として位置づけ、活用していく。

集合写真左 佐藤課長(印刷創世研究会25期)
2026.08.20
◆GC創世研究会 参加企業インタビュー(前編) ――株式会社ビー・プロ リーダーとしての人間力が高まり、行動が変わり、組織の成長への一歩に 「他の参加者との交流を通じて大きな刺激と学びが得られた」
印刷業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、次の時代を担う人材をどう育てていくか――。創業135年の歴史を持つ株式会社ビー・プロ(本社:宮城県仙台市若林区六丁の目西町4-1、代表取締役社長:松田泰成氏)は、このテーマを重要な経営課題として捉え、外部研修の活用に積極的に取り組んでいる。その中でも、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン(以下 富士フイルムBIジャパン)が提供する次世代経営者育成プログラム『GC創世研究会』(以下 創世研)は、同社にとって大きな学びの場となっているという。参加の経緯や具体的な成果などについて、代表取締役社長・松田泰成氏、製造本部 取締役製造本部長・日野貴宏氏、製造部 製造部長・髙橋幹規氏に伺った。


松田社長(印刷創世研究会11期)、日野取締役(同20期)、髙橋部長(GC創世研究会1期) 左から
■データプリントを軸に、幅広いサービスを提供
株式会社ビー・プロは、1891年(明治24年)創業の『江馬活版所』を起源とする老舗印刷会社である。長い歴史の中でビジネスフォーム印刷を中心に事業を展開してきたが、約30年前から帳票類の需要減少を見据え、データプリントサービスへと舵を切った。松田社長は、「データプリントを手がける中で構築した万全のセキュリティ体制が大きな強みの一つとなっており、東北地区では高水準のものと自負している」と語る。
2008年には、『江馬印刷株式会社』から現在の社名へと改称。官公庁などからのデータプリントの受注が増え、同社のビジネスの柱となっていたことから、事業内容との整合性を図るための決断だった。
また、グループ会社の高速美術印刷では商業印刷を手がけており、グループ全体でデータプリント、フォーム印刷、商業印刷、さらにはWeb・動画制作やマーケティング支援など幅広いサービスを提供できる体制を整えている。
■GC創世研究会とは──印刷業界に特化した次世代経営者育成プログラム
創世研は、富士フイルムBIジャパンが主催する次世代経営者育成プログラムで、同社が長年蓄積してきたベストプラクティス・ノウハウを印刷会社向けにアレンジして提供するものである。2002年に富士ゼロックス(当時)による『新世紀塾』としてスタートし、2008年からは『印刷創世研究会』、2025年から『GC創世研究会』へと名称を変え、印刷業界や社会環境の変化に合わせて内容を進化させながら、現在の形へと発展してきた。

GC創世研究会の研修ベース
研修は1泊2日の合宿形式で計4回。バランス・スコアカードをベースに、財務知識、生産管理、マーケティング・リーダーシップ論、自己分析、CVM(顧客価値創造型営業)などを採り入れ、自社・自部門の戦略を策定することで、実践的な経営手法を体系的に学ぶことができる。印刷業界に特化した生産改革講座や工場見学なども組み込まれており、参加者それぞれの課題に応じて学びを深めていける点が特徴だ。
参加人数は最大15名の少人数制。研修期間中には、参加者同士の交流の場も設けられるほか、最終日には、自社の社長に向けた成果発表を行なう。そのための論文(プレゼン資料)作成のフォローも手厚い。
今年開催されたGC創世研の第2期には、8社10名、30代から50代までの幅広い層が参加した。
■外部との交流を通じて自身の成長を図る
ビー・プロが創世研に初めて参加したのは2013年。松田社長が営業部門の主任を務めていた時期に、当時の社長から「外部の研修で視野を広げてみてはどうか」と勧められたことがきっかけだった。
「当社では他の外部研修も活用していますが、経営層・リーダー向けの研修はこれが初めてだったと思います。主任職として業務の幅が広がりつつあった時期でもあり、自分自身の成長につながるのではないかと期待して参加しました。実際、さまざまな知見や気づきが得られ、貴重な経験になったと思います」(松田社長)

そんな松田社長の勧めで参加したのが日野取締役だ。製造部門から初の参加となった。
「製造部は外部との接点が少なく、社内の常識だけで判断してしまう場面もあるので、この研修が“外を知る”いい機会になると考えました。他の会社、他の立場の方と一緒に学ぶことで、さまざまな視点を得られるのではないかと。また、個人的な課題として、コミュニケーション能力を高めたいという思いもありました」(日野取締役)
そして昨年、日野取締役から製造部長を引き継いだタイミングで参加したのが髙橋部長だ。
「自分自身の成長のための手法を学びたいと思い、参加を決めました。研修では他社の方と議論する機会も多く、刺激を受ける場面がたくさんありました」(髙橋部長)
同社はこれまで、営業部門、製造部門、システム部門から計6名を創世研に派遣しているが、共通しているのは、「社内の研修とは違った視点で知見を深め、新たな刺激を受けることで、自身の成長を図りたい」という思いを持って参加している点だ。また、同業他社と交流が図れることも大きな魅力になっているという。
「経営者・役職者というのは同期の仲間をつくりにくい立場ですので、こうした交流の場は非常に貴重だと思います。実際、研修中の懇親会やディスカッションを通じて“共に学んだ仲間”という感覚が生まれ、その付き合いは修了後も長く続いています」(松田社長)


研修ではディスカッションの場が多く設けられている。懇親会を通じて参加者同士の交流を深められる
のも大きな魅力
2026.08.18
◆サイバーテック WordPress専門メディア「WordPress通信」100記事を公開 ~WordPress運用担当者向けに実践的な情報発信を強化~
ITで企業のDX対応を支援する株式会社サイバーテック(代表取締役社長:橋元賢次、本社:東京都渋谷区、以下 サイバーテック)は、このほど、Webサイトを運用・管理するために広く用いられているCMS「WordPress」の活用を支援するWebオウンドメディア「WordPress通信」において、公開コンテンツ数が100件となったことを発表した。
「WordPress通信」は、Webサイトを運用・管理するためのCMS「WordPress」を利用する企業のWeb担当者や情報システム部門、Web制作会社などを対象に、セキュリティ対策、プラグイン活用、パフォーマンス改善、エラー対策、最新バージョン情報など、実務に役立つ情報を分かりやすく提供するWeb版のオウンドメディアとして2025年9月1日に開設した。今回の100コンテンツ達成により、WordPressサイト運営に必要となる幅広いテーマを体系的に提供できる情報基盤として、実際の検証に基づくプラグイン紹介や設定方法、セキュリティ情報など、現場でそのまま活用できる実践的なコンテンツを継続的に公開する流れが整った。
また、サイバーテックは英語圏のフィリピン セブ島に有する自社拠点を活用し、英語圏でいち早く公開されるWordPress関連情報を迅速に収集・分析を行い、「WordPress通信」を通して、日本語で「分かりやすく・素早く」情報発信を行っている。
今後も「WordPress通信」では、WordPressを安心・安全に運用するための最新情報や実践ノウハウを継続的に発信し、日本企業のWebサイト運営を支援していくとしている。
2026.08.03
◆サイバーテック セブR&Dセンター、創立20周年! フィリピン セブ島で20年。日本企業のDXを支えるグローバル開発拠点として定着
ITで企業のDX対応を支援する株式会社サイバーテック(代表取締役社長:橋元 賢次、本社:東京都渋谷区、以下 サイバーテック)は、2026年8月1日をもって、フィリピン・セブ島の現地拠点が創立20周年を迎えた。
サイバーテックは1998年9月8日に創業し、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援するITソリューションを提供してきた。グローバルな開発・サポート体制の構築を見据え、2006年8月1日に英語圏であるフィリピン セブ島に海外拠点を設立しました。以来20年にわたり、日本本社との緊密な連携のもと、XML(構造化ドキュメント)技術とベストプラクティス開発により、Webアプリケーション開発やCMS導入・運用などを中心としたサービス提供を継続し、独立系ITベンダーとしては、異例ともいえる長期にわたる海外拠点運営を実現した。現地では技術者の育成や業務ノウハウの蓄積を進めることで、高品質かつコストパフォーマンスに優れたサービスを日本企業の顧客へ安定的に提供できる体制を構築している。
近年では企業のDX需要が一層高まる中、システム開発だけでなく、コンテンツ管理やデータ活用、AIを活用した業務効率化など、顧客のニーズも多様化している。サイバーテック セブR&Dセンターでは、こうした変化に対応する重要な開発・サポート拠点として、その役割をさらに拡大している。
今後は、現地従業員のさらなるスキルアップと人材拡充を推進するとともに、日本本社との連携を一層強化し、日系企業を中心とした顧客へ、より高品質でリーズナブルなサービスを提供していくとしている。また、自社製品の開発体制および英語サポート体制を強化し、自社製品を通して国内外の顧客の企業価値向上に貢献していくとのことだ。
■サイバーテック セブR&Dセンター 概要
設立:2006年8月1日
代表者:橋元賢次
住所:5th Floor, JDN Bldg. P.Remedio St., Banilad, Mandaue City Cebu Philippines 6014
(フィリピン, セブ, マンダウエ市 バニラッド, P.レミディオ通り JDNビル5階)
従業員数:約50名(うち日本人6名)
保有スキル:Java、PHP、JavaScript、HTML/CSS、WebCMS(WordPress, etc.)、Adobe系ツール、
AIアノテーション用ツールなど
【問い合わせ先】
株式会社サイバーテック 管理部 広報担当 薮田
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-20-1 Osawa Bldg.5階
問い合わせフォーム:https://www.cybertech.co.jp/inquire/form_contact/
URL:https://www.cybertech.co.jp/
2026.07.10
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ FFGS QC Navi導入事例――株式会社ミユキ印刷(後編) 色の変動が抑えられ、シビアなクライアントからの評価が大きく向上 高品質を当たり前に提供できる生産体制が確立し、営業の提案力も高まった
■色の安定化が信頼を生み、新規受注にもつながっている
オフセットの色の安定化、デジタル機を含めた色の統一化は、さまざまな形で効果をもたらしている。とくに、色の修正や刷り直しなどの負荷は大幅に減少した。山地部長は実感をこう語る。
「以前は、量産中に色が変動しないかをお客さまが細かくチェックされることもありましたが、いまは印刷中のブレがほとんどなく、安心して任せていただけるようになりました。現場だけでなく、お客さまの負担も減っています」(山地部長)
キャラクターグッズのように色にシビアな仕事では、わずかな色のブレがクレームにつながることもある。しかし現在は、用紙や絵柄、印刷条件にもよるが、色校正と本刷りの差は多くの案件でΔE<2を目安に管理できるようになり、色に関するクレームや再調整は大幅に減少し、安定した品質への評価につながっている。石川部長は「お客さまからの信頼が高まっており、営業面での効果も大きい」と強調する。
「営業が色校正をお届けする際に、自信を持って『この色で量産できます』と言えるようになりました。これによってお客さまの不安をなくすことができたのは大きいですね。営業の精神的な負荷もかなり軽くなっていると思います」(石川部長)
厳しい品質要求に確実に応えられるようになったことで、「ミユキ印刷なら大丈夫」という信頼が定着し、紹介による新規受注も増えているという。
オフセットとデジタルの色が揃ったことで、営業の提案力も向上した。
「たとえば、初回はオフセットで印刷し、売れ行きに応じてデジタルで少量ずつ追加、といった柔軟な提案がしやすくなりました。品質差を気にせず最適な機械を選択できるようになったことは非常に大きなメリットです」(石川部長)
とくに、推しグッズのようにロットの変動が大きい商材では、印刷方式やロットが変わっても色差を抑え、基準色に近い状態で安定して再現できる環境が、同社の強力な武器になっている。
同社が手掛ける制作物には特殊原反を使用したものやパッケージなどの立体物も多い
■生産効率が向上し、1日のジョブ数も増加
色の安定化は、現場の生産性にも直結している。量産時の色の調整時間が短縮され、トラブルによるチョコ停も大幅に減少。湿し水管理の改善や温湿度管理の見直しなども効果を後押しし、「刷りやすい環境」が整ったことで、1日にこなせるジョブ数も増加した。
「以前は刷り出しに時間がかかり、生産性に影響することが多々ありました。いまは色調整が格段にスムーズになりましたし、万が一、印刷中に色が変動した場合でも、立ち戻れる基準ができたことで、素早く修正をかけることができます。作業効率は明らかに向上していますね」(山地部長)
また、色が安定したことで、刷り直しによる時間や資材などのロスがほぼ発生しなくなった。これはコスト面だけでなく、現場の心理的負担の軽減にもつながっている。
■この品質水準を維持することで、お客さまを縁の下で支え続ける
色基準の策定から数年越しの取り組みを経て、“効率的かつ安定した印刷環境”を実現したミユキ印刷。色の安定化は、クレームの削減や生産効率の向上だけでなく、営業の自信、クライアントからの信頼、そして新たな提案の可能性へとつながっている。今後は、この理想的な状態をいかに維持していくかが重要なテーマになる。
「ドットゲインの変化が出やすい夏と冬を中心に、FFGSさんに定期診断をお願いし、品質の安定維持を図っています。これは、お客さまに対する品質保証において有効なだけでなく、色の状態が数値で確認できるため、現場の意識向上にもつながっています」(山地部長)
また、鈴木社長は、「今回確立した色管理体制を当たり前に継続していくことによって、お客さまの信頼を積み重ねていく」と今後の姿勢を語る。
「印刷はいわば黒子の仕事であると捉えています。お客さまを縁の下で支える存在でありたい。今回の取り組みは、そのための品質基盤づくりという位置づけです。これからもつねに高い水準の品質を維持していくことが、ミユキ印刷の隠れた強みになり、お客さまの評価にもつながると思っています」(鈴木社長)
同社は今後も、「価値ある印刷物を、確かな品質で届ける」という姿勢を貫きながら、オフセット印刷とデジタル印刷それぞれの長所を最大限に活かし、小ロット・高付加価値の分野でさらに強みを発揮していく考えだ。

2026.07.10
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ FFGS QC Navi導入事例――株式会社ミユキ印刷(前編) 色の変動が抑えられ、シビアなクライアントからの評価が大きく向上 高品質を当たり前に提供できる生産体制が確立し、営業の提案力も高まった
キャラクターグッズなどの高付加価値・小ロット印刷物を幅広く手がける株式会社ミユキ印刷(本社:東京都八王子市東浅川町554-23、代表取締役社長:鈴木將大氏)は、富士フイルムグラフィックソリューションズ(以下 FFGS)の印刷品質管理ソリューション『FFGS QC Navi』(以下 QC Navi)を活用し、色基準の策定からオフセット印刷の色の安定化、さらにはオフセット機・デジタル機を含めたデバイス間のカラーマッチングまで、“色品質の統一化”の取り組みを続け、着実に成果を挙げている。色管理の強化に着手した背景や、現時点での効果などについて、代表取締役社長・鈴木將大氏、製造部部長・山地英也氏、営業部部長・石川竜也氏に伺った。

■3種の印刷方式を柔軟に使い分け、幅広いニーズに対応
ミユキ印刷は、1972年の設立以来、取扱説明書や約款などのモノクロ印刷物をメインに手がけ、編集・DTPのノウハウを強みとして成長してきた。2000年代に入り、メインクライアントの主力商品であったカメラの需要変化に伴い、取扱説明書の受注が減少傾向に転じてからは、キャラクターグッズ、高級ブランドの招待状、御朱印帳など、「印刷物そのものに価値がある」分野へと事業を拡大。現在は、シール・ラベル、パッケージ、ディスプレイ・POP、DM、アセンブリなどへ対応領域を広げながら、丁寧にニーズを汲み取る営業力と、内製化による一貫生産体制を強みにしている。価格だけに頼るのではなく、品質・対応力・提案力によってクライアントと直接向き合い、多様な小ロット・高付加価値ニーズに応えている。
設備面では、オフセット機3台(UV5色機・4色機、油性2色機)に加え、Jet Press 750S、Iridesse Production Press、さらには静岡県の沼津事業所にRevoria Press PC1120(以下 PC1120)を保有。紙だけでなくフィルム系などの特殊原反も含めた幅広い対応力を備え、クライアントの要望に応じて最適な機種で生産できる体制を整えている。
「オフセット、インクジェット、トナーと、3種類の印刷方式を揃え、柔軟な対応ができるのが大きな強みになっています。どの機械で生産するかは基本的に営業が判断していますが、いずれの印刷機もつねに高い稼働率を保っており、特定の機種にジョブが偏ることはありません。受注内容と生産設備が上手くバランスしている状況です」(鈴木社長)

左から鈴木社長、山地部長、石川部長
■色管理を根本から見直し、商業印刷での品質安定化を実現
一方で、「色」に関しては、数年前まで体系的な管理が確立されておらず、課題も多かったという。明確な色基準がなく、ジョブごとに“クライアントから求められる色”に合わせて調整するという運用が中心だったため、色を出すのに多くの時間と労力を費やすことも珍しくなかった。
「当時は、色に対する知識や管理の仕組みが充分とは言えず、オペレーターが色の再現に苦労することが多々ありました。どうしても色が合わない場合は、データに戻って修正し、刷版を再出力するケースもあり、大きなロスになっていました。また、飲食店さんのメニューなどの仕事で、『全体的に色が浅い』『青みが強い』といった指摘を受けることもあったため、対策の必要性を強く感じるようになったのです」(鈴木社長)
こうした状況を受け、同社は色管理を根本から整備し直すべく、色基準づくりに着手する。FFGSのサポートのもと、オフセット印刷機のうち1台を基準機とし、Japan Colorに準拠した色基準を策定。刷版カーブや濃度管理を見直すことで、基準の色を安定して再現できる状態を整え、他のオフセット機にも水平展開していった。
この基準づくりと並行して、現場環境の整備も進められた。色の再現性に影響を与える要因として、温度・湿度の変動や湿し水の状態がある。そこで同社では、印刷現場の温度・湿度を一定に保つよう管理を徹底。さらに、湿し水ローラーの交換サイクルを従来の半年から3カ月へと短縮するとともに、最新のろ過装置によって湿し水タンク内をつねにクリーンな状態に保つなど、印刷環境そのものを安定させる取り組みを進めた。こうした基盤整備により、商業印刷物における色の課題は大きく改善していった。

基準に基づく数値管理、温湿度管理の徹底などにより、色の安定性が大きく向上した
■オフセット、インクジェット、トナーの高精度なマッチングへ
しかし、同社がキャラクターグッズやアイドル関連の商材を本格的に手がけるようになると、さらなる色管理体制の強化が求められることに。
これらグッズの分野は、版元の色に対する評価が極めて厳しく、わずかな色のブレも許されない。また、色校正から量産(本刷り)までに数カ月程度、期間が空くことも多いため、印刷機の色が安定しないと、校了の色を量産で再現することが難しくなってしまう。
「キャラクターグッズの分野は、一般の商業印刷物とは品質要求レベルがまったく違います。しかも、小ロット多品種のものが多く、使用する生産機も原反の種類も多岐にわたります。ですから、QC Naviを活用してオフセットだけでなくデジタル機も含めて高精度に色を揃える必要がありました」(石川部長)
ただ、必要性を感じつつも、昨年にPC1120を導入するまでは、具体的な取り組みの実施には至っていなかったという。
「オフセットの色とデジタルの色を高精度にマッチングさせることは、ほぼ不可能だと思っていたのです。Jet Pressは限りなくオフセットに近いですが、トナー機を合わせるのはかなり難しいだろうと。しかし、PC1120の仕上がりを見て、これなら実現できそうだと感じました」(鈴木社長)
こうして、同社はオフセット機とJet Press、PC1120、Iridesseのマッチング作業に着手。すでにQC Naviの定期診断を通じて色の安定化を図っていたオフセット機を基準として、各デジタル機の調整を進めていった。現在は、色校正と量産でどのプロファイルを使用するか、リピート案件でどの条件を採用するかなど、細かい運用ルールを詰めている段階だ。
「ようやく、すべての印刷機を同じ基準で活用できるという、理想的な環境が整ってきました。ここから詳細な運用方法を固めていくことで、お客さまの期待に応えられる品質を、さらに効率よく安定的に提供できるようになると思います」(鈴木社長)
(後編に続く)
2026.06.08
◆富士フイルムビジネスイノベーション プロダクションプリンター26機種がJBMIAの環境ラベル「Digital Printマーク」に適合 商用デジタル印刷による環境負荷低減効果を環境ラベルで識別
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:浜 直樹)は、このほど、JBMIA(一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会)が公表した、商用デジタル印刷機により作成された少部数印刷物に表示できる環境ラベル「Digital Printマーク」において、同社のプロダクションプリンター26機種※1が適合したことを発表した。同ラベルの表示により、商用デジタル印刷機により環境負荷低減に寄与した印刷物であることを明確に示すことができ、印刷会社のユーザーが自社の環境負荷低減への取り組みを効果的に発信することが可能となった。

デジタル印刷は、刷版が不要で、必要な時に必要な部数だけ印刷できることから、印刷資材や損紙、余剰在庫を抑制することができる。※2「Digital Printマーク」は、デジタル印刷機の基本要件に加え、資材の削減機能やリサイクル阻害要因の回避など認定基準を満たした商用デジタル印刷機により作成された、1紙面当たりの印刷が5,000部以下の少部数印刷物に表示することができる環境ラベルである。このラベルの表示により印刷物の受領者は、デジタル印刷が持つ環境負荷を削減する機能や価値を一目で認識できる。
同社は、デジタル印刷分野におけるインクジェット方式およびトナー方式のプロダクションプリンターに加え、アナログ印刷分野においてもリサイクル版や無処理版などの環境負荷低減に貢献する刷版材料を提供している。印刷会社のユーザーが、印刷物の部数や用途に応じて、適切な印刷方式を選択できるよう支援している。
今後も、同社では2030年度を目標とする富士フイルムグループのCSR計画「Sustainable Value Plan 2030」のもと、環境負荷低減に貢献する商品・サービス提供を通じて社会課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。
※1同社の「Digital Printマーク」適合商品は以下の通りである。
・ Revoria Press™ PC2120
・ Revoria Press™ PC1120
・ Revoria Press™ EC2100S / EC2100
・ Revoria Press™ EC1100
・ Revoria Press™ SC285S / SC285
・ Revoria Press™ SC180 / SC170
・ ApeosPro™ C810 / C750 / C650
・ Revoria Press™ E1136 / E1125 / E1110 / E1100
・ Revoria Press™ E1136P / E1125P / E1110P
・ Revoria Press™ CF191 / CF168
・ Revoria Press™ CF135
・ Jet Press 750S
・ Jet Press 2160CFG
・ Jet Press 1160CF
・ Iridesse™ Production Press ※販売終了商品
※2 JBMIAが実施したA4両面チラシ作成時の試算では、5,000部以下の少部数印刷では、商用デジタル印刷機の方がオフセット印刷機に比べて、印刷工程におけるCO₂排出量が少ないとされている。一方で、大量印刷の場合には、オフセット印刷機の方が、1枚当たりのCO₂排出量が少ない場合もある。
関連情報
JBMIA(一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会), デジタルプリントマークとは
https://cdp.jbmia.or.jp/dp-logo-home/
環境省、環境ラベル等データベース、 Digital Printマーク
https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/a04_81.html
富士フイルムビジネスイノベーションプロダクションプリンターの紹介
https://www.fujifilm.com/fb/ja/products/graphic
富士フイルムビジネスイノベーション、デジタルプリントマークの紹介
https://www.fujifilm.com/fb/ja/solutions/industry/printing/dpmark
◆同件に関する問い合わせ先は以下まで
デジタルプリントマーク(DPマーク)の申請について
https://www.fujifilm.com/fb/ja/form/solutions/industry-printing-dpmark-inquiry
2026.06.05
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Revoria Press PC1120導入事例――とうざわ印刷工芸株式会社 現場の創造力が引き出され、付加価値提案への取り組みが加速効率化と差別化の両輪でさらなる成長を目指す
富山県で80年近くにわたり総合印刷業を展開するとうざわ印刷工芸株式会社(本社:富山県富山市婦中町広田5210、代表取締役社長:東澤善樹氏)は、2023年6月に富士フイルムのカラープロダクションプリンター『Revoria Press PC1120』(以下PC1120)を導入し、小ロットジョブのオフセットからデジタルへの移行を進め、生産体制の最適化を図るとともに、オリジナル商品の企画開発により高付加価値ニーズの掘り起こしにも力を入れている。こうした取り組みの背景や現時点での導入効果などについて、代表取締役社長・東澤善樹氏、取締役営業統括部長・澤橋大介氏、制作部 制作管理課・中村祥二氏に伺った。

左から東澤社長、澤橋取締役、中村氏
■ジョブ分析の結果をもとに、生産体制の見直しへ
1947年創業のとうざわ印刷工芸は、富山県に拠点を置き、長年にわたり地域に根差したサービスを展開する総合印刷会社。県内の官公庁、製造業、新聞社・出版社、広告代理店などをクライアントに持ち、商業印刷を中心に手がける。企画・デザインから印刷・加工までの一貫体制を備え、社内にカメラマンも在籍。観光ポスターやイベント関連のパンフレットなどでは写真撮影から印刷物制作まですべて内製できる点が強みとなっている。近年は、印刷物とARや電子ブックなどを組み合わせた提案や、生成AIを活用したコンテンツ制作にも取り組み、新たな需要の創出を図っている。
設備面では、活版印刷から始まり、オフセット印刷、DTP、デジタル印刷と、時代の変化に応じて新しい技術をいち早く取り入れてきた。デジタル印刷については、小ロット・短納期対応の一環としてトナータイプのPOD機を約20年前から活用している。しかしながら、オフセット印刷と比較した際の品質面には、長らく課題を感じていたという。
「導入当初から比べれば、トナー機の品質も大きく進化し、単体で見れば問題ないレベルまできていましたが、オフセットの印刷物と並べると差が出てしまう。そのため、オフセットからの切り替えには慎重でした」(東澤社長)
そんな中、2020年からのコロナ禍により印刷需要が急激に変化。小ロット化が一気に進み、オフセット印刷では頻繁なジョブ切り替えによるオペレーターの作業負荷増大、生産効率の悪化が顕著になってきた。
「早急に生産体制を見直す必要があると強く感じました。そこで、FFGSさんにジョブ分析をお願いし、通し数や作業時間などを可視化した上で、具体的な方策を検討することにしたのです。分析の結果、3,000通し以下のジョブが全体の約8割を占めており、その大部分をデジタル印刷に切り替えるのが合理的だということがわかりました」(東澤社長)
こうして、同社は新たな生産機として使えるデジタル印刷機の検討を開始。その際に最も重要視したのは「オフセットに匹敵する品質」だった。
「富士フイルムさんのショールームで、当社の会社案内を兼ねた写真集をPC1120で出力していただいたところ、その仕上がりはオフセットの印刷物と並べても判別がつかないレベルでした。スピードも、従来機より格段に速い。『これしかない』と確信しました」(東澤社長)

同社の会社案内を兼ねた写真集。PC1120の卓越した再現性が遺憾なく発揮されている
■小ロットジョブのデジタル移行で、「利益を出せる体質」に
PC1120の運用を開始して間もなく、オペレーションを担当する中村氏が実感したのは、出力品質とその安定性の高さだった。色再現性はもちろん、表裏見当精度も極めて高く、ロングランでもその品質が安定して維持されることから、見当ズレなどに対する不安や確認作業が大幅に軽減された。
「一度見当を合わせたら、あとは安心して流すことができます。途中で機械を止めて再調整する必要がなくなったのはありがたいですね」(中村氏)
作業時の安心感は、現場にとって非常に重要なファクターだ。また、出力中の確認・調整作業が不要になったことは、生産効率にも大きな効果をもたらしている。
「別のジョブの後加工なども並行して進めることができるようになり、より効率的に仕事を回せるようになりましたね。体感的には、生産性が従来の2~3倍に上がっている感覚です」(中村氏)
乾燥待ちがなくなったことによるメリットも大きい。出力後すぐに製本工程に入れるスピード感は、リードタイム短縮に直結している。
「本刷りの時間だけ見ればオフセットの方が早いこともありますが、刷版出力や印刷準備、乾燥待ちなども含めて考えると、小ロットジョブの多くはPC1120の方が有利。サイズなどの物理的な制約のあるもの以外はできるだけPC1120にシフトしていきたいと考えています」(澤橋取締役)
現状、オフセット機は8色機と4色機の2台体制だが、従来4色機を使用していた小ロットジョブは着実にPC1120への移行が進んでいる。これにより、4色機でのジョブ切り替えの頻度が抑えられ、付帯作業時間の割合も確実に減少しつつある。東澤社長は「時間やコストの無駄がかなり削減でき、会社として利益を出せる体質に変わってきている」と手ごたえを語る。

生産効率化と付加価値創出の両面で中核を担うPC1120
■独創的な“勝負名刺”でクライアントの心をつかむ
現在、PC1120とオフセット機の分岐点(使い分け基準)は約2,000通しに設定しているが、実際にPC1120で出力するジョブは、500通し以下のものが多いという。チラシやパンフレット、冊子類、名刺などのほか、官公庁の報告書や学校の広報誌など「ページ数はあるが部数が少ない」印刷物にも積極的に使用する。
一方、同社のPC1120は、生産効率を高めるだけでなく、現場の創造力を引き出すツールとしても機能している。
「特殊トナーやさまざまな用紙を組み合わせ、レーザーカッターやプロッターなどの加工機も駆使しながら、より付加価値の高い印刷物の提供に向けて、訴求力の高いサンプルづくりに取り組んでいます」(中村氏)
PC1120の色再現性や用紙汎用性を活かした表現の追求。この取り組みは、PC1120の安定稼働によって生まれた“余白時間”を活用し、現場主導で自発的に行なわれているという。
「空いた時間で『ちょっと試してみよう』とすぐにテストできるのも、PC1120の大きな魅力の一つですね」(中村氏)
そんな研究成果の一つが、社内で「勝負名刺」と呼ばれているオリジナル名刺だ。重要な商談や初対面の場面で使用することを想定し、特殊トナーやレーザーカットを組み合わせた、極めて凝った加工が特徴で、視覚だけでなく触覚にも訴える仕上がりを実現している。
「この名刺をお渡しすると、ほぼ100%、嬉しい反応をいただけますね。そこから会話が広がっていきますし、お客さまに覚えていただける。営業的に非常に有効だと感じています」(澤橋取締役)
この勝負名刺は、相手の記憶に残り、話題を生み、コミュニケーションを円滑にする“営業支援ツール”として効果を発揮している。実際、同業者や取引先から「同じ仕様でつくりたい」という要望が寄せられるなど、新たなビジネスのきっかけにもなっているという。
■生成AIとPC1120の活用で、推し活ツールにもチャレンジ
一方で同社は、新たな市場へのアプローチにも力を入れている。その一つが、推し活の分野だ。生成AIを活用してキャラクターなどのイラストを制作し、PC1120の特色再現などを活かしてさまざまなグッズに展開する。昨年12月、東京の展示会でサンプルを出展したところ、多くの来場者から関心が寄せられたという。

新たに「推し活向けPRツール作成サービス」を展開
「推し活向けPRツールとして、メタリックカラーを使った缶バッジや、長尺ポスターなどをご紹介したところ、さまざまな分野のお客さまが興味を持ってくださり、あらためて需要の大きさを実感しました。『このキャラクターでノベルティを制作してほしい』というご依頼もいただき、予想以上の反響でしたね」(澤橋取締役)
この“推し活向けPRツール作成サービス”は、とうざわ印刷工芸にとって、自社ブランディングの観点からも効果のあるものになっている。
「依頼されたものをつくるだけでなく、自分たちで商品を生み出し、お客さまの要望に応じてアレンジして提供する。こうした能動的な提案・ものづくりを推し進め、『とうざわ印刷工芸はこんなお手伝いができます』ということを、もっと広く知っていただく必要があると考えています。PC1120を活用した商品開発は、そのための重要な取り組みと位置づけています」(東澤社長)

多彩なサンプルを用意し、PC1120の表現の幅広さを訴求している
■部数は少なくても“ワクワクできる印刷物”を提供し続けたい
同社がPC1120の導入を通じて見据えているのは、従来型の大量印刷モデルからの転換だ。いまや情報伝達そのものはデジタルで完結する時代。「紙に求められる役割は変化している」と澤橋取締役は語る。
「単に情報を届けるだけなら、必ずしも紙である必要はない。だからこそ、紙には体験価値が必要だと考えています。私どもが目指すのは、“100人に向けた80点の印刷”ではなく、“1人に強く刺さる印刷”。部数は少なくても、手に取った人の記憶に残り、捨てられず、次の行動につながる印刷物を提供していきたいと考えています」(澤橋取締役)
東澤社長もこう続ける。
「紙の風合いや匂い、他にはないデザインで、ワクワクできるものをお届けできる存在になりたいですね。その結果、お客さまが喜んでくだされば、私たちも嬉しいですし、仕事がもっと楽しくなると思います」
この思いを具現化していくことは、他社との差別化にもつながり、とうざわ印刷工芸のブランディングになる。そしてこの差別化戦略を進める上で、PC1120の表現力と機動力は欠かせない要素になっている。
また同社は、社外との交流・連携にも積極的だ。学生や若手クリエイターなどに対し、実験や試作の場としてPC1120などの設備を開放し、新たな表現の可能性を探る取り組みも視野に入れている。
「試したい表現、アイデアがあれば、ぜひ声をかけていただきたいです。印刷の可能性はまだまだ広がるはずですので、一緒に面白いものをつくっていければと思っています」(東澤社長)
同社にとってPC1120の導入は、生産体制の最適化にとどまらず、印刷の価値そのものを見直し、企業としての方向性を明確にするための投資でもあったと言える。現場の創造力とPC1120との相乗、そして社外との化学反応で、これからどんなワクワクが生まれるのか、期待が高まる。

2026.05.19
◆富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 プロダクションカラープリンター3機種が世界的に権威のある「レッドドット・デザイン賞」を受賞
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:浜 直樹)は、このほど、ドイツ・エッセンを拠点とする「ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター」主催の「レッドドット・デザイン賞プロダクトデザイン2026(Red Dot Design Award: Product Design 2026)」において、プロダクションカラープリンターの「Revoria PressTM PC2120」および「Revoria PressTM EC2100S / EC2100」「Revoria PressTM SC285S / SC285」が、「レッドドット・デザイン賞2026」を受賞した。
「レッドドット・デザイン賞」は、1955年に設立された国際的なデザイン賞です。デザインの革新性、機能性、人間工学、エコロジー、耐久性などの基準から審査され、優れた製品に贈られます。「レッドドット・デザイン賞」は、ドイツの「iFデザイン賞(iF design award)」、アメリカの「IDEA賞(International Design Excellence Award)」と並び、世界三大デザイン賞のひとつに数えられる権威ある賞である。

「レッドドット・デザイン賞2026」のロゴ
【受賞内容について】
プロダクションカラープリンター「Revoria PressTM PC2120」

「Revoria PressTM PC2120」は、ハイエンドプロ市場向けフラッグシップモデルのプロダクションプリンター。水平基調のシンプルで洗練されたフォルムとモノトーンの配色により、印刷現場に調和するデザインを採用している。メタリック調のダークグレーをベースとした作業台と視認性に配慮したユーザーインターフェイスを備えたプリントサーバーとの統一感のある構成により、オペレーターが作業に集中しやすい操作環境を実現している。
「Revoria PressTM PC2120」には、独自のAI技術により用紙設定や画質設定、画像補正を最適化し提案する機能を搭載しており、専門的な知識がなくても効率的に高品質な印刷が可能である。用紙設定では、「用紙プロファイラー」により、用紙をセットするだけで、センサーで取得した情報をもとにAIが用紙特性を解析し、最適な設定を提案する。普通紙に加えフィルムやメタリックなどの特殊紙にも対応し、用紙の種類・色・坪量などの基本情報に加え、画質に影響する転写出力調整値も自動で設定することが可能である。この転写出力調整値の自動設定技術は業界初※1である。
画質設定では、プリントサーバーに搭載したAIが入稿データの特長を解析し、文字や細線の強調・調整など、データ特性に応じた最適な画質設定を提案。さらに、画像補正では、AIが入稿データに含まれる写真や画像のシーンを自動的に判別し、人物や風景などの色味などに応じた最適な画像補正を行う。
CMYKの4色トナーと2色の特殊トナーによる1パス6色印刷では、特殊トナーのグリーンを新たに追加し、ラインアップを全9種類※2へ拡充。特殊トナーのグリーンは、ピンクと組み合わせることで色域をさらに拡大させ、モニター上で見る鮮やかなRGBデータの色彩に近い出力が可能になっている。
※1 当社調べ。用紙物性をセンシングし、転写出力調整値を自動で算出・設定する技術は業界初。(2025年12月1日時点)
※2 特殊トナーのラインアップ:グリーン、ピンク、ゴールド、シルバー、クリア、ホワイト、カスタムレッド、テクスチャード紙、圧着
プロダクションカラープリンター
「Revoria PressTM EC2100S / EC2100」
「Revoria PressTM SC285S / SC285」
「Revoria PressTM EC2100S / EC2100」および「Revoria PressTM SC285S / SC285」は、CMYKの4色トナーに加え、特殊トナー※3を搭載し、1パス5色印刷を可能にしたミドルレンジモデルのプロダクションプリンター。独自の縦型現像技術※4やLEDプリントヘッドの採用により、設置面積を抑えたコンパクトなマシンサイズを実現した。コンパクトな筐体でありながら、多彩な表現力と高い生産性を凝縮し、操作性と機能性を最大限に生かしたデザインが特長である。
2400dpiの高解像度出力と業界最小クラスのトナー粒径を有するSuper EA-Ecoトナーにより、高精細・高画質印刷が可能である。印刷業などプロ市場向けの「Revoria PressTM EC2100S / EC2100」は毎分100ページ※5、企業内印刷やオフィス向けの「Revoria PressTM SC285S / SC285」は毎分85ページ※5の高速印刷を実現している。薄紙から厚紙、長尺用紙※6まで幅広い用紙に対応し、多様な印刷ニーズに応え高い生産性を発揮する。
また、オプションとして、印刷中の色濃度変動や表裏ズレを検知するユニット※7を組み合わせることで、色濃度や表裏レジのリアルタイムな自動補正が可能となり、作業効率を維持しながら、印刷品質の安定化を実現している。こうした特長により、多品種・小ロット・短納期での作業が求められる場合でも、高品質の印刷物を迅速に仕上げることが可能である。
なお、今回の「レッドドット・デザイン賞2026」において、富士フイルムグループでは、ミラーレスデジタルカメラ「Xシリーズ」、インスタントカメラinstax™“チェキ”シリーズ※8、医療機器など計27製品が受賞した。なかでも、レンズ一体型デジタルカメラ「FUJIFILM GFX100RF」が、同賞の最高賞である「Best of the Best賞」を獲得した。
※3 特殊トナーのラインアップ:ゴールド/シルバー/ホワイト/クリア/ピンク/カスタムレッド/テクスチャード紙
※4 当社の特許技術。搬送槽を縦に配置し、現像材を循環させて搬送する空冷タイプの現像器を採用することで、一色当たりの現像器サイズを縮小させ、1パス5色印刷を実現。
※5 用紙の厚さ52~400g/m2、A4非コート紙走行時、CMYK4色使用時。
※6 長尺用紙に対応した給排紙トレイのオプション商品が必要。
※7 オプション
※8 instaxチェキは、富士フイルム株式会社の登録商標または商標です。
詳細は、富士フイルムホールディングスの公式ホームページより確認を。
URL:https://holdings.fujifilm.com/ja/news/list/2119
プレスリリースに掲載されているサービス、商品名などは各社の登録商標または商標である。
「Revoria PressTM PC2120」、「Revoria PressTM EC2100S / EC2100」および「Revoria PressTM SC285S / SC285」に関すお問い合わせは、下記まで。
富士フイルムビジネスイノベーション(株)グラフィックコミュニケーション事業本部
デジタルプリンティング事業部 デジタルプリンティング第四統括部 プロモーショングループ
Mail: dgi-fb-GC-DP-PromotionG@fujifilm.com
2026.04.30
◆モリサワ 台湾における事業再編および新体制「MORISAWA ARPHIC Inc.」を始動

株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25 Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、このほど、台湾における事業の再編を行い、2026年4月30日より「森澤文鼎股份有限公司(MORISAWA ARPHIC Inc.)」として新たな体制へ移行したことを発表した。
Arphic Technology Co., Ltd.(董事長:森澤武士 本社:台湾 台北市、以下ARPHIC)は1990年に設立後、2022年にモリサワの子会社となり、モリサワグループの一員として日本語・中国語を軸とした多言語フォントを開発・提供してきた。このほど、モリサワの台湾現地法人とARPHICは台湾における事業を統合し、MORISAWA ARPHICとして新たな体制に移行した。
同体制では「Arphic Types」の書体ブランドを維持し、ARPHICが30年以上にわたり培ってきた中国語フォントデザインにおける高い技術力を継承するとともに、モリサワグループのグローバルなネットワークと多角的な視野を融合させている。「文字を通じて社会に貢献する」というモリサワの社是を共有し、中国語・日本語フォントを核として、多彩なスタイルと高品質を備えた多言語フォントソリューションを提供していく。
今後、組込みフォント、カスタムフォントからクラウドフォントサービスに至るまで、充実したフォント資産と先進技術の提供体制を強化していく。これを出発点として、グローバル企業およびデザイナーの皆様と連携しながら、新たなブランド価値の共創と、豊かなビジュアル体験の実現を目指していく。
なお、ユーザーおよびパートナーの契約や利用中のサービスは、従来通り継続して利用できる。同社では、引き続き安定したサービス提供に努めるとともに、安心して使用できる体制の維持に取り組んでいくとしている。
■新体制の概要
◆商号
中国語社名:森澤文鼎股份有限公司
英語社名:MORISAWA ARPHIC Inc.
◆開始日
2026年4月30日
◆所在地
台北市中正區八德路1段5號6樓
◆代表者
森澤武士
◆事業内容
クラウドフォントサービス iFontCloud
iFont 組込みフォントソリューション
フォントとコードのサービス(台湾)
多国言語のフォントライセンス
カスタムフォント開発
MORISAWA ARPHICの公式Webサイトは以下より閲覧可能。
https://www.morisawa-arphic.com.tw/
●同件に関する問い合わせ先
株式会社モリサワ ブランディング部 広報課
E-mail: pr@morisawa.co.jp
●MORISAWA ARPHICに関する問い合わせ先
E-mail: service@morisawa-arphic.com.tw
SNSでも最新情報を公開している
X(旧Twitter):@Morisawa_JP
Facebook:@MorisawaJapan
Instagram:@morisawa_jp
※記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。
※記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。
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