ニュースリリース
2026.04.30
◆モリサワ 台湾における事業再編および新体制「MORISAWA ARPHIC Inc.」を始動

株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25 Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、このほど、台湾における事業の再編を行い、2026年4月30日より「森澤文鼎股份有限公司(MORISAWA ARPHIC Inc.)」として新たな体制へ移行したことを発表した。
Arphic Technology Co., Ltd.(董事長:森澤武士 本社:台湾 台北市、以下ARPHIC)は1990年に設立後、2022年にモリサワの子会社となり、モリサワグループの一員として日本語・中国語を軸とした多言語フォントを開発・提供してきた。このほど、モリサワの台湾現地法人とARPHICは台湾における事業を統合し、MORISAWA ARPHICとして新たな体制に移行した。
同体制では「Arphic Types」の書体ブランドを維持し、ARPHICが30年以上にわたり培ってきた中国語フォントデザインにおける高い技術力を継承するとともに、モリサワグループのグローバルなネットワークと多角的な視野を融合させている。「文字を通じて社会に貢献する」というモリサワの社是を共有し、中国語・日本語フォントを核として、多彩なスタイルと高品質を備えた多言語フォントソリューションを提供していく。
今後、組込みフォント、カスタムフォントからクラウドフォントサービスに至るまで、充実したフォント資産と先進技術の提供体制を強化していく。これを出発点として、グローバル企業およびデザイナーの皆様と連携しながら、新たなブランド価値の共創と、豊かなビジュアル体験の実現を目指していく。
なお、ユーザーおよびパートナーの契約や利用中のサービスは、従来通り継続して利用できる。同社では、引き続き安定したサービス提供に努めるとともに、安心して使用できる体制の維持に取り組んでいくとしている。
■新体制の概要
◆商号
中国語社名:森澤文鼎股份有限公司
英語社名:MORISAWA ARPHIC Inc.
◆開始日
2026年4月30日
◆所在地
台北市中正區八德路1段5號6樓
◆代表者
森澤武士
◆事業内容
クラウドフォントサービス iFontCloud
iFont 組込みフォントソリューション
フォントとコードのサービス(台湾)
多国言語のフォントライセンス
カスタムフォント開発
MORISAWA ARPHICの公式Webサイトは以下より閲覧可能。
https://www.morisawa-arphic.com.tw/
●同件に関する問い合わせ先
株式会社モリサワ ブランディング部 広報課
E-mail: pr@morisawa.co.jp
●MORISAWA ARPHICに関する問い合わせ先
E-mail: service@morisawa-arphic.com.tw
SNSでも最新情報を公開している
X(旧Twitter):@Morisawa_JP
Facebook:@MorisawaJapan
Instagram:@morisawa_jp
※記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。
※記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。
2026.04.23
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Revoria Press PC1120導入事例――株式会社アートプロセス いままでにない表現力を活かし、「価値で選ばれる存在」を目指す 生産環境も営業スタイルも大きく変化し、価格で無理せず差別化が可能
熊本を拠点に、プランニングからコンテンツ制作、印刷・加工までを手がける株式会社アートプロセス(本社:熊本県熊本市中央区春竹町春竹495、代表取締役社長:本田和敬氏)は、小ロット・パーソナライズ・高付加価値ニーズの高まりを見据え、2024年、新たな主力生産機として富士フイルムのプロダクションプリンター『Revoria Press PC1120』(以下PC1120)を導入。同時に、それまでオフセット機とデジタル機の併用体制であった社内の印刷設備を、デジタル機へと一本化した。これは、会社として事業構造や価値提供のあり方を見直した上での経営判断だったという。代表取締役社長・本田和敬氏、専務取締役・山本武史氏に、この決断に至った経緯や現時点での効果などについて伺った。

■筐体のつくりから確信した「生産機としての圧倒的な信頼性」
アートプロセスは、1975年、現会長の工藤元隆氏により製版会社として創業。効率化を追求した設備投資を積極的に進め、時代の変化に即した事業基盤を構築するとともに、高度な画像処理技術・カラーマネージメント技術を活かしたサービス展開で、九州エリアのクライアントから厚い信頼を得る。95年に企画・デザイン部門を新設し、上流工程をトータルに手がける業態に。97年には他社に先駆けてデジタル印刷機を導入し、一般企業向けの営業を開始。これを機に、受託型から課題解決型へとビジネスモデルを転換していった。その後、商業印刷からサイン&ディスプレイ、デジタルコンテンツ制作へと事業領域を拡大。「革新と創造によって未来を開拓する」を理念に掲げ、市場の変化に応じて柔軟に業態変革を図りながら成長を続けている。

本社社屋
そんな同社がPC1120の導入を決めた背景には、単なる老朽設備の更新ではなく、会社の将来を見据えた大局的な経営判断があった。オフセット印刷機の稼働率が徐々に低下し、価格競争が激化。オフセット向きの仕事がなくなったわけではないものの、「自社で刷る必然性」が薄れていく状況に、経営として強い違和感を覚えていたという。
「そもそも社内で印刷を続けるべきか、というところから議論を始めたのですが、印刷物の製造をやめてしまうということは考えられなかった。では、持つべき印刷機はオフセットかデジタルか。オフセット機を入れると大きな投資になり、営業は機械を回すために『印刷物の仕事を取る営業』をせざるを得なくなる。それは本末転倒。であれば、デジタル印刷機で差別化を目指すべきだという結論に至りました」(本田社長)

本田社長
オフセットの代替としてデジタル印刷機を活用するのではなく、「デジタル印刷ならではの新しい価値を生み出す」という観点から、同社は社内生産をデジタルに一本化することを決断した。では、その生産機としてPC1120を選んだのはどんな理由からだったのか。
「4社のデジタル印刷機を候補に挙げ、展示会などで各社さんのデジタル機を見学させていただきましたが、その中でPC1120は、筐体のつくり、内部構造が他の機種とまったく違うと感じました。搬送系も含めてオフセット印刷機のように堅牢に設計されているのが、パネルを開けて中を覗いただけでわかる。この先5年、10年と使っていく上で一番安心できるのはどれかと考えると、これしかないと思いましたね」(山本専務)
また、本田社長はサポート対応のきめ細かさも決め手の一つになったと語る。
「従来機の運用でも感じていましたが、富士フイルムさんのサポートはやはり安心感があります。新機種の導入にあたっては、立ち上げの際にオペレータートレーニングなどで頻繁に来ていただくことになりますから、この点も非常に重要な要素でした」

現在5種のトナーを活用。静電気除去装置も装備しており、PETなどの素材でも
安心した出力が可能だ
■名刺だけでも実感できる、表現力の高さ
PC1120の導入によって、同社の印刷設備はデジタル印刷に特化したシンプルなものになったが、表現の幅は飛躍的に広がっている。ゴールド、シルバー、ホワイト、クリア、TX(テクスチャード)といった特殊トナーを活用することで、質感や奥行きのある印刷表現が可能になり、従来とは明確に異なる価値提案ができるようになった。このことは、社内にさまざまな変化をもたらしている。
「特殊トナーと用紙の組み合わせによって、どんな表現が可能になるのか、デザイナーと印刷オペレーターが一緒になって日々研究しています。正解が一つではないので、その過程自体が勉強になりますし、当社独自のノウハウにもなっていくと思います」(山本専務)
こうした検証の中から生まれた象徴的な表現の一つが、社員の名刺に採用している“プラチナホワイト”だ。黒や濃紺などの色紙にシルバーを敷き、その上からホワイトを重ねることで、通常の白とは違った、メタリック感のある上質な印象を与えている。この名刺は、単なる自己紹介ツールにとどまらず、営業の現場で大きな役割を果たしているという。
「名刺交換をしたときに、一目で“違い”を感じていただける。そこから『当社ではこういう印刷もできるんですよ』と自然に話が広がっていきます」(本田社長)
営業の現場で名刺そのものが訴求力のあるサンプルとなり、説明のきっかけになっているのだ。
「『かっこいいね』とまず言ってもらえる。それは営業にとって本当にありがたいですし、お客さまとの距離も縮まります。『自分たちも同じような名刺をつくりたい』と言っていただけることもあり、特殊トナーを使った名刺の引き合いは、確実に増えています」(山本専務)
また、エシカルペーパーを使ったSDGs名刺作成サービス『WELL KAMI』でもPC1120を活用しているが、ここではトナーの定着性の高さが発揮されているという。
「エシカルペーパーは表面に凹凸のあるものが多いのですが、PC1120で出力すると色の乗りがとてもいい。紙によってはTXトナーを使いますが、使わなくてもきれいに出力できることが多いですね」(山本専務)

特殊トナーを効果的に用い、素材の風合いを活かしながら付加価値の高い
印刷物を創り出している
■品質や表現を起点とした付加価値提案が可能に
単にオフセットジョブをデジタルに切り替えるだけでなく、デジタル印刷ならではの付加価値を生み出し、提供する。この考え方は、営業のアプローチに大きな変化をもたらしているという。

山本専務
「価格や納期ありきの提案ではなく、品質やデザイン表現を起点とした会話ができるようになってきました。しかも、自分たちが『これはいい』と本気で思えるものを提案できるようになったので、営業としての自信が以前とはまったく違いますね」(本田社長)
「価格に関しては正直に『安くはない』ことをお伝えしますが、品質の高さや独創性に価値を感じて納得していただけることが多いです。価格面で無理せずに差別化が図れるようになったのは大きな成果ですね」(山本専務)
価格競争に巻き込まれるのではなく、「価値」で選ばれる。そのための営業スタイルが、PC1120導入をきっかけに実現しつつあるのだ。
一方、同社では、熊本市近郊のデザイン会社・制作会社にPC1120の無料トライアルサービスを案内するなど、「デジタル印刷の可能性」を広く伝える取り組みも進めている。
「PC1120でどんなことができるのか、ご存じでない方も多いので、実際に見て、知っていただくことが必要だと考えました。デジタル印刷ならではの表現を体感していただければ、デザイナーさんの発想もさらに広がると思いますし、これをきっかけとして、より価値のある印刷物を一緒につくっていけたらと思っています」(山本専務)
PC1120は、営業・提案の質を底上げするなど、アートプロセス社内に大きな変化をもたらしながら、外部のクリエイターに新たな刺激を与える存在としても機能しているのだ。
■「効果」という付加価値を提供し続ける存在へ
同社のこれまでの歩みは、変革と挑戦の歴史でもあった。製版会社としてスタートし、デザイン制作、サイン&ディスプレイ、Web事業へと領域を広げ、時代の変化に合わせて業態を変えながら成長を続けてきた。そして今回、PC1120の導入を機に、生産環境も、営業スタイルも大きく変化した。
「ニーズに合わせて組織や設備などを柔軟に変えていけるのは、私どもの強みの一つだと思っています。振り返ると、当社は20周年、30周年といった節目ごとにスタイルを変えてきました。そしてPC1120を導入したのが50周年を目前に控えたタイミング。まさに新しい変化・挑戦の始まりだと捉えています」(本田社長)

いま再びスタートラインに立ったアートプロセス。目指しているのは、「特殊トナーを活かした高付加価値印刷」と「顧客データを活用したパーソナライズ印刷」を軸としたビジネス展開だ。
「大量消費型ではない、個々のターゲットに届く紙メディアの価値を、いかに高めていくかが重要なテーマです。紙はこれからも必要なメディアであり続けるはずですし、一番のユニバーサルデザインでもあると思っています。デジタルメディアと対立するものではなく、組み合わせて使われる存在。その中で、パーソナライズされた紙の役割は、もっと広がっていくと考えています」(山本専務)
AI技術やマーケティングツールの活用も視野に入れ、印刷を“刷る工程”から“伝える仕組み”へと進化させていく考えだ。本田社長は次の50年を見据え、こう締めくくった。
「富士フイルムさんの『Revoria Cloud Marketing』のようなツールも含め、印刷の前後まで含めた提案ができるようになれば、私たちの役割もさらに広がるでしょう。販売促進に携わるお客さまにとって価値ある印刷物、すなわち“効果が上がるツール”を提供し続けられる会社でありたいと思っています」
2026.03.05
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Revoria Press PC1120 導入事例――サンメッセ株式会社 特色を用いた高付加価値印刷からバリアブルの大量生産まで幅広く活用
構成の異なる 2台を柔軟に使い分け、それぞれ月産20万枚を安定的にこなす

サンメッセ株式会社(岐阜本社:岐阜県大垣市久瀬川町7-5-1、代表取締役社長:田中信康氏)は、2025年5月に創業90周年を迎え、「印刷を、超えた『総合コミュニケーション企業』」を目指して変革を推進している。同社は、2022年に富士フイルムのプロダクションカラープリンター『Revoria Press PC1120』(以下PC1120)1号機を、さらに2024年には需要増加の対応を目的に同2号機を導入し、「デジタルとオフセットの共存運用」を実現。急速に高まる「小ロット・短納期・高付加価値ニーズ」への対応力を大幅に強化してきた。2台のPC1120の導入に至った経緯や、それぞれの活用状況、メリットなどについて、プレス部 部長 松岡克英氏、デジタルプレス課の臼井章娘氏、立川弘樹氏に伺った。

■印刷品質の高さを活かし、オフセットとの共存運用へ
サンメッセは、1935年(昭和10年)に田中印刷所として創業以来、90年の歴史を誇り、中部地区最大規模の生産力を持つ印刷会社として知られる。現在は従業員約640名を擁し、一般商業印刷を中心に、「IPS事業」、「パッケージ事業」、「コーポレート・コミュニケーション事業」の専門性の高いフィールドを中心に事業領域の拡大に向けた積極的な経営改革にも果敢に挑んでいる。近年は市場の変化に対応するため、生産設備のデジタル化を積極的に推進するとともに、新しい価値創造にも取り組んでいる。
松岡部長が現職に就いたのは、PC1120の2号機導入のタイミングであった。デジタルプレス課長となって初めてPC1120の出力物を目にしたとき、「オフセットにかなり近い仕上がりだ」という印象を持ったという。
「その品質の高さを見て、これならPC1120を中心とした『デジタル機とオフセット機の効率的な共存運用』ができるはずだと確信を得ました」(松岡部長)

松岡部長
しかし当時、社内では「デジタル機はコピー機の延長」という認識が根強く残っており、先に導入されていたPC1120の1号機も上手く活用できておらず、稼働率が伸び悩んでいる状況であった。そこで、2号機導入の際、富士フイルムのクラウド型CMS『Revoria One Remote Color Management Service』とインクジェットプルーファー『PRIMOJET』を活用し、オフセット機・デジタル機のカラーマッチングを図り、PC1120とオフセット機で同じ印刷品質が得られる環境を整えた。
さらに、PC1120の色再現性を詳しく検証した結果、特殊トナー対応・6色仕様の1号機は、90%以上の特色を再現できることが確認できたことから、小ロットの特色ジョブをPC1120に移行することとした。
現在、PC1120はオフセット印刷と同等の位置づけとなっています。お客さまから『オフセットでは再現できないため、PC1120で対応してほしい』というご依頼をいただくことも、まれにあります」(松岡部長)
■1台あたり月20万枚を安定生産
デジタル機とオフセット機の色を合わせたことで、たとえば、オフセット輪転機で印刷したチラシが300部追加で必要になった場合に、PC1120でその追加分をすぐに印刷するといった柔軟な対応が可能になった。
「300部程度の追加分をオフセット機で印刷するよりもデジタル機で印刷する方がコスト面で有利なため、とても助かっています」(松岡部長)
同社では現在、原則として規定の部数以下はPC1120、それ以上はオフセット機という形で、生産機を使い分けている。
オフセットからPC1120への切り替えによって準備時間や待機時間の削減が図れた分、納期も短縮できている。また、同社のPC1120には中綴じフィニッシャーやトリマーなどのオプションも装備。中綴じ製本のインライン処理が可能になったため、後加工工程での待機時間の削減も実現できた。
「オフセット機ではどれだけ頑張っても15分以上かかる準備時間が、PC1120では5分で完了します。稼働効率が高いので待ち時間も少ない。UVオフセット機が空くのを3時間待つならPC1120で印刷した方が早い、というケースもあります」(松岡部長)
PC1120の稼働率を高めるため、松岡部長は「まずは社内の仕事の取り込みを優先してPC1120の稼働を上げる」ことをプレス部で宣言した。すなわち、クライアントからの新規受注を増やす前に、社内の営業部門に働きかけて、これまで外注に出していた仕事を内製化していこうという取り組みだ。これにより、徐々に内製化率が向上するとともに、小ロットの仕事でオフセット機を使用するケースも減少し、コスト面での無駄も削減できたという。
現在、同社のPC1120は1台あたり月約20万枚をコンスタントに生産しており、フル稼働状態だ。臼井氏は、「これだけの生産量を安定的にこなせるのは、富士フイルムのサポートによるところも大きい」と語る。
「PC1120を使用する仕事には、印刷したその日にすぐ出荷というケースもあるため、いつでも高い瞬発力を発揮できることが重要です。その点、富士フイルムさんには、定期的な保守に加えて、万が一のトラブルの際もほぼ当日中に対応していただけるので、安心感がありますね」(臼井氏)

臼井氏
■2台のPC1120で仕事の幅を広げ、高い稼働率を実現
サンメッセでは、2台のPC1120を異なるシステム構成で運用し、それぞれに特徴を持たせることで、対応できる仕事の幅を広げている。1号機は、特殊トナー対応の6色機で、シルバー、クリア、カスタムレッドなどの特色を用いた付加価値の高い仕事や、色に厳しい仕事に対応できる構成。オペレーションを担当するのは、プリプレス部でデータ制作の経験を持つ臼井氏だ。
臼井氏は、特殊トナーの活用を広げるべく、2025年春の社内報で、表紙4ページ分を4色+クリア+シルバーの6色(本文は4色)で印刷を担当した。当時、社内のデザイナーもクリアトナーやシルバートナーを使った経験がなく、データ制作の段階ではどのような表現になるかわからない状態であったことから、何回も色校正を出して確認しながら進めたという。

また、2台体制になってからは、生産性を考慮したジョブの振り分けも行っている。臼井氏は他社製カラーデジタル機も担当しており、基本的には工務部が作成した予定に沿って作業を進めているが、静電気が発生しやすい薄手のコート紙を使ったジョブなど、「他社機よりPC1120の方が適している」と判断した場合には、松岡部長などと相談した上で適宜PC1120に切り替えている。こうした柔軟な運用により、「色に厳しい仕事が中心」の1号機であっても高い稼働率を維持できているという。
一方、2号機は、4色機・ダブルデリバリー装備(重連用大容量給紙トレイオプション付き)の構成で、大量生産機という位置づけ。オペレーションを担当する立川氏は、もともとオフセット機のオペレーターで、3年前にデジタルプレス課に異動するまで、デジタル機にまったく触れたことがなかった。しかし、異動当初設置されていた富士フイルムの『Color 1000 Press』を初めて操作した際、刷り出しの早さや色の安定性、損紙の少なさなどに大きな魅力を感じたという。

立川氏
2号機は主に、ナンバリングやバーコードなどの可変要素を含んだ大ロットのモノクロ印刷などに使用される。導入の際、ダブルデリバリー仕様にすることを提案したのは立川氏であった。
「大量生産機として運用すると聞いていたので、長時間ノンストップで印刷できる仕様にすれば、作業効率が上がるだろうと考えました。実際、かなりの生産性を発揮できているので、正解だったと思っています」(立川氏)
また、2号機も1号機やオフセット機と色を合わせているため、定期的に入るフルカラーのPOPや色再現性、安定性の面で他の印刷機では対応しにくいカラーの仕事などにも幅広く対応している。最近では、比較的ロットの大きいカラーの仕事を2号機で印刷するケースも増えているという。

2台の PC1120がフル稼働。それぞれのシステム構成に合わせたジョブ振り分けにより、生産効率を高めている
■システム連携や自動化により、生産工程のさらなる進化を目指す
サンメッセでは、オフセット機と同等の生産機としてPC1120をフル活用することで、「印刷品質の安定化」「短納期対応力の大幅な向上」「段取り削減による生産性アップ」「提案力の強化(特色や特殊加工を活かした付加価値提案)」などを実現し、社内はもちろん顧客からも高い評価を得ている。
同社は今後もデジタル化に積極的に取り組み、工場としても「受注産業から脱却し、より能動的に提案できるようになる」ための変革を推進していく計画である。松岡部長はその一環として、印刷機のラインアップ拡充を検討している。たとえば、顧客の課題解決に必要な部数・仕様の印刷物を効率的に生産できる、デジタル印刷機とオフセット輪転機・枚葉機を組み合わせた生産設備構成の実現を検討している。このように変革を続けていく中でも、PC1120には、印刷部門全体を支える大きな柱としての役割が期待されている。
「PC1120は生産機としての活用だけでなく、たとえば色校・色見本を印刷して、それにオフセット機の色を合わせるといったこともできます。また、表紙はPC1120、中身はオフセットという生産スタイルも、これから増えていくのではないかと思っています」(松岡部長)
ワークフロー全体としては、すでにMISとデジタルプリンターを含む印刷機、後加工機の連携強化に取り組んでおり、工程全体の自動化や生産効率のさらなる向上を進めている。
松岡部長は、これらの取り組みを推進するうえで、富士フイルムとの継続的な連携を重要な要素と考え、次のように語った
「これまでも、生産設備のデジタル化や、工程の自動化・効率化などで、富士フイルムさんにさまざまなご提案・ご支援をいただいてきました。今後も引き続き、ソフトウェア連携に関する技術支援や、安定稼働を続けるための提案などをいただきながら、生産環境の変革を一緒に進めていければと思っています」
2026.02.12
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Revoria XMF PressReady導入事例 後編――株式会社ムレコミュニケーションズ面付け・出力設定などの自動化により作業負荷を抑える
ミスを排除データの信頼性が高まり、無駄・ロスのないデジタル印刷フローが実現
■データ起因のトラブルや手戻りを回避
実際に運用をスタートすると、そのメリットは明確に表れた。PressReadyによって、指示書に基づく設定が自動で面付け・出力条件に反映されるため、オペレーターは最終確認だけを行なえばよく、専門的なスキルや判断が不要になった。結果、新たな作業負荷がほとんど発生することなく、PC1120の効率的な安定稼働が実現したのだ。
「実は、昨年10月に、プリプレス部の担当オペレーターが急に退職してしまい、引き継ぎの時間もあまり取れなかったのですが、PressReadyでほとんどの作業が自動化されていたおかげで、問題なく生産を継続することができました。後任の者も、とくに負担を感じることなく作業できているようです」(西山取締役)

井上グループ長
また、井上グループ長は、出力担当の立場から、「PressReadyはデータの最終チェックツールとしての役割も大きい」と実感を語る。
「自動化により指示書の内容が確実に印刷されるため安心感がありますね。まれに、営業からのテスト出力依頼などで、PressReadyを通さずに直接データを受け取るケースもあるのですが、設定ミスにより、再出力が必要になったことが何回かあります。こうした手出力トラブルを回避できるのはとてもありがたいです」(井上グループ長)
また、PressReadyでは、ジョブの進行状況をリアルタイムで把握できるため、急な変更や、データ準備が完了するまでの待機時間が最小限に抑えられているという。こうした“工程の見える化”の効果は大きいと西山取締役は評価する。
「進捗確認だけでなく、『どのジョブが、いつ、誰によって、どのような設定で処理されたか』という履歴も確認できるので、万が一問題が発生した際の原因究明も迅速に行なえます」(西山取締役)

提案の幅を広げるべく、PC1120の特殊トナーや長尺出力機能などを活用し、多彩なサンプルを制作
■プリプレス工程のフルオートメーション化も視野に
PressReadyによってスキルレスなデジタル印刷フローを構築し、PC1120の安定稼働を実現しているムレコミュニケーションズ。今後は、社内の基幹システムとPressReadyの連携を図ることで、さらなる効率化を進めていく考えだ。
「現状、基幹システムの指示書データから、PressReadyに読み込ませるCSVデータを作成する作業を一部手動で行なっており、転記ミスなどのリスクが残っているので、この部分を自動化することで、負荷軽減、リスク削減を図りたいと考えています」(西山取締役)
さらに西山取締役は、「将来的に、ジョブの特性に応じて最適なRIP設定や処理順序をAIが提案・実行するなど、プリプレス処理をフルオートメーション化できれば理想的」とし、FFGSのソリューションの進化に期待を寄せる。
また、PC1120の活用については、「オフセットからの切り替えだけでなく、高付加価値の印刷物の提供にも注力していく」と力を込める。
「いま、特殊トナーも活用してさまざまなサンプルを制作し、お客さまへの提案を始めているところです。とくにピンクトナーを使ったサンプルなどはお客さまの反応もよく、手ごたえを感じています。今後、オフセット印刷とデジタル印刷を柔軟に使い分けながら、印刷事業の総合力を高め、新しい需要の創出にもつなげていきたいと考えています」(西山取締役)
祖業であるオフセット印刷事業を大切にしながら、「印刷を核とした高付加価値製品の提供」という新しい領域へと踏み出した同社。一段と進化した生産基盤をしなやかに活かし、創業100年の歴史を次の100年へとつなぐべく、挑戦を続けていく。
2026.02.12
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Revoria XMF PressReady導入事例 前編 ――株式会社ムレコミュニケーションズ 面付け・出力設定などの自動化により作業負荷を抑え、ミスを排除データの信頼性が高まる
香川県・高松を拠点に100年以上にわたり印刷事業を展開する株式会社ムレコミュニケーションズ(本社:香川県高松市朝日町5-3-85、代表取締役社長:牟禮昌史氏)は、2025年春、小ロットニーズへの対応および高付加価値戦略の一環として、富士フイルムのプロダクションプリンター『Revoria Press PC1120』(以下 PC1120)を導入。さらに、プリプレス業務の効率化・負荷軽減のため、デジタルワークフローソフト『Revoria XMF PressReady』(以下 PressReady)を併せて活用することで、品質と効率の高次元な両立を図り、より強固な生産体制を構築している。長年オフセット印刷を軸に据えてきた同社が、新たにデジタル印刷のフローを組み込むにあたり、PressReadyはどのようなメリットを発揮しているのか。導入の背景や、PC1120を活かした今後の展開なども含め、取締役 管理本部長 西山武宏氏、高松工場 デジタルプリントグループ長 井上幸代氏に伺った。

■万全の品質保証体制でシビアなニーズに応える
ムレコミュニケーションズは、2024年に創業100周年を迎えた老舗の総合印刷会社である。香川県高松市のほか、岡山、大阪、東京の4府県6カ所に拠点を置き、広告・情報誌・教材など幅広い印刷物を企画から製本まで一貫対応できる体制を築いてきた。2017年4月には、長年親しまれた『牟禮印刷』から『ムレコミュニケーションズ』へと社名を変更。「コミュニケーションを通じてお客さまの夢を実現し感謝される企業」を目指し、印刷事業だけに留まらず、Web・動画制作や、イベント・プロモーション企画、ノベルティグッズ制作などの新規事業を積極的に展開しながら、“ソリューションプロバイダー”としての機能強化に取り組んでいる。
半世紀以上にわたる取引が続くベネッセコーポレーションをはじめ、高松三越など数多くの大手企業を主要クライアントに持つ同社の信頼を支えているのは、教材制作を通じて培ってきた高度な組版技術、そして最先端の検査装置などを駆使した万全の品質保証体制だ。都道府県ごとに内容の異なる多タイプ商材のような複雑なジョブも、正確かつスピーディーに対応する。
「当社が最も重視しているのは品質、とりわけ“情報の正確さ”です。教材関係のコンテンツなど、誤りが許されないシビアな仕事を確実に仕上げられることが大きな強みであり、お客さまからご評価いただけているポイントだと思っています」(西山取締役)
生産拠点は高松と岡山の2カ所に集約。印刷設備としては、主に小~中ロット印刷を担う高松工場に5色・4色・2色のオフセット枚葉機を、大ロット印刷がメインの岡山工場にB全・B2のオフセット輪転機をそれぞれ備える。今回、PressReadyおよびPC1120が導入されたのは高松工場だ。
■初のデジタル機として、オフセット品質のPC1120を選択
西山取締役
一方で、ベネッセコーポレーションをはじめとするクライアントのニーズの変化に対応するためにも、デジタル印刷機導入の必要性は感じていたといい、10年以上前から検討を進めていた。しかし、品質面で納得できる機種がなく、導入の決断には至らなかったという。そんな中で、FFGSからPC1120の提案を受け、あらためて検討することに。
「オフセットと同等の品質を持つPC1120を活用して、これまで社内の枚葉機で印刷していた小ロットのジョブをデジタルに切り替え、生産効率を高めてはどうかというご提案でした。そこで、まずはPC1120の品質を確かめることにしたのです」(西山取締役)
品質にシビアな実ジョブデータをFFGSのショールームに持ち込み、テスト出力。その仕上がりは好印象で、「非常に自然で美しいと感じた」と西山取締役は振り返る。
「予想以上にオフセットに近い再現性で、文字の描写なども含めてまったく違和感がありませんでした。これなら営業も自信を持ってお客さまに提供できるだろうと判断しました」
さらに、オフセットとの最適な使い分けについて、FFGSから具体的なシミュレーションデータが提示されたことも、導入を後押しした。
「枚葉印刷機の稼働データを提出し、分析していただいた結果、ボトルネックになっていた部分が明確になり、約1,000通し以下のジョブをPC1120にシフトすることで大幅に効率化できることがわかりました。事前に実際の運用のイメージができたのは大きかったですね」(西山取締役)

高松工場で稼働するPC1120。小ロット対応のほか、付加価値戦略の要としても重要な役割を担う
■運用面の懸念点をPressReadyで解消
満を持して、初のデジタル印刷機導入。生産機がオフセット含めて4台に増強されることになるが、オペレーターの増員は現実的ではなく、基本的に既存体制のまま運用するというのが同社の方針だった。そこでいくつかの懸念点が挙がった。
① 既存の業務にデジタル印刷の業務がアドオンされることで面付けや出力設定などの作業負荷が増加する恐れがある。
② 小ロットジョブが増加することで、面付けミスや設定ミスの発生リスクが高まる。
③ デジタル印刷機の操作や面付けなど専門的な業務を行なえるオペレーターが限られるため、作業が属人化する。
こうしたオペレーション面の懸念を解消するためのツールとして、PC1120と併せて採用されたのがPressReadyだ。
「PC1120の出力データを用意するのはプリプレス部のメンバーですが、彼らはオフセット印刷のプリプレス業務もいままでどおり担当するので、デジタル機が加わることによる作業負荷の増加は最小限に抑えたかったのです。PressReadyを通せば、デジタル印刷におけるプリプレス業務の大部分を自動化できるとのことだったので、『まさにこれだ!』と迷わず導入を決めました。サブスク方式が選択できるのもありがたいですね」(西山取締役)
PC1120で出力するジョブのフローは、本来、オペレーターがデジタル印刷用の面付けを行ない、そのデータを特定のフォルダに書き出して出力側に渡すことになるが、その際、何十パターンにも及ぶ出力設定テンプレートの中から、指示書と照らし合わせて最適な設定を選ぶ必要がある。さらに出力側でも、コンソール上で部数や用紙、片面/両面などを選択して出力するという流れになる。このように多くのタッチポイントを経るためヒューマンエラーのリスクが高く、しかも面付けなどある程度の専門知識やスキルも求められ、作業が属人化しやすい。そこでPressReadyを活用すれば、こうした「人の判断やスキルを必要とする作業」を自動化することができるわけだ。(後編に続く)

PressReadyにより、作業負荷をほとんど増やすことなく、
既存体制でのデジタル印刷機運用が可能となった
2026.01.29
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Jet Press 750S 導入事例――株式会社ライブアートブックス 卓越した色再現性が写真集や図録などの美術印刷で大きな強みに 色校正の効率・精度も向上し、顧客の安心感・信頼感が高まった
美術印刷のエキスパートである株式会社ライブアートブックス(プリンティングスタジオ:〒537-0001大阪市東成区深江北1-15-32、代表取締役:川村佳之氏)は、2023年3月に富士フイルムのインクジェットデジタルプレス『Jet Press 750S』を導入。写真集や美術書、商業印刷物など高い品質が求められるジョブの校正や小ロットの生産をオフセットから切り替え、効率性・収益性向上を実現した。Jet Press導入の背景や目的、導入効果、今後の展開などについて、代表取締役・川村佳之氏、執行役員生産統括・丸塚真二氏に伺った。

代表取締役 川村佳之氏、執行役員・生産統括 丸塚真二氏(左から)
■印刷品質と用途の幅広さで比較し「圧倒的に良かった」Jet Pressを選択
ライブアートブックスは、さまざまなチャネルを通じて顧客の体験価値を創造する「株式会社大伸社グループ」の一員として、プリンティング事業を担当する印刷会社である。2006年頃から美術印刷に参入し、現在では写真集、美術書、展覧会図録など、高品質な印刷物製作のエキスパートとしての地位を確立。クリエイターやアーティストからも指名を受け、国内外でさまざまな賞を受賞している。また、マーケティングプロデュース事業などを担当するグループ会社から、企業の商品カタログなどの商業印刷の仕事も受注している。
これまで、写真集や美術書などの印刷物では、2台の菊全8色オフセット機で色校正を行なっていたが、高い精度が求められる上に色校正の回数が非常に多いため、本機校正では工数がかかりすぎるという課題があった。そこで「校正をデジタル印刷機に切り替える」ことを検討し始めた。
「Jet Press 750Sと他社製のB2サイズ枚葉UVインクジェット機を、『品質』と『用途の幅広さ』の2軸で比較検討しました。品質面では、紙の風合いをどれぐらい活かすことができるか、本機とのカラーマッチングがどれだけ取れるか、それをどれだけ安定して刷れるか、といった点をとくに重視しました。その結果、どの項目も、“Jet Pressの方が圧倒的に良い”という結論でした」(丸塚執行役員)。

■校正から量産までフル活用。柔軟かつ効率的な生産体制に
Jet Press導入後、同社の校正の仕事は大幅に効率化されたという。たとえば、校正台数22台の美術書の仕事では、オフセット機での本機校正では通常5〜6時間かかるところ、Jet Pressでは3時間程度で終えることができるようになった。
「校正のスピードアップをアピールすることで、校正だけでなく、小ロットの仕事は本刷りもJet Pressで行なえるようになりました。校正と同じ品質が担保できるということは、お客さまにとっての安心感にもつながりますから、当社の大きな強みになっていると思います」(川村代表)

現在では、印刷枚数1,000枚以下の小ロットの仕事はJet Pressで対応しており、オフセット印刷機の稼働状況によっては、工場側の判断で1,000枚以上でもJet Pressで印刷することがあるという。
「Jet Pressは、オフセット機で印刷したものを横に並べても、言われないと区別がつかないほど近い品質で仕上がるので、臨機応変にオフセット機から切り替えることができます。そのため、Jet Pressの稼働率は高く、その分、オフセット機の負荷が軽減されており、導入して良かったと思っています」(丸塚執行役員)
同社では、Jet Pressを基本的に1名で運用しているが、繁忙期には日勤スタッフ1名・夜勤スタッフ1名の計2名で昼夜24時間稼働できる体制をとっている。2名のうち1名はオフセット印刷機の経験を持つ熟練のスタッフであるが、通常日勤を担当しているもう1名は入社してまだ1年にも満たない女性スタッフである。このスタッフは印刷の経験はなかったが、本人の希望もあってJet Pressのオペレーターに抜擢された。
「Jet Pressを入れたことで、印刷経験の少ない若手のスタッフでも、やる気があればどんどん任せられる体制ができました。」(川村代表)。
ライブアートブックスでは、顧客から入稿されたデータをJet Pressの標準値で刷れるよう、印刷前にデータづくりを行ない、Jet Pressでは基本的にデータ通りに印刷するという工程を組んでいる。そのため、新人のオペレーターでも高品質の印刷物を生産できているのだという。

■色にこだわる作家から“Jet Press指名”も
同社がJet Press 750Sの品質性能を生かして手がけた仕事の例として、カンボジアの写真家キム・ハク氏による写真集『MY BELOVED』が挙げられる。この写真集は、キム・ハク氏が生まれ、現在も活動拠点とするカンボジアを10年間にわたって旅しながら撮影した風景写真をまとめたもので、2025年の国際的なデザイン賞『ADC Annual Awards』でBRONZE CUBE(銅賞)を獲得している。
『MY BELOVED』は、B4横型袋とじ・256ページ、発行部数500部と、大型でページ数の多い写真集で微妙な色彩の再現性や安定性が求められたことから、Jet Pressでの印刷を選択したという。
「たとえば、グレー調の淡い色味は、オフセット機で印刷すると赤や青に転んでしまうことがあり、校正でOKをいただいても本番では色がズレてトラブルになるケースがあります。しかしJet Pressでは、校正でOKになった色を本番でもまったく同じように印刷できます。これは、私達にとっても安心感があって、本当にありがたいですね。写真集の仕上がりについては、キム・ハクさんをはじめ多くの関係者から『とても良かった』と高いご評価をいただきました」(川村代表)
同社では、さまざまなアーティストの図録の印刷にもJet Pressを活用している。
「美術館などの図録には、白壁に作品が展示されている風景のショットがよく使われるのですが、オフセット印刷では少し赤みを帯びてしまうことがあるんです。Jet Pressではそうした色の転びがなく、データ通りに再現でき、大きなメリットになっています。白壁が赤味がかった色になると、作品のイメージもかなり変わってしまいますからね」(丸塚執行役員)
作家側から「Jet Pressで印刷してほしい」と“指名”されることも少なくない。たとえば、写真家・大和田良氏の作品集『FLORA/ECHO』(Kesa Publishing、2025年)がそのケースであった。これは、ルーメンプリントという技法(従来の銀塩印画紙に太陽光やUV露光機を用いて像を焼き付けることによって、多様な色再現を生み出す技法)を用いて制作された作品の写真集で、その研究報告も一緒に掲載されている。
「当初は校正のみJet Pressで印刷する予定でしたが、刷り上がりを作家さんに気に入っていただけたので、本番もJet Pressで印刷することになり、最終の仕上がりについても非常に好評でした」(丸塚執行役員)

■Jet Pressの特徴を活かして仕事の幅を広げ、アーティスト支援にも注力
ライブアートブックスでは、Jet Pressの強みを活かして仕事の幅を広げていくことにも積極的に取り組んでいる。たとえば、難易度の高い広色域を表現するRGB印刷。すでにテストを終え、今後顧客への提案を進めていく計画である。また、B2サイズ対応という特徴を活かした大型本などの受注も目指している。
さらに、アーティストの活動支援にも力を入れており、アーティストが作品集を出版する際に、版元としてバックアップしたり、自社で運営する外苑前(渋谷区神宮前)のアートギャラリー『LAG(Live Art Gallery)』で企画展示や作品販売を行なうなど、幅広い活動を展開している。
こうした取り組みの背景にある思い、そしてJet Press 750Sへの期待について、川村代表はこう語った。
「私どもは、印刷の仕事に限らず、さまざまな側面からアーティストを支援し、信頼関係を深めることを大切にしています。それが印刷の仕事として戻ってくることにもつながると考えています。印刷以外のサービスも強化しながら、印刷の仕事を増やしていく。その中で、品質が高く用途の幅も広いJet Pressが大いに活躍してくれると期待しています」

2026.01.15
◆サイバーテック ドキュメント公開ポータル「DocuPortal」 さまざまなドキュメントをリーズナブルにWeb公開しCMSとシームレスに連携
株式会社サイバーテック(東京都渋谷区道玄坂1-20-1大沢ビル5F)は、マニュアルをはじめとするさまざまなドキュメントの公開を行うことができるドキュメント公開ポータルシステム「DocuPortal」を提供している。
「DocuPortal」は、ユーザーズマニュアルなどのマニュアル(取扱説明書)の公開をするための最適なプラットフォーム。マニュアルをはじめとするドキュメントの公開機能に絞ったシステムで、ログイン認証後、権限に応じた形でユーザーズマニュアルやメンテナンスマニュアルなどのさまざまなマニュアル・取扱説明書の公開をするための最適なプラットフォームとなっている。
多言語マニュアルや製品ごとの仕向け出力(出し分け)、PDFやHTMLなどのワンソース出力などは、サイバーテックが開発および販売を実施する、マニュアル作成システム「PMX」と連携させることで解決。むろんその他のツールで作成したマニュアルをはじめとするさまざまなドキュメントデータも追加でアップロードすることが可能である。「DocuPortal」は電子帳票保存法にも対応しており、情報公開ポータルシステムとして必要最低限の機能に集約させているので、リーズナブルに構築および運用保守が行えるのが特長である。

ドキュメント公開ポータル「DocuPortal」の構築図
「DocuPortal」の特徴
ドキュメント公開ポータルとして特化することで、リーズナブルに提供!
マニュアル公開をはじめとするドキュメントポータルシステムは、一般的に多機能が求められる反面、高価格になりがちである。「DocuPortal」は、アップロード権限の制限や閲覧のみを許可する権限、管理者よるアカウント管理など、ドキュメント公開ポータルサイトに求められる権限管理機能を有しつつ、ファイル内検索などの高機能検索を有した、ドキュメント公開ポータルシステムである。ドキュメント公開機能に特化させることにより、ユーザーの製品やサービス内容といったWebコンテンツはコーポレートサイトや製品紹介サイトに掲載されたものを連携することで、リーズナブルな価格を実現している。製品やサービス紹介コンテンツのWebサイト構築や運用はユーザー側で実施するのも可能であるが、同社の「Webソリューション事業」で、Webサイト全体の構築やリニューアル~運用保守の代行を依頼することも可能である。
PDFに限らず、素材データなども含めたさまざまなコンテンツの公開が可能!
ドキュメント公開ポータル「DocuPortal」は、マニュアルや取扱説明書で多用されるPDFやMS Wordデータに限らず、さまざまなドキュメントや画像などをはじめとするコンテンツのアップロードが可能となっている。単なるマニュアル公開用Webポータルとしての用途に限らず、外部向けにさまざまなコンテンツを公開するポータルサイトとして、あるいは社内向けに秘匿性の高いドキュメントを公開する「社内ポータル」や、画像素材などのデジタルデータを保存しておく、DAM(Digital Asset Management:デジタルアセットマネジメント)サーバーとしての活用も可能である。
安心の国産製品、セキュリティ対策も万全!
ポータルサイトを構築するためのパッケージは海外製品が多数存在するが、「DocuPortal」は、国内ベンダーである同社が開発および販売を実施しているため、安心かつ手厚いサポートサービスを提供することが可能。国内ユーザー第一主義でさまざまなニーズをヒアリングした上で製品力の強化に継続的に取り組んでいる。さらに、ドキュメント公開ポータルとして求められるセキュリティ対策も、弊社が責任をもって対応している。
マニュアル作成システム「PMX」とのシームレス連携!
サイバーテックが開発~販売を行う、多彩な機能を持つマニュアル作成システム「PMX」で作成した、任意のバーション・言語のマニュアルや取扱説明書を、ドキュメント公開ポータル「DocuPortal」とシームレスに連携することで、Webポータルに簡単にマニュアルや取扱説明書を公開することが可能である。マニュアル作成システム「PMX」からは、常に最新のPDF形式とHTML形式のマニュアルをワンソースで公開することが可能となるため、マニュアルに携わる方々にとって、ライティングや翻訳作業のみに集中することができる。
なお、「DocuPortal」は、2月18日(水)から20日(金)まで、東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で開催される「page2026」に出展(展示ホールD、自動組版普及委員会のブース)する。
◆問い合わせ先
株式会社サイバーテック
2026.01.15
◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Form Magic 5導入事例――上毎印刷工業株式会社 圧倒的な処理能力により、1日かかっていたジョブが2~3時間で完了 エラーによる時間的ロスがなくなり、作業効率も安心感も高まった
群馬県に本社を置き、地域に根差した総合印刷業を展開する上毎印刷工業株式会社(本社:群馬県前橋市天川大島町305-1、代表取締役:小口有高氏)は、富士フイルムの高機能自動組版ソフト『Form Magic 5』(以下 Form Magic)を活用し、DMやチケット、One to Oneカレンダーなどのバリアブルデータ制作の効率化を図るとともに、新たな付加価値提案に向けた体制づくりも進めている。Form Magicの導入によって、制作現場ではどのようなメリットが得られているのか。最新版の機能に対する評価なども含め、代表取締役 小口有高氏、工務部 営業企画開発課・制作課 課長 児玉律子氏、工務部 制作課 稲川典恵氏に伺った。


小口社長 児玉課長 稲川氏
■従来のソフトは処理の遅さとUIのわかりにくさがネックだった
上毎印刷工業は、1926年(大正15年)に活版印刷業として創業し、間もなく100周年を迎える老舗印刷会社だ。1947年からオフセット印刷へのシフトを進め、最新の設備をいち早く採り入れながら、地元の企業・官公庁などの多種多様なニーズに応えてきた。現在は、DTPからオフセット/デジタル印刷、後加工までの一貫体制を構築。商業印刷物をはじめ、書籍類、DM、POP、カレンダー、各種ノベルティなどを幅広く手がけるほか、最近では3DCGやVR、動画などのデジタルコンテンツ制作、データ分析や効果測定といったマーケティングサポートにも事業領域を広げ、紙とデジタルを複合的に活用した販売促進提案に力を入れている。

印刷設備としては、オフセット機が菊全4色機1台と2色両面機1台、デジタル機がカラー機・モノクロ機各1台という陣容。さらに、Japan Colorに基づいたカラーマネージメント、万全の校正・検品体制により、小ロットに対応する機動力と安定した品質を実現し、クライアントから厚い信頼を得ている。
同社が手がける販促用印刷物には、DMやチケットなど、可変情報(宛名、ナンバリングなど)を含むものも多い。こうしたバリアブルジョブも、データ制作から一貫して手がけているが、従来は、Adobe InDesignのプラグインソフトを使用してバリアブル印刷データの作成を行なっていた。ただ、このソフトウェアは、安価で導入しやすい反面、データの処理能力や使い勝手などの面で課題も多かったという。
「従来のソフトは、処理の遅さが最大のネックでした。2万件ぐらいのデータを書き出そうとすると、一晩かかってしまう。夜間に処理を進めておき、翌朝、無事に完了していればまだいい方で、途中でエラーが出て止まっていた、ということも珍しくありませんでした」(児玉課長)
また、インターフェイスもあまり馴染みやすいものではなく、「初心者がすぐに使いこなせるようなものではなかった」(児玉課長)ため、操作できる人員が限られていた。すなわち、オペレーションが属人化していることも課題の一つだった。
こうした状況を改善するべく、新たなバリアブルソフトを検討していたところ、FFGSからForm Magicの提案が。最終的に導入を決めた理由について、小口社長はこう語る。
「お客さまの販促をサポートしていく上で、今後、宛名だけでなくデザインなども含めてさまざまなバリアブルに対応していくことが必要だと考えました。そのためには、高機能で汎用性に優れたツールが欠かせません。Form Magicは、従来のソフトに比べて価格は高いですが(笑)、その分、高度な機能が備わっており、作業効率の改善も期待できたので、制作環境の強化のため、思い切って導入することにしました」
児玉課長も、事前に展示会でForm Magicの操作感を確認し、好感触を得たという。
「まず、処理スピードの速さに驚きましたね。これなら、制作時間が相当短縮できるだろうなと。また、自動処理の機能が豊富で、UIもわかりやすいので、作業のストレスがかなり減るだろうと感じました」

「アップデートのたびに便利な機能が追加され、導入当初よりさらに使いやすくなっている」と稲川氏
■エラーによる後戻りがなくなり、印刷側の無駄な待ち時間も解消
Form Magicの圧倒的な処理能力は、導入してすぐに実感できたという。オペレーションを担当する稲川氏はこう話す。
「これまでの何倍…どころではなく、比較にならないぐらい速いですね。InDesignで丸1日かかっていたジョブが、内校なども含めてわずか2~3時間でこなせるようになりました。データ量が極端に多くなければ、体感的には一瞬で終わってしまいます」
また、“予期せぬエラー”がなくなったことで、安心感も高まったという。
「これまでは、まず50件ほど通して問題なさそうであれば残りを処理するというやり方をしていたのですが、それでも途中でエラーが出て停止してしまうケースがありました。その点、Form Magicでは、プレビュー機能で組版結果を確認してからスタートできますし、万が一、問題になる箇所があれば、その位置を明確に知らせてくれるので、時間をかけてエラーの原因を探す必要もありません。そのため、確認や修正の作業が大幅に減りました」(稲川氏)
Form Magicの処理の速さと安定性は、印刷部門の生産効率にも波及効果をもたらしている。
「データ書き出しの時間が読めるようになったので、印刷工程でのスケジュールが立てやすくなりました。以前のように、エラーで処理が遅れて印刷開始時間がずれ込むといったトラブルがなくなり、時間的なロスが大幅に削減できています」(児玉課長)
大ボリュームのデータを簡単に分割処理できる点も、運用上の大きなメリットになっているという。
「大量のバリアブルデータを一括で出力すると、POD機を長時間占領してしまうので、データ処理を小出しにすることがあるのですが、たとえば、1万件のデータを1,000件ずつ書き出したいとき、Form Magicに数字を入力するだけで分割処理してくれます。このような設定が柔軟に行なえるのも魅力的ですね」(児玉課長)
FormMagicで制作した記念後カレンダー。顧客ごとにオリジナル
の写真と記念後を入れたOne to Oneアイテムだ
■新規受注の獲得など、営業面にも大きなメリット
同社は、こうしたForm Magicの処理能力や機能性を活かし、かつて宛名やナンバリングが中心だったバリアブル印刷の仕事の幅を、徐々に広げている。
たとえば、メインクライアントの一社である生命保険会社に提案し採用されたのが、写真入り記念日カレンダー。顧客それぞれの“My記念日”と好きな写真を入れた、卓上タイプのOne to Oneカレンダーだ。このアイテムはバリアブルの要素が多いことから、独自に入稿フォームを作成し、Form Magicと連携させる仕組みを構築。顧客自身が写真や記念日などを入力し、その情報をForm Magic上でテンプレートに流し込むというフローにより、入稿からバリアブルデータ生成まで、効率的にミスなく運用することを可能にした。
「最初にForm Magicでテンプレートをつくるところは、慣れないので少し時間がかかりましたが、一度つくってしまえば、次の年からは日付を少し移動するだけで流用できるので便利ですね。最近のアップデートで、文字やオブジェクトの整列がより簡単になり、移動も0.1mm単位でできるようになったので、微調整もしやすくなりました」(稲川氏)
また、従来はInDesignプラグインソフトでバリアブルデータ生成後、文字あふれの修正や文字詰めの調整など、人手による作業が必要だったが、Form Magicではこれらが自動処理されるため、大幅な省力化が図れ、ミスのリスク削減にもつながっているという。
このように、煩雑な手作業をほとんど必要とせず、付加価値の高いアイテムを制作できるようになったことは、営業面でも大きなプラスになっている。最近、新規で受注した仕事としては、昨年から手がけている地元プロバスケットボールチームのチケットがある。こちらは通し番号のナンバリングだけでなく、日付や座席番号、さらには絵柄も1部ずつ異なるというフルバリアブルのジョブだ。
「直近のものは、18枚綴りでトータル約1,500部というボリュームで、1枚ごとに異なる画像が入っているためデータとしてはかなり重いものでしたが、Form Magicは大容量のデータをものともせず、スピーディーに処理してくれました」(児玉課長)
■最新の出力機との組み合わせで、付加価値提案に磨きをかける
制作工程の大幅な時間短縮・省力化、新規受注の獲得など、Form Magicの活用効果はさまざまな面で表れているが、同社は今後も引き続き、バリアブルを活かしたより多彩な付加価値提案に取り組んでいく考えだ。
「たとえば、お客さまの年齢や嗜好に合わせてデザインを可変するなど、よりパーソナライズされた、効果的な印刷物を提供していきたいですね。Form Magicの本来の強みもそういうところにあると思うので、そのポテンシャルをもっと活かせるよう、FFGSさんにアドバイスをいただきながら研究を重ねていきたいと思います」(小口社長)
一方、今年秋には、新たな出力機として、富士フイルムのプロダクションプリンター『Revoria Press EC2100』が稼働を開始した。小口社長は、「一段と進化した生産環境を活かして、小ロット・高付加価値ニーズへの対応力をさらに高めていきたい」と期待を込める。
「これまで、制作側はForm Magicによって格段に効率が上がったものの、印刷側がそれに見合った生産性を発揮できないケースがありました。しかし、EC2100はスピードも速く、自動検査装置によって信頼性も担保できる。しかも、CMYKに特色1色を加えた5色プリントが可能なので、デザイン表現の幅もぐっと広がると思います。Form MagicとEC2100を上手く使いこなすことによって、よりクオリティの高い、独創性に富んだ印刷物をお客さまに提供できるようになると考えています」(小口社長)
■お客様プロフィール
上毎印刷工業株式会社
住所: 群馬県前橋市天川大島町305-1
■関連リンク
高機能自動組版ソフト「Form Magic5」に関する詳細はこちら
2025.12.31
◆新年のご挨拶 富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社 代表取締役社長 山田 周一郎
新年のご挨拶

富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社
代表取締役社長 山田 周一郎
明けましておめでとうございます。印刷業界の皆さまにおかれましては、希望に満ちた清々しい
新春をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。
さて、昨今はAIをはじめとしたデジタル技術の進歩が目覚ましく、新たな技術を活かして多様な消費者
ニーズに対応したサービスが次々と登場し、製造業においてはこれまで以上に少量多品種生産が求められるようになっています。印刷業界においても同様に、ますます加速する多品種小ロット化の中、生産の「ムリ」「ムダ」「ムラ」をなくし、高品質な印刷製品を効率的に生み出す有効な手段としてデジタル技術の活用が進んでいます。
しかし、AI技術やロボティクス化は、目的ではなく手段に過ぎません。大切なのは、それらを活かして、お客さまの期待を超える価値を提供していくことです。価値の高い印刷を実現するには、効率化だけでなく品質管理も重要です。デジタル印刷機の普及も進んでいますが、既存のオフセット印刷機も含めた印刷工程全体で品質管理を行なうことで、デジタル、オフセットそれぞれの強みを活かした生産環境が実現できます。
さらに、昨今の慢性的な人手不足や働き方の多様化といった社会的な変化の中で、企業に求められる組織の在り方も変わりつつあります。従業員一人ひとりが成長できる場として、柔軟な働き方や多様な人材の活用を推進していくことが、企業としての力になっていくと考えます。
印刷は、誰にでもできる仕事ではありません。長年の経験や技術が支えるプロフェッショナルな仕事です。そして、紙メディアは単なる情報伝達の手段ではなく、人を笑顔にしてくれる優しさや温もりを持ったメディアです。そんな印刷をもっと魅力あるものにするために、私たち富士フイルムグループは、デジタルとアナログ両方の技術・ソリューションを最大限に活かし、お客さまごとの課題に寄り添い、ニーズを柔軟に取り入れながら、印刷業界の皆さまとともに新たな可能性を切り拓いていきます。
2026年も、FFGSはお客さまのパートナーとして共に歩み続けます。印刷会社の皆さまが、自社の強みを活かして新しい価値を創り出していけるよう、さまざまな側面からお手伝いをさせていただき、産業全体の発展に貢献してまいります。
最後になりましたが、皆さまのご健勝とさらなる発展をお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
2025.12.31
◆新年のご挨拶 富士フイルムホールディングス株式会社 代表取締役社長・CEO 後藤 禎一
新年のご挨拶

富士フイルムホールディングス株式会社
代表取締役社長 CEO 後藤 禎一
2026年の新春を迎え、印刷業界の皆さまに謹んでご祝詞を申し上げますとともに、旧年中の多大なるご愛顧・ご支援に対し、心より御礼を申し上げます。
さて、昨年は、「日本の成長を持続させる起爆剤」と位置づけられた大阪・関西万博が開催され、世界中の国々から2,500万人以上が訪れました。私も会場の熱気を肌で感じてきましたが、この半年間にわたる祭典は、さまざまな分野の先端技術と創造力がもたらす未来社会の可能性、そして、国境を越えた人と人とのつながりを体感できる貴重な場となり、私たちに新しい展望と活力をもたらしてくれました。一方で、頻発する自然災害、激動の政局、グローバルな経済政策の変化など、経済・社会の不安定さが際立つ一年でもありました。
この、目まぐるしく変化する予測困難な時代において、富士フイルムグループは、中期経営計画『VISION2030』の達成に向けて着実に歩みを進めており、事業競争力の強化やビジネスモデル変革、社会価値の創出を通じた企業価値の向上に、グループの総力を結集して取り組んでいます。中でも注力しているのが、AIの活用によるお客さまのDX支援です。医療分野で実績を積み上げてきた当社のAI技術の知見を、グラフィックコミュニケーションの領域にも拡張し、業務効率化や機器最適化など、さまざまな視点から“新しい働き方”をご提供していきます。
いま我々がやるべきことは、目の前の状況に右往左往することではありません。変化に迅速かつ柔軟に対応しながら、長期的視野を持って成長戦略を確実に実行すること、これに尽きます。私たちは、世界的な通商環境の変化などの外部要因も、成長のチャンスと捉えています。こうした難題へのチャレンジを通じて企業体質の強靭化に取り組むことが、必ず将来にわたる大きな強みになると考えるからです。先が見通しにくい時代だからこそ、チャレンジ精神を忘れず、前向きな姿勢で逆境を力に変えていく。それが、企業の持続的な成長につながるはずです。
富士フイルムは今後も、「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」というグループパーパスのもと、先進・独自の技術に基づいた商品やサービスの提供を通じてイノベーションを生み出し、社会課題の解決に貢献するとともに、印刷業界に多くの笑顔と感動をお届けできるよう、挑戦を続けてまいります。
最後になりましたが、皆さまのご多幸とさらなるご繁栄を祈念いたしまして、新年のごあいさつとさせていただきます。
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