ニュースリリース

2026.04.23

◆富士フイルムグラフィックソリューションズ   Revoria Press PC1120導入事例――株式会社アートプロセス いままでにない表現力を活かし、「価値で選ばれる存在」を目指す 生産環境も営業スタイルも大きく変化し、価格で無理せず差別化が可能

熊本を拠点に、プランニングからコンテンツ制作、印刷・加工までを手がける株式会社アートプロセス(本社:熊本県熊本市中央区春竹町春竹495、代表取締役社長:本田和敬氏)は、小ロット・パーソナライズ・高付加価値ニーズの高まりを見据え、2024年、新たな主力生産機として富士フイルムのプロダクションプリンター『Revoria Press PC1120』(以下PC1120)を導入。同時に、それまでオフセット機とデジタル機の併用体制であった社内の印刷設備を、デジタル機へと一本化した。これは、会社として事業構造や価値提供のあり方を見直した上での経営判断だったという。代表取締役社長・本田和敬氏、専務取締役・山本武史氏に、この決断に至った経緯や現時点での効果などについて伺った。

  

 

■筐体のつくりから確信した「生産機としての圧倒的な信頼性」

 アートプロセスは、1975年、現会長の工藤元隆氏により製版会社として創業。効率化を追求した設備投資を積極的に進め、時代の変化に即した事業基盤を構築するとともに、高度な画像処理技術・カラーマネージメント技術を活かしたサービス展開で、九州エリアのクライアントから厚い信頼を得る。95年に企画・デザイン部門を新設し、上流工程をトータルに手がける業態に。97年には他社に先駆けてデジタル印刷機を導入し、一般企業向けの営業を開始。これを機に、受託型から課題解決型へとビジネスモデルを転換していった。その後、商業印刷からサイン&ディスプレイ、デジタルコンテンツ制作へと事業領域を拡大。「革新と創造によって未来を開拓する」を理念に掲げ、市場の変化に応じて柔軟に業態変革を図りながら成長を続けている。

   
   
本社社屋

 そんな同社がPC1120の導入を決めた背景には、単なる老朽設備の更新ではなく、会社の将来を見据えた大局的な経営判断があった。オフセット印刷機の稼働率が徐々に低下し、価格競争が激化。オフセット向きの仕事がなくなったわけではないものの、「自社で刷る必然性」が薄れていく状況に、経営として強い違和感を覚えていたという。

 「そもそも社内で印刷を続けるべきか、というところから議論を始めたのですが、印刷物の製造をやめてしまうということは考えられなかった。では、持つべき印刷機はオフセットかデジタルか。オフセット機を入れると大きな投資になり、営業は機械を回すために『印刷物の仕事を取る営業』をせざるを得なくなる。それは本末転倒。であれば、デジタル印刷機で差別化を目指すべきだという結論に至りました」(本田社長)

  

   本田社長

 オフセットの代替としてデジタル印刷機を活用するのではなく、「デジタル印刷ならではの新しい価値を生み出す」という観点から、同社は社内生産をデジタルに一本化することを決断した。では、その生産機としてPC1120を選んだのはどんな理由からだったのか。

4社のデジタル印刷機を候補に挙げ、展示会などで各社さんのデジタル機を見学させていただきましたが、その中でPC1120は、筐体のつくり、内部構造が他の機種とまったく違うと感じました。搬送系も含めてオフセット印刷機のように堅牢に設計されているのが、パネルを開けて中を覗いただけでわかる。この先5年、10年と使っていく上で一番安心できるのはどれかと考えると、これしかないと思いましたね」(山本専務)

 また、本田社長はサポート対応のきめ細かさも決め手の一つになったと語る。

「従来機の運用でも感じていましたが、富士フイルムさんのサポートはやはり安心感があります。新機種の導入にあたっては、立ち上げの際にオペレータートレーニングなどで頻繁に来ていただくことになりますから、この点も非常に重要な要素でした」

 

 

   現在5種のトナーを活用。静電気除去装置も装備しており、PETなどの素材でも

 安心した出力が可能だ

■名刺だけでも実感できる、表現力の高さ

 PC1120の導入によって、同社の印刷設備はデジタル印刷に特化したシンプルなものになったが、表現の幅は飛躍的に広がっている。ゴールド、シルバー、ホワイト、クリア、TX(テクスチャード)といった特殊トナーを活用することで、質感や奥行きのある印刷表現が可能になり、従来とは明確に異なる価値提案ができるようになった。このことは、社内にさまざまな変化をもたらしている。

「特殊トナーと用紙の組み合わせによって、どんな表現が可能になるのか、デザイナーと印刷オペレーターが一緒になって日々研究しています。正解が一つではないので、その過程自体が勉強になりますし、当社独自のノウハウにもなっていくと思います」(山本専務)

 こうした検証の中から生まれた象徴的な表現の一つが、社員の名刺に採用しているプラチナホワイトだ。黒や濃紺などの色紙にシルバーを敷き、その上からホワイトを重ねることで、通常の白とは違った、メタリック感のある上質な印象を与えている。この名刺は、単なる自己紹介ツールにとどまらず、営業の現場で大きな役割を果たしているという。

「名刺交換をしたときに、一目で違いを感じていただける。そこから『当社ではこういう印刷もできるんですよ』と自然に話が広がっていきます」(本田社長)

 営業の現場で名刺そのものが訴求力のあるサンプルとなり、説明のきっかけになっているのだ。

「『かっこいいね』とまず言ってもらえる。それは営業にとって本当にありがたいですし、お客さまとの距離も縮まります。『自分たちも同じような名刺をつくりたい』と言っていただけることもあり、特殊トナーを使った名刺の引き合いは、確実に増えています」(山本専務)

 また、エシカルペーパーを使ったSDGs名刺作成サービス『WELL KAMI』でもPC1120を活用しているが、ここではトナーの定着性の高さが発揮されているという。

「エシカルペーパーは表面に凹凸のあるものが多いのですが、PC1120で出力すると色の乗りがとてもいい。紙によってはTXトナーを使いますが、使わなくてもきれいに出力できることが多いですね」(山本専務)

 

 

    特殊トナーを効果的に用い、素材の風合いを活かしながら付加価値の高い
 印刷物を創り出している

■品質や表現を起点とした付加価値提案が可能に

単にオフセットジョブをデジタルに切り替えるだけでなく、デジタル印刷ならではの付加価値を生み出し、提供する。この考え方は、営業のアプローチに大きな変化をもたらしているという。


   
山本専務

「価格や納期ありきの提案ではなく、品質やデザイン表現を起点とした会話ができるようになってきました。しかも、自分たちが『これはいい』と本気で思えるものを提案できるようになったので、営業としての自信が以前とはまったく違いますね」(本田社長)

「価格に関しては正直に『安くはない』ことをお伝えしますが、品質の高さや独創性に価値を感じて納得していただけることが多いです。価格面で無理せずに差別化が図れるようになったのは大きな成果ですね」(山本専務)

 価格競争に巻き込まれるのではなく、「価値」で選ばれる。そのための営業スタイルが、PC1120導入をきっかけに実現しつつあるのだ。

 一方、同社では、熊本市近郊のデザイン会社・制作会社にPC1120の無料トライアルサービスを案内するなど、「デジタル印刷の可能性」を広く伝える取り組みも進めている。

PC1120でどんなことができるのか、ご存じでない方も多いので、実際に見て、知っていただくことが必要だと考えました。デジタル印刷ならではの表現を体感していただければ、デザイナーさんの発想もさらに広がると思いますし、これをきっかけとして、より価値のある印刷物を一緒につくっていけたらと思っています」(山本専務)

 PC1120は、営業・提案の質を底上げするなど、アートプロセス社内に大きな変化をもたらしながら、外部のクリエイターに新たな刺激を与える存在としても機能しているのだ。

 

「効果」という付加価値を提供し続ける存在へ

 同社のこれまでの歩みは、変革と挑戦の歴史でもあった。製版会社としてスタートし、デザイン制作、サイン&ディスプレイ、Web事業へと領域を広げ、時代の変化に合わせて業態を変えながら成長を続けてきた。そして今回、PC1120の導入を機に、生産環境も、営業スタイルも大きく変化した。

「ニーズに合わせて組織や設備などを柔軟に変えていけるのは、私どもの強みの一つだと思っています。振り返ると、当社は20周年、30周年といった節目ごとにスタイルを変えてきました。そしてPC1120を導入したのが50周年を目前に控えたタイミング。まさに新しい変化・挑戦の始まりだと捉えています」(本田社長)

 いま再びスタートラインに立ったアートプロセス。目指しているのは、「特殊トナーを活かした高付加価値印刷」と「顧客データを活用したパーソナライズ印刷」を軸としたビジネス展開だ。

「大量消費型ではない、個々のターゲットに届く紙メディアの価値を、いかに高めていくかが重要なテーマです。紙はこれからも必要なメディアであり続けるはずですし、一番のユニバーサルデザインでもあると思っています。デジタルメディアと対立するものではなく、組み合わせて使われる存在。その中で、パーソナライズされた紙の役割は、もっと広がっていくと考えています」(山本専務)

 AI技術やマーケティングツールの活用も視野に入れ、印刷を刷る工程から伝える仕組みへと進化させていく考えだ。本田社長は次の50年を見据え、こう締めくくった。

「富士フイルムさんの『Revoria Cloud Marketing』のようなツールも含め、印刷の前後まで含めた提案ができるようになれば、私たちの役割もさらに広がるでしょう。販売促進に携わるお客さまにとって価値ある印刷物、すなわち効果が上がるツールを提供し続けられる会社でありたいと思っています」

 

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