ニュースリリース

2023.07.20

◆富士フイルムグラフィックソリューションズ  導入事例――協和印刷株式会社 Japan Colorを基準に数値管理を徹底し、品質安定化と生産効率アップを実現 「経験と勘」による色管理から脱却、人材が育ちやすい環境に

    北海道・札幌を拠点に、60年にわたり地域密着型の印刷ビジネスを展開する協和印刷株式会社(本社:札幌市西区発寒1414丁目2-50、代表取締役社長:大矢 仁氏)は、2021年から『GA Smile Navi』のカラーコーディネートによるCMS構築に着手し、Japan Colorを基準とした色の数値管理体制を確立。品質の安定化、生産効率アップ、さらには作業の標準化による属人化解消といった効果を挙げている。取り組みの背景や具体的な効果などについて、常務取締役・埴渕信弘氏、生産部 製版課 課長・長谷川浩史氏に伺った。

 

■印刷機間の個体差を「経験と勘」でカバーしていた
協和印刷は、1963年に『株式会社北広社』として札幌市内で創業し、今年で60周年を迎える総合印刷会社。制作から印刷、製本加工までの一貫した生産体制を持ち、ポスターやカタログ、パンフレット、会社案内・学校案内などの商業印刷物を中心に手がける。商品カタログなど、品質要求の厳しい仕事も多く、クライアントが求める色を忠実に再現する製版・印刷技術力に定評がある。
 印刷設備は、枚葉オフセット機がメイン。A全判が2台(うち1台がUV機)と菊半裁が1台の計3台体制。さらに、プルーフ用の大判インクジェットプリンターを持ち、極小ロットのポスターなどの出力にも使用する。オフセット主体ではあるが、短納期要求にも柔軟に応える機動力の高さが大きな強みとなっている。
 

     埴渕常務

   そんな同社が今回、GA Smile NaviによるCMS構築を決めた背景には、品質重視かつ短納期の仕事が多い中で、「求められる色をより効率的に、高精度に再現できる環境」を確立するという狙いがあった。とくに課題となっていたのは、印刷機間の色再現の差異だ。

「新旧の機械が混在しており、メーカーも異なることから、色再現の特性や安定性に差がありました。たとえば、シリーズ物の仕事で、A4ペラとページ物をそれぞれ別の印刷機で印刷するといったケースがあるのですが、両者で同じ写真が使われている場合、色を合わせるのが難しい。いままでは色を数値で管理しておらず、ベテランオペレーターが経験と勘で合わせ込んでいたため、時間も手間もかかり、個人のスキルに依存している状況でもありました」(長谷川課長)
 写真に関しては、クライアントの意向に合わせてあらかじめ製版部門でレタッチを行なうことも多いが、ページ物などは1冊に写真が数百点入るものもあり、製版側での対応にも限界がある。さらに、修正した写真の品質を安定的に再現するために、印刷現場でも調整に手間がかかる、という状況だったという。
 また、社内だけでなく、協力会社との間で色が合わないというケースも。
「たとえば、1社のお客さまから、ポスター、チラシ、パンフレットなどいくつかの販促ツールをまとめて受注した際に、B全サイズのポスターなど、自社で対応できないものを協力会社に依頼することがあります。そのときに、協力会社で刷ったものと自社で刷ったもので色の差が出てしまうことがあり、営業も現場も対策の必要性を感じていたのです」(長谷川課長)
 長谷川課長は、営業部門とのやり取りでもCMSの必要性を強く感じることがあったといい、こう続ける。
「私の部署は生産工程の入口にあたるので、営業と接する機会が多く、出来上がった印刷物に関して『どうしてこういう結果になったのか』と相談を受けることが多々ありました。やはり営業が自信を持ってお客さまにお届けできる品質を、つねに担保できる体制にしていかないといけない。お客さまのためにも、自分たちのためにもそれは絶対に必要だと感じていました」
 課題は品質面だけではなかった。埴渕常務は「人材確保・育成の面でも不安があった」と説明する。
「昨今、印刷オペレーターの高齢化が進み、若い人材がなかなか集まらないというのが、多くの印刷会社の悩みになっていると思いますが、当社も例外ではありません。現在のベテランオペレーターがいつでも世代交代できるという状態を早急につくらないといけない。作業が標準化されていなければ、若い人材を確保することも難しい。そう考えると、もはや時間の猶予はないだろうと、危機感を持っていました」 

 
左:高級車ディーラーのノベルティや写真集など、高い品質が求められる印刷物を数多く手がけて
いる
右:道内の道路地図シリーズ。同社からの提案で、上質感のある表面加工や角の傷みを防ぐ角丸
加工など、長期間の使用を想定した配慮が盛り込まれている

■印刷機のコンディションを整え、Japan Color基準でマッチングを図る
実際の取り組みがスタートしたのは、2021年の2月頃。当時、同社はCTPの無処理化に向け、富士フイルムの無処理版のテストを進めており、これがGA Smile Navi採用のきっかけの一つになったという。
    

    CTPは無処理版に統一。これも品質安定化に寄与している

「環境配慮や効率化、コスト削減などの観点から、CTPの無処理化を決め、各メーカーさんの無処理版を比較検討した結果、当社の印刷機に最もマッチした富士フイルムさんの版を導入することにしました。無処理版への置き換えにあたり、印刷品質の課題についてもFFGSさんに相談したところ、GA Smile NaviによるCMS構築をご提案いただいたわけです」(長谷川課長)
 品質の課題については、他のメーカーにも相談を持ちかけたそうだが、最終的にFFGSのソリューションを選んだ理由について、長谷川課長はこう説明する。
「当社で運用しているインクジェットプルーファーのメーカーさんや、印刷機メーカーさんともお話ししたのですが、最も積極的に対応してくださったのがFFGSさんでした。大きな決め手になったのが、CMSを構築する際の色差の基準を、他メーカーよりも厳しく設定されている点です。やはり我々としては、色のブレはできる限り小さくしたい。その分、シビアな管理が必要になりますが、品質の精度を優先し、FFGSさんにサポートをお願いすることにしました」
 まずは現状把握のため、20212月に1回目の印刷診断(スタートチェック)を実施。最も新しいUV機は、標準状態で印刷できており、安定性にも問題がなかったことから、油性機2台の状態を詳しく分析することに。その結果、網点品質などに課題が見られたことから、湿し水の濃度管理やブランケット洗浄の頻度など、メンテナンス面の見直しを図った。4月末に、油性機のコンディションにも改善が見られたことから、UV機を含めた3台の色をすべて、Japan Color準拠の色基準に合わせ込んだ。FFGS技術スタッフの協力のもと、3台の印刷機それぞれ、スクリーニング別に2種類ずつ、計6本のCTPカーブを最適化した。インクジェットプルーファーについても、診断を行なった上で、プロファイルを再作成し、印刷機とのマッチングを図った。
 こうした作業を経て、Japan Colorを基準とした数値管理の環境が整った。ただ、オペレーターによっては、新しい品質管理方法に対する抵抗感もあったようだ。
「数値上では色が合っていても、本当にそれを信じていいのかといった不安の声も少なからずありました。そこで、FFGSさんにも協力いただきながら、CMSの意義、数値管理の重要性について、勉強会などを通して少しずつ社内に浸透させていきました」(長谷川課長)
 仕組みづくりと同時に、人の意識面の変革も促すことで、CMSの運用を定着させていった。

 ■作業に安心感が生まれ、品質に自信が持てるようになった
CMSの構築から約2年。現在、具体的にどんな効果が出ているのか。長谷川課長は、「課題であった印刷機間の色再現の差異」が埋められたことで、印刷機の運用の自由度が増したと語る。
  
     長谷川課長

「たとえば、A全の機械で印刷した後に急遽、部分的な修正が入ってしまうことがあるのですが、そんなときに、該当ページだけ菊半の機械で刷るといった柔軟な対応が可能になりました。とくにページ物では、全ページに共通のベースカラーを入れるケースもあるため、印刷機間の色が合っていないと、刷り直した部分だけ色がズレてしまう。そのリスクを低減できるのはメリットの一つだと思います。印刷機の融通がきくようになり、全体的な生産効率も間違いなく上がっていますね」
色基準に則った数値管理は、品質に「明確な根拠」を持たせることになる。それが営業面でのメリットにもつながっているようだ。テキスト ボックス: 北海道・札幌を拠点に、60年にわたり地域密着型の印刷ビジネスを展開する協和印刷株式会社(本社:札幌市西区発寒14条14丁目2-50、代表取締役社長:大矢 仁氏)は、2021年から『GA Smile Navi』のカラーコーディネートによるCMS構築に着手し、Japan Colorを基準とした色の数値管理体制を確立。品質の安定化、生産効率アップ、さらには作業の標準化による属人化解消といった効果を挙げている。取り組みの背景や具体的な効果などについて、常務取締役・埴渕信弘氏、生産部 製版課 課長・長谷川浩史氏に伺った。

■印刷機間の個体差を「経験と勘」でカバーしていた
 協和印刷は、1963年に『株式会社北広社』として札幌市内で創業し、今年で60周年を迎える総合印刷会社。制作から印刷、製本加工までの一貫した生産体制を持ち、ポスターやカタログ、パンフレット、会社案内・学校案内などの商業印刷物を中心に手がける。商品カタログなど、品質要求の厳しい仕事も多く、クライアントが求める色を忠実に再現する製版・印刷技術力に定評がある。
 印刷設備は、枚葉オフセット機がメイン。A全判が2台(うち1台がUV機)と菊半裁が1台の計3台体制。さらに、プルーフ用の大判インクジェットプリンターを持ち、極小ロットのポスターなどの出力にも使用する。オフセット主体ではあるが、短納期要求にも柔軟に応える機動力の高さが大きな強みとなっている。
 そんな同社が今回、GA Smile NaviによるCMS構築を決めた背景には、品質重視かつ短納期の仕事が多い中で、「求められる色をより効率的に、高精度に再現できる環境」を確立するという狙いがあった。とくに課題となっていたのは、印刷機間の色再現の差異だ。
「新旧の機械が混在しており、メーカーも異なることから、色再現の特性や安定性に差がありました。たとえば、シリーズ物の仕事で、A4ペラとページ物をそれぞれ別の印刷機で印刷するといったケースがあるのですが、両者で同じ写真が使われている場合、色を合わせるのが難しい。いままでは色を数値で管理しておらず、ベテランオペレーターが経験と勘で合わせ込んでいたため、時間も手間もかかり、個人のスキルに依存している状況でもありました」(長谷川課長)
 写真に関しては、クライアントの意向に合わせてあらかじめ製版部門でレタッチを行なうことも多いが、ページ物などは1冊に写真が数百点入るものもあり、製版側での対応にも限界がある。さらに、修正した写真の品質を安定的に再現するために、印刷現場でも調整に手間がかかる、という状況だったという。
 また、社内だけでなく、協力会社との間で色が合わないというケースも。
「たとえば、1社のお客さまから、ポスター、チラシ、パンフレットなどいくつかの販促ツールをまとめて受注した際に、B全サイズのポスターなど、自社で対応できないものを協力会社に依頼することがあります。そのときに、協力会社で刷ったものと自社で刷ったもので色の差が出てしまうことがあり、営業も現場も対策の必要性を感じていたのです」(長谷川課長)
 長谷川課長は、営業部門とのやり取りでもCMSの必要性を強く感じることがあったといい、こう続ける。
「私の部署は生産工程の入口にあたるので、営業と接する機会が多く、出来上がった印刷物に関して『どうしてこういう結果になったのか』と相談を受けることが多々ありました。やはり営業が自信を持ってお客さまにお届けできる品質を、つねに担保できる体制にしていかないといけない。お客さまのためにも、自分たちのためにもそれは絶対に必要だと感じていました」
 課題は品質面だけではなかった。埴渕常務は「人材確保・育成の面でも不安があった」と説明する。
「昨今、印刷オペレーターの高齢化が進み、若い人材がなかなか集まらないというのが、多くの印刷会社の悩みになっていると思いますが、当社も例外ではありません。現在のベテランオペレーターがいつでも世代交代できるという状態を早急につくらないといけない。作業が標準化されていなければ、若い人材を確保することも難しい。そう考えると、もはや時間の猶予はないだろうと、危機感を持っていました」

■印刷機のコンディションを整え、Japan Color基準でマッチングを図る
 実際の取り組みがスタートしたのは、2021年の2月頃。当時、同社はCTPの無処理化に向け、富士フイルムの無処理版のテストを進めており、これがGA Smile Navi採用のきっかけの一つになったという。
「環境配慮や効率化、コスト削減などの観点から、CTPの無処理化を決め、各メーカーさんの無処理版を比較検討した結果、当社の印刷機に最もマッチした富士フイルムさんの版を導入することにしました。無処理版への置き換えにあたり、印刷品質の課題についてもFFGSさんに相談したところ、GA Smile NaviによるCMS構築をご提案いただいたわけです」(長谷川課長)
 品質の課題については、他のメーカーにも相談を持ちかけたそうだが、最終的にFFGSのソリューションを選んだ理由について、長谷川課長はこう説明する。
「当社で運用しているインクジェットプルーファーのメーカーさんや、印刷機メーカーさんともお話ししたのですが、最も積極的に対応してくださったのがFFGSさんでした。大きな決め手になったのが、CMSを構築する際の色差の基準を、他メーカーよりも厳しく設定されている点です。やはり我々としては、色のブレはできる限り小さくしたい。その分、シビアな管理が必要になりますが、品質の精度を優先し、FFGSさんにサポートをお願いすることにしました」
 まずは現状把握のため、2021年2月に1回目の印刷診断(スタートチェック)を実施。最も新しいUV機は、標準状態で印刷できており、安定性にも問題がなかったことから、油性機2台の状態を詳しく分析することに。その結果、網点品質などに課題が見られたことから、湿し水の濃度管理やブランケット洗浄の頻度など、メンテナンス面の見直しを図った。4月末に、油性機のコンディションにも改善が見られたことから、UV機を含めた3台の色をすべて、Japan Color準拠の色基準に合わせ込んだ。FFGS技術スタッフの協力のもと、3台の印刷機それぞれ、スクリーニング別に2種類ずつ、計6本のCTPカーブを最適化した。インクジェットプルーファーについても、診断を行なった上で、プロファイルを再作成し、印刷機とのマッチングを図った。
 こうした作業を経て、Japan Colorを基準とした数値管理の環境が整った。ただ、オペレーターによっては、新しい品質管理方法に対する抵抗感もあったようだ。
「数値上では色が合っていても、本当にそれを信じていいのかといった不安の声も少なからずありました。そこで、FFGSさんにも協力いただきながら、CMSの意義、数値管理の重要性について、勉強会などを通して少しずつ社内に浸透させていきました」(長谷川課長)
 仕組みづくりと同時に、人の意識面の変革も促すことで、CMSの運用を定着させていった。

■作業に安心感が生まれ、品質に自信が持てるようになった
 CMSの構築から約2年。現在、具体的にどんな効果が出ているのか。長谷川課長は、「課題であった印刷機間の色再現の差異」が埋められたことで、印刷機の運用の自由度が増したと語る。
「たとえば、A全の機械で印刷した後に急遽、部分的な修正が入ってしまうことがあるのですが、そんなときに、該当ページだけ菊半の機械で刷るといった柔軟な対応が可能になりました。とくにページ物では、全ページに共通のベースカラーを入れるケースもあるため、印刷機間の色が合っていないと、刷り直した部分だけ色がズレてしまう。そのリスクを低減できるのはメリットの一つだと思います。印刷機の融通がきくようになり、全体的な生産効率も間違いなく上がっていますね」
 色基準に則った数値管理は、品質に「明確な根拠」を持たせることになる。それが営業面でのメリットにもつながっているようだ。
「営業も現場も、印刷物がJapan Colorの基準内で再現できているという自信を持てるようになりました。お客さまに説明する際にも、根拠を示すことができる。また、色に関して何か問題があった場合でも、印刷機に問題がないことが数値で確認できるので、原因の切り分けがより短時間で行なえるようになっています」(長谷川課長)
 印刷オペレーターも、作業面でのメリットを実感しているという。
「従来に比べ、プルーファーと印刷機の安定性が向上し、マッチング精度も上がったことから、『自信を持って作業できる』『安心感がある』と感じているようです。また、色調整の作業負荷も確実に減り、刷り出し時間の短縮も図れています」(長谷川課長)
 品質面では、無処理化の効果も出ている。有処理版から無処理版に置き換えたことで、版キズに起因する汚れの発生が抑えられ、CMSとの相乗効果によって刷り直しも大幅に減っているという。
 一方、これから期待されるのが、人材面でのメリットだ。オペレーターの技能に依存していた作業が標準化されたことで、「若いオペレーターが育ちやすい環境になった」と埴渕常務は語る。
「若い人が“一人前のオペレーター”を目指そうとしたときに、従来の職人的なやり方では、どんな過程をたどっていけばいいのかがイメージしにくいと思います。しかし、『決まった手順を踏めば一定の品質の印刷物が生産できる』という数値管理の環境ができていれば、ゴールまでの道のりが見えてくる。会社としては、人材育成の時間短縮というメリットにもつながると考えています」

■生産体制をさらに進化させ、「より効果のある印刷物」の提供を目指す
 CMSは、一度構築して完結するものではなく、その後の維持管理も重要になる。そこで同社は、GA Smile Naviのプログラムに含まれる定期診断(プリントケア)を実施している。これは、各印刷機が基準値から外れていないかをチェックするとともに、オペレーターにあらためて品質管理の意識づけを行なう意味でも、効果を発揮しているようだ。
「印刷の状態を確認すると、熟練のオペレーターほど、時間とともに以前の感覚が戻ってきて、基準値を無視した濃度調整をしてしまう傾向にあることがわかってきました。そこで、診断結果をもとに再調整し、基準値の状態を維持するようにしています。CMSを継続的に運用していくには、やはり定期的な見直しが大事なのだと感じています」(長谷川課長)
 一方で、CMSのメリットを活かした次の展開もしっかりと見据えている。埴渕常務は、「今回構築した環境によって、デジタル印刷の活用も現実的な選択として見えてきた」と語る。
「今後の課題としてまず取り組まなければいけないのが、小ロット対応です。デジタル印刷機などの新しい設備を採り入れ、品質を維持しながら小ロットへの対応力も高めることで、お客さまに提供する製品の幅をさらに広げていきたい。今回、明確な色基準を定めたことで、デジタル機とオフセット機を併用した柔軟な生産体制をつくりやすくなったと考えています」
 長谷川課長も、「クライアントメリットをさらに追求していくための基盤が整ってきた」と手応えを語り、最後にFFGSへの期待も込めてこう結んだ。
「品質とスピードをより高いレベルで両立させ、小ロットにも対応することで、“お客さまにとってより効果のある印刷物”を提供できるようになると考えています。本当に求められているのは、印刷物そのものではなく『効果』ですから、良い印刷物をつくるだけでなく、その活用効果を分析し、次のプロモーションにつなげていける仕組みなども含めて、お客さまに提供していきたい。それが受注拡大という当社のメリットにもつながるのではないかと思います。FFGSさんにもアドバイスをいただきながら、お客さまの販促活動を、もっと広く、深くサポートしていきたいと思っています」

■プロフィール
株式会社 協和印刷株式会社
住所:北海道札幌市西区発寒14条14丁目2番50号
URL: https://www.kyowa-pt.co.jp/company/index.html
■関連リンク
・「GA Smile Navi」に関する詳細はこちら
・「GA Smile Navi」で最適生産① 最適な生産環境を生かすには、品質管理が重要です!
・「GA Smile Navi」導入事例:第一印刷株式会社様
・「GA Smile Navi」導入事例:様


「営業も現場も、印刷物がJapan Colorの基準内で再現できているという自信を持てるようになりました。お客さまに説明する際にも、根拠を示すことができる。また、色に関して何か問題があった場合でも、印刷機に問題がないことが数値で確認できるので、原因の切り分けがより短時間で行なえるようになっています」(長谷川課長)
印刷オペレーターも、作業面でのメリットを実感しているという。
「従来に比べ、プルーファーと印刷機の安定性が向上し、マッチング精度も上がったことから、『自信を持って作業できる』『安心感がある』と感じているようです。また、色調整の作業負荷も確実に減り、刷り出し時間の短縮も図れています」(長谷川課長)
 品質面では、無処理化の効果も出ている。有処理版から無処理版に置き換えたことで、版キズに起因する汚れの発生が抑えられ、CMSとの相乗効果によって刷り直しも大幅に減っているという。
 一方、これから期待されるのが、人材面でのメリットだ。オペレーターの技能に依存していた作業が標準化されたことで、「若いオペレーターが育ちやすい環境になった」と埴渕常務は語る。
「若い人が“一人前のオペレーター”を目指そうとしたときに、従来の職人的なやり方では、どんな過程をたどっていけばいいのかがイメージしにくいと思います。しかし、『決まった手順を踏めば一定の品質の印刷物が生産できる』という数値管理の環境ができていれば、ゴールまでの道のりが見えてくる。会社としては、人材育成の時間短縮というメリットにもつながると考えています」 

  
   
生産工程全体の効率が上がり、同社の強みである「品質とスピードの両立」に磨きがかかった

■生産体制をさらに進化させ、「より効果のある印刷物」の提供を目指す

    CMSは、一度構築して完結するものではなく、その後の維持管理も重要になる。そこで同社は、GA Smile Naviのプログラムに含まれる定期診断(プリントケア)を実施している。これは、各印刷機が基準値から外れていないかをチェックするとともに、オペレーターにあらためて品質管理の意識づけを行なう意味でも、効果を発揮しているようだ。
「印刷の状態を確認すると、熟練のオペレーターほど、時間とともに以前の感覚が戻ってきて、基準値を無視した濃度調整をしてしまう傾向にあることがわかってきました。そこで、診断結果をもとに再調整し、基準値の状態を維持するようにしています。CMSを継続的に運用していくには、やはり定期的な見直しが大事なのだと感じています」(長谷川課長)
 一方で、CMSのメリットを活かした次の展開もしっかりと見据えている。埴渕常務は、「今回構築した環境によって、デジタル印刷の活用も現実的な選択として見えてきた」と語る。
「今後の課題としてまず取り組まなければいけないのが、小ロット対応です。デジタル印刷機などの新しい設備を採り入れ、品質を維持しながら小ロットへの対応力も高めることで、お客さまに提供する製品の幅をさらに広げていきたい。今回、明確な色基準を定めたことで、デジタル機とオフセット機を併用した柔軟な生産体制をつくりやすくなったと考えています」
    長谷川課長も、「クライアントメリットをさらに追求していくための基盤が整ってきた」と手応えを語り、最後にFFGSへの期待も込めてこう結んだ。
「品質とスピードをより高いレベルで両立させ、小ロットにも対応することで、“お客さまにとってより効果のある印刷物”を提供できるようになると考えています。本当に求められているのは、印刷物そのものではなく『効果』ですから、良い印刷物をつくるだけでなく、その活用効果を分析し、次のプロモーションにつなげていける仕組みなども含めて、お客さまに提供していきたい。それが受注拡大という当社のメリットにもつながるのではないかと思います。FFGSさんにもアドバイスをいただきながら、お客さまの販促活動を、もっと広く、深くサポートしていきたいと思っています」 

■プロフィール
株式会社 協和印刷株式会社
住所:北海道札幌市西区発寒1414丁目250
URLhttps://www.kyowa-pt.co.jp/company/index.html
■関連リンク
・「GA Smile Navi」に関する詳細はこちら
・「GA Smile Navi」で最適生産① 最適な生産環境を生かすには、品質管理が重要です!
・「GA Smile Navi」導入事例:第一印刷株式会社様
・「GA Smile Navi」導入事例:様

 

 

2023.07.20

◆富士フイルムグラフィックソリューションズ  SUPERIA ZX導入事例――共立印刷株式会社 国内最大規模のオフ輪生産ラインで、期待どおりの品質性能・信頼性を発揮 完全無処理化により環境負荷・作業負荷が激減、より働きやすい環境に

  オフセット輪転機を中心とした国内最大規模の印刷工場を持ち、数百万部単位の大ロットニーズにも卓越した機動力で応える共立印刷株式会社(本社:東京都板橋区清水町36-1、代表取締役社長:景山 豊氏)は、2020年から環境対応の一環としてCTPの無処理化を進め、202210月、輪転・枚葉ともに無処理プレートへの全面切り替えを果たした。どのような経緯で富士フイルムの無処理プレートを選択し、また、無処理化によってどんなメリットが得られているのか。取締役 製造統括・舩木敏勝氏、製造本部 副本部長 兼 工場管理部長・田中和美氏に伺った。


■クライアントの環境意識の高まりに応える

 共立印刷は、1980年創業以来、着々と生産設備の拡充を図りながら、商業印刷・出版印刷を中心に手がける総合印刷会社。現在、東京の本社のほか、札幌・名古屋・大阪・高松に営業所を置き、生産拠点は埼玉県の本庄市・児玉郡に集約している。中でも、本庄第1・第2工場では、合わせて27台ものオフセット輪転機が24時間体制で稼働しており、1拠点としては国内最大級の生産能力を誇る。同じ敷地内には枚葉印刷の工場もあり(本庄第3工場)、小~中ロット、ニスコーティングや特色などのニーズに対応する。一方、本庄工場からほど近い児玉地区には、製本工場や物流倉庫を配置。刷版から印刷、製本加工、発送までが半径1km圏内で完結する、効率的な生産体制を確立している。

  
   舩木取締役
   2017
年には、DM専門の拠点として新たに「情報出力センター」を開設。万全のセキュリティ環境に、富士フイルムの高速ロール紙インクジェットプリンター『11000 Inkjet Press2台と各種後加工設備を備え、圧着ハガキタイプから封筒一体型まで、多種多様なDMの生産を担っている。

  また、生産能力の追求だけでなく、社会的要請である環境負荷の低減にも注力。印刷工場においては、排出物の削減はもちろん、独自開発の省エネ設備の導入、太陽光パネルの設置、屋内照明のLED化などにより、エネルギー消費量の節減にも努めている。

  今回、CTPの完全無処理化を図ったのも、「刷版工程の廃液をゼロにする」という環境対応に主眼を置いた決断だった。

「最近、お客さまの環境意識が明らかに高まってきたと感じています。社会全体でSDGsの動きが広まっていることとも関係していると思いますが、印刷物の製造工程に関しても、どれだけ環境に配慮しているかを気にされるお客さまが増えてきました。こうした環境対応ニーズに応えるためにも、CTPの無処理化は重要な課題と捉えていたのです」(舩木取締役)

 ■同業他社も高く評価する富士フイルムのプレートを選択
 品質や生産性を担保しながら、環境対策として何ができるか。そんな観点から、無処理プレートについて検討を進めてきた共立印刷。しかし、これまでは、「メリットよりもリスクの方が高い」と導入を見送ってきた。生産規模も大きいだけに、版材の切り替えには慎重な判断が求められる。満を持して導入に踏み切ったのは、2020年。枚葉UV機で、当時の最新無処理プレート『SUPERIA ZD-II』の運用を開始した。


 
   田中副本部長
UV印刷適性なども含めた検証の結果、プレート性能が実用レベルに達していると判断し、まずは枚葉機での採用を決めました」(田中副本部長)

 導入にあたっては、オペレーターに対しきめ細かいレクチャーを行ない、現場全体で無処理化の意義やメリットの共有を図ったという。

FFGSさんにもご協力いただきながら、無処理CTPの原理や特長などについて周知するとともに、すでに運用されている印刷会社さんを見学させていただく機会も設け、オペレーターに理解を深めてもらいました。やはりスムーズに切り替えを進めるには、実際に使用するオペレーターに納得感を持ってもらうことが何より大事ですからね」(田中副本部長)

 同社は従来、他社の有処理プレートをメインで使用してきたが、無処理化にあたっては、富士フイルムのプレートを選択した。この理由について、田中副本部長はこう語る。

「オフ輪で重要になってくる耐刷性をはじめ、プレート性能をさまざまな角度から検証し、総合的に判断しました。そのほかにも、輪転機と枚葉機をお持ちの複数の会社さんにヒアリングさせていただき、その中で圧倒的に高く評価されていたのが富士フイルムさんのプレートでした。これが最大の決め手になりましたね」(田中副本部長)
 

■重労働がなくなり、女性も働きやすい作業環境に
  シビアな目で検証を重ね、社内での目的意識の共有を図った上で運用を開始した無処理プレート。現場の感触はどうだったのだろうか。

「印刷現場ではやはり不安もあったようです。たとえば機上現像による印刷機への影響など、実運用を始めてみないとわからない部分もありましたから。しかし結果的には、懸念していたような悪影響などは見られず、問題なく運用できています」(田中副本部長)

「当初導入したZD-IIは、有処理プレートに比べると視認性が低いため、その点でも戸惑いの声はありましたね。ただ、当社の場合、もともと検版作業をプレート上での確認に依存していなかったため、印刷機への掛け間違いにさえ注意すれば、これまでの作業手順を大きく変える必要はありませんでした」(舩木取締役)

 枚葉機で1年あまりZD-IIの運用実績を積み上げた後、輪転機についても、20218月から切り替えを開始。202210月までに工場全体で完全無処理化を果たした。現在は一部を除き最新の『SUPERIA ZX』に移行している。

 無処理化のメリットについて舩木取締役は、「経営面でも、現場の作業面でも、明確に実感できている」と手応えを語る。経営的なメリットとして挙げられるのは、生産工程の環境負荷低減をさらに推し進められたことだ。

刷版工程の薬品類・現像廃液を、削減レベルではなく完全にゼロにできたことは大きいですね。当社は処理量が非常に多いので、CSRの観点でも、コスト面から見ても、これは重要な成果だと思います

 対外的なアピールも積極的に行なっている。

「自社のWebサイトや会社案内への掲載はもちろん、カンパニープレゼンや、新規のお客さまを訪問する際などにも、環境対応の一環として無処理CTPのメリットをご紹介しています。最近はこうした取り組みに高い関心を示されるお客さまが多くなっていますね」(舩木取締役)

 一方、刷版工程の現場については、「現像に関わる作業負荷が大幅に減り、労働環境の改善につながっている」と田中副本部長は強調する。

「やはり一番は、自現機の大がかりなメンテナンスから解放されたことでしょう。1回につき半日以上、機械を止めなければならず、生産性のロスにもなっていましたから、これがなくなったのはありがたいですね。現像廃液も、自分たちで汲み取り、台車で廃液タンクまで運搬していたので、その作業が不要になったのも大きなメリットです。こうした重労働がなくなったことで、女性にも働きやすい職場になりました。現在、刷版部門の人員は約半数が女性になっています。無処理化は、働き方改革という意味でも時代にマッチしており、有意義な取り組みだと感じています
 

  

   完全無処理化により、クリーンな作業環境が実現した刷版室。オペレーターは約半数が女性だ

ZD-II
からZXへ移行し、安心感がさらに高まった

 品質面の効果について尋ねると、田中副本部長は「現像液という変動要因がなくなったことで、網点再現の安定性が以前より高まった」と評価。さらに、こんな間接的な効果も出ているという。

「無処理プレートの場合、有処理に比べ、仕上がり品質が印刷機のコンディションに左右されやすい、という違いがあります。機械の状態が良くないと、機上現像が遅くなったり、網点再現性が悪化したりする。そのため、印刷オペレーターはいままで以上に印刷機のメンテナンスをきめ細かく行なうようになりました。結果、汚れなどのトラブルも起きにくくなり、品質の安定化につながっています」(田中副本部長)

 これらの効果は、ZD-IIの段階から表れていたが、現在メインで使用しているZXについては、どう評価しているのだろうか。

ZD-IIと比べて明らかに変わったのは、何と言っても視認性ですね。これまでもとくに不自由はありませんでしたが、やはり絵柄が鮮明に見えると安心感が違います。この点は、有処理プレートと遜色ないレベルになったと思います」(田中副本部長)

 安心感をもたらしているのは、視認性だけにとどまらない。田中副本部長が続ける。

「これはZD-IIでも感じていたことですが、キズ汚れの発生は、以前使用していた他社の有処理プレートに比べて明らかに減りました。やはりオーバーコート層の効果が出ているのではないでしょうか。ZXに移行してから、プレートが原因として疑われる品質トラブルは、ほとんどなくなりましたね

 さらに、同社が重視しているポイントでもある耐刷性については、「期待通りの性能が発揮されている」と田中副本部長。

紙の種類によって多少の変動はありますが、少なくとも、検証時に確認できた部数は問題なく安定して通せています。もちろん、トラブル防止のためギリギリまで通すことはせず、平均30万通し前後で版替えを行なうようにしています

  

   輪転機27台がフル稼働する本庄第1工場・第2工場。数百万部の大ロットジョブも圧倒的生産性でこなす

■無処理のメリットを活かし、さらなる自動化・省力化を目指す

 現在、CTPは第1工場に3台(輪転機用)、第3工場に1台(枚葉機用)の計4台が設置され、オペレーションは第1工場で集中的に行なっている(第3工場へはリモート出力)。今後はこの体制を見直し、さらに効率化を進めていく考えだ。

「オフセット輪転機は第1工場と第2工場に分かれていますが、CTPは第1工場に集中配置しているため、現状、第2工場の輪転機で使用するプレートは、出力後に台車で運搬しています。また、印刷機ごとのプレートの仕分けも人手で行なっているので、時間と手間がかかり、ミスのリスクもある。そこで、CTPセッターを一部、第2工場に移設し、併せて刷版自動振り分け装置も導入することで、プレート出力後の作業効率を一気に高めようと考えています。無処理化によって自現機がなくなり、CTPセッターの設置場所の制約が少なくなったおかげで、自動化・省力化の取り組みが、より進めやすくなりました。このメリットを活かし、生産現場をさらに働きやすい環境へと進化させていきます」(舩木取締役)

 いま、人材の確保や、そのための労働環境の改善は、環境対応と並び、多くの印刷会社にとって重要な経営課題となっており、共立印刷も例外ではない。同社において、2年がかりで進めてきたCTPの無処理化は、これらの課題に対する有効な解決策の一つとして、確かな成果をもたらしている。

 

 

2023.07.18

◆モリサワ  2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に協賛 ブロンズパートナーとして広報・プロモーション協賛契約を締結

   株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)において、大阪・関西万博PRブロンズパートナーとして万博に協賛する。

モリサワは、このほど、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(以下、2025年日本国際博覧会協会)と「大阪・関西万博PRブロンズパートナー」として広報・プロモーション協賛契約を締結した。
 大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、2025413日(日)から1013日(月)にかけて開催される。万博は、世界中からたくさんの人や新しい技術や商品が集まり、それが世界に向けて発信されるきっかけとなってきた。今回の大阪・関西万博においては、153か国・地域、8国際機関の公式参加が表明している(2023324日現在)。

 モリサワは、「文字を通じて社会に貢献する」を社是としており、「文字」は今回のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」においても、大切な要素のひとつであると考えている。また、本社所在地でもある開催地・大阪の経済活性化や、地域の発展、さらには大阪・関西万博が掲げる日本の成長を持続させる起爆剤となるよう、広報・プロモーションの領域で支援していく。大阪・関西万博において、人々のコミュニケーションを支える文字を通じて、未来社会の共創という理念の実現に尽力していくとしている。

大阪・関西万博について
開催概要はこちら 
https://www.expo2025.or.jp/overview/

 モリサワについて
 株式会社モリサワは、大阪市に本社を置くフォントメーカー。Windows10以降に搭載されているBIZ UDフォントやUDデジタル教科書体など、より多くの人にとって読みやすく設計されたUD(ユニバーサルデザイン)フォントも開発している。2,000書体以上が使えるフォントサブスクリプションサービスMorisawa FontsWebフォント、機器やアプリケーションへの組込みフォントなど、利用環境に合わせたフォントサービスを提供している。

 ●同件に関する問い合わせ先
 株式会社モリサワ EXPO2025推進室

 E-mail:EXPO2025@morisawa.co.jp

 SNSでも最新情報を公開している

 Twitter@Morisawa_JP

 Facebook@MorisawaJapan


記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。

記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。

 

 

 

2023.07.12

◆モリサワ  2023年度新書体として「欅明朝 Oldstyle」や「ボルクロイド」「プフ サワー」など個性派が揃う 16ファミリーをリリース

    株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、2023年秋にリリースする新書体の一部を発表する。広告や動画テロップなど、印象的な見出しに映えるデザイン書体を多く取り揃えた、個性豊かな16ファミリーになっている。
    広告やコミック、ロゴなどの目を惹きたいシーンには、パワフルでエッジの効いた作風の「ボルクロイド」、ミステリアスな意匠の「月下香(げっかこう)」、幾何学的な骨格に丸みのあるエレメントを組み合わせた「アルデオ」、そして可愛らしい太ゴシック風デザイン書体「つぶてん」が個性を発揮する。

   オールドスタイルの書体である「欅(けやき)明朝 Oldstyle」、「欅角ゴシック Oldstyle」は、金属活字由来の骨格や自由な運筆のかなが、上品でやわらかい印象を生み出しています。それぞれ2ウエイトをご用意し、使いやすさにもこだわっている。

また、統一しすぎない自由な字形と小さめの字面が昨年好評だった「プフ」シリーズから、新たに「プフ サワー」、「プフ ソワレ」をリリースします。レトロな可愛さやキャッチーな明るさの表現が得意な書体である。

近年、モリサワは台湾の繁体字フォントをベースにした書体開発に取り組み、重層的な文字文化を取り入れたデザインを編み出している。「美風(みかぜ)」は、台湾の玉川設計所が手掛ける繁体字フォントをベースに制作され、涼やかで洗練された雰囲気をまとっている。また、台湾の子会社であるArphic Typesの書体の漢字を組み合わせた「翠流(すいりゅう)きら星」と「翠流ゆゆポップ」は、遊び心やホッとするような優しさを伝えるのに適したデザイン書体である。

「瓦明朝」は毎日新聞社が開発した、モダンテイストの明朝体。横画やハライの先端が太めに設計されており、視認性が高いことが特徴。さらに、品位や信頼感がある太楷書体として「史仙堂(しせんどう)楷書体」もお目見え。賞状や証書はもちろん、各種商品パッケージや、目を惹きつける見出しなど大きなサイズでの使用におすすめである。

そして和文書体以外にも、欧文フォント「Lutes UD PE」の多言語展開としてThai / Arabic / Devanagari(デーヴァナーガリー)が新たに加わる。「Lutes UD」シリーズは、デジタルデバイス上での視認性に配慮し、ローコントラストかつクリアですっきりとした印象のセリフ体。各言語の文字の特色を活かしながら、本シリーズで多言語を展開することにより、デザインの一貫性を持たせることができる。

 これらの書体は今秋以降、「Morisawa Fonts」などの対象製品を通じて利用が可能である。Morisawa Fontsは、高品質でバラエティ豊かな2,000書体以上のフォントを提供するモリサワのサブスクリプションサービスである。各書体の由来や特徴、おすすめの使い方は、モリサワ公式noteで解説しているので参照を。

モリサワ公式note
2023モリサワ新書体情報解禁!個性派揃いの今年のラインナップを一挙ご紹介します!」

https://note.morisawa.co.jp/n/n0a99ce535239

 2023年の新書体は、かねてより要望の多かった人気書体のウエイト拡張も予定している。

 対象製品
Morisawa Fonts

MORISAWA PASSPORT 製品 (※1

MORISAWA Font Select Pack 製品

Webフォントサービス TypeSquare

提供時期

2023年 秋
 

(※1MORISAWA PASSPORTへの新書体搭載は、2023年分をもって終了する。以降の利用はMorisawa Fontsへ移行。
詳細は(https://www.morisawa.co.jp/products/fonts/passport/migration/

MORISAWA PASSPORTのサービス終了予定のお知らせ以前に複数年で契約され、現在も利用中のユーザーに、新書体サポートプログラムを実施予定である。対象条件などの詳細は(https://www.morisawa.co.jp/about/news/9507)を参照。

記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。
 

Morisawa Fontsへの契約移行に関する問い合わせ先
[MORISAWA PASSPORTご契約者様向け] Morisawa Fonts 移行サポートサイト

https://mf-migration.morisawa.co.jp/hc/ja

同件に関する問い合わせ先
株式会社モリサワ 東京本社 ブランドコミュニケーション部 広報宣伝課

E-mail:pr@morisawa.co.jp

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※記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。

※記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。

 

2023.07.09

◆富士フイルムグラフィックソリューションズ Revoria Press PC1120導入事例――株式会社井上総合印刷 多彩な特殊色と機動力の高さを活かし、新たな付加価値の提供を目指す 発想が広がり、現場のモチベーションアップにも大きな効果

  1966年の創業以来、共存共栄の精神を大切に、栃木県で地域に根差した事業を展開する井上総合印刷(本社:宇都宮市岩曽町1355番地、代表取締役社長:井上加容子氏)は、2020年の『Jet Press 750S』に続き、今年3月、トナー機の新戦力として『Revoria Press PC1120』を導入し、デジタル印刷の生産体制の強化を図った。持ち前の発想力と企画力で、これまでもさまざまなアイデアを生み出してきた同社が、最新POD機をどのように活用し、どんな価値を提供していくのか。井上社長に、導入の背景や現時点でのメリット、そして今後の活用戦略などを伺った。



 ■「機能」や「付加価値」を持った印刷物の需要が増えている
井上総合印刷は、宇都宮市内に本社工場と2つのオフセット印刷・製本加工の工場、東京都内に営業所を持ち、商業印刷物のほか、図録や記念誌、写真集、ノベルティ、自費出版の書籍などを幅広く手がける。また、『ミウラ折り』のライセンスを取得し、印刷・折り加工から管理まで一貫して行なえる体制を確立しているのも特色の一つだ。印刷の枠を超えた地域振興活動にも積極的に取り組んでおり、2017年にレンタルスペース&カフェ『Cafe ink Blue』を宇都宮市内中心部に開設、2020年には観光地支援の一環として、観光名所である大谷石採掘場跡地に『そば倶楽部稲荷山』をオープンさせた。

  
   井上社長
 
デジタル印刷については、Jet Press 750Sと、Revoria Press PC1120を含むPOD3台を本社工場に配置し、優れた機動力と高品質・バリアブルといった特徴を活かした多彩な提案を行なっている。その成果もあり、コロナ禍の影響や、原材料費や物流費・光熱費の高騰といった厳しい環境下でも、堅調に受注を得ている。井上社長は、昨今の市場ニーズの傾向についてこう語る。
「単に情報を伝えるだけの印刷物というのは、かなり厳しい状況になってきていると感じます。この傾向は以前から続いていますが、コロナ禍で拍車がかかり、加えていまはあらゆるものの値段が高騰しているので、情報を伝えるだけの手段としては、紙はますます選ばれにくくなってきています。ではどんな『紙』なら必要とされるのかと考えると、たとえばパッケージやオリジナルカレンダーなど、広告宣伝やビジネス書類とは違った『機能』を持ったモノとしての紙が注目され始めているように思います。つまり『それ自体を使える印刷物』。そしてそこにお金を出すからには、デザインや形状・素材などにもこだわりたいという方も増えていると感じています」

 飲食店などで使われる紙マットや油避けの紙など、いままで「機能だけが求められていた紙」に、新たに付加価値をつけたいといった印刷需要も増えているという。

「これから、『多少高価でも付加価値の高いモノを』と考える方がもっと増えてくると思います。そうしたお客さまの価値観にどれだけマッチした商品を創り出せるかが大事ですね。いま、多くの企業が『いかにコストをかけずに商品を売るか』ということを考えていますが、本当に価値を伝えたいとか、高級なものを売りたいというときには、Webやメールではなく紙の印刷を選ばれるお客さまが多いので、そのニーズに対してどんな提案ができるか。そこがデジタル印刷機の重要な使いどころにもなってくると思います」

   本社工事に設置されたRevoria Press PC1120。付加価値創出の要となる新戦力だ

■機械の設計面でもサポート面でも、信頼性の高さを確信
 同社では現在、Jet PressPOD3台を、オフセット印刷機とカラーマッチングを図った上で、仕事内容に応じて使い分けている。Jet Pressは、B2サイズ対応・高画質・バリアブルといった特徴を活かしてコロナ禍でも新たな需要の創出に活躍してきたが、井上社長は、これからの印刷需要を考える中で、より小回りが利き、かつ高い付加価値を生み出せるデジタル機が必要だと感じていたという。

「ちょうど、PODの主力機であったColor 1000 Pressが入れ替えの時期を迎えていたこともあり、他社機も含めて新たな機種の検討を進めていました」

 付加価値提供の観点から、シルバーやゴールドなどの特殊色の使用を前提として選定することに。複数のメーカーからプレゼンを受け、実機デモも確認し、さまざまな角度から検討した。

「最終的にRevoria Press PC1120に決めた理由は、機械と人への信頼ですね。まず機械の信頼性については、これまでいろいろなメーカーのPOD機を見てきているので、蓋を開けて内部構造を見せていただくとだいたいわかるんです。その点、PC1120は、大事な部分をしっかりとつくり込んでいるというのが一目瞭然でした。開発担当の方のプレゼンも、非常に熱意がこもっていて、プリンターの延長ではなく生産機として考え抜いてつくられているということが、はっきりと伝わってきました」

 もちろん、井上総合印刷にとって重要な戦力となる設備である以上、感覚的な判断だけでは決められない。

「出力品質については、私の独断ではなく、できるだけたくさんの目で検討しようと。最終的に候補に残った2社のメーカーさんに同じデータを同じ日に出力していただき、名前を伏せて印刷オペレーターやデザイナー、企画スタッフに見てもらって投票させたんです。結果、圧倒的にPC1120の方がいい! ということになりました。やはり、情熱を込めてつくられているだけの良さが、品質にも表れているのだと実感しましたね」

 人への信頼という点では、従来機『Color 1000 Press』運用時からのサポート対応の安心感が大きかったという。

Color 1000 Press10年近く使ってきたので、修理が必要になることもありましたが、富士フイルムのエンジニアの方は、こまめに状況を見に来てくださって、“転ばぬ先の杖”で大きなトラブルになる前にメンテナンスしてくださるんです。これはとても心強いですよね。機械の状態をつねに把握していただいているという安心感もあります。この信頼関係は、長く使っていく上で非常に重要だと思います」

■特殊トナーの活用で、クリエイティブの幅が大きく広がる
 Revoria Press PC1120導入から約3カ月。立ち上がりはスムーズで、すでに期待どおりのメリットを実感しているという。

  
     Revoria Press PC1120で出力したオリジナルラベル

PC1120のインターフェイスはColor 1000 Pressと同様にわかりやすいもので、オペレーションに不安などはまったくなく、導入してすぐに本格稼働に入ることができました。つい先日は、地元の銀行様からのご相談で、あるパーティーの記念品のお酒をご用意したのですが、書道家・涼風花先生の書をPC1120でオリジナルラベルとして出力し、150本ほど作成しました。印刷品質も生産性も従来機より上がっているので、このような依頼にも難なく応えることができます」
 トータルで数万部という大ロット・バリアブルのDMなども、安定して効率よく出力できているという。
「高品質のものが早く安定して生産できるというのは、当たり前のことではありますが、電気代が高騰し、働き方改革にも力を入れている現在の状況では、その重要性がいっそう増しています。1枚目から同じ色をキープでき、紙詰まりなどで機械が止まることもないので無駄な時間や労力を費やすことがない。ごく基本的な部分ですが、当社にとっては大きなメリットです」特殊トナーの本格活用については、取材時点ではまだ準備段階であったが、井上社長は幅広い用途展開に期待を寄せている。
「ちょうど明日、富士フイルムさんが特殊トナーの勉強会を開いてくださることになっているんです。デザイナーたちに、データの作成方法などをレクチャーしていただきます。運用はこれからですが、いろいろと構想は練っています。たとえば、コロナ禍以降、クーポン券などのニーズが増えているので、シルバーやクリアなどの高精細出力を活かして、偽造防止印刷をお客さまに提案できればと考えています。バリアブルソフトの『FormMagic』も併用すれば、ナンバリングやバリアブルQRコードなども入れられます。小回りが利いて特色もバリアブルも自在に活用できるマシンというのが、Revoria Press PC1120の立ち位置。これからイベントが増えてくる中でさまざまな面白い提案ができるのではと期待しています」
 構想は平面的な印刷物にとどまらない。立体的なオブジェクトなども視野に入っている。


  IGAS2022で展示されたライティングオブジェ
 「umbel」、ミウラ折りをアートへと昇華させた
  作品でもある。


「昨年、『
IGAS2022』の富士フイルムブースで、Color 1000 Pressで製作したインテリアのサンプル(ライティングオブジェ「umbel」)を展示させていただきましたが、このような立体物にもどんどんチャレンジしていきたいですね。昨年のサンプルは4色でしたが、PC1120でシルバーやゴールドを使えば、デザイン性、付加価値をさらに高められると思います。印刷は平面というイメージが強いですが、立体で、インテリアという機能があって、デザイン性も高い、そんな新しい印刷物をつくっていきたいと思っています」

■新たな付加価値提案、そして地域の活性化にもつなげたい
 井上社長が大きな期待を寄せる新戦力、Revoria Press PC1120は、社内の活性化にも貢献しているという。

「導入機種を決める段階から社員に参加してもらったこともあって、皆、愛着を持ってくれていると思います。また、デザイナーやオペレーターなどの専門職のスタッフが長く勤める上でも、PC1120の導入はいい刺激になり、効果的だと思っています。特殊色が4色もあって、いままでなかなか考えられなかったような表現ができる。発想の幅が広がるので、現場の士気も上がっていますね。これが、お客さまへのいい提案にもつながるのではないかと期待しています」

 さらに、井上社長は、Revoria Press PC1120の導入効果を、社内だけにとどめず地域全体にも広げていきたい考えだ。
「明日の勉強会では、まず当社のデザイナーが教わるわけですが、次は当社のデザイナーから外部のデザイン事務所さんやデザイン協会さんなどにPC1120を知っていただく機会を設けようと思っています。さらには、企画・制作会社さんなども巻き込んで、紙の価値をもっと高められるような活動にも取り組んでいきたいですね。これからは、同業者さん同士、仕事を取り合うのではなく、協力しながら業界を盛り上げていかなければいけません。ですから、このRevoria Press PC1120も、当社だけの武器として使うのではなく、地域の皆さんにも自社の機械のように使っていただけるような仕組みをつくっていきたいと思っています」

 



2023.07.04

◆富士フイルムグラフィックソリューションズ   Webポータルサイト「FCOS-Portal」をオープン ~資材発注の業務効率化、発注ミス削減に貢献~

    富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社(代表取締役社長:山田 周一郎、以下FFGS)は、顧客の資材発注用のWebサイト「FCOS-Portal」(エフコスポータル)18月より本格オープンする。
 「FCOS-Portal」は、顧客が取引している「FCOS-Portal」加盟店2に利用の申込みをすることで、日々の資材発注がインターネット上で可能となるサイト。また、発注できる商品はFFGSの取り扱い製品に限らず、加盟店が取り扱うさまざまな商品で発注が可能になっている。(取扱商品はお取引のある「FCOS-Portal」加盟店に問い合わせ)
  FFGSでは今後、さまざまなメーカーや販売店とのコラボレーションをさらに進め、印刷業界における資材発注ポータルサイトの確立によりWeb発注の拡大を推進し、業務効率化と印刷業界のDX化に貢献していくとしている。

■発注の一元化による発注業務の効率化を実現

印刷工程の業務効率化やDX化が進む中、顧客が製造工程で日々使用される資材の発注においては、FAXや電話、口頭による発注など、現在もアナログ的な方法が中心となっている。FAXであれば送信漏れや、受信側の機器トラブル等による発注漏れの恐れがあり、また、電話や口頭による発注であれば発注履歴が残らないため、発注内容をお互いが誤認することによる受発注ミス発生の恐れがある。
  さらに、これまでのWeb発注サイトにおいては、発注者が発注先ごとにサイトを切替える必要があり、発注業務が煩雑化し、一元管理が難しいという課題がある。
  今回オープンする「FCOS-Portal」は、こうした課題の解決策の一つとして、顧客が「FCOS-Portal」加盟店と取引があれば、どの加盟店でも「FCOS-Portal」から発注ができるようになり、発注方法の統一や一元管理が可能となるため、顧客の発注業務の効率化を実現できるというもの。
 ※1 FCOS FFGS Customers Order Site
 ※2 FCOS-Portal」加盟店(202371日 現在) 敬称略 五十音順
 IKCS株式会社、株式会社アセラ、株式会社一誠社、グラフィック機材株式会社、
 合同印刷機材株式会社、株式会社江東錦精社、港北メディアサービス株式会社、株式会社ゴプス、
 有限会社サン・メイト、株式会社ショーワ、株式会社信越ワキタ、株式会社シンクグロー、
 株式会社真和、誠伸商事株式会社、株式会社タカノ機械製作所、株式会社中国インキ商会、
 株式会社千代田サプライ、東洋インキ株式会社、内外インキ中国販売株式会社、
 株式会社西岡弘英社、日本シー・アンド・シー株式会社、株式会社ハセベ、
 文化総合印刷機材株式会社、株式会社吉田商会、リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社  他 計35

【主な特徴・機能】

 ●取引している「FCOS-Portal」加盟店をサイト上で選択し、発注できる。
 ●過去の購入実績を元に、事前登録された商品の中から選択するだけの簡単操作。

 ●納品先と商品、数量の組み合わせでお気に入り登録できるので、定期的な発注はより簡単になる。

 ●発注情報のCSVインポート/エクスポート機能。

 ●在庫管理機能。

 ●スマートフォンやタブレットから発注が可能。
 
【「FCOS-Portal」活用メリット】
 ●簡単操作で、従来のFAXや電話発注よりも効率化が図れる。
 ●注文履歴が確認できるので、発注忘れや発注ミス等が低減できる。

 ●取引のある「FCOS-Portal」加盟店やメーカーであれば、どこにでも発注できるので、発注業務の一元化による効率化が図れる。
 ●インターネット環境があれば、いつでも商品検索/発注が行え、納期もメール通知や画面上で確認が可能である。
 ●スマートフォンやタブレットでも発注できるので、PCがない現場など場所を選ばず利用できる。

 ●取引先からの各種情報(お知らせ、商品発売通知等)がタイムリーに受け取れる。

 
 同件に関する問い合わせは、下記より。
 富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社 業務一部

 TEL03-6419-0327 FAX03-6419-9890

 〒106-0031 東京都港区西麻布2-26-30 富士フイルム西麻布ビル

 

2023.05.24

◆サイバーテック  マニュアル作成支援システム「PMX」新バージョンをリリース

  ITで企業のDX対応をサポートする株式会社サイバーテック(代表取締役社長:橋元 賢次 本社:東京都渋谷区、以下サイバーテック)は、DX推進にも寄与するマニュアル作成支援システム「PMX」のバージョンアップを行い、Version6.2の提供を開始致する(出荷開始日:2023630日)。
   国産のマニュアル用CMS製品としてサイバーテックが提供する、マニュアル作成支援システム「PMX」は、20222月にメジャーバージョンアップを行い、Version6.0をリリースした後、202271日にVersion6.1をリリースした。
 今回のバージョンアップでは、今話題のChatGPTで活用されている、AI(人工知能)による自然言語処理技術をベースとしたニューラル機械翻訳との直接連携の実現や、コラボレーション機能の強化をはじめ、さまざまな機能強化がされている。また、ユーザーからのご要望にお応えする形で、数多くのオプションもリリース。これにより、スモールスタートによるリーズナブルなご利用も可能である一方、従来にも増して必要な機能のみを選択したマニュアル作成支援システムとして利用できるようになった。

 

<本件に関する問合せ先>
株式会社サイバーテック 管理部 広報担当:薮田
150-0044 東京都渋谷区円山町20-1 新大宗道玄坂上ビル7
TEL03-5457-1770 FAX03-5457-1772

URL
https://www.cybertech.co.jp/  E-Mailinfo@cybertech.co.jp

2023.04.19

◆サイバーテック  マニュアル作成支援システム「PMX」試用プログラムを一新! ~並走型の手厚いサポートとともに、DX推進とマニュアル用CMSの普及促進に貢献

  ITで企業のDXをサポートする株式会社サイバーテック(代表取締役社長:橋元 賢次 本社:東京都渋谷区、以下サイバーテック)は、このほど、DX推進にも寄与するマニュアル用CMSの普及活動の一環として、従来から存在したマニュアル作成支援システム「PMX」の試用プログラムを一新し、同時にWebサイトで広く募集を開始した。

※「PMX」無償試用プログラム募集用Webサイト https://www.cybertech.co.jp/xml/xmldb/pmx/pmx-trial/
  マニュアルをとりまく環境は、一昔前のペーパレス化推進によるPDFを中心とした配信形態ではなく、Webマニュアル(HTMLマニュアル)によるユーザビリティの向上を目指す企業をはじめ、マニュアルの多言語化を進める企業、あるいは属人的手法から脱却するためにマニュアル作成の分業化を進めるといった企業が増加している。それらの課題解決には、マニュアル用CMS(コンテンツ管理システム:
Contents Management System)の活用が推奨されるが、制作現場において大きな変革が求められるとともに、費用対効果の観点から、CMSベースのシステム導入には敷居が高いと考える企業が多い現状だ。
  サイバーテックでは、それらの懸念を少しでも解消し、CMSの普及促進に貢献するための活動として、このほどマニュアル作成支援システム「PMX」の無償試用プログラムを一新し、Webサイトで広く募集を開始することにした。

  また、最新のトレンドである機械翻訳の有効活用にとどまらず、顧客ロイヤルティ向上やマーケティング
にマニュアルを活用する動きも活発になりつつある。DX推進を目指す企業にとって、今回の取り組みを通して次世代のマニュアル作成プラットフォーム「PMX」を試用して、マニュアルからDX推進を検討するための、実質的な小規模PoCProof of Concept:概念実証)にも活用できるとのことだ。

■マニュアル作成支援システム「PMX」試用プログラムの特徴

◎並走型による手厚いサポートで、無償にもかかわらず小規模PoCと同等の効果!
  試用期間中はオンラインミーティングを3回準備しており、担当営業が並走する形でサポートする。また、質問票を活用して、操作時の不明点などを記録しながら試用を進めることが可能となり、実質的に無償で小規模PoCを実施する取り組みと同じ効果がある。したがって、マニュアル用CMSをはじめとするシステム導入の検討が初めてという企業も安心である。

◎豊富なオプションとテンプレートを試すことが可能!

  試用プログラムでは、マニュアル作成支援システム「PMX」の標準機能とは別に、あらかじめ豊富なオプション機能も追加されている状態で利用できる。初期テンプレートも複数準備しているので、好きなテンプレートを選択し、豊富な機能を試用することが可能である。マニュアル用CMS導入には、どのような機能が必要かといった観点でオプションを試すことができる。

◎試用を行ったコンテンツは1ヶ月保存!

  試用時に作成されたコンテンツは、試用終了後も1ヶ月間保存しているので、保存期間内でマニュアル作成支援システム「PMX」を本契約すると、試用時のコンテンツがそのまま利用できる。
試用時に作成された共通コンテンツやテンプレート、登録した素材データなどが無駄にならずに済む。

■マニュアル作成支援システム「PMX」とは?
  DTPソフトやMS Wordを使った属人的な制作フローではなく、ワークフローによるチーム・ドキュメンテーションを実現する、画期的な国産のマニュアル作成ツール。複雑な多言語マニュアルの作成~改訂運用も、コンテンツの標準化と共通化により、重複コンテンツの一元化を実現し、クオリティを向上させる。

  変化に強いXMLデータベースでコンテンツを一元管理することにより、PDF組版とWebマニュアル出力をワンソースで出力可能。赤入れや手戻りが無くなり、制作業務のカイゼンによる効率化と配信スピード向上・翻訳コストの削減や、改訂時のヌケモレ防止による品質向上を実現する。

◎共同制作:権限設定とワークフローで役割を分担、テレワークにも最適!
  マニュアル作成においてエンジニアの協力は欠かせない。「PMX」では、エンジニアへのライティング依頼~確認もスムーズに進めることができる。
Webブラウザで操作できるため、テレワークとの親和性が高く、ハイスペックPCも不要である。
◎多言語化:コンテンツの部品化と機械翻訳でリーズナブルに多言語展開!

  多言語マニュアルの作成~改訂運用は非常に煩雑であるが、「PMX」ではコンテンツの部品化と共通化により、多言語マニュアルの作成~改訂運用の品質向上を実現している。機械翻訳やCATの活用により、スピーディかつ低コストで多言語マニュアルの改訂運用が行える。

◎組版と電子化:ワンソースからPDF組版と電子マニュアルを一括出力!

PMX」では、コンテンツを一元管理しているため、HTML形式による電子マニュアルや自動組版による
PDFをワンソースで出力できる。また、動画の活用によりサッと理解することが求められるオペレーションマニュアルなども作成できる。

■マニュアル作成支援システム「PMX」が向いているドキュメント
◎製造業

マニュアル全般(操作マニュアル・取扱説明書・サービスマニュアル)・規格票・技術標準文書・作業指示

◎ソフトウェア

ユーザーズガイド・リファレンスマニュアル・オンラインヘルプ・FAQ・運用保守マニュアル

◎金融・サービス業

業務マニュアル・事務規程集・契約書・報告書・オペレーションマニュアル・約款・規約

◎教育・出版業様

デジタル教材・プリント・副教材・問題集・学習参考書・定期刊行物・加除式書籍

■マニュアル作成支援システム「PMX」システム概要図
マニュアル作成支援システム「PMX」は、基本機能に加え、コンピュータ支援翻訳(CAT)ツールや、サイバーテックが提供する、AIによる校正支援(ゆらぎ検出)APIとの連携をはじめ、さまざまな外部ツールとの連携が可能。国内シェアNo.1XMLデータベース「NeoCore」を内蔵することで、コンテンツの一元化と高速検索を可能である。

■マニュアル作成支援システム「PMX」基本機能一覧(※はオプション)
XMLデータベースによる、多言語コンテンツ管理(トピック、マップ、素材、属性、バージョン)

・コンピュータ翻訳支援(CAT)ツールとのシームレス連携 ※

・素材データ管理(画像、動画、Excelファイル)

・トピック作成編集エディタ

・マップ構成編集(新規作成・改訂)

Microsoft Word / FrameMakerデータの取り込み ※

Adobe InDesign連携 ※

Webマニュアル(HTMLアーカイブ)/ PDF / MS Word / XML による出力

・ワークフロー機能

AI(人工知能)による、校正支援(ゆらぎ検出) ※

・セキュリティ/ユーザー管理/グループ管理/アクセス管理

■マニュアル作成支援システム「PMX」紹介ページ
マニュアル作成支援システム「PMX」を案内するWebサイトは以下から。

 URL
https://www.cybertech.co.jp/xml/pmx/

サイバーテックは、DXの推進がますます進む今後の情報化社会において、企業内ドキュメントの革新的な生産性向上・再利用促進を目指しています。今回一新した「PMX無償試用プログラム」により、マニュアルをとりまくさまざまな問題解決にCMSを活用いただくための普及活動の一助になることを期待しております。
【問い合わせ先】

株式会社サイバーテック 管理部 広報担当 薮田

  所:〒150-0044 東京都渋谷区円山町20-1 新大宗道玄坂上ビル7

  話:03-5457-1770

 F A X 03-5457-1772

メール:
info@cybertech.co.jp
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2023.03.23

◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ  SUPERIA ZX導入事例――日経印刷株式会社 理想の完全無処理環境が実現し、製版・印刷両部門でメリットを実感 「視認性の高さ」「キズのつきにくさ」が安心感をもたらし、生産効率アップにも寄与

  2024年に創業60周年を迎える日経印刷株式会社(本社:東京都千代田区飯田橋2-15-5/代表取締役社長:廣瀬 智氏)は、その大きな節目を前にした20227月、「刷版工程の完全無処理化」を達成した。テスト期を含め、およそ2年をかけてじっくりと進めた無処理プレートの導入プロセスには、どんな紆余曲折があり、結果的にどのような工程改革が成されたのか。製版部部長・松岡哲也氏と印刷部 G2 印刷1課課長・大森健一氏に、製版部門・印刷部門それぞれの観点から、SUPERIA ZX採用の経緯や、現場に生まれたメリットについて伺った。

■プレートセッター更新を機に、一気に無処理化への機運が高まる
  個人経営の謄写印刷所『日経プリント』として1964年に創業して以来、冊子・書籍などページ物の仕事を中心に“こだわりの技術と信頼性”で着実に業容を拡大し続け、いまでは企画・デザインから仕分け・発送までワンストップで完結できる都内有数の総合印刷会社へと成長した日経印刷。出版・製薬・金融・各種メーカー等々、幅広いクライアントの多様な仕事を手がけ、中でも、国の行政機関である中央省庁が刊行する“白書”については「白書の日経」と異名をとるほどの実績がある。近年では、配信サポートや映像制作を主とした『NP CREATION』という新事業も展開し、印刷物とデジタルコンテンツの両構えでクライアントのニーズに応える同社だが、企業前進の原動力となっているのは、長年にわたり磨き上げてきた印刷技術である。

  
   
日経印刷のフラッグシップ工場『グラフィックガーデン』
 
 
その象徴、集大成とも言えるのが、2008年に竣工したフラッグシップ工場『グラフィックガーデン』だ。これにより、もともと 3カ所に分かれていた製造拠点が、このグラフィックガーデン(板橋区)と浮間工場(北区)の2工場体制に。そして、「印刷のエキスパートとしてお客さまのために何ができるのか」をさらに深く追究する、日経印刷の新たな挑戦が始まった。その挑戦の一つに「環境対応の再強化も含まれていた」と松岡部長は言う。
「環境負荷低減には早くから取り組んでいたのですが、グラフィックガーデンの開設を機に、よりいっそう徹底しようと。工場設計段階から排出物の抑制やリサイクルなどに徹底的に配慮し、綿密にデータを取りながら成果を高めていきました」

  最新のデータを見ると、何とリサイクル率は97%。実際、グラフィックガーデンは、優れた環境対応設備や積極的な企業活動が認められ、2012年にグリーンプリンティング工場認定を取得。その後、「印刷産業環境優良工場表彰」で最高位となる経済産業大臣賞を受賞している。そして2021年。「製版工程廃液ゼロ」に向け、完全無処理化への取り組みが始まった。

「初期の無処理プレートが登場した頃からつねに注目し、何回かテストも行なっていました。ただこれまでは、環境性能は文句なしでも、実用面ではまだまだ発展途上の技術であると判断し、つねにアンテナを張りながら、意に適う無処理プレートの登場を心待ちにしてきたわけです」(松岡部長)

 無処理化を推し進めるきっかけとなったのは、2020年、プレートセッターの更新だった。

「グラフィックガーデンのプレートセッター 3台のうち 2台が更新の時期を迎え、無処理プレート対応機に置き替えることになりました。浮間工場にある1台はすでに対応済みでしたから、これを機に両工場とも無処理化を進めようと。長い間、導入を見送ってきた無処理プレートでしたが、セッターの更新によって一気に機運が高まったんですね。早速、各社の最新プレートを比較検討した結果、総合性能の高さから『SUPERIA ZD-II を選択し、さまざまな絵柄、台数、通し枚数、所有している印刷機との相性などを徹底的にテストしました」

 約半年のテストを経て、20215月、満を持して、無処理プレートの本格運用が始まった。

    
   完全無処理化により「廃液ゼロ」「大幅な省スペース化」を実現した刷版室

■視認性の大幅アップで、「無処理」を意識せず使えるレベルに

 製品性能をシビアに見極め、高いレベルでの活用にこだわる日経印刷の現場で、初めての無処理プレートはどのように評価されたのだろうか。松岡部長は当時の印象をこう語る。

  
   
松岡部長

「無処理プレートの中では最先端を行っていたSUPERIA ZD-II ですが、どうしても我々が求めてしまうのは、有処理と変わらないレベルのプレート性能なんですね。ですから現像工程がなくなることによる数々のメリットを実感しつつも、視認性や刷りやすさなどについては、まだまだこれから進化していく余地があると、次世代のプレートへの期待を抱きながらの運用でした」
 現場は柔軟に適応し、わずか1カ月ほどで9割程度の仕事をZD-IIでこなせるようになったというが、それでも一気に「全面切り替え」は断行せず、しばらく慎重に有処理の『XP-F』との併用を継続。完全に自現機を撤去したのはおよそ1年後、2022年の夏だった。ちょうどこのタイミングで、無処理プレートをZD-IIから次世代の『SUPERIA ZX』へと移行した。

7月に、グラフィックガーデンの残り1台のセッターを無処理プレート対応機に更新し、翌8月からすぐにSUPERIA ZXの本格運用を開始しました。この時点で100%完全無処理化が達成できたわけです。11月には浮間工場も含めて全社ZXで統一しました」(松岡部長)

 ZXに移行したことで、現場の評価はどう変わったのか。印刷部の大森課長は、「まず感じたのは、視認性が格段によくなったこと」と語る。

「製版現場からも『すごく見やすくなった』という声がありましたが、印刷現場では、さらにインパクトが強かったように思います。初めに有処理のXP-FからZD-II に替わって慣れるのに苦労したあと、今度は一気に元の有処理のレベルに近づいたわけですから、非常に安心感がありますよね。実際、視認性の改良がZX開発の大きなテーマだったと聞いていますが、それも納得できる大幅改良だと感じました」

 松岡部長が付け加える。

XP-Fとまったく同じとまでは言えませんが、無処理プレートであることを意識せずに使える充分なレベルです。この版がどのジョブの何色の版なのかを、ストレスなく判別して作業を進められますから。視認性の向上は製版現場・印刷現場どちらにもメリットがある、最大の進化だと思います」

 SUPERIA ZXは、製版現場だけでなく印刷現場にも恩恵をもたらしており、それは視認性の向上だけにとどまらないという。

XP-FZD-II と比べてもキズがほとんど発生しなくなり、版キズのトラブルはほぼ解消され、作業効率が確実にアップしています。以前は、キズが発生するとプレートを再出力したり消去ペンで処理したりといった作業がつきものでしたが、最近ではほとんどありません」(大森課長)

 効率面で言えば、SUPERIA ZXは、刷り出しの早さも申し分ないレベルだという。

ZD-II では、紙面にインキが乗るまでにそこそこの枚数を通していたのですが、ZXでは1枚目からインキが乗ってきます。また、地汚れが出にくくなった分、水目盛りを下げられるようになったので色の安定性も高まり、ドットゲインの振れ幅も以前よりかなり小さくなっています。色合わせも断然やりやすくなりました」(大森課長)
 

   

   LED-UV機が並ぶ印刷現場。SUPERIA ZXは優れたUV適性を発揮している


■刷版工程自動化など、さらなる改革への足がかりに

 最後に、SUPERIA ZD-II との比較ではなく、無処理プレート共通のメリットである「自現機レス」による効果について、松岡部長に総括していただいた。

  
   
大森課長

2021年の導入時、最もインパクトがあったのは刷版室の省スペース化でした。もともとそれほど狭い部屋でもなかったのですが、実際に自現機を撤去してみたら『こんなに広くなるのか』と驚きましたね。自現機に付帯する機器も一緒に撤去したので、空きスペースがさらに広々と感じられました」
 不要になったのは、自現機の「スペース」だけではない。

「実務上のメリットとして、定期的なメンテナンスの時間や手間がゼロになったことも大きいですね。また、現像廃液がゼロになることで直接的にコストの削減につながっていますし、現像液のマニュフェスト伝票を発行する必要もなくなりました。工場の環境対応レベルが一段とアップしたことも、会社として重要なメリットだと考えています」(松岡部長)

 松岡部長は、もう一つ、現像工程カットによる「品質管理面でのメリット」を付け加えた。

「ゴミの付着、現像液の劣化による影響など、有処理ではどうしても現像段階でのトラブルのリスクがありました。厄介なのは、印刷でトラブルがあった場合、現像なのか、露光なのか、プレートそのもののせいなのか、原因の切り分けが難しいんです。いろいろな要素が絡んでくる。しかし無処理であれば、はじめから現像トラブルという要因を取り除けます。おかげで、万が一の際の原因究明がよりスピーディーに進められるようになりました」

 自現機の設置スペースゼロ、廃液ゼロ、メンテナンスの負担ゼロ。そうして生まれた余力を、どのように活用していくのか。松岡部長は今後の展望も含めてこう結んだ。

「人に関しては、機器管理の負荷が減った分、他の生産的な作業に時間を使えるようになりました。省スペースについては、自現機 3台分の空間が増えたので、そこに新たな生産機を導入することも可能ですし、自動搬送装置などの設置によってプレート出力のオートメーション化に取り組むこともできます。無処理化をきっかけに、より効率的に、より高品質なものづくりが行なえるよう改革を進めていきたいと思います」
 日経印刷はこれからも、「地球にやさしい」「人にやさしい」印刷会社として進化を遂げながら、クライアントの企業価値アップに貢献するべく、自らの革新に挑み続けていく。


2023.03.17

◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ  tilia phoenix導入事例――大阪印刷株式会社 RPAツールとの連携でアクリル商品の面付けを自動化  多種多様なジョブの最適な付け合せパターンを瞬時に算出、人的ミスの削減にも寄与

  同人誌印刷や各種グッズ製作を手がける大阪印刷株式会社(本社:大阪府大阪市此花区常吉1-1-60、代表:根田貴裕氏)は、工程自動化の一環としてジョブプランニング・面付けソフトウェア『tilia phoenix』を導入し、人手に頼っていたアクリルグッズなどのグルーピング・面付け作業の大幅な効率化を実現。強みの一つである小ロット・多品種への対応力に一段と磨きをかけている。導入の経緯や具体的な効果などについて、同社の緒方人志氏、長江優花氏に伺った。

 

■同人誌・関連グッズの小ロットニーズに応える

 大阪印刷は、漫画やアニメの同人誌および関連グッズの製作を手がける印刷会社。2012年、同人誌の委託販売書店兼漫画喫茶という業態で創業し、2016年にPOD・無線綴じ製本ラインを導入して以降、着々と設備を拡充しながら、印刷・製本加工を主体とする現在の業態へとシフトしてきた。顧客の9割近くが個人顧客となり、受注はすべて『OTACLUB』というWebサイト経由でオーダーを受けているため、同社は営業部門を設けていない。売上については、全体の約3分の2が、冊子や名刺、ポストカードなどの紙製品で、3分の1がノベルティグッズとなっている。

   
   長江氏
  大阪印刷の強みの一つは、商品開発力。メインターゲット層のニーズを的確に捉え、社内でアイデアを出し合って独自の商品を生み出していく。そのラインアップは、冊子からクリアファイル、シール・ステッカー、カレンダー、アクリルグッズ、缶バッジ、パッケージ、ステーショナリー、バッグ、食器類まで、多岐にわたる。

「印刷用の商材を購入し、それに印刷してお渡しするという形ではなく、もっと広い視野で商品づくりに取り組んでいます。ありものの商材に印刷するのであれば、どの印刷会社でもできると思いますが、当社は一からモノを創り出すことにこだわっており、お客さまにはその点でご支持いただいているのではないかと思っています」(緒方氏)

 もう一つの強みは、小ロット・多品種に柔軟に対応できる機動力。デジタル印刷機や各種加工設備を充実させ、外注に出さず内製にこだわることで、高品質・短納期での商品提供を実現している。

「小ロットで高品質なものを安く・速く提供できる体制を確立することで、同人誌やグッズづくりにチャレンジする方の登竜門的な存在になりたいと思っています。初めて印刷を頼もうというお客さまにとって、その第一歩が大阪印刷になるように。そのために“少ない数で、きれいに安くつくる”ということに、熱意をもって取り組んでいます」(緒方氏)

 200種以上のアクリル板に、いかに効率よく面付けするか
 日々入ってくる膨大な種類・件数の小ロットのオーダーに、効率よく、間違いなく対応するため、同社は工程の自動化にも力を入れている。とくに重点的に進めているのが、入稿から製造(印刷・加工)までの上流工程の自動化だ。たとえば、入稿データのファイル名や解像度などをチェックし、自動で修正・警告を行なう仕組みを、社内で独自に開発。発注者とのやり取りを極力減らすとともに、データ作成ミスによって“意図しない仕上がり”になってしまうことを防いでいる。


     アクリル商品は膨大なカラーバリエーションが用意されており、
   Webサイト上で色見本を確認できる

「注文件数は、多いときで月に18,000件ほど。1日約600件。これだけのオーダーに対し、入稿データのチェックは基本的に1人で行なっています。また、ファイル名などの大枠のチェックを終えてから、白版やモアレなどの詳細なデータチェックを行なう工程があり、その部隊が6名。1人あたり60件から100件ほどのペースになります。自動化の仕組みがなければ、この量をこなすことはできません。多くの商品を安く短納期で提供するには、自動化が必須になるわけです」(緒方氏)

 今回、tilia phoenixを導入したのも、こうした自動化の取り組みの一環だ。面付け工程も、人の判断を必要とし、作業負荷が大きくミスも起こりやすかった。

「面付けの自動化については、冊子類のフローを先行して、別のツールを使って進めていました。紙製品は面付けがパターン化しやすく、効果をすぐに実感できると考えたからです。実際、明確な効果が得られたため、次のステップとして、ノベルティグッズの面付け自動化に着手したわけです。そのためのツールとして着目したのがtilia phoenixでした」(緒方氏)

 ノベルティグッズの中で、まず自動化対象として考えたのが、アクリルキーホルダー、アクリルスタンドなどのアクリル商品だ。月に1,500件ほど、個数にして約8万個のオーダーが入る。ほとんどが小ロットで、納期(発送希望日)も発注者によってまちまち。冊子のような定型物とは違い、サイズや形状もさまざまだ。しかも、使用するアクリル板には、なんと200種類以上ものカラーバリエーションがある。これは発注側にとっては大きな魅力だが、製作側においては、多種多様なオーダーをいかに効率よく仕分け、面付けするかが大きな課題となる。

「小ロットのものが多いので、1枚のアクリル板に複数のオーダーを付け合せて印刷することになります。膨大な種類のアクリル板に、納期別に付け合せていかなければならないので、そのグルーピングが大変でした。板の種類ごとにクリアファイルを用意して、そこに紙の発注書を入れていき、その中で納期の近いオーダーを組み合わせるといったやり方をしていたのですが、慣れるまでは付け合わせの判断にすごく時間がかかっていました」(長江氏)

 ■「人の判断」を自動化したことで、1日にこなせる件数が数倍に
 そんな面付け作業を自動化するツールとして、同社は2つの製品を検討。最終的にtilia phoenixを選んだ理由について、緒方氏はこう語る。

 

「このようなツールを自社のフローに組み込んで運用するには、細かいカスタマイズが必要になるので、社員が自分たちで勉強し、楽しみながら構築していけるものが望ましいと考えています。その点、
tilia phoenixは、他のシステムとの連携なども含めた自由度が高く、そこが魅力的でした。もう一つのツールは、金額的に合わなかったということもありますが、カスタマイズをベンダー側に任せることになる点が、当社にはマッチしなかったのです」(緒方氏)

 大阪印刷には、システム開発を手がけるSEが在籍しており、さまざまな自動化システムを自社で構築している。長江氏もそのメンバーの一人だ。tilia phoenix導入に際しては、すでに運用していたRPAツールと連携させ、自動で最適な面付けを行なうフローを、自らの手でつくり上げた。

「基幹システムから書き出された受注情報と面付け条件が書かれたCSV、そして入稿された印刷用データを、特定のフォルダに入れるだけで、アクリル板の種類や納期を考慮した最も効率的な面付け結果が得られるようになりました」(長江氏)

 SEの視点から見たtilia phoenixについて、長江氏は「概要を一度理解してしまえば、非常に使いやすいツール」と評価する。実際、同社では、FFGSから半日間のトレーニングを1回受けただけでtilia phoenixを使いこなし、短期間のうちに自動化フローを組み上げてしまった。

 これにより、面付け担当者の負荷が大幅に軽減されただけでなく、生産効率が格段に向上したことは言うまでもない。

「カラーアクリルの商品に関しては、以前は1日に10件ほどしか処理できませんでしたが、tilia phoenixでは何十件もまとめて処理できるようになっています。私自身、手動での面付けを経験しているので、自動化の効果の大きさは身をもって実感しています」(長江氏)

 また、tilia phoenixによる自動化は、人的ミスの削減にも寄与しているという。

カラーアクリル板には似たような色名があり、発注書を人の目で確認していたときには、指定されたカラーを見間違えるなどのミスが起きていましたが、自動化によりそのリスクがなくなりました。これは、アクリルの廃棄率の低減にもつながっています」(緒方氏)
 

    
     Phoenixの面付け画面。最も時間のかかっていたグルーピングの作業が
   大幅に省力化された

■魅力的な商品をフットワークよく提供し続けるために
  緒方氏は、「tilia phoenixの活用範囲はもっと広げていける」と手応えを感じている。

アクリル商品の他にも、紙コースターやダイカットシールなどにも活用を始めていますし、今後、缶バッジの面付けもtilia phoenixで自動化したいと考えています。面付けからプリント、カットまで自動化し、生産能力をさらに高めていく計画です」

 小ロットに特化し、品質とスピードにこだわり、魅力的な商品を次々と生み出し続ける大阪印刷。現時点でも圧倒的なバリエーションを誇る商品ラインアップは、今後もまだまだ拡充していくという。工程の自動化は、そのための重要な基盤づくりなのだ。

「小ロットの商品を求められるお客さまに対して、フットワークよく高品質な商品を提供できることが当社の最大の強みだと思っています。この強みをさらに伸ばしていくために、もっと改善したいところもありますし、システムを一から組み直したいところもある。自動化の取り組みはこれからも続けていくことになると思います」(緒方氏)

 

 

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