ニュースリリース

2026年07月

2026.07.10

◆富士フイルムグラフィックソリューションズ  FFGS QC Navi導入事例――株式会社ミユキ印刷(後編)  色の変動が抑えられ、シビアなクライアントからの評価が大きく向上  高品質を当たり前に提供できる生産体制が確立し、営業の提案力も高まった

■色の安定化が信頼を生み、新規受注にもつながっている

 オフセットの色の安定化、デジタル機を含めた色の統一化は、さまざまな形で効果をもたらしている。とくに、色の修正や刷り直しなどの負荷は大幅に減少した。山地部長は実感をこう語る。

「以前は、量産中に色が変動しないかをお客さまが細かくチェックされることもありましたが、いまは印刷中のブレがほとんどなく、安心して任せていただけるようになりました。現場だけでなく、お客さまの負担も減っています」(山地部長)

 キャラクターグッズのように色にシビアな仕事では、わずかな色のブレがクレームにつながることもある。しかし現在は、用紙や絵柄、印刷条件にもよるが、色校正と本刷りの差は多くの案件でΔE2を目安に管理できるようになり、色に関するクレームや再調整は大幅に減少し、安定した品質への評価につながっている。石川部長は「お客さまからの信頼が高まっており、営業面での効果も大きい」と強調する。

「営業が色校正をお届けする際に、自信を持って『この色で量産できます』と言えるようになりました。これによってお客さまの不安をなくすことができたのは大きいですね。営業の精神的な負荷もかなり軽くなっていると思います」(石川部長)

 厳しい品質要求に確実に応えられるようになったことで、「ミユキ印刷なら大丈夫」という信頼が定着し、紹介による新規受注も増えているという。

 オフセットとデジタルの色が揃ったことで、営業の提案力も向上した。

「たとえば、初回はオフセットで印刷し、売れ行きに応じてデジタルで少量ずつ追加、といった柔軟な提案がしやすくなりました。品質差を気にせず最適な機械を選択できるようになったことは非常に大きなメリットです」(石川部長)

 とくに、推しグッズのようにロットの変動が大きい商材では、印刷方式やロットが変わっても色差を抑え、基準色に近い状態で安定して再現できる環境が、同社の強力な武器になっている。

 

   

    同社が手掛ける制作物には特殊原反を使用したものやパッケージなどの立体物も多い

■生産効率が向上し、1日のジョブ数も増加

 色の安定化は、現場の生産性にも直結している。量産時の色の調整時間が短縮され、トラブルによるチョコ停も大幅に減少。湿し水管理の改善や温湿度管理の見直しなども効果を後押しし、「刷りやすい環境」が整ったことで、1日にこなせるジョブ数も増加した。

「以前は刷り出しに時間がかかり、生産性に影響することが多々ありました。いまは色調整が格段にスムーズになりましたし、万が一、印刷中に色が変動した場合でも、立ち戻れる基準ができたことで、素早く修正をかけることができます。作業効率は明らかに向上していますね」(山地部長)

 また、色が安定したことで、刷り直しによる時間や資材などのロスがほぼ発生しなくなった。これはコスト面だけでなく、現場の心理的負担の軽減にもつながっている。

 

■この品質水準を維持することで、お客さまを縁の下で支え続ける

 色基準の策定から数年越しの取り組みを経て、“効率的かつ安定した印刷環境”を実現したミユキ印刷。色の安定化は、クレームの削減や生産効率の向上だけでなく、営業の自信、クライアントからの信頼、そして新たな提案の可能性へとつながっている。今後は、この理想的な状態をいかに維持していくかが重要なテーマになる。

「ドットゲインの変化が出やすい夏と冬を中心に、FFGSさんに定期診断をお願いし、品質の安定維持を図っています。これは、お客さまに対する品質保証において有効なだけでなく、色の状態が数値で確認できるため、現場の意識向上にもつながっています」(山地部長)

 また、鈴木社長は、「今回確立した色管理体制を当たり前に継続していくことによって、お客さまの信頼を積み重ねていく」と今後の姿勢を語る。

「印刷はいわば黒子の仕事であると捉えています。お客さまを縁の下で支える存在でありたい。今回の取り組みは、そのための品質基盤づくりという位置づけです。これからもつねに高い水準の品質を維持していくことが、ミユキ印刷の隠れた強みになり、お客さまの評価にもつながると思っています」(鈴木社長)

 同社は今後も、「価値ある印刷物を、確かな品質で届ける」という姿勢を貫きながら、オフセット印刷とデジタル印刷それぞれの長所を最大限に活かし、小ロット・高付加価値の分野でさらに強みを発揮していく考えだ。

 

2026.07.10

■富士フイルムグラフィックソリューションズ  FFGS QC Navi導入事例――株式会社ミユキ印刷(前編)  色の変動が抑えられ、シビアなクライアントからの評価が大きく向上  高品質を当たり前に提供できる生産体制が確立し、営業の提案力も高まった

 キャラクターグッズなどの高付加価値・小ロット印刷物を幅広く手がける株式会社ミユキ印刷(本社:東京都八王子市東浅川町554-23、代表取締役社長:鈴木將大氏)は、富士フイルムグラフィックソリューションズ(以下 FFGS)の印刷品質管理ソリューション『FFGS QC Navi』(以下 QC Navi)を活用し、色基準の策定からオフセット印刷の色の安定化、さらにはオフセット機・デジタル機を含めたデバイス間のカラーマッチングまで、“色品質の統一化”の取り組みを続け、着実に成果を挙げている。色管理の強化に着手した背景や、現時点での効果などについて、代表取締役社長・鈴木將大氏、製造部部長・山地英也氏、営業部部長・石川竜也氏に伺った。

   

 

3種の印刷方式を柔軟に使い分け、幅広いニーズに対応

 ミユキ印刷は、1972年の設立以来、取扱説明書や約款などのモノクロ印刷物をメインに手がけ、編集・DTPのノウハウを強みとして成長してきた。2000年代に入り、メインクライアントの主力商品であったカメラの需要変化に伴い、取扱説明書の受注が減少傾向に転じてからは、キャラクターグッズ、高級ブランドの招待状、御朱印帳など、「印刷物そのものに価値がある」分野へと事業を拡大。現在は、シール・ラベル、パッケージ、ディスプレイ・POPDM、アセンブリなどへ対応領域を広げながら、丁寧にニーズを汲み取る営業力と、内製化による一貫生産体制を強みにしている。価格だけに頼るのではなく、品質・対応力・提案力によってクライアントと直接向き合い、多様な小ロット・高付加価値ニーズに応えている。

 設備面では、オフセット機3台(UV5色機・4色機、油性2色機)に加え、Jet Press 750SIridesse Production Press、さらには静岡県の沼津事業所にRevoria Press PC1120(以下 PC1120)を保有。紙だけでなくフィルム系などの特殊原反も含めた幅広い対応力を備え、クライアントの要望に応じて最適な機種で生産できる体制を整えている。

「オフセット、インクジェット、トナーと、3種類の印刷方式を揃え、柔軟な対応ができるのが大きな強みになっています。どの機械で生産するかは基本的に営業が判断していますが、いずれの印刷機もつねに高い稼働率を保っており、特定の機種にジョブが偏ることはありません。受注内容と生産設備が上手くバランスしている状況です」(鈴木社長)

 

      

    左から鈴木社長、山地部長、石川部長

■色管理を根本から見直し、商業印刷での品質安定化を実現

 一方で、「色」に関しては、数年前まで体系的な管理が確立されておらず、課題も多かったという。明確な色基準がなく、ジョブごとに“クライアントから求められる色”に合わせて調整するという運用が中心だったため、色を出すのに多くの時間と労力を費やすことも珍しくなかった。

「当時は、色に対する知識や管理の仕組みが充分とは言えず、オペレーターが色の再現に苦労することが多々ありました。どうしても色が合わない場合は、データに戻って修正し、刷版を再出力するケースもあり、大きなロスになっていました。また、飲食店さんのメニューなどの仕事で、『全体的に色が浅い』『青みが強い』といった指摘を受けることもあったため、対策の必要性を強く感じるようになったのです」(鈴木社長)

 こうした状況を受け、同社は色管理を根本から整備し直すべく、色基準づくりに着手する。FFGSのサポートのもと、オフセット印刷機のうち1台を基準機とし、Japan Colorに準拠した色基準を策定。刷版カーブや濃度管理を見直すことで、基準の色を安定して再現できる状態を整え、他のオフセット機にも水平展開していった。

 この基準づくりと並行して、現場環境の整備も進められた。色の再現性に影響を与える要因として、温度・湿度の変動や湿し水の状態がある。そこで同社では、印刷現場の温度・湿度を一定に保つよう管理を徹底。さらに、湿し水ローラーの交換サイクルを従来の半年から3カ月へと短縮するとともに、最新のろ過装置によって湿し水タンク内をつねにクリーンな状態に保つなど、印刷環境そのものを安定させる取り組みを進めた。こうした基盤整備により、商業印刷物における色の課題は大きく改善していった。

 

   

    基準に基づく数値管理、温湿度管理の徹底などにより、色の安定性が大きく向上した          


■オフセット、インクジェット、トナーの高精度なマッチングへ

 しかし、同社がキャラクターグッズやアイドル関連の商材を本格的に手がけるようになると、さらなる色管理体制の強化が求められることに。

 これらグッズの分野は、版元の色に対する評価が極めて厳しく、わずかな色のブレも許されない。また、色校正から量産(本刷り)までに数カ月程度、期間が空くことも多いため、印刷機の色が安定しないと、校了の色を量産で再現することが難しくなってしまう。

「キャラクターグッズの分野は、一般の商業印刷物とは品質要求レベルがまったく違います。しかも、小ロット多品種のものが多く、使用する生産機も原反の種類も多岐にわたります。ですから、QC Naviを活用してオフセットだけでなくデジタル機も含めて高精度に色を揃える必要がありました」(石川部長)

 ただ、必要性を感じつつも、昨年にPC1120を導入するまでは、具体的な取り組みの実施には至っていなかったという。

「オフセットの色とデジタルの色を高精度にマッチングさせることは、ほぼ不可能だと思っていたのです。Jet Pressは限りなくオフセットに近いですが、トナー機を合わせるのはかなり難しいだろうと。しかし、PC1120の仕上がりを見て、これなら実現できそうだと感じました」(鈴木社長)

 

    オフセット印刷とトナー機、JetPressをシームレスに運用できる環境が実現

 こうして、同社はオフセット機とJet PressPC1120Iridesseのマッチング作業に着手。すでにQC Naviの定期診断を通じて色の安定化を図っていたオフセット機を基準として、各デジタル機の調整を進めていった。現在は、色校正と量産でどのプロファイルを使用するか、リピート案件でどの条件を採用するかなど、細かい運用ルールを詰めている段階だ。

「ようやく、すべての印刷機を同じ基準で活用できるという、理想的な環境が整ってきました。ここから詳細な運用方法を固めていくことで、お客さまの期待に応えられる品質を、さらに効率よく安定的に提供できるようになると思います」(鈴木社長) 
(後編に続く)

 

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