ニュースリリース

2026.07.10

■富士フイルムグラフィックソリューションズ  FFGS QC Navi導入事例――株式会社ミユキ印刷(前編)  色の変動が抑えられ、シビアなクライアントからの評価が大きく向上  高品質を当たり前に提供できる生産体制が確立し、営業の提案力も高まった

 キャラクターグッズなどの高付加価値・小ロット印刷物を幅広く手がける株式会社ミユキ印刷(本社:東京都八王子市東浅川町554-23、代表取締役社長:鈴木將大氏)は、富士フイルムグラフィックソリューションズ(以下 FFGS)の印刷品質管理ソリューション『FFGS QC Navi』(以下 QC Navi)を活用し、色基準の策定からオフセット印刷の色の安定化、さらにはオフセット機・デジタル機を含めたデバイス間のカラーマッチングまで、“色品質の統一化”の取り組みを続け、着実に成果を挙げている。色管理の強化に着手した背景や、現時点での効果などについて、代表取締役社長・鈴木將大氏、製造部部長・山地英也氏、営業部部長・石川竜也氏に伺った。

   

 

3種の印刷方式を柔軟に使い分け、幅広いニーズに対応

 ミユキ印刷は、1972年の設立以来、取扱説明書や約款などのモノクロ印刷物をメインに手がけ、編集・DTPのノウハウを強みとして成長してきた。2000年代に入り、メインクライアントの主力商品であったカメラの需要変化に伴い、取扱説明書の受注が減少傾向に転じてからは、キャラクターグッズ、高級ブランドの招待状、御朱印帳など、「印刷物そのものに価値がある」分野へと事業を拡大。現在は、シール・ラベル、パッケージ、ディスプレイ・POPDM、アセンブリなどへ対応領域を広げながら、丁寧にニーズを汲み取る営業力と、内製化による一貫生産体制を強みにしている。価格だけに頼るのではなく、品質・対応力・提案力によってクライアントと直接向き合い、多様な小ロット・高付加価値ニーズに応えている。

 設備面では、オフセット機3台(UV5色機・4色機、油性2色機)に加え、Jet Press 750SIridesse Production Press、さらには静岡県の沼津事業所にRevoria Press PC1120(以下 PC1120)を保有。紙だけでなくフィルム系などの特殊原反も含めた幅広い対応力を備え、クライアントの要望に応じて最適な機種で生産できる体制を整えている。

「オフセット、インクジェット、トナーと、3種類の印刷方式を揃え、柔軟な対応ができるのが大きな強みになっています。どの機械で生産するかは基本的に営業が判断していますが、いずれの印刷機もつねに高い稼働率を保っており、特定の機種にジョブが偏ることはありません。受注内容と生産設備が上手くバランスしている状況です」(鈴木社長)

 

      

    左から鈴木社長、山地部長、石川部長

■色管理を根本から見直し、商業印刷での品質安定化を実現

 一方で、「色」に関しては、数年前まで体系的な管理が確立されておらず、課題も多かったという。明確な色基準がなく、ジョブごとに“クライアントから求められる色”に合わせて調整するという運用が中心だったため、色を出すのに多くの時間と労力を費やすことも珍しくなかった。

「当時は、色に対する知識や管理の仕組みが充分とは言えず、オペレーターが色の再現に苦労することが多々ありました。どうしても色が合わない場合は、データに戻って修正し、刷版を再出力するケースもあり、大きなロスになっていました。また、飲食店さんのメニューなどの仕事で、『全体的に色が浅い』『青みが強い』といった指摘を受けることもあったため、対策の必要性を強く感じるようになったのです」(鈴木社長)

 こうした状況を受け、同社は色管理を根本から整備し直すべく、色基準づくりに着手する。FFGSのサポートのもと、オフセット印刷機のうち1台を基準機とし、Japan Colorに準拠した色基準を策定。刷版カーブや濃度管理を見直すことで、基準の色を安定して再現できる状態を整え、他のオフセット機にも水平展開していった。

 この基準づくりと並行して、現場環境の整備も進められた。色の再現性に影響を与える要因として、温度・湿度の変動や湿し水の状態がある。そこで同社では、印刷現場の温度・湿度を一定に保つよう管理を徹底。さらに、湿し水ローラーの交換サイクルを従来の半年から3カ月へと短縮するとともに、最新のろ過装置によって湿し水タンク内をつねにクリーンな状態に保つなど、印刷環境そのものを安定させる取り組みを進めた。こうした基盤整備により、商業印刷物における色の課題は大きく改善していった。

 

   

    基準に基づく数値管理、温湿度管理の徹底などにより、色の安定性が大きく向上した          


■オフセット、インクジェット、トナーの高精度なマッチングへ

 しかし、同社がキャラクターグッズやアイドル関連の商材を本格的に手がけるようになると、さらなる色管理体制の強化が求められることに。

 これらグッズの分野は、版元の色に対する評価が極めて厳しく、わずかな色のブレも許されない。また、色校正から量産(本刷り)までに数カ月程度、期間が空くことも多いため、印刷機の色が安定しないと、校了の色を量産で再現することが難しくなってしまう。

「キャラクターグッズの分野は、一般の商業印刷物とは品質要求レベルがまったく違います。しかも、小ロット多品種のものが多く、使用する生産機も原反の種類も多岐にわたります。ですから、QC Naviを活用してオフセットだけでなくデジタル機も含めて高精度に色を揃える必要がありました」(石川部長)

 ただ、必要性を感じつつも、昨年にPC1120を導入するまでは、具体的な取り組みの実施には至っていなかったという。

「オフセットの色とデジタルの色を高精度にマッチングさせることは、ほぼ不可能だと思っていたのです。Jet Pressは限りなくオフセットに近いですが、トナー機を合わせるのはかなり難しいだろうと。しかし、PC1120の仕上がりを見て、これなら実現できそうだと感じました」(鈴木社長)

 

    オフセット印刷とトナー機、JetPressをシームレスに運用できる環境が実現

 こうして、同社はオフセット機とJet PressPC1120Iridesseのマッチング作業に着手。すでにQC Naviの定期診断を通じて色の安定化を図っていたオフセット機を基準として、各デジタル機の調整を進めていった。現在は、色校正と量産でどのプロファイルを使用するか、リピート案件でどの条件を採用するかなど、細かい運用ルールを詰めている段階だ。

「ようやく、すべての印刷機を同じ基準で活用できるという、理想的な環境が整ってきました。ここから詳細な運用方法を固めていくことで、お客さまの期待に応えられる品質を、さらに効率よく安定的に提供できるようになると思います」(鈴木社長) 
(後編に続く)

 

カレンダー

«7月»
   1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリーリスト

最近のエントリー

フィード