ニュースリリース

2022.12.11

◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ SUPERIA ZX導入事例――大洋印刷株式会社  本機も平台校正も無処理で一本化し、一段と向上した「使いやすさ」を実感。国内生産・安定供給による安心感も大きな魅力

  90年を超える社歴を誇り、豊富な人材、高度な印刷技術により、品質重視のクライアントから全幅の信頼を得ている大洋印刷株式会社(本社:東京都大田区昭和島1-6-31 代表取締役社長:林 健司氏)。同社は2021年2月、完全無処理プレート『SUPERIA ZD-II 』の導入後いち早く次世代プレート『SUPERIA ZX』のテストを開始し、全面切り替えを敢行した。この一気呵成の無処理化にはどんな狙いがあったのか。SUPERIA ZXに何を期待し、思い通りの効果が生まれているのか。取締役 生産本部長・白井光男氏、執行役員 製造部担当・松本勝之氏、執行役員 プリプレス部S&D部担当・齋藤孝之氏に、それぞれの立場からお話を伺った。

    

  白井取締役         松本執行役員       齋藤執行役員

■ハイブランドのお客さまの高い環境意識に応えるために

1930年(昭和5年)に東京・京橋区築地で創業してから92年。激動の時代の波を乗り越え勝ち残ってきた大洋印刷は、いまや既成の印刷事業にとどまらず「サイン&ディスプレイ」から「Web ・ 動画制作」「企画」「イベントプロモーション」、さらに「スタジオ運営」に至るまで大幅に業容を拡げ、それらを一手に受注できる自在のワンストップ体制を確立している。



  最大の武器は、企業の原点「印刷」である。著名デザイナーから指名されるほど訴求力のある印刷物を、いつでも安定して提供できる優れた感性と技術力。実際、さまざまな作品展において多数の受賞歴を持ち、全国カレンダー展をはじめとする国内での実績はもちろん、87年『ニューヨーク・アートディレクターズクラブ国際展』で日本初の金賞、89年に2度目の金賞を獲得するなど海外での評価も高い。クライアントからの大きな期待に応え続けるため絶対に品質を落とせない状況の中で、使用機材、とりわけ刷版・印刷資材にはこだわりの強い大洋印刷が、使い慣れた有処理から無処理CTP への移行を考えたきっかけは何だったのだろうか。理由の一つを、白井取締役が説明する。

 「弊社の取引先にはアパレルや百貨店の中でもとくにハイブランドのお客さまが多いのですが、そうした企業は社会への影響力も大きいわけですから、品質意識だけでなく、皆さん環境に対する意識も非常に高いんですね。当然、我々も志を高く持ち、つねに“いまできる最高の環境対策”を実施していかなければいけません。ですから無処理CTP についても、登場した頃から注目はしていました。ただし、網点再現性や立ち上がりなど本当に実用レベルなのか、品質に厳しいお客さまからいただいている絶大な信頼を損なうようなことはないのか、かえって生産性を落とすことはないのかという懸念もあり、これまでは慎重に各社の製品を比較検討していた、という経緯があります」

無処理CTP への要望レベルが極めて高い同社の目に、ようやく適ったプレートの一つがSUPERIA ZD-II だった。松本執行役員が、導入当時の流れを振り返る。

「2021年2月から、まずは枚葉機で使い始め、使い込んでいくうちにZD-II の優れた総合性能、信頼性の高さを実感することができたので、その秋から全枚葉機の無処理化を進めました。そんな中、22年に入り、視認性が大幅にアップしたSUPERIA ZXが発売されるという話を耳にしたんです。それならすぐにでもテストしてみようと。評判通りに次世代性能を備えたプレートなら、一日も早く切り替えたいですからね」
 

■視認性、校正適性、傷つきにくさすべてにおいて予想以上

 「視認性とともに、とくに注目したのは平台校正機の処理適性だった」と、齋藤執行役員が、テスト導入のチェックポイントについて補足する。
「品質追求の一環として平台校正を重視する当社にとって、枚葉機も校正機も無処理版で一本化できるかどうかは、重要なポイントの一つだったんです。結果は期待以上のものでした。気になっていた視認性は大幅に向上しており、部分的な差し替えがあるときでもこれなら安心して使えると、現場からの評価も高く、校正機の適性も問題ありませんでしたので、思い切って枚葉・平台校正を含めて全面的にZXへの切り替えを実施しました」

白井取締役によれば、導入後、意外なほど多かったのが「校正の無処理化」についての問い合わせだったという。

「本当に校正刷りで無処理版を使えるのかと、見学に来る人もいらっしゃいました。実際、視認性もよくなり、平台校正の機上現像も実用的なスピードに達しているのを目の当たりにすると、皆さんびっくりします。校正屋さんでも、まだ有処理版を使用しているところがほとんどでしょうから」

テスト時には実感しにくかった“予想以上のメリット”もあったのだろうか。松本執行役員は真っ先に「傷の付きにくさ」を挙げた。

「現場で大量の版を扱う上で、これは本当に助かっています。表面に強力な保護層が追加されたそうですが、その効果がはっきり出ているんでしょうね。傷やゴミに対する強さは、ほとんど有処理と変わらないのではないでしょうか。逆に、現像工程がなくなった分、有処理よりもリスクが減って格段に運用しやすくなっています」

   
 
平台校正において優れた適性を発揮することが採用の決めての1つになった
 

    視認性や扱いやすさの向上など現場からの評価に対し、経営的な視点で、どんな効果を感じているのか。白井取締役に伺った。「何と言っても無処理ならではのコストメリットが大きいですね。自現機に付随する薬品類の費用が掛からず廃液が大幅に減った分、有処理の頃に比べて明らかなコストダウンが実現しています。それと、もっと大きな観点から実感しているのが、プレート供給体制の信頼性です。近年のコロナ禍を始め世界的に不安定な情勢の中で、国内生産というのは本当に心強い。我々にとってお客さまの納期を守ることは絶対的な使命の一つなんですが、富士フイルムがいつでも安定的に供給してくれるので、安心感が違いますね」
安心感と言えば、肝心の再現品質についてはどうなのか。「ZD-II のときから高く評価している」と話すのは、現在もプリンティングディレクターとして顧客からの要望を直接受け現場を指揮している齋藤執行役員。

「ZXに切り替えてからも、仕上がり品質に厳しい目を持つアートディレクターやクライアントの担当者に、これまで通り充分ご満足いただいています。品質・運用性・供給体制、すべてに“安定している”ということが、トータルに見たときの、富士フイルム無処理プレートの最大の魅力なのではないでしょうか」
 


画像認識性が向上し、キズや汚れのリスクが減ったことで
作業時の安心感が高まった

■全体の効率化やスキルレス化でさらに個々のスキルを高めていく

 短期間のうちに極めてスムーズに完全無処理化を達成し、狙い通りの工程変革を成し遂げた大洋印刷。無処理化のその先に、何を見据えているのだろうか。白井取締役が今後の展望について語ってくれた。
「無処理化によって自現機のメンテナンスもなくなり、経験者にしか任せられなかったことが、ある程度数値化できて誰にでもこなせるようになり、人材活用の幅が広がってきました。最近は刷版を印刷部門で行なっている会社や、スマートファクトリーを目指して工場全体の自動化に取り組んでいる会社も増えているようですが、いずれ当社もそういう方向に進めていきたいですね。その一歩になるのが完全無処理化だと考えています」

無処理化も数値化も、あくまで手段であり、決して目的ではない。企業にとって重要なのは、スキルレス化で現場に生まれた余力で、“人”をどう育てどう活かすかである。大洋印刷が、著名なデザイナーから繰り返し指名されるほど厚い信頼を得ているのは、技術力の高さは言うまでもなく、クリエイターの高度な要望を正確に理解し印刷表現に落とし込める“人の力”“感性の力”によるものだ。それらの力をハイレベルに維持できているのは「プリンティングディレクターの存在が大きい」と白井取締役は言う。

「私も松本も齋藤も皆プリンティングディレクターを経験しているのですが、先方のこだわりが強ければ強いほど、数値化とか標準化という問題ではなく、人と人の感性のぶつかり合いになってくるんですね。その経験を積みながら鍛えられていく。お客さまに育てていただく、と言えるのかもしれません。今後、どんどん自動化や効率化を進めていかなければいけないとは思いますが、スキルレス化の一方で、数値化できない職人的なスキルの部分も追求していく必要があるのではないかと。スマートファクトリー化を図るにしても当社ではつねに“人と機械、感性と技術”、どちらも重視し2つを融合させた変革に取り組んでいきたいと考えています」

そうした“社内的な変革”に対し、社会貢献に繋がる“対外的な企業活動”が、無処理化の目的の一つでもあった“環境対応”である。同社は無処理プレート導入以前から、使用する機器や資材の省エネ性能を徹底追求しCO2 削減に努めるなど、印刷会社視点で積極的にエコファーストの姿勢を貫いてきた。現在の活動状況を、齋藤執行役員がまとめてくれた。

「国際社会で注目されているSDGsにも、すでに全社的に取り組んでいます。SDGsの推進において弊社では、営業活動、生産活動、働き方改革、パートナーシップの4項目に焦点を当てているのですが、この“パートナーシップによる目標達成”を進める中で、富士フイルムさんが提唱するカーボンオフセット活動『Green Graphic Project 』に参加しています。このような取り組みの意義や、その中での完全無処理化の位置づけなどを社員一人ひとりがしっかり理解しお客さまに伝えていけるよう、社員教育にもさらに力を入れていきたいと思っています」
 



2022.11.21

◆富士フイルムグローバルグラフイックシステムズ XMF Remote導入事例――アインズ株式会社 XMF Remote導入で業務フローの課題解決を図り、営業戦略でも大きな成果 「非接触型校正システム」という新たな価値提案により新規受注獲得

 1877年創業の総合印刷会社、アインズ株式会社(本社:滋賀県蒲生郡竜王町鏡2291-3、代表取締役社長:谷口彰氏)は、全体最適化プロジェクト(2017年1月スタート)の一環として、2018年5月に『XMF』『XMF Remote』を導入した。当初から営業部門を含む全社での活用を目的に導入し、計画的な活用定着を進め、制作部門の業務効率化やミスの減少に加えて、営業部門でも本来の営業活動のための時間創出などを実現している。導入に至った経緯や具体的な活用方法、成果、クライアントにおける活用・定着のポイントなどについて、経営企画本部 副本部長・三林照幸氏、プリプレス部 部長・鈴川清一氏、プリプレス部 プリプレス工程課 課長・木内和弘氏、プリプレス部 プリプレス工程課 主任・村方学氏、本社営業 主任・畑元気氏に伺った。

    
   
左から三林副本部長、鈴川部長、木内課長

     

 左から村方主任、畑主任 

■
FFGSによる業務フローの現状分析レポート結果と操作性の高さが導入の決め手に

 アインズは1877年(明治10年)に山田兵三郎商店として創業、今年(2022年)で創業145年の歴史を持つ総合印刷会社である。1961年に山田印刷株式会社に改組し、1998年、総合情報企業への新たな躍進の決意を込め、アインズ株式会社へと社名変更した。滋賀県を中心に全国12カ所に支社・営業所を展開。売上高は40億6,000万円(2021年度実績)で、現状は、売上構成のほとんどが印刷によるものであるが、新規事業開発にも積極的に取り組んでおり、「時代が求めるコミュニケーションツールでお客様に唯一無二の価値を提供します」を経営理念に掲げる。また、各地の代表的な中堅印刷企業による事業協同組合EPC-JAPANや全国農協印刷連盟などの業界ネットワークに参加する。
 「当社では、コミュニケーション・プラットホーム・カンパニーを目指して、社会問題の解決に貢献すべく、カタログやパンフレット、伝票類といった印刷事業から、自社製品の開発、地元滋賀県の方々をサポートするクラウドファンディング事業まで、幅広く展開しています」(三林副本部長)

 中核となる印刷事業では、2017年1月から「営業活動の時間創出」や「入稿から生産までの時間短縮」などを目的とした全体最適化プロジェクトを推進。同社はこのプロジェクトの成功にXMF・XMF Remoteが不可欠だと判断し、2018年5月に導入した。

 この導入判断を後押ししたのは、FFGSによるエスノグラフィ分析(業務フローの現状分析)であった。この分析によって営業・間接部門・生産工程の課題が可視化され、それらの課題を解決する上でXMF・XMF Remoteが大きく役立つということが明確になった。

「FFGSさんの分析をもとに当社の業務フローの課題解決を進めた結果、XMFによって効率的な生産体制・業務フローを構築できることがわかりました。また、XMF Remoteを活用することで、営業のデスクワークの工数削減により時間を創出でき、ソリューション営業に注力したり、リモート校正によるお客さまとの関係強化、顧客接点の増加を図るなど、営業改革の促進にもつながるということが明らかになりました」(三林副本部長)

 当時、アインズは他社製ワークフローシステムを使用していたが、Webポータルシステムの導入検討のため複数のメーカーのシステムを評価した。その結果、前述の理由に加え、XMF Remoteの操作性の高さにより、多くの顧客に使用していいただけると直感的に判断できたことで、XMF Remoteの導入に踏み切ったという。

 導入後は半年ほどかけてXMF(RIP)のCTP版出力のためのテンプレートの作成などの運用環境の準備を進め、2018年9月からXMF Remoteの実運用を開始した。

■ジョブファイル転送、デジタル検版が制作業務の効率化に大きく寄与

 アインズでは現在、本社・東京支社・中部営業部の3拠点に30名以上の制作スタッフがおり、全員がXMF Remoteを活用している。制作部門への導入・定着に当たっては、当時全体最適化プロジェクトにおけるXMF・XMF Remoteの担当であった、三林副本部長と鈴川部長が中心となって説明会を開催し、使い方を周知しながら、すべての制作データをXMF Remoteに登録する全ジョブ運用を推進したという。
「ただ機能を説明するだけでなく、実際に使ってもらいながら個別の問い合わせにも対応し、便利さを理解してもらい、定着を図っていきました」(三林副本部長)

 現在、XMF Remoteに登録されているジョブ数は約1,200件。毎月200件ほどのジョブが新規に登録されている。

 XMF Remoteの導入を機に、同社では営業だけでなく制作スタッフもクライアントと直接やり取りをするようになった。その結果、校正の際、クライアントが求めていることを制作部門で直接把握できるようになり、スムーズな対応が可能に。また、修正結果を制作データに反映させるまでのタイムラグも大幅に削減できた。

「印刷用の素材データなどのやり取りには、ジョブファイル転送の機能が重宝しています。お客さまと営業、制作の3者でファイル共有が簡単に行なえ、また大容量のデータにも対応できるため非常に便利です。外注先や外部デザイナーなどもメンバーに加えておけば、従来のように全員に転送する手間が削減でき、ミスの防止も図れます」(木内課長)

 さらに、修正箇所が自動的に比較・表示されるXMF Remoteの自動検版機能も、制作業務の効率化に大きく寄与している。

「自動検版機能の最大のメリットは、制作スタッフ本人が意図していないデータの変更があった場合に、それを確実に発見できる点です。アナログの検版ではやはり限界があります。この機能により、修正指示があった箇所以外も含めた全体の検版が確実に行なえるようになったことで、安心して次工程に回せるようになり、ミスも減りました」(鈴川部長)

 これらの相乗効果により、XMF Remote導入後、製版部門の生産性が従来の約2倍に向上しているという。


     
ジョブごとに原稿や素材データを管理できるため、メール整理などの負荷も軽減されている

■「本来の営業活動」に、より多くの時間を使えるようになった

 営業部門については、すべてのジョブに対して、営業担当者が各営業所のプリンターで本社のXMFでRIP済のデータによる校正紙を出力して、クライアントに届けるという運用を想定し、XMF Remoteの運用定着を進めた。校正紙の出力には、XMF Remote導入前から各拠点に設置していたプロダクションプリンター『DocuColor 1450 GA』を使用する。
「当社の生産工程はJapan Colorに準拠した環境を構築しており、『DocuColor 1450 GA』もそれに合わせて調整しています。毎週キャリブレーションを行ない、校正の信頼性を維持しています」(三林副本部長)

 XMF Remote導入による営業部門のメリットとして、畑主任は、「様々なお客さまへの提案など本来の営業活動に、より多くの時間を充てることができるようになったこと」を挙げる。進捗状況を社外からでも確認できるようになり、校正や入稿対応のために外出時間を遅らせたり、営業拠点に戻ったりする必要がなくなったためだ。紙ベースでの校正のやり取りが必要な仕事でも、事前にXMF Remoteでデータを共有しておくことで、よりスムーズな進行が可能になったという。

 さらに、データ管理などの作業も大幅に効率化できた。

「これまで、お客さまからメールで原稿を受け取ることが多く、複数の案件が重なった時など、データの整理に多くの手間と時間がかかっていましたが、XMF Remoteでは、ジョブごとの共有フォルダにデータを入れて関係者で共有できるので、その手間が省けました。この共有フォルダは、入稿だけでなく、スケジュール表などの共有管理や、撮影写真・Web用データなどの納品などにも使っています」(畑主任)


   
関係者間でのデータのやり取りが大幅に効率化され、ミスの削減にも繋がっている

■オンライン校正が、クライアントへの新たな価値提供になる

 XMF Remoteは現在、アインズにとって重要なコミュニケーションインフラとして定着しており、クライアントの登録件数は約130社・約400アカウントに上る。
「たとえば、過去にメールでのやり取りで不都合を感じられていたお客さまなどには、大きなメリットを実感していただいています」(木内課長)

 また、同社では日頃の営業活動で新しい提案を行なう際には、必ずXMF Remoteの活用を盛り込んでおり、とくに若い世代の担当者には受け入れられやすいという。

「企画書を使わずにXMF Remoteの画面をお見せしながら説明した後、マニュアルとアカウント登録のメールをお送りしただけで、そのまま使っていただいたケースもあります」(畑主任)

 印刷物の種類別に見ると、とりわけ広報誌関係の仕事では早い段階から活用が進んでいる。ある自治体の広報誌コンペでは、XMF Remoteによるオンライン校正を提案に盛り込んだことが採用の決め手になった。この案件では、担当営業ではなく、制作スタッフを直接の窓口としたことで校正の遅延や校了下版などに柔軟に対応でき、また営業の負担も軽減できたという。

「もちろん、広報誌だけでなく、パンフレットも多いですし、最近では帳票も増えています。他にも、ページものやチラシなど、さまざまな仕事でシステムを採用し、ご利用いただいています」(村方主任)

 最近では、デジタルブックの案件でもオンライン校正が採用されているという。

「XMF Remoteの導入によって受注できる仕事の幅が広がり、また既存のお客さまの中でも、いままで入り込めていなかった部署の仕事を獲得できるようにもなりました」(木内課長)

 コロナ禍となってからは、社会的に「非接触」「非対面」が求められるようになったことから、同社はXMF Remoteを「非接触型校正システム」という名称で提案している。興味を持ったクライアントには、まずテスト使用でメリットを体感してもらった上で、営業から改めて具体的な運用などについて説明するという流れで提案を行ない、着々とユーザー数を増やしている。

 しかしながら、XMF Remoteを使って制作スタッフやデザイナーが直接クライアントとコミュニケーションをとることは非常に有効である一方、必ずしも十分な対応ができない場合もある。そこで、アインズでは村方主任を中心にXMF Remote対応の専門部署を組織した。

「この部署は、制作部門とお客さまの間に立って制作のサポートなどを行ないます。ただ、校正の指示が細かい場合などには、営業がお客さまからお伺いした内容を、この部署で一度整理して制作に伝えるようにしています」(木内課長)

 この部署では、クライアントに対して定期的にXMF Remoteの満足度調査も行なっている。
「XMF Remoteの使い勝手や当社の対応などについて、満足度と併せて、不満な点もお伺いしています。調査結果は営業とも共有し、とくに不満の多い点があれば、改善に注力しています。こうした取り組みの結果、お客さまの満足度は70%を上回っています」(村方主任)

■「利益」と「社会貢献」の両立を実現する重要なツール

 アインズは創業140周年を迎えた2017年に「アインズ“SDGs宣言”」を発表。社会貢献の観点からSDGsの取り組みにも力を入れている。
「営業的な動きに加えて、地域社会との繋がりを深めたり、社員満足度を向上させたりすることにも力を入れています。SDGsの目標達成に貢献しながら自社の成長も図るため、今年から『利益』と『社会貢献』の両立を目指すESG経営にも取り組んでいます」(木内課長)
  三林副本部長によれば、XMF・XMF Remoteはその「利益」と「社会貢献」の両立を実現する重要なツールであるという。
 

 ©2022 SANRIO CO., LTD.APPROVAL NO.L634978
 アインズはいち早くSDGs活動に注力。"17の目標"を子ども
向けに分かりやすく紹介する絵本も発行している


「コロナ禍で校正業務の非接触化・オンライン化が進みましたが、それ以前からXMF Remoteの活用に取り組んでいた当社は、他社に先んじて差別化を図ることができました。また、顧客満足度調査などを通じて、お客さまとのやり取りがスムーズになり、お客さまの要望をしっかりと理解した上で的確な対応ができるようにもなったと思います。その結果、お客さまからの信頼が得られているのだと考えています」
 最後に三林副本部長は、「XMF・XMF Remoteは、生産工程、営業部門を含めた全体最適化を実現しながら、お客さまから求められる確かな品質の製品・サービスを提供するのに不可欠なツールになっている」と語り、今後もクライアントとの関係性強化に活かしていく考えを改めて強調した。



2022.11.10

◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ   生産工程最適化事例― ―株式会社第一印刷所 MISから印刷工程までのJDF連携フローにより、生産効率を一気にアップ システム・組織の両面から最適化。世界トップクラスの品質と生産性を実現

  新潟に本社を置き、印刷を中心に情報加工を幅広く手がける株式会社第一印刷所(代表取締役社長:遠山 亮氏、本社:新潟市中央区和合町2-4-18)は、生産改革の一環として、完全自動運転コンセプトの最新オフセット印刷機の導入に加え、MISと『XMF』を連携させたJDFワークフローの構築により、かねてから追求してきた「生産性と品質の高水準の両立」に磨きをかけている。印刷機メーカーのハイデルベルグ、MISベンダーの両毛システムズ、ワークフロー全体のコーディネートを担うFFGS、そして第一印刷所グループという4社の協働によるプロジェクトとなった今回の取り組み。その経緯と具体的な効果について、代表取締役社長・遠山 亮氏、代表取締役専務 製造本部長・小出博信氏、製造本部 プロダクトD’sNET推進室 室長・南清人氏に伺った。

 

■ジョブチェンジを極限まで効率化するために

 第一印刷所は、新潟県内・東京都内合わせて18カ所に拠点を持つ総合印刷会社。グループ会社7社と独自のネットワーク『D’s NET』を構築し、各社との相互連携により、プランニングから印刷・加工、配送、さらにはBPOサービス、イベントの企画運営、デジタルメディア制作に至るまで、幅広い領域を網羅したワンストップサービスを提供する。
  印刷事業の製造拠点は新潟市江南区曙町の本社工場に集約。プリプレスおよびポストプレス工程は、いずれもグループ会社の株式会社プレスメディア、株式会社あけぼのがそれぞれ担っているが、いずれも第一印刷所の本社工場と近接しており、運用上も密な連携によって一体化したワークフローが構築されている。

      
    左から遠山社長、小出専務、南室長
  第一印刷所の大きな強みの一つは、スピードと品質を極めて高い次元で両立する生産体制にある。オフセット印刷においては、
AM230線による高精細印刷を基本とし、LED-UV仕様の最新オフセット印刷機と、インライン品質検査装置、1級・2級技能士の資格を持つオペレーターによる徹底した品質管理により、同社が掲げる“極み印刷”のコンセプトを具現化している。また、小ロットジョブについては、富士フイルムのインクジェットデジタルプレス『Jet Press 750S』により、オフセットと同等の高品質な印刷物を短納期かつ最適なコストで提供するオフセットとデジタルを融合したハイブリットワークフローを確立している。

  そんな同社が今回取り組んだ生産工程の最適化は、これまで追求してきた効率化をさらに高い次元へと昇華させる、自動化への挑戦でもあった。その第一弾として、2018年、ハイデルベルグのピークパフォーマンスモデル『スピードマスターXL106-8-P DryStarLED』を導入。この最新鋭機は、『Push to Stop』コンセプトに基づく自動化技術により、人手の介入(タッチポイント)を極限まで削減し、完全自動運転を可能にするものだ。
「小ロット化が進む環境下で、オフセット印刷の現場で課題になっていたのが、ジョブチェンジをいかに効率化するか、ということでした。ジョブ間の準備時間を極限まで短縮したかった。最新マシンの自動化技術でその実現を目指しました」(小出専務) 

   

   ハイデルベルグ製「スピードマスターXL106-8-P」。2021年に1台追加導入し、現在は2台体制

■
MIS
の入力精度を高めることで印刷機の自動化を活かす

 ただ、この「印刷機の自動化」を最大限に活かし、生産工程全体の効率アップに結びつけるには、前工程の見直しが必要だった。具体的には、MISへの受注情報(印刷物の仕様など)の正確な入力と、その情報を生産工程で活用するデータ連携の仕組みの確立である。
「私は2015年に製造本部長に就任しましたが、当時、『既存の設備では今後勝ち残っていけない』と感じていました。競争力を高めるには、大砲とレーダーが必要だと。そこでまず大砲としてJet PressとハイデルベルグのXL106を導入したわけですが、大砲の弾を当てるにはレーダーが要る。そのレーダーに相当するのが、MISや『XMF』を軸とするワークフロー。今回最適化を図った部分です。これによって、『職人の手で紙にインキを乗せる』というオールドビジネスを、ニュービジネスに変えることができると考えました」(小出専務)
 従来のフローの大きな課題の一つは、MISへの入力情報が標準化されていないことだった。営業部門での使いやすさを優先してMISをカスタマイズしていたため、結果として「手書き伝票をPCに置き換えたレベル」のものになっていたという。
「自由入力が可能だったので、確かに営業にとっては使いやすかったのですが、個人によって入力する項目にバラつきがありました。そのため、生産管理部門であらためて製品仕様などを確認し、工程管理システムに入力し直すという二度手間が生じていたのです。当然、受注と実績もリンクしていない状態でした。自動化フローを実現するには、この入口から変えていく必要があったわけです」(遠山社長)
 そこで、MISと工程管理システム・ワークフローシステムとの連携フローを構築するべく、新たなMISとして、両毛システムズの『PrinTact』を導入。営業による受注情報の入力項目も統一を図った。さらに、ワークフローシステム側は、2014年から使用している『XMF Complete』『XMF Remote』の環境に、MIS連携ツール『XMF Controller』を追加。これにより、MISの受注情報からXMFジョブを自動生成するフローが実現し、面付け作業含む各種プリプレス設定の効率化および印刷工程へのジョブデータ継承も可能になった。
  
 

   MIS上で印刷機の予定を管理し稼働状況の見える化も実現している

■属人化していた作業を見える化し、フローを再構築

 この連携フローの構築にあたっては、FFGSがコーディネーター役として全面的にサポートを行なったが、南室長は「とくに、課題を見える化し解決策を見出していくプロセスを、客観的な視点でサポートいただいたのが成功の要因になった」と評価する。
「たとえば、『XMF』でのジョブ作成の作業。従来は熟練した担当者が手がけており、他の者から見るとどれだけ手間がかかっているのかもわからず、ブラックボックスの状態でした。そこで、客観的に見て改善できる部分がないかを検証し、問題点を洗い出した上で、当社の業務フローや現実的にできる範囲、作業負荷などを加味しながら解決策を見出していった。この一連の作業を、FFGSさんとディスカッションしながら進めたことで、あらゆるジョブのパターンにおいて前後工程と連携した、より有効なフローを構築できたと思っています」(南室長)
  さらに、MISから『XMF』、印刷機へのデータ連携についても、実際のジョブを想定した処理の流れの確認、課題の見える化とその解決方法の検討を、FFGS、両毛システムズ、ハイデルベルグと協働で進めていった。
「さまざまなベンダーとの連携実績が豊富なFFGSさんにコーディネート役を担っていただいたからこそ、4社ワンチームで取り組むことができ、マルチベンダーのワークフローを完成させることができたのだと思います。私どもが各ベンダーさんと個別にコンタクトをとりながら進めていたら、全体をまとめるのに相当苦労したでしょう」(遠山社長) 

■プリプレス工程ではジョブ作成の工数が4割削減

 では、今回の生産工程最適化により、どのような効果が生まれているのだろうか。南室長によると、プリプレス工程においては、『XMF』でのジョブ作成を中心に、大幅な工数削減が図れているという。
「MISの情報から『XMF』のジョブを自動作成できるようになったことが大きいですね。通常のページ物制作では70ほどのタッチポイントがありましたが、新しいフローでは、それを4割ほど削減できています」(南室長)
 従来のタッチポイントの数が多かったのは、プリプレス段階からカラーマネージメントを徹底している同社ならではの事情もある。
「これまでは、使用する印刷機や紙の種類、インキの組み合わせに応じて、CTP出力担当者が1件ずつ、CTPカーブの設定を行なっていました。とくに、ページ物で複数種の紙を使うようなジョブでは、タッチポイントの数は膨大になります。今回、MIS-XMF連携によってカーブ設定も自動で行なえるようになったことで、作業効率が上がったのはもちろん、ミスの削減にもつながり、オペレーターの安心感も高まっています」(南室長)
 また、営業部門でのMISへの入力作業の標準化により、生産管理部門での確認・作業負荷も軽減された。
「MISへの入力の手間は増えることになるので、営業からは当初、不満の声も出ましたが、いまでは当たり前のこととして定着していますし、受注情報の正確な入力を徹底することで、営業の知識習得にもつながっています」(遠山社長)
 さらに、システム面だけでなく組織体制も見直し、第一印刷所(印刷工程)とプレスメディア(プリプレス工程)の連携も強化。業務的には両社を事実上統合した形となり、プリプレス~印刷工程間のよりシームレスなフローが実現した。
 こうしたシステムの再構築や組織戦略の相乗効果により、プリプレス工程だけで1~2名分の工数削減が図れており、多能工化と合わせて人員配置の柔軟性が増したという。 

 
   MIS-XMF連携により、ジョブ作成の工数が大幅に削減された

■戦略課題だった準備時間は「平均
9.0分」まで短縮

 一方、印刷工程においては、準備時間の削減効果が明確に表われている。XL106導入前、の2014年の主力オフセット機では43分ほどかかっていたが、XL106の2台体制構築後の2021年の平均準備時間は10.8分(XL106の2台平均)と約75%減。さらに、JDFの運用を始めた半年間の実績では17%削減され、なんと9分。これは、特色・プロセス4色の色替えなども含めた平均値であることを考えると、驚異的な数字であり、機材メーカーからも世界トップクラスの生産性と評価されている。
「簡易なジョブでは5分を楽に切ります。とくに、JDF運用は一つのジョブを刷り終わってから次の刷版がセットされるまでの時間短縮効果が大きいですね。そのセットアップにJDFを使うことによって、用紙やインキなどの情報の手入力が不要になっており、この部分だけで比較すると3割以上の時間短縮になっています」(南室長)
 JDF運用の応用として、MIS側でも、印刷準備に必要なデータ(JDF+PPF)がすべて揃っていることを印刷予定表上にて一目で確認し送信できる仕組みをつくることによって、現場での余計な確認作業を不要にするといった工夫も行なっており、これも印刷準備時間の削減に大きく寄与している。
 また、同社は小ロットのジョブを『Jet Press 750S』に、中~大ロットのジョブをオフセット機に振り分ける「オフセット・デジタル共存のハイブリッド運用」を行なっており、これによってオフセット枚葉部門全体の稼働効率を高めている。
 こうしたさまざまな最適化の相乗効果により、枚葉印刷における生産性は、小ロット化が進んだにもかかわらず、2014年比で約1.8倍と大幅に向上(約4,000枚/時向上)し、その改善効果は、印刷機の間接時間も含め、約14,658時間/年を見込んでいるという。 

  
   
小ロットジョブをJet Press750Sに振り分けることでオフセット機
 の稼働率を高めている


■働き方のイノベーション、企業としての魅力アップを目指す

 このコロナ禍でも投資を止めず、着々と生産改革を進めてきた第一印刷所。その結果、製造を担うグループ4社の利益率は、最適化の活動を始めた当初から6.9ptと大きく向上した(2022年8月現在)。また、生産工程全体の効率化により、印刷機オペレーターが後加工の作業に携わるなど、“人員配置の最適化”も実現している。しかし、同社の挑戦はこれがゴールではない。小出専務は「今回構築した新しいワークフローをさらに磨き上げ、生産性アップだけでなく、働き方のイノベーションにもつなげていきたい」と今後を見据える。
「たとえば、印刷機のワンオペ体制を実現し、週4日、5~6時間勤務といった多様な働き方を可能にする。こうした環境整備を推し進めることで、企業としての魅力を高め、若い方々に“第一印刷所で働きたい”と思ってもらえる存在を目指したいですね」(小出専務)
 その上で、FFGSをはじめとするベンダーとのパートナーシップを引き続き大切にしたいと語る小出専務。最後にこう締めくくった。
「今後も私どもの課題に対してさまざまな提案をいただき、一緒にディスカッションしながら、さらなる変革の道を探っていければと思っています。また、今回の生産工程最適化の成果については、きちんとデータをとり、皆さんにフィードバックしていきます。当社だけが利益を享受するのではなく、結果を共有してお互いの成長につなげるということも、ビジネスパートナーとして大切なことだと考えています」

 

 

2022.10.16

◆富士フイルム  「IGAS2022」出展で記者発表会を開催 「SUPERIA ZX」を出展、乾式トナーB2機の技術出展も 富士フイルム、富士フイルムBIとFFGSの3社の総合力で迎える

 ■メッセージは「つながる」「流れる」「広がる」

富士フイルム株式会社は、10月7日、六本木の東京ミッドタウン本社で、11月24日(木)から28日(月)まで有明の東京ビッグサイトで開催される国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展「IGAS2022」への出展に伴い、出展概要の記者発表会を開催した。
 今回の「IGAS2022」は、昨年7月の富士フイルムと富士フイルムビジネスイノベーション(以下、富士フイルムBI)の印刷関連事業統合後、初のIGASとなる。富士フイルム、富士フイルムBI、FFGSの各社からのメッセージとともに展示概要を説明した。IGAS2022で富士フイルムグループは「BELIEVING IN PRINT~つながる。流れる。広がる。新たな印刷ビジネスの魅力を、ここから。」のテーマで出展。無処理版の新製品「SUPERIA ZX」、「JetPress 750S」高速化モデルを出展する他、乾式トナーを採用したB2サイズ機Revoria Press B2の技術展示も行うなど、
最新鋭機を紹介する。

  

     左から、富士フイルム グラフィックコミュニケーション事業部長 下坂 裕昭氏、
        富士フイルムBI グラフィックコミュニケーション事業本部長 木田 裕士氏、
        FFGS 代表取締役社長 山田 周一郎氏

   
   記者発表では最初に、富士フイルムグラフィックコミュニケーション事業部長の下坂 裕昭氏があいさつに立ち、富士フイルムブースの出展位置づけについて説明を行った。


  
下坂事業部長
 「
今回のIGASで掲げたキーメッセージは「つながる」「流れる」「広がる」でございます。このメッセージに私どもは、システムや工程、人や会社がシームレスにつながり、ジョブやデータがスムーズに流れ、印刷ビジネスが大きく広がっていく姿をイメージしています。オフセットからゼログラフィーとインクジェットの両面の技術でデジタル印刷を幅広くカバーする製品ポートフォリオを揃えて参りました。今回も新しい無処理のプレートやゼログラフィーのプリンター等で極めて強力な新製品を発表させていただきます今回のIGASでは、FF、FBとFFGSの3社の総合力でお客さまをお迎えします。印刷工程を考える上で最適なパートナー会社様のシステムとの組み合わせ、オフセットもデジタルも境目なく統合する実践的なワークフロー構成をご覧いただきます。印刷のお仕事とビジネスの『つながる』『流れる』『広がる』を多角的に訴求してまいります」という趣旨を述べた。


■「FUJIFILM Smart Factory」と最新のデジタルプレスの技術展示

続いて、富士フイルムビジネスイノベーション執行役員・グラフィックコミュニケーション事業本部長の木田 裕士氏が、ブースで展開するスマートファクトリー化について説明した。


       木田執行役員  
 「
FFブースのテーマ「Believing in Print『スマートファクトリー化(自動化でつなげる)』『工程変革(効率化でながれる)』『スキルレス化(働き方変革で価値をひろげる)』を中心に、入稿・印刷・後加工とそれぞれの工程間をも自動化でつなぐことで最適な生産環境を提案します。具体的には生産工程の見える化を実現する「Revoria One Production Cockpit」(技術展示)を核に、個々のお客様の環境や人員、ジョブの内容に応じてオフセット印刷やデジタルプレスの併用、後加工機はもちろん、搬送や仕分など、これまで難しかった各工程間の継ぎ目までも含めて一元管理できる「真の統合ワークフロー」によるスマートファクトリーを構築するということです」と、新たな印刷ビジネスの魅力を発信していくと述べた。
 

■新完全無処理CTPプレート「SUPERIA ZX」や印刷の魅力を再発見する企画も

最後は、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ 代表取締役社長の山田周一郎氏が全体の出展概要について説明を行った。

    
     山田社長
 「
オフセットラインやデジタルラインを問わず、さまざまなメーカーのシステムをオープンにつないだ実機デモを交え、新たな印刷の価値を生み出す効率的で実践的な近未来の生産現場を、ご来場された皆様に体感していただきます。昨年来、オフセット印刷とデジタルプレスの共存により最適な生産環境を構築する「最適生産ソリューション」の提案活動を展開してきました。具体的な提案として、印刷の全行程にわたる自動化・効率化・可視化を実現する「Revolia One Production Cockpit」を中心に、入稿から加工、発送まで自動化された運用を、協業メーカーと連携しオフセット印刷とデジタル印刷のそれぞれで実演します。また、「使いやすさ」を全面的にレベルアップした次世代の完全無処理プレート「SUPERIA ZX」を出展します。視認性が大幅に向上したのに加え、刷り易さや耐刷性などの基本性能も向上しており、印刷業界全体の無処理化による環境対応や刷版工程の自動化へ貢献していきます。さらに、来場されたお客さまのビジネスのヒントとなるように、強みを活かして成長されている元気な印刷会社様にインタビューを行い、その企業が考える「印刷ビジネスの魅力」と、魅力を活かしたビジネスモデルについて、多数の事例をご紹介するコーナーを企画しています。「印刷の魅力」を再発見し、将来の成長戦略についてディスカッションできる場としたいと考えています」と、述べた。

   今回の注目の新製品は、世界初・乾式トナー技術を採用したB2サイズ枚葉デジタルプレス「Revoria Press™ B2(仮称)」の技術展示と、10月11日にリリースした新完全無処理CTPプレート「SUPERIA ZX」である。「IGAS2022 富士フイルムブース特設サイト」を設けて展示の概要を詳しく説明している。

 

2022.10.04

◆モリサワ  新サービス「Morisawa Fonts」を2022年10月4日(火)より提供開始

   株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、クラウド型の新たなフォントサービス「Morisawa Fonts(モリサワフォンツ)」の提供を2022年10月4日(火)より開始した。
 Morisawa FontsはMORISAWA PASSPORTが持つ1,500書体以上のライブラリーを引き継ぎ、デバイスに依存しないユーザー単位のライセンスで利用できるクラウド型のフォントサービスです。ひとつのライセンスで、オフィスと自宅でのリモートワークなどPCを2台まで利用することが可能である(同時利用はできない)。

また、用途に合わせてフォントをグループ化できる「フォントコレクション」機能や、便利になったライセンス管理機能などにより、ユーザーのシームレスなデザイン環境をサポートする。さらにMorisawa Fontsの使用許諾では、提供書体を利用した制作物(ロゴ等)の商標登録ができるようになった。
「文字とつながる。世界がひろがる。」をタグラインに、Morisawa Fontsはさらにサービスを充実させ、高品質でバラエティ豊かなフォントをご提供していくとのことだ。
動画URL https://youtu.be/BMxByGRpko4
Morisawa Fontsサービスサイトはこちら
https://morisawafonts.com/

提供プラン

■スタンダードプラン
・すべてのフォントと機能が利用可能。(※1)
・キャンペーン価格 / 1ライセンスあたり年額48,180円(税込)
2022年10月4日(火)~2023年10月3日(火)までMorisawa Fontsリリースキャンペーンを実施し、通常価格(64,240円)の25%オフとなります。10ライセンス以上のご契約で、さらなる割引を用意している。
詳しい価格、プラン紹介ページは以下より。
https://morisawafonts.com/plans/standard/
・MORISAWA PASSPORTを契約中のユーザーには、移行特典価格で契約できる。詳細は後述の「Morisawa Fontsへの移行(ご契約の切り替え)について」を参照。
■フリープラン
厳選した5書体を無料で試用できる。(※2)
〈提供書体〉
A P-OTF しまなみ StdN R
TBカリグラゴシック Std R
RoぶらっしゅStd-U
UDデジタル教科書体 ProN R
UDデジタル教科書体 ProN B
(※1)MORISAWA PASSPORTに搭載されているFont Bureau社(The Font Bureau Inc.)の欧文フォント、HANYI社(北京漢儀科印信息技術有限公司)の中国語(簡体字)フォント、TrueTypeフォントはMorisawa Fontsには搭載されない。
(※2)予告なく、利用できなくなる場合や変更される場合がある。また、iPadでの利用、および商標登録はできない。

 Morisawa Fontsの利用方法
■購入について
Webサイト、または取扱店で購入可能。
動画URL https://youtu.be/oItB1gIM93c
■フォントの利用方法について
利用したいフォントを選択してアクティベートすることで、PCの各種ソフトやツールなどにフォントが反映される。
動画URL https://youtu.be/J1YP1eEeru0 
購入・利用方法の詳細は以下より
https://morisawafonts.com/guide/
■Morisawa Fontsのフォントについて
 Morisawa Fontsは、定番からトレンドに合った最新のものまで、こだわりの品質のフォントを提供している。
これまでもモリサワのフォントは、ジャンルや媒体を問わず幅広い分野で利用されており、多くの人にとって読みやすく設計されたユニバーサルデザイン(UD)フォントや、150を超える言語に対応した多言語フォントなどを通じ、表現の多様性に貢献してきた。
 1書体あたり最大2万3千文字を超える文字セットを手がけるモリサワのクラフトマンシップが、Morisawa Fontsにおいても信頼のクオリティーを届けている。

「フォントへのこだわり」の紹介はこちら
https://morisawafonts.com/font-features/
■Morisawa Fontsへの移行(契約の切り替え)について
 MORISAWA PASSPORT契約期間中にMorisawa Fontsへの移行(契約の切り替え)を手続されるユーザーを対象に、1年目と2年目が25%オフになる特別価格を用意している。また、フォント環境を移行できる便利なツールも利用できる。
移行の手順についての案内は以下より
https://www.morisawa.co.jp/products/fonts/passport/migration/
[MORISAWA PASSPORT契約者向け] Morisawa Fonts 移行サポートサイトでは、よくある質問をまとめたFAQを掲載しているほか、お問い合わせフォームを案内している。
https://mf-migration.morisawa.co.jp/hc/ja

モリサワについて
 1924年に世界に先駆けて「邦文写真植字機」を発明して以来、「文字を通じて社会に貢献する」を社是に研究・開発を続けているフォントメーカー。1,500書体以上が使えるフォントライセンス製品「MORISAWA PASSPORT」や後継サービス「Morisawa Fonts」をはじめ、Webフォントや組込みフォント、多言語ユニバーサル情報配信ツールMCCatalog+(エムシーカタログプラス)などを提供している。また、文字のかたちがわかりやすく読み間違えにくいことをコンセプトにユニバーサルデザイン(UD)フォントを開発・提供、第三者機関と共同で可視性・可読性に関する比較研究報告を実施している。

●同件に関する問い合わせ先
株式会社モリサワ 東京本社 ブランドコミュニケーション部 広報宣伝課
Tel:03-3267-1318
E-mail:pr@morisawa.co.jp
SNSでも最新情報を公開している
Twitter:@Morisawa_JP
Facebook:@MorisawaJapan
※記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。
※記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。

 

2022.09.08

◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ Jet Press 750S導入事例――有限会社樋口印刷所 「超高画質・小ロット対応」のメリットを活かし新規市場開拓 オフセットでできなかったことを「できる」に変え、ワクワクの連鎖を生む

  油性オフセットによる下請け専業の印刷会社として50年以上の歴史を持つ有限会社樋口印刷所(本社:大阪市東住吉区桑津1-6-12、取締役:樋口裕規氏)は、2021年12月、新たな成長戦略の柱として富士フイルムのB2インクジェットデジタルプレス『Jet Press 750S』を導入。サンプル印刷や本紙校正といった極小ロット対応、広色域を活かしたRGB画像の高画質再現など、インクジェットデジタルプレスならではのメリットを訴求し、受注拡大を図っている。導入に至った経緯や、具体的な活用戦略・効果について、取締役・樋口裕規氏、デジタルプレス事業部・鉛口(かなぐち)茂雄氏に伺った。

 

■市場を広げるための最も有力な選択肢

 樋口印刷所は1970年、先代社長・樋口義一氏が創業。大阪の地で下請け専業としてオフセット印刷技術を磨き、100社を超える印刷会社との厚い信頼関係を築き上げてきた。樋口印刷所が得意とするのは、特殊紙・特色を使った印刷物。「紙の印刷なら何でも」のキャッチフレーズを掲げ、極薄紙から0.8mmまでの厚紙まで対応。さらには、和紙や不織布、フォイル、ユポなどの特殊原反への印刷も手がける。また、オペレーター全員が特色の調色技術を持ち、パッケージ印刷などで強みを発揮している。


 樋口取締役

「最近は、普通紙を使った商業印刷物よりも、紙器パッケージやシール・ラベルなどの依頼が多いですね。中には、特色9色を使った商品パッケージといった、かなり難易度の高い仕事もあります。他の印刷会社さんではなかなか受けられないような仕事をお任せいただけるというのが、当社の大きな強みになっています」(樋口取締役)
  卓越した技術力と、「難しい仕事を率先して引き受け、顧客の期待を超える仕上がり品質を短納期で提供する」という姿勢が、樋口印刷所のブランドを揺るぎないものにしているのだ。
  現在、同社は油性オフセット機を4台(2色機・4色機を各2台)保有し、すべて菊半裁機で統一している。昨年までは4色機がもう1台あったが、今回、これをJet Press 750Sに置き換えた。約半世紀にわたってオフセット印刷一筋で企業価値を高めてきた同社が、デジタル印刷に着目したのは、どんな理由からだったのだろうか。
「自社の将来について考えたとき、現状のまま何もしなければ伸び悩むことが明らかなので、新たな市場を開拓していく必要があると感じていました。それには、何か新しい強みを身につけなければいけない。その選択肢の一つとして、3年ほど前からインクジェットデジタル印刷技術に注目していたのです。一定以上のロットの場合は、オフセット印刷はいまでも生産効率などの面で非常に優れた印刷方式ですが、一方で、廃液・廃版・損紙を出してしまうという課題もあり、これを変えようとする動きが今後加速していくはず。つまり業界は間違いなくデジタル印刷の方にベクトルを向けており、これからさらに技術進化が重ねられていくと考えたわけです」(樋口取締役)
  成長戦略の方向性としては、デジタル印刷の他にもいくつかの選択肢を検討したという。
「オフセット印刷の領域で新たな技術を採り入れるという選択肢もありました。具体的には、UV印刷や水なし印刷などです。しかし、市場を広げていけるパワーがどれだけあるか、という観点で考えると、やはり進むべき道はデジタル印刷しかないという結論に至ったわけです」(樋口取締役)
  また、鉛口氏がこう付け加える。
「いま、1社のお客さまから大きなボリュームの仕事をコンスタントにいただける時代ではなくなっています。ロットは小さくても、より多くのお客さまと繋がった方が、安定した経営を持続できますし、小ロットの潜在ニーズはまだまだあるだろうと。その意味でも、小ロットに強いデジタル印刷を導入することが最も有効だと考えたのです」

   

  樋口印刷所ではデジタル印刷を新たな成長戦略の柱として位置付けている 

■見学申し込みが殺到。注目度の高さは予想以上

 樋口取締役は、Jet Press 750Sの導入について「当社にとって大きな賭けでもあった」と振り返る。
「従来のオフセット印刷とは違う領域であり、新規事業としてゼロからのスタートとなるので、やはり導入には相当の覚悟が必要でした。ただ、進もうとしている方向は絶対に間違っていない。そこには100%の自信を持っていました」
 機種選定については、ほとんど迷うことなくJet Press 750Sに決めたという。
「私どもの中で富士フイルムさんのメーカーとしての信頼感はかなり大きく、他社のデジタル機を比較検討しようという考えはまったくありませんでした。辰巳のショールームでJet Press 750Sの実機を見学させていただき、その帰り道にはもう導入を決めていましたね」(樋口取締役)
 また、現場目線で採用の決め手になったのは、フィーダーやデリバリー、用紙搬送機構など、オフセット機と共通のメカニズムを多く採用していること。
「仕組みがオフセット枚葉機に近いので、第一印象として、馴染みやすそうだという感覚がありましたね。これまで培ってきたオフセット印刷の知識・ノウハウが、かなり活かせるのではないかと。とくに、フィーダーがオフセットライクな機構で、さまざまな用紙を安定して給紙できる機構になっているのは大きなポイントでした。その点も含め、機械全体を見たときに“オフセット印刷の未来”を感じましたね」(鉛口氏)
 こうした好感触が得られたことから導入を即決。その半年後には実機を設置する運びとなった。
 一方、実際の運用にあたっては課題もあった。それは、「顧客のインクジェットに対する不安をいかに払拭するか」。鉛口氏はこう語る。
「当社のお客さまは品質へのこだわりが非常に強く、『インクジェットで大丈夫なの?』という不安を持つ方が多い。しかし私どもとしては、『品質にこだわる方にこそJet Pressをお勧めしたい』という思いがある。その隙間を埋める作業が必要でした。それには、とにかくテスト出力して見ていただくのが一番。実際に見ていただくことで、オフセットよりも色の再現力や安定性が高まり、かつコストが抑えられるということを理解していただく。まずそこに注力することにしました」
 WebサイトやSNSなどで積極的に情報発信を行ない、見学やテスト出力の申し込みを募るとともに、内覧会も実施し、より多くの顧客に「見て・触れて・知ってもらう」場を設けた。こうしたプロモーションの反響は、予想を上回るものだという。
「毎日のようにお問い合わせをいただくようになりました。やはり皆さん、デジタル印刷に対する関心は非常に高い。中には、自社での導入を検討される方もいらっしゃいます。実際の出力を見ていただくと、不安を持たれていたお客さまからも『ぜひ活用したい』と仰っていただけることが多いですね」(鉛口氏)
 鉛口氏は、内覧会や個別見学でJet Press 750Sのメリットを説明する際、「RGB画像の高画質再現」「驚異的な色安定性」「小ロット対応」の3点をとくに強調しているという。
「お客さまは、この3つのいずれかで困っていらっしゃることが多い。ですから、これらの課題をどのように解決できるかをご説明すると、どこかで必ず響くんですね。Jet Pressのご提案を重ねていくうち、より効果的な訴求方法が徐々に掴めてきました」(鉛口氏) 

  
 オフセット機と共通の機構を採用した点も
 導入の決め手になった。

 

 Jet Press 750Sで出力した印刷物。高品位
 な画像再現が顧客から高く評価されている。

■Jet Pressには、営業マンをワクワクさせる力がある

 Jet Press 750Sの導入から半年あまり。積極的なプロモーションの効果もあり、Jet Press 750Sの認知度は着実に高まり、新規の受注も増加。「Jet Press指定」の仕事も少なからずあるという。

 鉛口氏 

「たとえば、スイーツ店の名刺・ショップカード、絵本、幼稚園のパンフレットなど、RGB画像の色を鮮やかに出したいというお客さまは、Jet Pressを指定されることが多いですね。また、リピート時の色の一貫性を重視する商品パッケージなども、Jet Pressを希望されるケースがあります」(鉛口氏)
  まさに、Jet Press 750Sの特長である色域の広さ、色安定性の高さが顧客に広く認知されつつあることの表れと言えるだろう。もちろん、デジタル印刷ならではの小ロット対応力も活かされている。その一つが、本紙校正だ。
「多くの印刷会社さんにとって大きなネックになっているのが本紙校正です。クライアントから『ちょっと1枚出して見せて』と言われると、本機か平台校正機で出すしかなく、とくにパッケージや特殊紙の仕事では多大なコストがかかってしまう。しかしJet Pressであれば、簡単に低コストで、しかも一度に何種類も出すことができます。お客さまのご要望によっては、校正の段階でRGBとJapan Colorそれぞれの色域で出力して選んでいただくということも可能です。Jet Pressは、悩みの種だった校正の問題も見事に解決できるわけです」(鉛口氏)
  こうしたメリットを実感した顧客が、口コミで同社のJet Press 750Sを広めてくれることもあるという。
  もう一つ、Jet Press 750Sの大きな導入効果として挙げられるのが、「お客さまである印刷会社の営業マンにワクワクしてもらえること」だと鉛口氏は語る。
「先日、60歳代のお客さまがこんな風に仰ってくださいました。『印刷にはもう将来性を感じられなくなっていたけれど、樋口印刷所さんのJet Pressのおかげで、また印刷が面白くなってきた。この歳になって印刷でワクワクできるとは思わなかったよ』と。その方は、小ロットのさまざまな印刷物を企画提案されているのですが、そうした立場の方から見ても、Jet Pressは大きな可能性を持った機械なのだと思います」
 Jet Press 750Sによって、いままでできなかったことが「できる」に変わる。それを知った印刷会社の営業マンが、ワクワク感をもってそれぞれのクライアントに提案する。そこで面白い仕事が生まれ、樋口印刷所自身のワクワクにもつながっていく。そんな好循環ができているのだ。

  

 「Jet Pressは熟練職人の技をいとも簡単にこなしてしまう」と、現場の驚き
   も大きかったという。

■顧客のクリエイティブ・企画力との相乗効果に期待

 同社のJet Press 750Sの活用はすでに大きな広がりを見せているが、樋口社長は「まだスタート地点に立ったばかり」と今後を見据える。
「お客さまがどんなところに興味を持ってくださるのか、どうしたら喜んでくださるのかが、ようやくわかってきたところです。これからも引き続き、さまざまな形でお客さまにJet Press 750Sの魅力をお伝えしていきたいと思います」(樋口取締役)
 同社は創業以来、“印刷会社のための印刷のプロ”というスタンスで、専ら印刷技術を究めてきたが、顧客の中には、企画・制作部門を持つ印刷会社も多い。樋口社長は、今後、そうした顧客のクリエイティブや企画力とJet Press 750Sとの相乗でさまざまな化学反応が生まれることを期待している。
「お客さまには、ぜひ、自社にJet Pressが入ったつもりでどんどん活用していただきたいですね。デジタル印刷ならではのメリットはたくさんありますし、いままでできなかったことができるようになる。皆さんのアイデアで、Jet Pressの魅力をもっともっと引き出していただきたいと思っています」(樋口取締役) 

◇     ◇

 去る7月28日・29日の両日、樋口印刷所では、富士フイルムデジタルプレス(FFDP)主催による「Jet Press 750S見学会」を開催。2日間で13社28名が参加した。
 見学会はFFDP・宮本美奈子の司会で進行。Jet Press 750Sの主な機能について動画で紹介した後、実機による出力デモンストレーションに移り、RGBフルガマットとJapan Colorでの出力比較や、複数種類のグレースケールの出力などにより、卓越した色再現性・安定性を披露した。さらに、CMYKの掛け合わせによる特色作成、AI技術を応用した描画品質検査機能についても実演し、生産機としての用途の幅広さ、信頼性の高さを紹介した。

    
  
    


2022.08.18

◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ  Jet Press 750S 導入事例――Grafica Veneta社 Jet Press 750Sで書籍表紙の生産能力を強化

  イタリア北部のトレバゼーレゲに本社を置く、Grafica Veneta社(米国のLake Book社と提携)は、高品質な書籍表紙の生産性を向上させるために、2021年3月、枚葉型インクジェットデジタルプレス『Jet Press 750S』を導入した。Grafica Veneta社の研究開発責任者であり、同社社長のFabio Franceschi氏のご息子であるNicola Franceschi氏に、導入の背景や具体的なメリットについて伺った。

 

■ビジネス成功の鍵は、JetPress750Sを活用した書籍、表紙、雑誌、パンフレットの出力

Grafica Veneta社は、年間1億5,000万冊の書籍を印刷し、1億ユーロの売上高を記録する欧州トップクラスの印刷会社で、数百万部のベストセラーから貴重な限定版のアートブックまで、あらゆる印刷ニーズに対応できる、最新の設備を備えている。現在、10万m2の太陽光発電を利用したカーボンニュートラル工場を運営する同社は、750名の従業員を擁し、欧州、北アフリカ、米国と商圏を拡大している。

    
 
  導入の背景について
Nicola Franceschi氏は「2021年初め、米国のLake Book社との提携を開始するとともに、事業の将来を見据えて、更なる効率化のためにJetPress750Sを導入しました。当社では、すでに富士フイルムのJet Press 720Sを書籍の表紙印刷に活用しており、その品質が素晴らしかったため、同じ品質でより生産性が上がったJet Press 750Sが登場したと聞いて、すぐに性能を評価し、当社のデジタル印刷ラインをアップグレードすることに決めました。」と述べた。

  2021年の導入以来、Jet Press 750SがGrafica Veneta社にもたらした多くのメリットについてFranceschi氏は、次のように振り返る。
「各ジョブにかかる全体の印刷時間が短縮でき、特に少部数印刷において、品質を損なわずに生産スピードが高まったことで、出版社向けのサービスが向上しました。同機の高速モデル(High Speed Model)に、Jet Press 750Sをアップグレードすることで、さらに業務をスピードアップすることができると考えています。」

  また、「長年にわたって富士フイルムと良い関係を結んできたことで、当社の事業を拡大することができました。私たちは富士フイルムのチームと技術を信頼しています。そして、富士フイルムの今後の新たな開発に注目をしています。」

    
   
   Fujifilm Graphic Communications, Italy
のPaolo Zerbiは、次のように述べます。「Grafica Veneta社は、書籍印刷業界の有力企業です。世界中の大手出版社向けに数百万部を印刷する同社は、品質とは何か、顧客が求める印刷物のニーズを良く理解しています。これまではJet Press 720Sが同社に貢献してきましたが、昨年からはJet Press 750Sが、同社によい影響をもたらすことができ、嬉しく思います。これからも同社と良好な関係を結び、同社の成長を支えていければ幸いです。」

 

 

2022.08.02

◆モリサワ  新たなフォントサービス「Morisawa Fonts」を発表 「MORISAWA PASSPORT」の後継サービスとして10月4日にリリース

  株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25 Tel:06-6649-2151 代表、以下モリサワ)は、クラウド型の新たなフォントサービス「Morisawa Fonts」を 2022年10月4日(火)にリリースする。

●フォント利用の自由度が高まる「Morisawa Fonts」
 Morisawa Fontsは、1,500書体以上のフォントが好きなだけ使えるライセンス製品「MORISAWA PASSPORT」の書体ライブラリーを引き継ぎ、デバイスに依存しないユーザー単位のライセンスで利用できるフォントサービスである。
 近年急速に業務のクラウド化が進む中、テレワークをはじめデザインの作業環境も変化してきている。「文字とつながる。世界がひろがる。」をタグラインに掲げるMorisawa Fontsでは、新たにユーザーライセンスを採用し、例えばオフィスと自宅で異なるPCを使う場合でも、同一アカウントでログインすることで、同じフォント環境の再現が可能である。フォントやライセンス情報はクラウド上で管理されており、Morisawa FontsのWebサイト上で使いたいフォントをアクティベートすることで簡単にインストールできる。

  また、利用するフォントは、制作物やプロジェクトに合わせて複数のフォントコレクションを設定してまとめることもできる。このほか、サービスで提供されるフォントを使用して制作したロゴなどの商標登録も可能となっている。
 Morisawa Fontsにはすべてのフォントと機能が利用できるスタンダードプランと、5書体のフォントが無料で試せるフリープランがある。今後、フォントや機能の追加はもちろん、さまざまなユーザーの用途に対応したプランも拡充していく予定である。
 フォント製品「MORISAWA PASSPORT」は2028年度にサービスを終了。モリサワでは2005年にMORISAWA PASSPORTの提供を開始し、それまでの1書体ごとのライセンスではなく、豊富な書体ライブラリーを定額で使える画期的なライセンス製品として、広く利用されてきた。長きにわたり、新書体の追加はもちろん、制作データのやりとりの簡便化や明確なコスト管理など、フォントを扱うための“パスポート”
として、サービスの充実に努めてきた。
 Morisawa Fontsでは、クラウドサービスへと移行することで、時代のニーズにマッチした快適なフォント環境をスピーディーに提供していく。これに伴い、MORISAWA PASSPORTは、2022年11月以降順次、新規契約・契約更新の受付を終了し、2028年度にサービスの提供を終了する予定である。
モリサワは、引き続きユーザーの声に耳を傾け、シームレスなデザイン環境の実現に向けてサービスを改善し、進化させていくとのことだ。

●Morisawa Fonts「スタンダードプラン」の詳細
・ モリサワグループのフォントはもちろん、ヒラギノシリーズ、昭和書体など他社フォントを含む1,500書体以上のライブラリーが利用可能 (※1)
・ ユーザー単位のライセンスにより同一アカウントでPC2台まで登録可能(同時利用はできない)
・Webサイト上でフォントをアクティベートすることで簡単にインストールでき、異なる端末であってもログインすれば、同一のフォント環境を再現
・ 制作物やプロジェクト単位で利用するフォントをグループ化できるフォントコレクション機能
・ サービスで提供されるフォントを使用して制作したロゴなどの商標登録が可能
・ 複数ライセンスを契約している際のライセンスの割り当てができるライセンス管理機能
・ 1ライセンスにつきiPad 1台の利用が可能 (※2)
・ 自動更新設定で、毎年の更新手続きが不要 (※3)
(※1)MORISAWA PASSPORTに搭載されているFont Bureau社(The Font Bureau Inc.)の欧文フォント、
   HANYI社(北京漢儀科印信息技術有限公司)の中国語(簡体字)フォント、TrueTypeフォントは
   Morisawa Fontsには搭載されない。
(※2) MORISAWA PASSPORT for iPadでの提供となる。
(※3) Webサイト上で契約手続きの場合。
●キャンペーン価格
1
ライセンスあたり48,180円(税込)
 2022年10月4日(火)~2023年10月3日(火)までMorisawa Fontsリリースキャンペーンを実施し、通常価格(64,240円)の25%オフとなる。10ライセンス以上の契約で、さらなる割引を用意している。詳しい価格はサービス紹介ページを参照。
 MORISAWA PASSPORTを契約中のユーザーには、移行特典価格で契約が可能である。
以下の「MORISAWA PASSPORTに関するご案内」を参照。
●契約期間:1年
●提供開始日:2022年10月4日(火)
Morisawa Fonts
サービス紹介ページは以下より
https://www.morisawa.co.jp/products/fonts/morisawa-fonts/
●MORISAWA PASSPORTに関する案内
MORISAWA PASSPORT
は2028年度にサービスの提供終了を予定している。
 これに伴い、順次各種手続きを終了し、また、2024 年以降は新書体が追加されない。詳しくは、以下の「MORISAWA PASSPORT今後の予定」を参照。
 なお、MORISAWA PASSPORT契約者向けに、契約開始から 2 年間通常価格から25%オフの48,180 円(税込)となる「MORISAWA PASSPORTご契約者様向け移行特典」を用意している。また、フォント環境の移行ができる便利なツールを利用することが可能である。
 特典の詳細や、Morisawa Fontsへの移行(ご契約の切り替え)についてはサービス紹介ページで案内している。不明な点は、契約者様専用のサポートサイトより問い合わせを。
●MORISAWA PASSPORT今後の予定

  

業界別MORISAWA PASSPORT(アカデミック版、教育機関向け、公共団体向け)の予定は別途案内する。
MORISAWA PASSPORT
契約者様向けMorisawa Fonts移行サポートサイト
https://mf-migration.morisawa.co.jp/hc/ja
モリサワについて
 1924年に世界に先駆けて「邦文写真植字機」を発明して以来、「文字を通じて社会に貢献する」を社是に研究・開発を続けているフォントメーカーです。1,500 書体以上が使えるフォントライセンス製品「MORISAWA PASSPORT」をはじめ、Webフォントや組込みフォント、多言語ユニバーサル情報配信ツールMCCatalog+(エムシーカタログプラス)などを提供している。また、文字のかたちがわかりやすく読み間違えにくいことをコンセプトにユニバーサルデザイン(UD)フォントを開発・提供、第三者機関と共同で可視性・可読性に関する比較研究報告を実施している。

●同件に関する問い合わせ先
 株式会社モリサワ 東京本社 ブランドコミュニケーション部 広報宣伝課
 
Tel:03-3267-1318
 E-mail:pr@morisawa.co.jp
SNS
でも最新情報を公開している
Twitter
:@Morisawa_JP
Facebook
:@MorisawaJapan
※記載されている内容は、予告なく変更する場合がある。
※記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標である。

2022.07.11

◆コニカミノルタ   デジタル印刷で人と企業のコミュニケーションを革新する共創プラットフォーム「AccurioDX」を立ち上げる

  コニカミノルタ株式会社は、このほど、デジタル印刷で人と企業のコミュニケーションを革新する共創プラットフォーム「AccurioDX(アキュリオディーエックス)」を立ち上げた。「AccurioDX」は、印刷を発注したいと考える全ての人や企業、印刷会社、物流会社、ソリューションプロバイダーといった多様なプレイヤーが参加できるプラットフォーム。参加する人々の専門性やアイデアで、デジタル印刷ならではの価値を共創し、新たな市場拡大を目指していく。

   


【パーソナライズ印刷販促物の発注と効果測定を容易に】
 デジタル印刷の特長の一つに、印刷物の内容や受け取るタイミングを、受け手一人一人に合わせることができるパーソナライズ(個別最適化)があり、この方法をダイレクトメールやチラシに導入することで、より効果的な販促活動が期待できます。しかし、その導入には企画、データマネジメント、物流などで生じる手間やコスト、効果測定のノウハウの不足が課題となっていた。
 コニカミノルタは「AccurioDX」による共創で、パーソナライズされた印刷物の発注工程の簡易化と効果測定を実現した。この効果測定では、マーケティング活動における顧客満足度向上への効果を可視化している。


     
 
  また、パーソナライズされた印刷物は必要な情報を必要な人だけに届けることができ、限られた資源の有効活用やCO2削減にも貢献する。「AccurioDX」で発注を簡便にすることでデジタル印刷の利用の場を広げ、地球環境に配慮したマーケティング活動を支援する。

【印刷発注者から始まる「価値共創プログラム」】
 「AccurioDX」では、新たな共創を始めるための「価値共創プログラム」を運用している。このプログラムでは印刷発注者を起点として、コニカミノルタがともにマーケティング活動のコミュニケーション手段をデザインし、プログラムに参加しているさまざまなパートナーとともに、共創の連鎖を生みだすことを目指している。既に20社以上の企業が「価値共創プログラム」に参加しており、共創活動を実践している。ここから創りだされる大小のソリューションの組み合わせが「AccurioDX」を構成し、応用によって広く展開される。

【「価値共創プログラム」事例:チラシ同梱でWEBアクセス率が1.67倍に】

 コニカミノルタがEコマース事業者と物流倉庫の双方をつないで共創の場を構築し、パーソナライズチラシの同梱でWEBアクセス率を短期間で1.67倍に向上させるという販促施策を実現した。
 冷凍おかずの定期便サービス「三ツ星ファーム」を展開するイングリウッド社は、顧客の好みやライフスタイルに合わせてメニューをカスタマイズして商品を配送しているが、安定的に注文を確保するためには、より顧客に魅力的な提案が必要と考えていた。パーソナライズされた印刷物を商品に同梱する案はあったが、過去の注文履歴に連動した印刷データ生成の手間や、印刷物を同梱する物流倉庫での作業が煩雑になることが予想され、実施に踏み切れずにいた。
 一方、物流企業のアイズ社は、同梱物の種類を増やしたいというクライアントからの要望に対して、作業負荷を増やさず、かつ作業スピードを損なわずにミスのない同梱、検品を実現するための具体的な方策を探していた。

 そこで、コニカミノルタは両社に共創活動を提案し、販促企画、梱包物流双方の印刷利用に関わる課題に向き合い、ともに効率的な作業手順の検討や、販促施策効果を検証した。その結果、自動化システムと人的オペレーション双方の活用で、冷凍おかず発送時のパーソナライズ印刷物同梱を構想から3か月という短期間で実現した。さらに、印刷されたQRコードからのWEBサイトアクセス率が従来の1.67倍に向上したという効果を立証することで、Eコマース事業者と利用者との新たなコミュニケーション手段を確立することができた。


【コニカミノルタが目指す印刷業界の姿】
 近年、消費行動や労働環境の変化、気候変動や限られた資源といった環境問題への関心の高まりに伴い、印刷物やその生産に対する要求も変化しており、受発注者をはじめ印刷に関わる人々全体の変革がより強く求められている。
 コニカミノルタは、デジタル印刷こそがその変革の中心において役割を発揮するという信念のもと、これまで提供してきた自動化やスキルレスといった「生産プロセス効率化」と、売上利益向上を支援する「付加価値創造」の両輪をさらに追求している。そして、より多用化するニーズに応え、印刷物を企画・発注する人々、印刷物の生産・物流に関わる人々、印刷物を利用する全ての人々に新しい印刷の世界を広げていく。

【問い合わせ先 】

コニカミノルタ AccurioDX 共創事務局:https://accuriodx.konicaminolta.com/contact

 

2022.07.04

◆富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ   代表取締役社長に山田周一郎氏が就任

 富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社は、6月30日に開かれた取締役会で、代表取締役社長に山田周一郎氏を選任した。辻 重紀氏(辻は一点しんにょう)は取締役会長に就任した。

  

    山田周一郎社長

経 歴

氏  名 : 山田周一郎(やまだしゅういちろう)
生年月日 : 昭和41年8月31日 生

出 身 地 : 兵庫県

現 住 所 : 東京都在住

最終学歴 : 平成2年3月関西学院大学経済学部卒

職    歴: 平成2年4月富士写真フイルム株式会社入社

     平成15年4月富士フイルムグラフィックシステムズ株式会社(出向)
                  平成18年2
月グラフィックシステム事業部マネージャー
                  平成20年2月富士星光印刷機材(上海)有限公司(出向)
                  平成22年6
月富士フイルム(中国)投資有限公司

                  平成24年10月富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社(移籍/
                      中国在籍中)

                  平成25年7月メディカルシステム事業部マネージャー(再入社)

                  平成28年10月メディカルシステム事業部統括マネージャー

                  令和2年1月グラフィックコミュニケーション事業部統括マネージャー

                  令和4年4月富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社(移籍)

                     執行役員取締役会室室長

                  令和4年6月代表取締役社長就任

                  現在に至る

新役員は次のとおり。
取締役会長・執行役員 辻 重紀氏
代表取締役社長・執行役員 山田 周一郎氏
取締役・常務執行役員    安田 庄司氏
取締役 浜 直樹氏(非常勤)
取締役 下坂 裕昭氏(非常勤)
監査役 伊村 直也氏(非常勤)
専務執行役員 河合 久仁浩氏
常務執行役員 藤嶋 克則氏
常務執行役員 柳川 尚氏
執行役員 公盛 茂氏
執行役員 増井 龍太氏
執行役員 西川 博史氏
執行役員 前田 弘毅氏
執行役員 鬼山 信夫氏


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